篠目歩は相談役である   作:チョコーン

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導入部分の投稿に約3ヶ月ってウッソだろお前。


橙百合の章 上

さて、先ずは何処から語れば良いのだろう。

 

初日?それとも一ヶ月後?……いやいや、まだこの物語をちゃんと知らない人も多い筈だ。

 

ここは王道に、導入部分から語っていくとしよう。

 

最初の章、僕が彼女達に出会い、この世界からの脱出への引き金が数ミリ引かれた幸な出会い。

 

ただ、この出会いが本当に幸だったのかは、当時の僕でも、今の僕でも知るすべはないだろう。

 

けれど、彼女達にとっては運命な出会いだったのではないのだろうか、……それも、僕には分からない。

 

分からない、そう、今回の僕は分からないに溢れた語り役なんだ。

 

本来はいるべきでないとこに入れられた外来品、それが引き起こしてしまった少しばかりの大事故。

 

 

―――その一幕を語ろうじゃないか。

 

 

 

 

メタい事を言うが、原作と違う部分があったりするけれど、あたたか~い目で見てね。

 

 

 

-_-_-_-_-_-_-_

 

 

 

この世界に来て三日目、何も進展がない。

それどころか、普通に中学生活が充実しかけている。

若干僕等の世界とは教え方が違う点はあるけれど、まぁまぁ、そこら辺はそんなに気にすることはないさ。

充実も充実、それどころか暇まで来ている程だ。

 

そんな僕だが、今は少し寝ぼけている。少し瞑想してしまった。

寝ぼけ眼で意識を起こす、いくら異世界でも、ちゃんとした生活はしなきゃだよな。ゆっくりしてる暇は無い。

さぁ、意識を起こそう、そして何とかして脱出口を……。

 

 

「……何処ここ?」

 

あれ?僕まだ寝ぼけてるのかな?何だこのカラフルな風邪引いた時見るような夢のような場所は?何か辺りに木の根っこみたいなのがあるし…あれか?樹海ってヤツ?こんな感じなのか樹海ってカラフルだなぁ、脳がバグりそうだ。

 

こんな時は語るが一番、メンタルを回復しないとどうもやってけない。元々ただのしがない一般人(諸説あり)なんだぞ、あの野郎(カス人形)に会うまではクール系気取りのイタイやつだったんだから、これくらいの事をしないと異世界転生や相談役なんてやってるだけで気が狂うわ。

 

一先ず、僕は、この樹海の周りを歩き回る事にした。が、いくら歩いても景色は変わらず、何処かで同じ道を歩いているんじゃないかと感じる程であった。

 

―――ある一点の光景を見るまでは。

 

「……ん?何だありゃ?」

 

目を凝らし、遠くを見る。そこには、明らかにこの世の者とは思えない程の異型な存在がゆっくり、ゆっくりとこちらへと向かっていた。

 

「あれは…?『■■』か?嫌…でもこの世界は異世界だし、あいつらが存在することなんて…」

 

ちょっと待て、僕は今なんて言った?確かに、■■って…?

 

「…僕の世界での言葉が口に出せない…!?」

 

試しに、この言葉に関連した単語を言う。結果、全滅。この世界に来た時に気付くべきだった。…でも、戦えない訳ではない。あれがどんな存在なのかは分からないが、僕にはこのグローブがある(奴らを倒す為のものである為、ここで使えるかどうかは分からないけれど)備えあれば憂いなしだ。単にポケットに入れたままなだけだが。

 

「兎に角、近づいてみるか…」

 

一歩一歩、気付かれないように歩く。多少草を踏んで音を鳴る事はあるが、あの高さだ。聞こえはしないだろう。(これで聞こえてたら恐ろしいわ)

にしてもあの見た目、見れば見るほど見つかればヤバいことが分かる。何だあの見た目?怖いなぁ…触手うねうねしてるし、ほら何か下腹部開いて何か出て…。

 

 

「…何か出てね?」

 

