憑依者はスタイリッシュなマッドサイエンティスト 作:社畜戦士
タカヒロ先生の新作、『獄卒クラーケン』がビッグガンガンコミックスより第一巻発売中ですよ!
【異世界エロス+バトルファンタジー】という組み合わせはタカヒロ先生の本職を思えば寧ろ納得ですが、『魔獣クラーケンと融合した主人公が女囚たちをイカの力で心もカラダも攻略し――』という文脈は「だからアカメのラストでタツミはああなったのか…?」と勘ぐってしまいましたね!
異種姦は私の趣味ではないので実は読んだ事無いですが…。
アカメロスの皆さんには獄卒クラーケンをダイマしておきますね。
テレレレッテッテッテッテー♪
二人はレベルがグーンと上がった。
筋力(STR)が825上がった。
体力(CON)が935上がった。
精神力(POW)が880上がった。
敏捷性(DEX)が990上がった。
外見(APP)が330上がった。
体格(SIZ)が15上がった。
知性(INT)が715上がった。
教育(EDU)が752上がった。
生命力(HP)が2200上がった。
魔力(MP)が3200上がった。
狂気耐性(SAN)が1980上がった。
――といった感じかしら?
ドラクエ式なのかクトゥルフ式なのか、これもうわかんねぇな(諦観)
どっちかというと日本一式なんだケド。
まあそんなゲーム脳はさておき、二人の実力は劇的に伸びているわ。
二人とも困窮する地元を金銭的に助けたいっていう明確な目標があるし、何より帝都の闇を感じてその身に受けた上でそれでも尚ソレに抗うという決意をしたのよ。
そりゃあ、ソレだけ目的意識がハッキリしていれば伸びる物も伸びるでしょ。
根性論ばかりを吐く輩は鬱になって死ねばいいと思うけど、目的意識の有る無しで成果は変わってくるし、やっぱり意思の強さって重要な要素なの。
大事なのは、ソレに縋ってはいけないって事ね。
根性だけで何もかもが解決するワケが無いんだけど、だからって意志薄弱な無気力状態で何かが為せるワケでもない。
何某かの心の支えとなる芯がある上で、其処に物理的な何かを乗せる事が肝要なんだから。
そんな二人の練兵状況を確認してみましょう。
サヨはまず、付与されたばかりの“精霊の脚”の扱い方を身体で覚えてもらったわ。
教師として実際に精霊の脚を保有しているファルを呼んできて、徹底的に空中機動の骨子を学ばせる。
ただ、本来空を歩き、跳ねて、停止するという感覚は、一朝一夕で身に付くものではないのよ?
三次元的な空間認識能力を覚えさせるって事は、要は戦闘機のパイロットとしての基礎的な教練を積むってのと同じ事なんだから、そりゃあ短期間では無理難題じゃないかしら。
まあ、「だったら長い時間をかければいいじゃない」って結論に至ったのよね。
どうやったかって、ウチの十八番である精神干渉系、「時間間隔を引き延ばした夢の世界で現実世界の一日で数十日の鍛錬を積む」という手法を用いたわ。
此の夢の世界、通称【夢界】は完全に精神と時の部屋なんだけど、精神干渉系の魔術はクトゥルフのお家芸だもの。
ソレを上手くアレンジすればこういう風に攻撃以外にも活用出来るってワケ。
そして立体機動戦闘を熟せるようになれば、次は個性を伸ばして貰ったわ。
彼女の武器適性は弓が非常に高かったので、弓型の神器を与えてとことん鍛錬。
与えたのは木の神器【“腐海鎧誅”グリーンデイ】。
様々な特性を持つ“黴”の矢を放つ弓で、分解して両手剣としても扱えるわ。
黴は主に攻撃用、防御用、回復用、捕縛用の四つの特性を実装。
矢が着弾した生物を急速に腐敗させて殺害する攻撃用の【甲矢】。
自身や味方に向けて放つと物理防護と精神防壁等の補助効果がある黴の鎧を形成する防御用の【乙矢】。
当たった対象を治癒する治療回復用の【丙矢】。
傷口から体内に入り込み思考能力を奪う病毒効果がある捕縛用の【毒矢】。
他にも特殊効果の無い唯々硬いだけの【素矢】とかもあるけど、彼女の器用さを見込んでこういった対応力のある万能型の神器を持たせてみたわ。
