憑依者はスタイリッシュなマッドサイエンティスト 作:社畜戦士
明日からは一日一話を目標にいきます。
よしよし、アタシの言い包めロールが成功したわ。
何故か奴さんの正気度が下がってるようだけど、チョウリのPOW抵抗に対して決定的成功が出たようね。ならばヨシ!(現場猫)
会談の結果はアタシ的にすこぶる満足なモノになったわ。
チョウリは内務局職員として再雇用。シルバー人材は有効活用しないとね。
他にもチョウリに付き従って都落ちに同道していた生え抜きの精鋭部隊も纏めてお得にゲット。
日本人は昔からセール商法が大好きだから仕方ないね。古事記にもそう書いてある。
まあそいつらの武辺に限ってはアタシの洗脳木人形部隊には劣るだろうけど、其処は改造していけばいいだけの話よ。
やっぱり薬や改造を駆使するにしても、元々の素体の能力って大事な要素だし。
原作でエスデスのところの三馬鹿に鎧袖一触で蹴散らされたとはいえ、危険種程度なら狩れるだけの実力はあるのよ。
十把一絡げの兵卒の基準でいけば、普通に優秀な方ね。
“元”とはいえ大臣だった男の私兵として相応しいだけの実力を備えているの。
まあ原作での羅刹四鬼みたいなレベルのを大量に抱えているオネストが異常なだけで、文官の最高位である大臣の手勢としては分相応よね。
それはさておき、都落ち部隊には師団長レベルが揃っているって話だし、アタシ的にはそっちの方が嬉しいわ。
ウチの改造兵連中って能力こそあっても見敵必殺のキリングマシーンばっかなのよ。まあ消耗品だからそれでいいのかもしれないけども。
そういう連中は末端から下士官までなら何とかなっても、上級士官レベルになるとどうしても柔軟さが足りないじゃない。
OSが貧弱なのよねぇ。
……いや、そもそも木人形を幾らか汎用化させた再利用部隊だから仕方ないんだけど。
その代わりにランやセリュー、ボルスなんかの指揮官層は厚いわね。
……だけど、中間層がどうしても物足りないのよ。
まあ、ソレ用の調整を施せばいいだけなんだけど、今は使い捨ての効く一兵卒量産の方を優先しているのよね。
そして現行の製造ロットだと、経験を積むことで判断能力が養われるような教育型改造兵士を量産しているわ。
つまり、ある程度時間をかければそのあたりの問題は解決出来るのよ。
それじゃあますますそっちの方の生産には手が回らないじゃない。
製造ラインは今も120%でフル稼働中なんだから。
そもそも、アタシの麾下軍隊全体で見れば、初期ロットのレベリングしてある個体だけで部隊運用が可能なだけの兵員数しか持っていないものね。
あんまり上級士官の数を揃えすぎると大臣が煩いんだもの。
だからシカタナイの精神で許容しないと。
そしたらそれはさておき掘り出し物の扱いよ。
チョウリは内務局の暫定的な文官筆頭としてランの副官として補佐させましょう。
役職名は、事務次官って所かしら。
実質的な文官筆頭だけど、武官の統率も行う権限を与えているランの下だから、内務局としてはナンバースリーって所かしら。
その上がランとアタシね。
ちなみにチョウリがウチの文官筆頭となるなら、武官筆頭がボルスになるわ。役職は幕僚長。
彼は現場指揮官及び単体戦力として使うよりは、後方指揮官として使った方が能力的にも本人の性情的にも好ましいもの。
殲滅型帝具のルビカンテを後方で死蔵するのは確かに惜しいけど、ボルスの兵卒としての才覚って実はそこまでじゃあないのよね。寧ろ指揮官寄りの適性をしているわよ。
アレは後方でどっしり構えて指揮して、平時に練兵を行うのが一番適しているわ。
奥の手である『
それに、アタシのオリジナル帝具モドキである“神器”が既に量産済みなのよね。
ボルスの直率部隊として焼却部隊をそのまま吸収して、幾らかグレードアップを施した新設【焼却戦隊】を付けてあるし、当然彼らにはソレを配備済みよ。
火の神器【“火砕携砲”バルバリシア】。
ボルスのルビカンテを雛形に、アタシの方で魔術的な試みをいくつも盛り込んだ意欲作になっているわ。
基本的には【“煉獄招致”ルビカンテ】を汎用化して高性能化させたブツよ。
MSで言う所のジムキャノンがルビカンテなら、ジェガンがバルバリシアね。世代ェ……。
最大の特徴として、氷結系神族の天敵、【“フサッグァ”の先触れ】を概念置換した火の魔力結晶を使用。
一説ではクトゥグァを束ねる種族ともされているフサッグァだけど、クトゥルフ原典でも正確な記述は確認されず曖昧な存在になっているわね。
そしてその曖昧な状態を概念として利用した事で、此の神器が放つのは
ルビカンテの“消えない炎”を魔術的に再現する為に拘った部分よ。
現実と空想の狭間にあるが故に現実にも空想にも影響を受けるし、選択的に影響力を発揮可能。
その結果、『物理的な手段では消せないし、魔術的にもそう簡単には消火出来ない炎』を吐き出すようになったわ。
