篠目歩は相談役である   作:チョコーン

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導入部分に何ヶ月かけてんじゃい!!



あっそうだ(唐突)今回からオリキャラ(歩君の方のキャラ)や場所が出てきます。




橙百合の章 下

「…ということ!分かった?」

「えぇ分かりました、つまりコイツ等はかなり面倒くさいって事ですね?」

「…まぁ、そうね」

 

無知の無知で無知無知である僕に対し、彼女、『犬吠埼 風』は分かりやすく今の現状やあのバケモノ――――バーテックスについて、そして彼女等勇者についての事を説明してくれた。

ヴァルゴ・バーテックス。それがアイツの名前だった。

 

「まぁとにかく…封印の儀式をしなかったら何度でも回復するの、だから―――!今からその手順を説明するから必ず避ける!」

「あの攻撃思った以上に面倒くさいな!?」

 

あの遠距離野郎の弾が切れることはあるのだろうか?僕はそう考えた。…てか、勇者部の皆様方は大丈夫だけど、僕は生身も生身だから足手まといすぎないか?

 

「篠目君大丈夫!?無理しなくて良いからね!」

「あっあぁ…大丈夫だ、えと…結城さん」

「友奈でいいよ!」

 

僕と共に行動していた友奈が僕を心配してくれた。…その上名前呼びで良いと呼ばれた。何で一緒に行動してるの?と思うかもしれないが、あの部長さんが同じクラスの女の子守れなくて何が男よ!とか言ってきたからだ。最近は問題になるぞそれ。

 

と、その時、友奈の持つ端末から着信音が鳴った。

 

「あっ篠目君!封印の儀式の手順届いたよ!」

「ホントか!?どれどれ…?…その1は相手を囲む?」 

「その2は敵を抑え込む為の祝詞を唱える…」

「祝詞って何?」

「何だろうね?」

「後でしっかり説明するからー!」

 

…良く分からなかったが、まぁ実践あるのみだろう。言葉だけじゃ伝わらない時代だ。

 

「まぁとにかく囲めばいけるだろ!」

「うん!いっくよー!」

 

ヴァルゴの爆撃を避けながら距離を詰めていく。こうやって攻撃を避けるのは()()で慣れてる。まぁ全部直撃してるんだけどねクソがよ。

というか距離詰めれてもあの近距離攻撃が厄介過ぎる。何回腕もがれた事か。

 

(でも…あの攻撃、見切れば何とかなるな、見切れば)

 

それが出来ないからくらうのである。

 

開始3話でボロボロってどういう事よ。治るけど。

 

「位置に着きました!」

「こっちも…って大丈夫?アンタかなり攻撃受けてたけど…」

「ぶ…無事っス…」

「無事に見えませんけど…」

 

まぁ何はともあれ、全員配置につく事に成功した。

 

「よし!封印の儀いくわよ!」

 

言われた通り、友奈が祝詞の所を押す。

 

「えっ…何だこれ…?」

「えっと…」

 

友奈と樹が、祝詞を唱え――――。

 

「大人しくしろぉ!」

 

―――てたら風が大剣を叩きつけた。

 

「えぇ!?それでいいの!?」

「様は魂込めれば言葉は問わないって事よ」

「じゃあ何のためにあるんですか!?」

「まぁ何かで使うかもしれないし…攻撃が効かないタイプのだったり…」

「そんなぁ!早く言ってよぉ!?」

「樹ちゃん、こういう相手はね?殴ればオッケーの精神でいかなきゃだめなんだよ…」

「そっそうなんですか…?」

 

自分で言っといて何だが、んな訳ねーだろ。お前それで何回痛い目見てんだ。

 

なーんて思ってたらヴァルゴから何か飛び出て来た。

 

「な、何かデュロンとでたぁ!?」

「封印をすれば御霊がむき出しになる!あれを破壊すればアタシ達の勝ち!」

「はーん?成る程?」

「それなら、私が行きます!」

 

友奈が御霊に向かって飛ぶ。

 

「―――なら、僕も行くか」

 

僕も飛んだ。

 

「友奈!僕も攻撃する!同時にやればぶっ壊れるかもだぞ!」

 

「篠目君!…うん、分かった!(垂直に飛んでる…?)」

 

「「くらぇぇぇぇ!」」

 

僕の拳、そして友奈の拳が同時にヴァルゴの御霊に炸裂する。

 

