Cursed Dungeon ~ダンウィッチの秘密~ 作:裃 左右
楽しんでいただけたら幸いです。また、この作品はAIノベリストを使用しています。
ダンウィッチは、かつて漁業や海運によって栄え、周辺地域の主要な商業中心地だった。
一時、ダンウィッチは繁栄を極め、多くの人々がこの地に移り住むようになった。町は、港や商業施設、住宅、教会、学校などの建設が進み、人々はそれぞれの職業に従事しながら、幸せな暮らしを送ってた。
だが、それも過去の話となったようだった。
土地を治めるダンウィッチの一族は次々と奇怪な死を遂げ、ダンウィッチ領主であるアウグスト・ダンウィッチは、ピストル自殺をした。
それは国中でも知れ渡ることになった。
ダンウィッチはもはや呪われた土地となり、異形の怪物と悪党、邪悪な魔術師達が蠢いているのだと。
欲望を満たす呪われた財宝に溢れるダンジョンが誕生し、ならず者や冒険者たちが集う、無法地帯であると。
修道院に暮らす、クラリス・ダンウィッチは幼少期を過ごした自らの故郷に思いをはせた。
16歳の少女である彼女は、もはや己の思い出である光景が失われてしまったことを、噂と共に察することとなった。
悩ましき日々を送る彼女のもとに、由緒正しいダンウィッチ家の刻印がなされた手紙が届いたのは、それから間もなくのことだった。
手紙を受け取った瞬間、彼女の心は混乱と不安でいっぱいになった。
その手紙はこういったものだった。
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一族の末裔、クラリス・ダンウィッチに送る。
儂の誇るダンウィッチ家は、すでに崩壊した。
そなたは、この高貴な由緒ある邸宅を覚えておるだろうか?
そなたが、わずかな幼少期を過ごしたあの邸宅じゃ。あのダンウィッチを一望できる遥か高き丘の上から、荒々しい草原を誇らしげに見下ろす素晴らしい邸宅じゃ。
儂は生涯をそこで過ごし、堕落と贅沢に満ちた生活をしながら、邸宅に住んでいたが、常套的な浪費には飽き飽きしていた。
実はあの邸宅には、信じがたいほど強力な力の入り口があるという奇妙な噂があった。
ダンウィッチ家当主である儂には、それがある程度、信憑性のある話であるであることは、先祖の文献から察しがついていた。
儂は、過去の遺物や儀式を含め、あらゆる手段を試したが、結局のところ、その隠された秘密を暴き出すことはできんかった。
最終的に、一族の遺産の残り全てを費やし、毛皮の生えた獣人の男たちを雇い、頑丈なシャベルやツルハシを持たせた。力づくでその秘密を暴くことにした。
そして、邸宅の基礎の下、塩のついた岩の中に、呪われた入り口と古代の悪があることを発見した。
我らは、一歩一歩と、古代の地に足を踏み入れていったが、それは常識を逸脱した場所であった!
儂は名状しがたき恐ろしいものと遭遇した。儂は伴っていたすべての者たちを見捨て、暗くて生命のない道をたどり、あの古代の廃墟で自らの足跡を辿りながら、笑い、泣き叫びながら、再び邸宅の外に這う這うの体で戻り、意識を失った。
あの高貴な由緒ある邸宅を覚えているかのう?素晴らしい邸宅だった。だが、そこには憎悪が宿っていた。
そなたがダンウィッチ家を継ぐのであれば、我ら一族の土地を強欲で執念に満ちた“カースドダンジョン”から救ってほしい。我らは、そなたが旧街道を通り、ダンウィッチに戻ることを望んでおる。
旧街道は腐った辺境の沼地を通り抜ける曲がりくねった厄介な道じゃ。前方には恐怖しかなく、さらに陰険な場所が待ち受けている。今や旧街道は病気が潜む起伏に富んだ場所であり、その周辺には奇妙な生き物たちがうろついている。夜には骸骨共の踊り場となるぞ。
しかし、我ら一族の運命はそなたに託されておる。儂の過ちを繰り返さぬよう、一族の古き邸宅を取り戻し、土地に新たな命を吹き込んでほしいのじゃ。
そなたが我ら一族の土地を救うためには、勇気と知識、そして強さが必要じゃろう。
カースドダンジョンは、そなたが想像する以上に恐ろしいものである。そこには、人間が想像することのできない邪悪な存在が生きており、それが周囲の地域に蔓延する恐ろしい力を持っているのだ。
我々一族は、その力に抗うことができず、家族も友人も、あらゆる人々を失った。そして、儂も、カースドダンジョンの恐ろしさがこの身に降りかかっておる。もはや、なにが現実でそうでないのか、区別がつかなくなりつつある。儂が己が己であるうちに、この命を絶とうと思う。