突然、バケモノの下腹部から小型の何かが発射される。まるで獲物を見つけたかのように、ある一点の場所に向かって一斉に射撃した。あそこに誰かいるのか…?見た感じこの空間には人の気配が無かった。(まぁ僕が気付かなかっただけだろうけど)でも、あいつは上空から狙って、小型の何かを発射した。つまりあいつらにとって害になる、または狩りの対象があの一点にいるという事だ。嬉しくはないが、ヤツはまだ僕の事に気付いていない。この木の枝に登ってヤツに近づくとしよう。まーあの下腹部からの攻撃と触手以外は何も持ってなさそうだし、後ろ、又は横から行けば倒せ―――。

 

 

ドカーンという音と共に、僕の意識は消えた。

 

 

 

 

-_-_-_-_-_-_-_

 

 

――アタシの名前は『犬吠埼 風』。讃州中学三年生、勇者部部長。

 

―――そして、『勇者』。

本来、こんな事にはならなかった筈なのに、アタシだって他の『勇者候補』が選ばれるだろうと思ってた。適性も低かったからそうそう選ばれる事はないだろうって自分で自分に言い聞かせていた。

 

――けれど、選ばれてしまった。

 

アタシのせいで今、今日まで何も知らない三人を巻き込んでしまった。

罪悪感、それがアタシの心を渦巻く。

 

…けれど、だからといって諦めたわけじゃない。ここで私が止まれば、三人を…樹を守れない。

 

第一に、あいつら…『バーテックス』が神樹様に近付けば世界は終わる。だから、勇者に選ばれたからには、私はあいつらと戦う。

 

樹だって覚悟を決めた。だからアタシも――!

 

バーテックスが放つ小型の爆弾を大剣で打ち落とす。あの爆弾を一個でも逃せば、友奈達が危ない。樹も同じ様にワイヤーで打ち落としていく。……よし、このまま行けばあのバーテックスを…って、あれ?

 

「…あそこ、何で黒焦げに…?」

 

あのバーテックスが放った小型爆弾の跡…?でも何で?この結界にはアタシ達勇者に選ばれたモノしか動けない筈なのに…?無意味に放った?いや…ない。あいつらがそんな行動をするなんて思わない。まるで機械の様に、アタシ達への攻撃と、神樹に近付く以外にプログラムされてないはず…?弾の軌道がズレてここに直撃した。…いや、ここからアタシ達のいた場所は遠すぎる。それに何か…人がいたような痕跡が辺りに…足跡だってある。一体誰が―――。

 

「お姉ちゃん、危ない!避けて!」

「えっ!?」

 

しまった…!ここに気を取られてヤツの行動を見てなかった。小型爆弾がアタシに向って発射される。マズイ、近くの木の枝までは少し距離が遠い。このままじゃ皆が…樹が…!

 

「お姉ちゃん―――!」

 

アタシはバーテックスの攻撃を直接喰らって…ってあれ?喰らってない?何で?それにここは…。

 

「あっぶねぇぇぇ…あと少しで直撃してたぞ…」

「へ…?は…?」

どっどういう事?何でアタシ生きてんの?それに誰かにお姫様抱っこされてるし…?えっホントに誰?

 

「大丈夫だったか?たく…あの怪物何なんだよ…人がまだモノローグを終了してないってのに攻撃しやがって…僕じゃなきゃ死んでたぞ」

「えっえっと…アンタ誰?」

 

 

アタシを救ってくれたヤツがアタシを地面(木の枝)に降ろす。え…一体どういう事?何でアタシ達『勇者』以外の人間がこの結界にいるの?それにアタシみたいに何の装備もナシに…いったい何者?

 

「…ん?その見た目…お前まさか■■■■か?ってこの言葉も言えねぇのかよ…割と一般的な言葉だと思うけどなぁ…」

 

さっきから何を言ってるの…?何でこんな状況下で緊張感のない雰囲気出してんのよ…てかホントに誰!?

 

「お姉ちゃんっ!!大っ丈夫…?」

「樹…大丈夫、アタシは平気だけど…」

「あの…貴方は…?」

「あぁ…僕の名前は…って前前!?」

「え?ちょっ!?ウギャァァァ!?」

 

そっそうだ…!彼に気を取られててバーテックスの事をすっかり忘れてた!アイツの攻撃…近距離でも遠距離でも厄介ね…!