「…かっ」

「硬ったぁい!これ固すぎるよ…って篠目君大丈夫!?」

「だっ大丈夫…大丈夫っス…ただちょっと手の骨が粉々になっただけです…」

「それ大丈夫じゃないよね!?」

 

…が、硬すぎて壊れなかった。それどころか僕に関してはグローブの反動+硬すぎてヒビが何時もより出来たので手の甲はもはや使い物にならない位粉々になった。

まぁこれくらい誤差よ誤差。

 

「お姉ちゃん…何か数字減ってない?」

「その数字は私達のパワー残量!ゼロになったら御霊を抑えきれなくなるから!」

「時間制限付き!?」

「ほぇぇ!?と、という事は!?」

「アイツが神樹様に辿り着き、全て終わる!」

 

 

そう言うと風は跳躍し、僕等の方へと向かってきた。

 

「友奈変わって!」

「はっはい!」

「歩は…頑張れ!」

「根性論!?てか僕今腕が―――」

 

あまりの出来事に脳も身体も追いつかず、それどころか普段僕が気にかけている事の一つ『目の前の事だけに集中しない』という事まで僕の今の状況に追いつけていなかった。

 

 

風の言葉にツッコミを言おうとした瞬間、何処かからヴァルゴのあのミサイルが僕に着弾した。

 

 

 

……残ってたんかい!!

 

「あっ歩―――!!」

「篠目君!!」

 

 

 

 

 

 

≫≫≫≫

 

 

その後の事は語ろうにもあまりにも僕が無様過ぎており、それでいて意識も朦朧していたから詳しい事は言えない。

 

簡潔に言えばあのあと、風の大剣でも壊せなかったヴァルゴの御霊を、友奈の勇者パンチで壊すことに成功した。

その際の僕?……樹に守ってもらっていました。

それで、御霊を破壊したことによりヴァルゴは砂になって消滅、これでようやく元の世界に……。

 

 

 

「……ここ何処だよ」

 

目を開けると、そこは学校では無く何かの建物の中……って。

 

「ここ『相談所』じゃねーか!!」

 

ここで、何だ相談所ってそっちだけで話進めんなという方に説明しよう。

相談所は僕が『相談役』としての仕事をする際の仕事場である。

にしても、まんまだな……、部屋の作りとか最近の配置のままだ。

……あぁ、そうだ。ここが相談所なら、あれもある筈。

 

「えっとここに確か……おっあったあった!」

僕は壁にかけていた刀を手に取る。これがあった方がアイツらと戦うときに楽だと思うしなぁ、持っておく分にはいいだろう。

 

でも、多分あいつはいないんだろうなぁ異世界だし。

仕方ない、頑張って僕一人でやっていくと――――。

 

「あら歩、帰ってたの?」 

「へ?」

 

声の聴こえた方へ顔を向けると、見覚えのある少女(少女か…?)が…?

 

「かっかかか枯羅統?」

「ん?何?どうかしたの?」

 

……そこにいたのは、間違いなく枯羅統だ。枯羅統ではあるんだけど……。

 

「……烏じゃねえか!!」

「えっ何?急にわたしの名前呼んで驚いてんの?」

「そうじゃ無くて鏡見ろお前!マジの烏になってるぞ!」

「は?……は?」

 

僕は近くに立てていた縦鏡に枯羅統を映した。それをみた彼女は、啞然と、今の自分の姿に自分の脳が追いついていない状態となった。

 

「……ナニコレ?」

「知らん……というか、お前もこの世界に来たってことは、僕どころか相談所自体がここに飛ばされたのか?」

「こっこの世界?アンタさっきから何言ってるの?」

 

自分の姿に納得がいかず焦る枯羅統、その喋り方に何時もの気怠さは感じなかった。

 

「あぁ、どうやら僕ら、寝てたら何時の間にか別の世界に飛ばされてたみたいなんだ、それでもう3日は経ってる」

 

と、簡潔に僕は伝えた。

 

「……は?じょっ冗談じゃないの!?久々に熟睡できると思ってたのよ!?夏休みなのにアンタらのせいで面倒くさい事に巻き込まれて、それから休む時間なんて無かったからグッスリ寝ようと思ったのに!!それなのに何よ!?今度は別世界!?ふざけんじゃないわよ!!しかも見た目もマジの烏になってるし!!」

 

