憑依者はスタイリッシュなマッドサイエンティスト   作:社畜戦士

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改変による独自設定・独自展開について描写してたら無駄に話が長くなってしまいました…。
次回からちゃんと戦います。
…まあ戦闘描写苦手なんですが。


File44:ナイトレイド対イェーガーズ 会敵前

 3班に分散しての作戦となったが、各員に不安や憂慮、恐れるような感情の類は無かった。

 それだけの鍛錬を積み上げてきた自負が各々にあったし、彼らを率いる指揮官もまた尋常ならざる圧倒的強者であると知っていたからだ。

 

 ナイトレイドが「水辺で手配書に顔バレしている美女が水着姿で戯れる」という実に挑発的な手で自分達の存在を周囲に仄めかした翌日。

 油断も慢心も無く、冷厳な兵士として進軍するイェーガーズ隊員達の内、帝具使い達と会敵したのは1つの班だけだった。

 

 西へ消火活動に行ったエスデス班ではなく、東のナジェンダ元将軍の足跡を追ったドクター班でもなく。

 位置取りとしては原作通りと言うべきか、ナイトレイドが待ち構えていたのは南側、接敵したのはラン班だった。

 

 

 


 

 

 

「――さて、移動しながらですが軽く方針について通達しておきましょう」

 騎馬での移動故に風切り音と馬が地を駆ける足音で会話がしづらい状況だが、其処はドクター謹製の通信装置で対処。

 イヤホンマイクと衣服のポケットに装着可能なほどに小型化された装置は、ノイズキャンセリングも相まって耳元でささやくようにクリアな音声を伝えている。

 

「今回、ドクターの読み通りならば、敵が待ち構えているのは間違いなく此方側です。そのため、此方の班員を他より多く回して頂きましたからね」

 

 狩人隊は10人編成の部隊であるが故、3つに隊員を分けると3・3・4人の班になる。

 小隊どころか分隊規模ですら無い人数を指揮するのに難儀するような指揮能力の低い人間は所属していないが、相手が帝具使いとなると話は違ってくる。

 わずか一人でも数の多寡が有れば命取りになるのが大規模帝具戦の常識だ。

 帝国の長い歴史の中で、『帝具使い同士が戦闘を行えば、必ず死者が出る』とされている……そんな常識が出来上がる程度には、帝具使い同士の戦闘は凄まじい。

 それ故、相手が最大何人で待ち構えているか分からない現状、一人でも多くの強者が望まれているのは常識的判断だった。

 

 加えて、相手の策を読んだ結果、大規模戦闘が起きるのは南側の班だと想定されている。

 東にエスデス将軍との因縁があるナジェンダ元将軍の存在を匂わせ、西にもまたエスデス将軍に対処のお鉢が回るであろう大規模火災を引き起こす。

 明らかにエスデス将軍を釣りだすことを狙っていて、最低でも選択肢の3分の2に将軍を誘引する意図が見えている。

 

 此の作戦のタチが悪い部分は、ナジェンダとの因縁からエスデスが東に向かう誘因を作り、その上で一般的にはエスデスの帝具能力でしか対処が出来ないであろう山と門前町を飲み込む大火災を起こしている点だ。

 

 向こうの作戦としては、ナジェンダの首欲しさに東に向かわれても良し。

 その場合対処可能な火災を無視したとして、エスデスの、ひいては帝国の醜聞とする悪辣な意図が透けて見える。

 西の火災への対処を優先された場合、少なくともイェーガーズ最大戦力と目されているエスデスを確実に遠ざける事に成功する。

 

 まさにどちらに転ばれても問題が無い、一挙両得の作戦とでも考えているのだろう。

 そして、三分割にされた残り物の部隊程度、総員でかかれば倒す事など難しくない……つまりは、そういう考えなのだ。

 それ故、囮と欺瞞情報で翻弄し、実際にはナイトレイド残存戦力の総力を挙げて南側で待ち伏せを選択した。

 

 

 ――だが、甘い。

 確かに部隊を分断し、加えてエスデスを目論見通り最終目的地からも戦闘予定地点からも遠ざけるという目的は達している。

 しかし……彼我の戦力評価が絶望的に間違っている。

 

「――ですので、敵を発見次第私は飛行で上空を占位。そのまま上方から援護に徹しますので……直接の現場指揮は、ボルスさん。貴方にお願いします」

「分かった。これでも指揮能力には自信があるからね」

 

 その自負に誤りはなく、実際にボルスは直接の戦闘行動よりも前線に身を置きながらの現場指揮を得手としていた。

 元来各種強化で高い耐性を誇り、炎熱系の銃火器型帝具によって支援射撃も可能。

 それ故、戦いながら指揮を執り、的確に援護を行う戦闘スタイルは正にボルスの真骨頂だった。

 コレに物理的に高い視野からのランの援護が合わされば、戦場を俯瞰しての指揮には及ぶものがいない。(ただしドクターを除く)

 

 