そして分解した両手剣の状態では、剣身が黴の実体剣になる【矢剣】を使えて、上記の各種特性を適宜使い分ける事が可能。
まあ、両手剣はあくまでも接近戦でのカバーが出来るように補助的な意味合いが強いから、其処迄の物ではないんだけど。
甲矢や毒矢がある以上は一撃必殺が可能なのだから、彼女の基本戦術は一撃離脱。
其の為の空中機動が可能になる精霊の脚も有るから、命中精度の向上とどんな状況下でも確実に一撃を放てるように精神的な部分も含めた調練を行わせたわよ。
今では腹に風穴が空いていようと微動だにせずに秒間4連射くらいは可能になっているわね。この程度で騒ぐな、サヨ君なら眉一つ動かさんぞ。
そして彼女には少尉としての階級を与えて一個小隊を率いらせてあるわ。
勿論いきなり部隊指揮をやらせるのは難しいから、夢界でほぼ実戦に近い状態で鍛錬を積ませて、その上で経験豊富な兵達を付けてサポート体制も万全にしてあるわね。
実戦経験と言えば周辺での凶賊相手の物しかないけど、神器の性能に振り回される事も無く危なげなく熟しているわ。
……これならそろそろ次の段階に進めそうねぇ。
一方イエヤスの方は近接戦闘能力を極限まで鍛えさせたわ。
ダイダラを始めとした歴戦の将兵たちとの実戦さながらの本格的な立ち合いを延々と繰り返させた。
その結果、実時間からは考えられない程に技術が向上したわよ。
勿論夢界で幾ら時間を引き延ばせようと、生身の身体が成長しない事には総合的な成長は見込めないし、抑々100日や200日鍛錬しただけで戦闘技術を極められるワケでもないけどね。
それでも槍術の技能は類稀なまでに向上しているのも事実。
与えた神器との相性も悪くないようで、単純な戦闘能力に限って見ればサヨよりも上の実力よ。
ただ、元来の方向音痴が災いしたのか、全体を見るのにまだ若干の不慣れな感じが拭いきれず、指揮官としてはそれほど成長出来ていないわね。
一応魔術で絶対方位を付与した事で方向音痴そのものは治っているんだけどねぇ。
まあ、長年染みついた生得的資質は簡単には変えられないから仕方ないんだろうケド。
イエヤスに与えたのは呪の神器【“斬刻矛懺”ソードルーツ】。
コレはそもそも某オサレ死神漫画の斬魄刀を目指して製造した量産型の武器よ。
個人個人で能力や形状が異なる進化を遂げる可能性の刃で、初期状態では武骨な無銘の日本刀でしかないわ。
イエヤスに与えたモノは刀剣解放で槍状の形態変化を得たわね。
彼のソードルーツは、封印状態では長柄の大太刀、所謂長巻に分類される長刀になっていて、第一解放の“始解”で一文字槍になり、第二解放の“卍解”で捩子くれた異形の槍へと変ずるわ。
解号は「殺して解して並べて揃えて晒せ」という某殺人鬼リスペクト。
始解状態での能力は異様な精度のホーミング機能。
始解銘は【
投槍として扱う事で勢いが続く限り何処までも敵を追尾する必中の槍。
逃げても逃げても敵を自動追尾する様は、帝具【“二挺大斧”ベルヴァーク】や【アッキヌフォート】を彷彿とさせるわ。
そして卍解の能力がこれまた凶悪ね。
卍解銘は【
投擲すると “因果逆転の呪い”により、「首に槍が命中した」という結果をつくってから「斬撃を放つ」という原因を作る……つまり必殺必中の一撃を可能とするワケで、要はゲイ・ボルグね。
発動したと同時に「首を斬ったという結果」が成立しているため、仮に放った直後で所有者が死んだとしても、槍はひとりでに動いて相手の首を掻っ切るわ。
因果操作の判定を回避しても、槍を完全に避けなければ負傷と回復阻害の呪いを残される凶悪な追加効果が発生。
因果を逆転させる「原因の槍」であるため、余程の幸運が無ければこの世にこの槍が存在する限り、これによる傷を癒す事は出来ない……という、まあチート武器よ。
特殊効果が完全に殺意120%だから、イエヤスには単純な槍術のスキルアップを中心に鍛えさせたわ。
警備業務や捕縛任務とかだと、特殊効果に頼ってばかりだと難しくなっちゃうもの。