つまるところ、そなたがこの手紙を受け取った頃には、我々はもうこの世にはいないのだ。だが、我々の魂は、ダンウィッチの地に宿っている。そして、そなたが我々の遺産を守り、ダンウィッチの地を再び栄えさせることができれば、我々と祖先の魂は安らかに眠ることができるだろう。
そなたには、儂たちの救世主としての責務がある。そなたがこの手紙を読んでいるということは、儂たちの望みが成就することを信じたい。
我々の土地を救うためには、カースドダンジョンの呪いを解くことが必要である。そのためには、古代の知識と強力な力が必要とされるだろう。
そなたには、ダンウィッチ家の血筋が宿っており、古代の知識を持っていると信じている。そして、それがカースドダンジョンの呪いを解くための鍵となることを期待している。
儂はそなたがダンウィッチに戻ることを望んでいる。そして、儂の遺志を引き継いで、カースドダンジョンの呪いを解くことを祈っている。
これが儂からそなたに送る、最後の言葉じゃ。我々一族の運命を、そなたに託す。
ダンウィッチ領主 アウグスト・ダンウィッチ
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クラリス・ダンウィッチは、修道院の一室で手紙を読み終えた後、呆然自失となった。言葉が見つからなかった。
故郷を地獄のような世界に変えたのは、土地を治めるべき己の一族であったのだ。
手紙には、領主アウグスト・ダンウィッチの恐ろしい物語が描かれており、それが彼女の生活を変える可能性があることを感じていた。
クラリスは、手紙の中に書かれた異常な出来事と、それがどのように彼女の人生に影響を与えるのかを理解できなかったため、彼女は混乱していた。手紙の言葉が生き生きと蘇り、彼女の頭の中で繰り返される。恐怖と興奮が混在した感情を感じていたが、同時に、この手紙が彼女にとって未知の世界を開く可能性があることにも気づいていた。
クラリスは手紙を読んだ後、自分自身に問いかけた。「私はどうするべきなのだろう?」とクラリスは心の中で葛藤した。彼女が選ぶ道は、彼女自身と彼女の祖先の運命を決めるものになることは明らかだった。
(でも、わたしはダンウィッチ家の人間として、責任を果たさないとけないわ。 ダンウィッチの村人達を見捨てるわけにはいかない)
やがて、クラリスは静かに立ち上がった。手紙を握りしめ、彼女の表情は深刻なものだった。
クラリスは、ほぼ追放されたに等しい身の上だった。血族の末端中の末端。
ダンウィッチ家は大きく二つに別たれていた。栄華を極めんとし富と権力を握った一族と、それに反対し古き伝統を守らんとし権力を失った一族。クラリスは、そのうちの後者の出だった。故に後ろ盾はなく、ダンウィッチ家の名を名乗ることのみが許されているようなありさまだった。それでもなお、ダンウィッチ家としての責任感を迷わず背負った。それがクラリスと言う少女の在り方だった。
彼女は心の中で、祖母から教わった魔法の知識を思い出しながら、どうやってダンウィッチの地に戻るかを考えた。
(旅の準備が必要よね。 でも、どうしたらいいのかしら?)
まず、クラリスは今持っているものを整理した。彼女の衣服や財布は修道院での暮らしに適したものであり、道具や材料はほとんどなかった。しかし、彼女は魔法を行使するための宝石やアイテム、そして本があることを確認した。
旅の準備を始めた。クラリスは黒いローブに身を包み、ベールで顔を覆った。修道院で使用していたベッドシーツを切り取り、バッグを作った。裁縫道具、ハサミ、ロープ、そしてダガーを詰め込んだ。彼女は、旅に必要な道具を可能な限りかき集めた。
最後に、出発前にクラリスは修道院の庭を散歩した。世話をしていた花々や植物たちが彼女を出迎えてくれた。彼女は家族やダンウィッチの地での幸せな思い出を思い出した。できれば、彼女は散り散りに離れてしまった家族と再び暮らせることを願い、クラリスは修道院の人々に別れを告げた。
年老いた修道院長は、クラリスになけなしのわずかな金銭を渡した。
「クラリスよ、これを足しにしなさい。 ダンウィッチまでは駅馬車を使うと良いでしょう。 ただ、護衛として冒険者を雇いなさい。 不足分はダンウィッチに着いた際に支払うと約束するのです。 聖騎士(パラディン)のレイナルドならば、紹介することができます。 あと、二人程度いれば、道中の安全は確保できるでしょう。 うまくすれば、現地での戦いにも協力してくれるかもしれません」
レイナルドは、鎧とフルフェイスを纏った騎士だった。彼は、クラリスを守ることを約束した。その上で彼は二人の人物が協力してくれる可能性があると話す。
