Machinery Gear Armies   作:ナイン(あかいろのすがた)

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集団戦と新武装。

 

ゲーム開始から5日目。既にキルスコアが100を超えた彼は、また新たなエリアへ来ていた。

 

地雷原となっているこのエリアでは、脅威である地雷を回収することが主な目的となっている。そのための作業用ブレードは当然購入済みだ。

 

同時に買っておいた地雷を発見するための足元サブカメラの画像を見ながら進む。地雷探知機は高かったので買わなかった。

 

「これか……?」

 

若干盛り上がった地面の前でしゃがみ、ゆっくりと土を避けていく。すると地雷の表面が現れたので、衝撃を加えないように横に作業用の穴を開けていく。

 

地雷の種類を確かめ作業用ブレードを構え、起動部分を一息に貫けば作業は終了だ。停止した地雷をインベントリに収納する。

 

まだまだ資金は不足しているが、今までの作業の結果、機体や武装を改修し性能を向上させることができた。次は新武装を買おうと考えている。

 

そのためにも金策を頑張らなければと決意しエリアを進む。15個目の地雷を回収したところで、こちらに近づく複数の反応をレーダーが捉えた。

 

「この感じだと敵意は無いのか?」

 

反応達は歩いて近づいているようで、不意を突くなどの意図は感じない。反応の方へ向き直り警戒する。

 

「こんにちは。キミも初心者かい?」

 

通信ではなく音声で話しかけてきた先頭の機体は武器すら持っていない。コックピット内のボタンを押し、こちらも音声で返事する。

 

「……そうだ。要件は?」

 

悪質なプレイヤーに出会ったのは初日だけではない。あれから5人のプレイヤーを返り討ちにし資金へと変えてきた。こちらを騙そうとしてきた者もおり、少年は初心者がカモ扱いされている事実をなんとなく察している。

 

「いや、1人で地雷を集めるのは大変じゃないかと思ってね。初心者狩りなんて奴らもここらには要るんだ。協力しないか?」

 

「協力……?」

 

初めての経験だった。よく考えれば、チュートリアルの最後のボスを倒している少年だから多少のスペック差も無視し初心者狩りを返り討ちにできるのであり、普通はやられるだろう。

 

よく見れば後ろの機体達の武装はこちらとほぼ同じ、つまり初期装備だ。本来は一ヶ月前に2次応募の当選者はプレイできたはずなのに。

 

よって彼らは────

 

(初心者狩りに狩られた人達、か)

 

一文無し同然になってしまったのなら、町で集められる僅かな素材だけで資金を貯めねばならない。それにはかなりの時間がかかるだろう。

 

「俺達はクランを組んでるんだ。上のプレイヤー達から救済が来る前からね。実力派とは言えないけど、これまでにあいつらを追い払ったこともある。助けになれると思うんだ」

 

よく複数の機体を購入できたものだと感心していると、言葉と共にメニューが出てきた。パーティーに入りますかと書かれており、目の前のリーダーらしき人物が送ったようだ。

 

はっきり言って、彼にこの提案のメリットはほとんどない。頭数が増えれば稼ぎは減るし、初心者狩りに至ってはたまに出る宝箱くらいの扱いだ。

 

「分かった。パーティーには入ろう」

 

しかし彼はほんの少しの、集団行動を経験できるというメリットを取った。金策は急いでいる訳ではないし、これから先誰かと肩を並べて戦うこともある。その時素人丸出しの動きで足を引っ張りたくない。

 

ゆえにYESを押しパーティーに加入する。すると他のパーティーメンバーの名前と座標が表示された。

 

「ありがとう。初心者同士、力を合わせていこう」

 

「……ああ」

 

(初心者狩りを追い払った、なら多分……)

 

考え事をしながら返事をする。いざとなったら自分が一番前に出るべきだ。覚悟を決めてパーティーの後ろについていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パーティーを組んでから約1時間。地雷回収は順調そのものであった。作業中は味方が周囲を警戒してくれるし、エネミーが来ても遠くへ連れて行ってくれる。

 

実力は低いと言っていたが、徹底的に数的優位を維持しながらの戦闘には安定感があった。エネルギー武装だけを使っていたので、節約も意識しているのだろう。

 

だが効率はかなり悪化している。パーティーに入ってからの時間効率は一人の時の3分の1くらいだ。

 

『どうだい?とてもスムーズだろう』

 

通信で自慢げに告げるリーダーに苦笑いを返す。彼は紛れもなく善人で、親切心からこちらをパーティーに誘ってくれた。そんな人に失礼なことを直球で言わないくらいの礼儀を少年は持っていた。

 

『皆気をつけて!東から敵が来る!』

 

のどかな雰囲気が引き締まる。警告してくれた女性のMGAのレーダーはパーティー唯一の高性能品で、索敵距離が他より広い。

 

東を見れば確かに小さな敵影が見える。それも複数だ。

 

「まさか、初心者狩りが集団を組んで……!?」

 

リーダーは驚愕しているが、別に不思議なことではない。そもそも初心者狩りとはマトモとは呼べない稼ぎ方だ。それをやってしまったのなら他の手段を躊躇うことなどないだろう。狩りが失敗したのなら尚更だ。かと言って本当にそこまでやるとは思わなかったが。

 

「俺が前に出ます」

 

『えっ……!?おい、待て!』

 

短く言い通信を一旦切る。彼らでは恐らく対処しきれない。集団戦の経験はひとまず多対1のもので満足しておくとしよう。

 

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