其の為、神器の異能に頼らない素地での練度こそを重要視して育てたのよ。
そして彼も此方の期待に応えてメキメキと成長してくれたわ。
階級としては准尉を任命し、2組10名の一個分隊を率いらせてあるわね。
と言ってもイエヤスに付けた人員は洗脳兵の中でも最初期組だけで構成されたガチパで、サポート体制を十全に整えて指揮能力を向上させるのがメインとなっているんだケド。
戦場を俯瞰して見るという視点がまだ足りないけど、本質的な指揮官としての才能に関してはサヨにそう劣るものではないわ。
コレは理論派か実践派かの違いによるもので、生の戦場の風を感じない限りは一皮剥ける事が難しいみたいね。
……となれば、やはり彼も実戦に移るべきね。
コンコンコン、とアタシの執務室の扉がノックされる。
時間通り、遅れずに来れたようね。感心感心。
「入りなさい」
「「ハッ、失礼します!」」
そう言ってキビキビと中に入ってきたのは、此処数週間で士官としての姿がすっかり様になったサヨとイエヤスの二人。
敬礼して定型句を言い合った後は用向きの内容を伝える事になるんだけど……。
「――ま、今は他の目も無い事だし、普段通りにして構わないわ」
「――はい、では失礼して」
「――フゥ……やっぱりこういう堅苦しいのはまだ慣れないッスわ」
砕けた口調にしてもいいと言ったけど、サヨはそれでも割かし丁寧な口調に。
イエヤスはこれ幸いと素の自分を出してきたわ。
まあ、この子達とはそれなり以上の付き合いをしている事だし、そう硬い事は言わないわよ。
そも、アタシは別に空気を読めって理不尽な要求をする要忖度オジサンじゃあないんだし。
楽にしろって言ったならソレは言葉通りの意味以外の何物でもないのよ。
そしてこの二人との関係だけど、メタ的な視点での打算もあって積極的に親密にさせてもらっているわ。
此の才能を囲い込むって意味でも、タツミ特攻という特大のフラグ持ちを監視するって意味でも、此の二人はアタシの邸宅で預かっているのよ。
抑々此の二人には当座の資金も伝手も何も無かったから、そのままだったら殺風景な兵員用宿舎で寝泊まりする事になったんだもの。
流石に衣食住まで世話になるのは気が引けたようだけど、恩人が是非にと勧める以上は断りきれないのも事実。
結果、二人はウチの邸宅の空室を使わせる事になったわ。
まあ、ウチにはセリューやランを始めとした高い練度の達人たちが常駐している事だし、自分を高めるって意味では願ったり叶ったりな部分もあるし。
道場も敷地内にあるから、朝練夜練で自発的に鍛錬をする姿は素直に感心出来るわよ。
「――それじゃあ本題に入るわよ」
「ハイ」
「うっす」
暫しティータイムを楽しんだ後に、本日の要件を通達する。
「んー……良い話と悪い話があるんだけど、どっちから聞きたいかしら?」
人生で一度は言ってみたいセリフの一つ、「良いニュースと悪いニュースがあるんだ」云々の奴ね。
「えー? ……サヨ、どうする?」
「うーん……それじゃあ、悪いニュースからお願いします」
おっけー、それじゃあ個人的に最悪に部類されるであろうバッドニュースをお伝えするわ。
「驚かないで聞いて欲しいんだけど……タツミ君だったかしら? 彼の消息が掴めたわ」
「本当ですか!?」
「……アレ? でもなんでソレが悪い話なんスか?」
ウフフ、そりゃあ彼が
「えー、まず事の発端を話す前に聞きたいんだけど……今の帝国軍で士官に必要な素養ってのはどんな物か分かるかしら?」
「士官に必要、ですか……やはり第一に部隊指揮能力ですよね?」
「後はやっぱり事務処理能力と、部隊を纏めるだけの対人コミュニケーション能力ッスかね? 戦闘が出来るに越した事は無いだろうけど、まあ有ればプラスって程度ッスよね?」
ほうほうほう。
よーく理解しているじゃあないの。
そうよねぇ?
アタシが此の世界にやって来て十余年。
その分だけ帝国軍の登用制度にだって口出しはしてあるんだから。
その結果、腕っぷしだけの脳筋は選考で弾かれるようになっているのは周知の事実よねぇ?