もし帝具の中に『影を使った“零と一に囚われない”虚数の能力』を発揮出来るモノが有ればワンチャンあるだろうけど……その場合でも、文字通り『マイナスの海』でも呼び出さないと熱量的に呑み込めないわよ。
まあ神器の性能云々は兎も角、此れで帝具並みの武具を揃えた直率部隊を用意出来たワケで。
一応一般的な指揮統率も実地で学ばせたおかげで、今のボルスはそこそこ歴戦の指揮官って感じよ。
その下に付けてある部隊も相応の精鋭だし。
しかも焼却戦隊はあくまでもボルスの直下部隊でしかないわ。
当然、他にも神器持ちの部隊で軍集団を構成出来るだけの人員を揃えているわよ。
そして今回入手したチョウリの私兵達は、不足がちだった指揮官級の士官として配置しましょう。
勿論アタシの方で練兵及び改造強化を施すから、それだけで一端の戦力にもなるわ。
けどやっぱり真っ当な戦術指揮官レベルの人間が手に入ったのは大きいわよ。
ウチで求められる能力って、『広く浅く』なのよね。
だって素体に関してはどれほどのクズであろうと黄金や宝石レベルに磨き上げるというか原子変換するというか。
まあ、それにしたって方向性を定めて個別に指揮官クラスを用意するのは現段階では難しかったから。
だからある程度此方の生産状況にはキャッピングがかかってたんだけどね。
しかし、それも内務局を設立出来た事でどうとでもなるわ。
指揮系統の一元化もそうだけど、大前提としてアタシの指揮権が師団規模から三個軍規模まで大規模拡張させてあるのよ。
内務局の権限が特殊且つ限定的であるが故なんだけどね。
なんでそんだけ馬鹿でかい指揮権を獲得出来たかって、まあ此処にも絡繰りがあるわよ。
アタシの保有可能な部隊は、『今後新規に内務局直下の人事権で入手可能な兵力に限る』っていう制約がかけられたもの。
要は、『今後は他所から人員を引っ張って来ることは出来ないし、募兵も帝国軍とは完全に別個で行わないといけない』の。
そして『それらの予算もアタシの手弁当で賄わないといけない』という。
その代わりに得たのが最大三個軍の指揮権というワケ。
――うん、普通に考えたら無理ゲーよね。
要するにアタシ個人で三個軍を実費で運営し、その上で『なんか帝国軍とは別のよくわからない軍閥』による募兵を行わないと兵士を拡充出来ないのよ?
そりゃあアタシが多少吹っ掛けたところで向こうも足元を見て要求を素通りさせてくれるわよ。
向こうとしてもウチの募兵に対して直接的・間接的問わずに妨害をしてくる心算だったでしょうし、他にも足を引っ張る手段は幾らでもあるわ。
――尤も、アタシは普通じゃあないんだけど。
こちとら転生チートよ。ついでにオカマに憑依してんのよクソが(関係ない)。
資金に関しては財閥の運営と各種魔術によって青天井に確保。
土塊を黄金に変えて、木炭をダイヤに変える程度の錬金術は序の口で、もっと単純に資財をそのまま複製出来ちゃうから。
人員なんてのは大臣側がどんな妨害工作を施そうと、帝国側の兵士の二倍の給与水準を打ち出せばどうとでもなるわ。
それに、死体すらもゾンビ兵として活用出来るんだから、死刑囚や見せしめで処刑された連中の他に、それこそ賊徒の死体でも使えばいいだけだし。
勿論犯罪者を生け捕りに出来ればソレを洗脳したらソレでいいんだけど。
奥の手で人型危険種を製造・運用するのも考えてあるわよ。
とまあ、こんな具合で下士官から兵卒に関しては問題無かったの。
でも雑兵は兎も角、中級から上級にかけての士官の数を揃えるのが急務だったのよね。
其処に団体様でやって来たチョウリ派は鴨葱ってヤツだったわ。
しかも文官も相当数がついてくるっていうお買い得。
早速改造して強化して魔術を付与したわよ。
連中も今頃は練兵担当のダイダラにぶっ飛ばされている頃じゃないかしら。
ウチでは胴体が真っ二つに切断されても治るってか直すものね。
修練とはどれだけ効率よく地獄を見たかってモノなの。
だったら死に戻りまくり黄泉路通ってあの世と此岸を往復してれば自然とスキルアップ出来るでしょ。
それと、ウチでは文官も武官を軽視してはいけないから、最低限の兵卒レベルの行軍が出来る程度には弄り回すわよ。
当然武官も同じ理由で書類地獄の経験をしてもらうし。
精神汚染系が豊富なクトゥルフ神話技能だと、意識だけを精神と時の部屋に飛ばせるような術式が簡単お手軽に使えるのよね。
現実時間で10分間の間に、【一カ月点滴で繋がれて椅子に固定されて飲まず食わずのまま書類仕事をし続ける文官コース】に、【襲い来る異民族や賊徒に反乱軍との連戦を劣悪な環境の中各地で転戦しながら一カ月間続ける武官コース】が体験出来るわ。
最低でも此の二種免許を取得しないとウチの所属とは認められないのよ。
当然ランもボルスもセリューも皆此のコースを受けてるし、何ならもっと上級コースも受けてるわよ。
勿論発案者のアタシが実践して、それで大丈夫だと思ったのしか受けさせてないけど。
発狂するですって?