……普段の彼女から感じられない早口に、僕は黙り込んでしまった。まぁ、よくよく考えたらあの二日間とこの三日間、合わせて五日も枯羅統はずっと活動していたな……。

寝ているとこなんて見てなかったし。

……まぁ僕はここにきてグッスリ寝たけど。

 

「落ち着けって、兎に角話を聞いてくれ!」

「……何よ、話って」

 

僕は、この三日間の事を枯羅統に話した。

神樹様の事、神世紀の事、僕等の世界に関する事が喋れなくなっている事(今思えば何で相談所や枯羅統については喋れるんだ?都合か?)、バーテックスの事、そして、『勇者』についてを事を。それを聞いて枯羅統は何を言っているのかさっぱりと、言う顔をしていた。

 

「……まぁ、下手したら僕等の世界より面倒くさいかもしれない」

「死にたい」

「死んでるだろお前」 

 

 

―――何て会話をしていると、相談所の扉から突然、"コンコン"と言う音が聞こえた。

それを聞くと枯羅統はヒッと言う声を出して二階まで行ってしまった。……初めて聞いたよお前のその声。

 

「はい?何ですか?」

 

返事をしてみると、扉の向こうから話し声が聞こえてきた。扉が外の音を拾いにくい為、何と言っているかは分からなかった。

しばらくすると扉が開き―――!?

 

「ゆっ友奈…!?」

「…篠目君?篠目君!!風先輩!篠目君見つけました!」

「へ!?ホントにいたぁ!?」

 

相談所を訪ねてきたのは、友奈たち『勇者部』の面々だった。

 

「良かったぁ!篠目君、元の世界に戻った時にいなかったから心配してたんだよ!?」

「クラスに戻っていな……篠目君、今までここにいたの?」

 

……今まで?クラスに戻ってきてない?

 

「……東郷、今何時だ?」

「え?……もう夕方の5時よ?」

 

へー5時、5時ね。

 

「5時!?」

 

何時間ここにいたんだよお前!?授業の殆どサボってんじゃねえか!!

 

「篠目君落ち着いて!大丈夫だよ!大赦って人達がフォロー入れてくれるみたいだし……」

「あーえっと……その事なんだけどさ。どうやらアタシらは元々大赦から情報が合ったから良かったんだけど……その、歩はイレギュラー中のイレギュラーでフォローが間に合わなかったみたい……住所とか割ろうとしても一つも出なかったみたい」

 

風が何か申し訳無さそうな顔で、僕にそう伝えた。(大赦って何?)

あれ?てことは僕は今日半日理由もなしにサボった事になった?

……明日がこわーい。

 

「まっ、気にしない気にしない!そんなことより……」

「……何ですか?」

 

 

 

そう言うと風は僕にある紙を差し出した。

何々?……入部届…け?

 

「アンタ、『勇者部』入らない?」

「へ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――とまぁ、これが導入部分についてだ。

途中僕の記憶が曖昧過ぎて上手くは語れなかったが、大方こんなもんだろう。

その後についてだが、僕は『勇者部』に入らないかと言う風の頼みを半ば強制的に了承し、(女の子四人に一斉に頼まれたら断れんて)僕は見事『勇者部』唯一の黒一点となったのだ。

それと、何故友奈達が僕がここにいるかも知れないと分かったのかを聞いてみると。

「え?だって篠目君の家って私達のご近所さんでしょ?いつも朝家から出てるの見たことあるよ?」

と、友奈が応えた。

それを聞いて僕は一度外に出てみると、そこは僕の家だった。(正確に言えばただのボロ家だったけれど)

どうやら何らかの原因で家が相談所になってしまったようだ。

……何で?

 

とまぁこんな感じで、僕と勇者部の馴れ初めはここまでにしよう。

 

そうだな……次はその翌日の話でもするとしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――貴方と出会えたこの日を、私達は何があろうと忘れない。

例え何処かへ消えようとも、私達はもうその手を二度と離さない。

 

 

貴方を何処へも連れて行かせない。




おまけ
枯羅統について。

枯羅統(からす)
枯れるの枯と羅生門の羅と統べる統で枯羅統。(ただの当て字)
歩君一人じゃクソザコナメクジどころの問題じゃ無かった為、仕方なく連れてこられた。
その為今回は精霊として登場。(そうしないと歩君何処で死ぬかわからないし……)

あっちの方のイメージを見てみると大人になった郡ちゃんと書いてありました。

因みにいつかやるかもしれないのわゆ編では今のところ郡ちゃんメインヒロインの構成となっています。
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