「うんうん、よーく分かってるようで何よりよ」
「……それで、士官がどうかしたんですか?」
「もしかして、タツミは別の軍で士官になってるんスか?」
「まあまあ急ぎなさんな。……じゃあ結論から言っちゃうと、タツミ君は人相書き付きで帝国全土に指名手配されたわ」
「「――ファッ!?」」
アラやだ。
何よその間抜け面。
アホっぽいからやめた方がいいわよ?
「ど、どどどどどういう事ですか!?」
「た、タツミが手配って、アイツ何やらかしたんスか!?」
「まあまあ落ち着きなさい。……それじゃあ一個ずつ説明していくわね?」
「「お願いしますッ!!」」
おお、息ピッタリじゃあないの。
普段からのコンビネーション訓練の成果かしら。
「えー、そもそもの話なんだけど、タツミ少年は帝都に着いて最初に募兵に参加したのよ」
「「…………」」
「それで、特にコネも伝手も無かったから、「抽選の後で受かれば地方に一兵卒として配属される」って説明を受けたらしいわ」
「……まあ、当然ですよね」
「……ウス、何も可笑しな話じゃねぇッス」
「ところがソレが気に食わなかったようで、「自分は腕っぷしが強いから、隊長クラスから士官させてくれ!」とか言い出したようでね? そんなの何処の世界の何時の時代の蛮族よって話じゃあない?」
「タツミ……ッ!!」
「あのバカ……ッ!!」
「で、当然だけどそんな蛮族スタイルはお断りしている募兵官は彼を会場から追い出したのよ。……コレで終われば話は拗れなかったんだけど、其処にある人物が通りかかってね。……その人物ってのが、“帝国最強”と謳われる、アナタたちもよく知ってるエスデス将軍よ」
「ああ、あの……」
「エスデスさんか……」
エスデスは普段からウチに入り浸ってるから、当然だけど此の二人とも面識はあるわ。
「其処でタツミ少年の実力を目測で感じ取った将軍が彼に声を掛けたんだけど、募兵官に言ったのと同じように「自分は部隊長レベルの働きが出来る」と啖呵を切ったそうね。そしてその威勢の良さを気に入ったのもあって特例士官任用試験を受けさせてあげたのよ……ハイ、此処からが問題です」
まるでクイズ番組みたいな言い方になっちゃったけど、実際此処から話が拗れだしたものね。
「実技の方は将軍自ら手合わせをして確かめて、合格点を上げたらしいわ。……それで……タツミ少年ってさぁ、筆記能力の方はどれくらいだったか分かるかしら?」
「……もしかして……」
「……かなり悪かったんですか……?」
「400点満点中5得点だったそうよ」
「マジっすか!?」
「馬鹿じゃないの!?」
はっはっは。
笑うしかないわね。
「で、その時試験の前に将軍とアタシが結構キツめに発破かけちゃったのよ。まあ将軍の方はガチだった気がするけど……将軍が滅多に使わない権力を行使して少年を特例任官試験の対象にしたんですもの。そりゃあ無様に落第されたら彼女の顔を潰すでしょ?」
「それは……」
「そうッスね……」
「アタシと将軍で二人して「もし試験に落ちたら……」って脅し過ぎちゃったからね。特に将軍の方は本気っぽかったから。……まあ、本人も試験を受けていて点を取れていないって自覚していたんでしょう。……試験終了と同時に逐電したわ」
「マジっすか!?」
「馬鹿じゃないの!?」
まあ、あまり賢い選択じゃあないわよね。
どんな経緯であれ、将軍の顔を潰したのは事実なんですもの。
ソレに関しては少年の自己責任なんだし、だったら残って弁解の機会を待つべきでしょ。
「――で、実は此処までがアナタ達が保護された日の話ね」
「――えぇっ!?」
「し、知らなかったッスよ!?」
「言っていないもの。――で、そのまま逃げだした少年の事を将軍は手配しちゃったのよ。まあ人相書きも無いから、あくまでも将軍としての面子と体裁を整える為のポーズだったんでしょうけど」
此の時点で捕まっても、アタシが釈明に動いて無罪放免に持っていく事は出来たし、事実そうしようとしたわ。
……でも、続けて彼はやらかしてしまうのよねぇ。