「私は、ある理由で放浪の身となり、冒険者となりました。 よく一緒に冒険するのは、元追いはぎのディスマス、異形狩りを生業にするケイオスです。 ディスマスは即物的な男ですが、略奪の際に女子供を傷つけてしまった過去から、貴女を傷つけることはないでしょう。 ケイオスは、呪われた地に興味を示すかもしれません、ケイオスは怪物を狩ることに執着していますから」とクラリスが危険な地に赴くことに、気が進まない様子ながらも、そう提案した。
「わかったわ。 レイナルドさん、あなたの言う通りにします。 わたしを守ってください」
クラリスは修道院長の助言に従い、レイナルドを護衛に雇うことに決めた。
レイナルドは、クラリスを守ることを真剣に考えて都度助言してくれた。「クラリス様、今はあまり情勢がよくないのです。 町中でも治安が悪い。私から離れないようにしてください」と言いながらも、レイナルドはクラリスに別の誰かの面影を見ているようなそぶりを見せた。
クラリスは、レイナルドが紹介してくれた冒険者たちと出会った。
クラリスはレイナルドについて、そして彼が紹介したディスマスについて、ある程度の情報を聞かされていた。しかし、実際に彼と出会ってみると、彼の見た目や態度にはある種の荒々しさがあり、クラリスを若干不安にさせた。
ディスマスは、身長が高く筋肉質な体つきで、口元をマスクで隠しているが髭を生やしているようだった。ディスマスの目は鋭く、クラリスは緊張して思わず彼の目を避けた。
クラリスは、ディスマスの冷静さや適応力について聞いていたが、彼の怖さを目の当たりにした瞬間、本当に頼りになるのか疑問を持った。
「お前がレイナルドの友達か? ああ、そうか。まあ、レイナルドがお嬢ちゃんを守れと言っているなら、そうするさ」と、ディスマスは口数が少ないが、優しげな微笑みを見せた。
「よ、よろしくお願いします。 ディスマスさん」
「ああ、よろしく頼むぜ。 名前は知ってるみたいだが、俺はディスマス、冒険者の中でも探索者(シーカー)を生業にしている。 報酬は貰えるんだろ? 前金はちと足りないが」
「……これでも、ダンウィッチ家の当主ですので、現地に着けばもう少し用意できるかと」
「ならいいさ。 まっ、仲良くやろうや」
クラリスは彼の話し方や表情に少し安心し、彼が彼女を傷つけることはないだろうと確信した。それでも、彼の荒々しさは少し心配だった。
客観的に見て、ディスマスは、荒々しい外見とは裏腹に、クラリスに対しては礼儀正しい態度を見せた。修道院育ちのクラリスからしてみれば、粗野に過ぎたが。
クラリスは、レイナルドとディスマスとともに、街の中央広場で待ち合わせをしていた。やがて、ケイオスという男が現れた。
ケイオスは、長い髪を一つに結んでおり、青い目をしていた。彼はひょろっとした印象の長身な男でロビンフットハットとマスクで顔を隠し、インバネスコートを纏っていた。背中には大きな剣と特殊な形状の銃(異形狩りの散弾銃)を背負っていた。腰にはノコギリ鉈がぶら下がっている。クラリスは、その姿に圧倒されながらも、勇気を振り絞って声をかけた。
「あなたがケイオスさんですか? 私たちは、レイナルドさんに紹介されて、共にダンウィッチに冒険をすることになった仲間です」
ケイオスは、無表情なまま、クラリスたちに近づいてきた。彼女たちは、ケイオスの視線に圧倒され、何も言えなかった。
「……貴方達は、弱々しいな。」ケイオスは、クラリスたちを睨みつけた。
レイナルドは、ケイオスを窘めた。「ケイオス。 クラリス様は、ダンウィッチを救うために依頼に来られたのです。 私達は、互いに協力しなければならない、わかるな?」
レイナルドの言葉に、ケイオスはしばらく沈黙を保った。やがて、彼は言葉を発した。
「わかった。 僕もこの地を守るために戦う。だが、誤解するな。僕は、あくまで自分の目的のために戦う」
ケイオスの冷たい言葉に、クラリスは少し不安になったが、彼が味方であることは確かだった。彼らは、聖騎士レイナルドをリーダーとして、協力して旅を続けることに決めた。
ケイオスは、常に怪物のことばかり考えており、クラリスを見ても興味を示さなかったが、指示に対しては従順だった。
馬車駅にダンウィッチ行きの馬車が到着すると、クラリス達は乗り込んだ。雲行きは怪しく、風が強い。雨が降りそうだった。
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