そんな軟弱者は脳みそくちゅくちゅの上で木人形コースね。
一切の無駄が無いリサイクル制度よ。
という具合で、そんな画期的且つ斬新な修練方法でウチの所属員の全員が能力向上に努めているのだけれども。
最低限の練兵が一カ月で済むのは改造と精神操作が使える利点よね。
当然その後も継続的に練兵は続けるし、文官も投薬や改造で最低限の体力は身につけさせているわ。
そんな感じで幕下の連中をスキルアップさせていく事をしながら、アタシはアタシでお仕事しないとね。
優秀な木人形奴隷が揃っているから単純作業や雑務はしなくてもいいんだけど、それ以外はちゃんとアタシがやるわよ。
抑々アタシじゃないと出来ない仕事ってまだまだ沢山あるもの。
研究開発の分野ではどうしても此の世界の人間に全部任せていたら遅すぎるわ。
だからアタシが部下共を教導して「目指すは近未来社会」って感じでドンドン技術レベルを上げまくってるの。
其の為にも技術部への出入りは継続してやっていかないといけないし、そもそも魔術関連は極少数の洗脳木人形部隊でしかやっていないからそっちに関しては完全に自転車操業ね。
というかアタシで概要を用意してソレを実現させるという手順にした方が手っ取り早いしリソースも食わないんだけど、ソレをやったら此の世界の技術レベルが何時まで経っても上がらないからダメよ。
アタシは最終的には左団扇で暮らすのが目標なんだから、技術の下積みは徹底的に基礎から固めさせないとダメじゃない。
どっかの国みたく盗んだ技術で劣化コピーやパチモンの下位互換ばっかり続けた結果、国力の地力が途上国レベルのまま何時まで経っても上がらない、なんてことになったら最悪じゃないの。
そういうワケで、財閥の研究者諸兄には最上級の環境を揃えて年中無休でやりたい事をやらせてるわ。
魔術のおかげで十徹しても身体を壊さないような不健康な環境な中で、連中は毎日マッドネスに人生を謳歌しているわよ。
他の開発部署やら営業部やら企画部やらの連中も、程度の差こそあっても皆社畜共だから。
そういう環境だと『死なない過労死案件』が罷り通るから、まあ端的に言えば地獄ね。
いや、連中は皆自我が崩壊して考える能力を喪失したエリート社畜だからね。
だから誰も困らないし別にいいんじゃないの。
ともあれそういう理念から技術部はアタシのてこ入れ無しでは立ち行かないのだけど、魔術部に関しては別よ。
だって、下手に意識のある部下を置いて身中の虫を抱えたら嫌だもの。
だから魔術部には念入りに自我を喪失させた洗脳木人形か信の置ける腹心しか置いていないわ。
まあ魔術に関しては人間としては最高位のモノを持っているという邪神のお墨付きがあるくらいですもの。
だったら頭脳としてアタシを置いて、他は手足として使うくらいで丁度いいと思うのよ。
単純作業を手足にやらせて、頭脳労働はアタシがやれば一番効率的よね。
――という感じで、現状ではアタシもやるべき仕事ってまだまだ沢山あるの。
それに、そろそろ原作も始まる頃でしょうし……まだまだ楽隠居には程遠いわね。
とっとと革命軍の方々には蜂起してもらって、後腐れなくサクッとぶっ潰したいものだわ。
フフフ……早く戦争にな~れ。
【挿絵表示】
火の神器【“火砕携砲”バルバリシア】。
超級危険種【極楽蜻蛉】と【火喰鳥】の素材に、異界の神【フサッグァの先触れ】を概念結晶化させた魔石を使用した帝具級の超越武具。
射手の意思以外では消えない『不定炎』を放つ火炎放射器。
対人近接弾種の【黒縄】、対軍殲滅弾種の【叫喚】、対城徹甲弾種の【焦熱】の三種類のカートリッジを使い分けて戦闘を行う。
【黒縄】:圧縮された超高温の火線が対象物を溶かし切る線の攻撃。有効射程 100m。
【叫喚】:拡散する面の火炎による範囲攻撃。有効射程 50m。
【焦熱】:着弾箇所で爆発炎上する点の粘着榴弾を放つ爆撃。有効射程 500m。
【無間】:炉心をオーバーロードさせて3種の属性を併せ持った爆射を撃つ。有効射程600m。