「まあ聞いていて分かるだろうけど、此の段階では情状酌量の余地は十分にあったから、手配と言っても捕まえて厳重注意で終わっただろうし、仮に処罰があってもアタシから擁護して何らかの奉仕活動を科して終わりだったと思うわ」
「……それで終わりじゃないって事は……」
「……タツミは何やらかしたんスか……」
はっはっは。
もうお腹いっぱいって感じね。
では箸休めにラードをどうぞ。
「ちなみに、少年に将軍が声を掛ける前に、彼はこんな面白い事を口走っていたわ。……曰く、「騒ぎを起こして名を売るか?」……ですって(笑)」
「マジっすか!?」
「馬鹿じゃないの!?」
いやぁ、実にマッポー的な思考よねぇ。
そんな野蛮人ムーブを文明的な帝都でやられたら堪った物じゃあないわよねぇ。
「ハイ、そして彼は何を考えたか、しばらく帝都に潜伏。そして凶賊ナイトレイドに襲撃されている貴族に運良く遭遇し、ナイトレイドと交戦したそうよ」
「えぇ……」
「何でそうなるんスか……」
まあ帝具持ちの凶賊と戦闘するだなんて、よっぽどの自信がないと出来ないわよね。
原作知識では確か、少年は田舎者らしく帝具の存在を知らなかった筈だけど。
「そして当然だけど帝具持ちのナイトレイドに敵う訳もなく、少年はナイトレイドに連れ去られたそうよ」
「ええッ!?」
「そ、そんな!?」
うんうん、心配するのは結構だけど、続きを聞いたらそうも言ってられないわよ?
「……此処まで聞いたら分かると思うけど、趨勢が決着するまでアナタたちの耳に入れなかったのは、少年が不安定で危険な立場にあったからね。もし仮に賊として討たれでもしていたらアナタ達もショックを受けるだろうし、不幸な行き違いがあったとはいえ手配中ってのは心象も良くないだろうから」
「そうですか……アレ?」
「……もしかして、オレたちに話したのは、その趨勢が決着したから、ですか?」
おお、いい勘してるじゃあないの。
そうよ、もう状況は決したも同然なの。
「ソレなんだけど……流石に凶賊に攫われたからには指名手配モドキ状態とはいえ放っておけなくてね。ウチの諜報部を動かして行方を探っていたんだけど……此度、五体満足の彼と遭遇出来たのよ」
「……良かった!」
「生きてたのか……!」
うーん、
でもぶっ壊しちゃうのよね、残念ながら。
「そしたら安否確認の為にも諜報員が彼に話しかけたんだけど……抵抗されて逃げられたわ」
「「――ファッ!?」」
うふふ、驚き過ぎでしょ。
まあ超展開の連続だし仕方ないね。
「手配されているから逃げられたのかと思って何度も「危害を加えないし事情を聴くだけ」だって呼びかけ続けたんだけど、それでも全力で抵抗して逃走されちゃって……最終的にナイトレイドの一員が助太刀に入って連れていかれたわ」
「――何で!?」
「どういう事ッスか!?」
あらあら、まだ分からないかしら?
それとも脳が理解を拒否しているのかしらね。
――でも気にせず真実を突き付けていくスタイル。
「その後は隠密能力の高い上位兵で探ったんだけど、どうやらタツミ少年ってばナイトレイドに加入しちゃったらしいわ」
「マジっすか!?」
「馬鹿じゃないの!?」
にゃははは。
此処まできたらもう笑うしかないわよぉ。
どうしたの、ホラ。
笑えよベジータ(笑)
「――という経緯で、晴れて彼は凶賊ナイトレイドの一員として指名手配されました、と。今迄のアライブオンリーの手配から罪状も形態も更新されて、デッドオアアライブで手配されちゃったわよ。しかもアタシ手製の人相書き付きで」
「「………………」」
うーん、絶望的な表情ね。
まるでツキジめいた光景よ。
死んだマグロのような瞳じゃあないの。
まあ同郷の幼馴染がこんな状況になれば表情の一つや二つは死ぬわよねぇ。
「じゃあ続けて良いニュースに移りたいんだけど」
「……もうお腹いっぱいなんスけど」
「腹壊してでも食いなさい」
「慈悲は無いんですか?」
「甘えは死すべし慈悲は無い」
別に感情を失くした戦闘マシーンになれって言ってるワケじゃあないのよ?