 

「クソ…!なぁ二人共!自己紹介は後でも良いか!?今はアイツを倒す事を考えるぞ!」

「倒すって…戦えるの!?」

「えっいや…まぁ…多分」

「お姉ちゃん、この人の言う通りだよ!早くしないと友奈さん達が…!」

「…そうね、二人共ついて来て!」

 

――一先ず、アタシ達はあのバーテックスを倒す為、見知らぬ彼と共に戦う事にした。…みた感じ、友奈と東郷と同じ二年生…?てか髪白…てか普通に木の枝ピョンピョン飛んでる!?

 

「…ッ!二人共!またアイツあの爆弾放つ気だぞ!」

彼の忠告通り、あのバーテックスはまた小型爆弾を放出した。何とかアタシ達もさっきと同様打ち落としていき、彼も足場を何度も何度も移りながら、バーテックスの攻撃を避けきれていなかった。

「ぜっ全弾直撃してる……してる筈なのになんで無傷!?」

 

「死にかけた!怖い!」

あれ当たってたよね…?本当に何者なの…。

 

「アイツさっきより攻撃が荒くなってやがる…追い詰められて焦ってる…って感じもしないな」

「…」

「なぁ一つ聞きたいだが、ここにいるのって本当にキミら二人だけなのか?あいつ…何度か爆弾を遠くに撃ってたんだが…」

 

…マズイ、このままじゃ友奈達が狙われるのも時間の問題みたい…とはいってもアタシらはここを離れられない…けど。  

 

「…ねぇ、一つ頼める?」

「え?」

「…あっちにアタシ達の仲間がいるの、だから――」

「そうか、分かった。守れって事だよな」

「…察しがいいね。じゃあ任せた!」

「あぁ!」

そう言うと彼は友奈達のいる方向へ一直線に進んで行った。…大丈夫、もしかしたらこれで二人の安全は確保されるハズなんだ。ならアタシはその安全をより高める…!

 

 

 

 

 

-_-_-_-_-_-_-_

 

その後の経緯、というかこうやって語った方が分かりやすい程の事だ。

さっきの奴を追いかけて一撃食らわそうとしたら、■■■■みたいな格好をした少女に助けられた。

まぁ、グローブで攻撃しようとした癖に外して無駄に腕折ってやられそうになったら助けられるわ。その際に隣いた少女……『東郷美森』と共に彼女、『結城友奈』に助けられたのだった。

無様だなぁ。

「あっキミ!大丈夫!?」

「あーうん…平気平気…二人も大丈夫か?」

「うん、大丈夫!」

「あの…貴方確か同じクラスの篠目君よね?どうしてここに…」

「…あーえっと…」

理由に時間が掛ったが、そんな時間は直ぐに終わった。真後ろにいるバケモノは、友奈が放った一撃を食らっても尚、再生し、また僕等に襲いかかろうとしていた。

「ゲッ!?早ぁ!?」

「そんな…治ってる…?」

と、僕等が驚いている最中、先程出会った二人が僕の目に映った。

「友奈、東郷…!無事!?」

「あのー俺のしんぱ」

「バーテックスはいくら攻撃しても回復するから、封印の儀式っていう…」

…あー僕完全に頭数に入れられてないなコレ。

「あの…風先輩、何で篠目君はこの結界の中にいるんです?」

「え?二人の知り合いだったの?」

「同じクラスの子で…ねぇ篠目君、どうして神樹様の結界の中で動けてるの?」

「…神樹?結界?」

…何一つも理解してないのである。

「…えっと、もしかしてホントに何も知らないの?」

「はい!篠目歩14歳!何も知らぬ未熟者です!」

「見栄を張らない!」

「(´・ω・`)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――今思えば、この出会いが無かったら。

 

―――私達は、彼に出会えなかった。

 

―――ほんの偶然の出会い。

 

―――思いがけない出会い。

 

 

 

それでも。

 

それでも。

 

それでも。

 

それでも。

 

 

 

彼と出会えた事は、きっと偶然じゃないはず。

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