それでも、軍属である以上はソレに近しい真似は出来なきゃいけないし、少なくとも今は仕事の時間なんですもの。
「それじゃあ食後の
「……まさか」
「喜びなさい。帝具持ちの敵を捕捉したから戦わせてあげるわ」
「いやいやいや!? もしかしてタツミ相手ッスか!?」
何を早とちりしているのかしら。
そもそも少年はまだ帝具持ちじゃあない筈よ。
「やぁねぇ、いくら何でもそこ迄鬼畜じゃあない心算よ。相手は昨今帝都を賑わしている凶賊“首切り”ザンクね」
「あ、ああ、そっちですか……」
「い、いくら何でも心臓に悪いッスよ……」
そっちが勘違いしたんでしょうに。
……まあ、少年がナイトレイドに与する以上、いずれは相手取らないといけないんだけどねー(暗黒微笑)
【挿絵表示】
木の神器【“腐海鎧誅”グリーンデイ】。
様々な特性を持つ“黴”の矢を放つ弓で、分解して両手剣としても扱える。
黴は主に攻撃用、防御用、回復用、捕縛用の四つの特性を実装。
矢が着弾した生物を急速に腐敗させて殺害する攻撃用の【甲矢】。
自身や味方に向けて放つと物理防護と精神防壁等の補助効果がある黴の鎧を形成する防御用の【乙矢】。
当たった対象を治癒する治療回復用の【丙矢】。
傷口から体内に入り込み思考能力を奪う病毒効果がある捕縛用の【毒矢】。
他にも特殊効果の無い唯々硬いだけの【素矢】とかもある。
そして分解した両手剣の状態では、剣身が黴の実体剣になる【矢剣】を使えて、上記の各種特性を適宜使い分ける事が可能。
【挿絵表示】
呪の神器【“斬刻矛懺”ソードルーツ】
コレはそもそも某オサレ死神漫画の斬魄刀を目指して製造した量産型の武器。
個人個人で能力や形状が異なる進化を遂げる可能性の刃で、初期状態では武骨な無銘の日本刀でしかない。
イエヤスに与えたモノは刀剣解放で槍状の形態変化を得た。
彼のソードルーツは、封印状態では長柄の大太刀、所謂長巻に分類される長刀になっていて、第一解放の“始解”で一文字槍になり、第二解放の“卍解”で捩子くれた異形の槍へと変ずる。
【挿絵表示】
始解状態での能力は異様な精度のホーミング機能。
始解銘は【
投槍として扱う事で勢いが続く限り何処までも敵を追尾する必中の槍。
逃げても逃げても敵を自動追尾する様は、帝具【“二挺大斧”ベルヴァーク】や【アッキヌフォート】を彷彿とさせる。
【挿絵表示】
卍解の能力がこれまた凶悪。
卍解銘は【
投擲すると “因果逆転の呪い”により、「首に槍が命中した」という結果をつくってから「斬撃を放つ」という原因を作る……つまり必殺必中の一撃を可能とするワケで、要はゲイ・ボルグ。
発動したと同時に「首を斬ったという結果」が成立しているため、仮に放った直後で所有者が死んだとしても、槍はひとりでに動いて相手の首を掻っ切る。
因果操作の判定を回避しても、槍を完全に避けなければ負傷と回復阻害の呪いを残される凶悪な追加効果が発生。
因果を逆転させる「原因の槍」であるため、余程の幸運が無ければこの世にこの槍が存在する限り、これによる傷を癒す事は出来ない……という、まあチート武器。
ここだけの話、タツミが剣を使うので故郷三人組には槍と弓を割り振ったんですが、その三竦みは某FGO由来です。だからって剣士に弓兵が強いとかではないですが。
サヨは細々とした描写で弓矢を背負っていたので、弓を。イエヤスは消去法で槍を割り振りました。まあ剣、弓、槍以外のスタンダードな武器を思いつけなかったのもあります。
イエヤスは拳士とかでも良かったんですが、得物を派手なのにしたかったので。折角クロスオーバータグ付けてるので、色々なところから設定持ってきます。ご了承ください。
追記:タツミがインクルシオを手に入れた後は副武装として槍型のノインテーターを使っていましたね。でも私としては最初から使っていた剣のイメージが強かったです。完全に竜化する直前にシコウテイザーと戦った時も鎧込みの徒手空拳で戦っていましたし。タツミの武器といえば暗殺やインクルシオ不使用時の剣って印象で。