「クロメさんには、会敵次第即座に骸人形の展開をお願いします。情報通りなら、相手の最大数は生物型帝具も含めて8名。物量差をひっくり返すにはうってつけでしょう」

「任せて。ドクター程じゃないケド、対多数戦は得意」

 

 『2体を融合させて戦闘時には分離させるTの強化型』は、八房に1体の骸人形としてカウントされている。

 その為、現在のクロメが従えている骸人形の数は9体。

 いずれもドクターによって強化が施されている、災厄クラスの超級危険種だ。

 当然、死体であるからアカメの村雨による呪殺が効かない。

 まさにアカメに対するワイルドカードに相当するのがクロメだった。

 

 ただ、革命軍最強戦力と誉れ高いアカメは村雨に頼らない直接の戦闘能力も高い。

 全身鎧や骸人形のようにそもそも村雨が効かない相手をも討ち取るため、彼女は鋭敏な感覚と高い身体能力、そして我流ではあるが高度に極まった剣術を修めている。

 そして、村雨はそもそも能力に頼らずとも斬鉄すら可能な超鋼で出来ている最上級クラスの業物だ。

 それ故、大抵の相手は一撃必殺の呪殺に頼らずとも、急所への一斬で仕留められるほど。

 

 一つの勢力で最強を名乗る彼女の底力、決して侮っていいものではない。

 ――しかし、どれだけ強くとも蟻は蟻。

 ヒアリだろうがパラポネラだろうが、8匹群れた程度で竜は殺せない……。

 彼我の絶対的な格差は、それほどに隔絶している。

 

 

「スピアさんは、対帝具戦は初めてでしたね。ですが、焦らず鍛錬の成果を発揮できるようお願いいたします。我々も援護いたしますので」

「アハハ、今更命のやり取り程度で狼狽えたりしないよ」

 

 実に軽い調子でケラケラ笑いながらそう返すスピア。

 ……酒に逃げてクダを巻いていたアル中無職はもう其処にはいなかった……。

 イイハナシダナー。

 

 冗談はさておき、スピアは帝都に来る前から槍術の練達者だった。

 槍使いという事で四種もの槍型神器を与えられたが、ソレを確実に使いこなすだけの技量を修めている。

 加えて、帝都の皇拳寺槍術の総本山で修行を積んだことで、更に槍の冴えは上がっている。

 ミドルレンジでの戦闘に限っては、既に一人前の太鼓判を押されている。

 経験の薄さから咄嗟の対応力を危ぶまれてこそいるが、イェーガーズでの常軌を逸した鍛錬の日々があり、ナイトレイド程度の戦力に裏をかかれるようなことも無い。

 

 

 以上の事から、現在南方へ進軍を続けるラン班は落ち着いて騎馬を走らせていた。

 其処には聊かの不安も高揚も無く、目標と遭遇した瞬間、唯々冷然と任務を遂行するだけの底知れない意志の強さを漂わせている。

 ――決戦の時は、近い。

 

 

 


 

 

 

 スピアが賜った槍型四種神器について。

 基本的には名前から一目瞭然だが、影の国の勇士、半神半人の勇者、アルスターサイクル(赤枝騎士団)最強の英傑、呪いの魔槍の使い手、アイルランドの大英雄、クー・フーリンの愛槍【ゲイ・ボルグ】をテーマにした神器。

 伝承によって様々な形状・能力・逸話・所持者を持つ魔槍であるが、形に関しては型月作品から、能力に関してはほぼ伝承の方から構想を得ている。勿論「型月の魔槍を召喚した~~」とか「英霊召喚儀式で~~」とかの謂れでは全く無い、単純に伝承や作品をモデルにゼロからドクターが製造したオリジナルの魔槍になる。

 魔術だけでなく科学技術と錬金術による造形と術式付与、加えて此の世界特有の危険種由来の素材や此の世界にしか存在しない鉱物資源などを原材料にしている。特に数多の邪神由来の神性を持つドクターが、文字通り我が身を切り刻んで素材としたため、帝具と比べても絶大な物質強度と圧倒的な性能を有する。

 コレを話に上がった型月風に言えば、神の肉体を用い、邪神であるドクター手ずから製造した真正の神造兵装であり、神の肉体を素材にするが故に神の呪詛が漂うため、ランクは最低でもA+++はある事だろう。此の世界には他に神性の存在が居ないから意味はないが、異界の邪神としての死の威を纏う此の槍は、非常に高純度の神の呪詛により神性特攻・神秘殺しの特性を有する。

 神性殺しの権能は、最低ランクのE-の神性が相手だろうと、直撃を食らうとほぼ即死するレベル。重ねて言うが此の世界に他の神性は存在せず、また素材の本体であるドクターには効果が無い為、完全に意味が無い特性。所謂死にスキル。

 神秘殺しの権能もあるが、此の世界の帝具や臣具は危険種や特有の鉱物・鳥獣・草木・資源全般などの此の世界にしか存在しない素材に由来する為、異能や超常の力でもなんでもないので、神秘殺しの効果は発動しない。此方もまた死にスキル。某教主も危険種の血で得た力なので効かない。

 とはいえ其方は本命ではなく、素材から勝手に発現している特性に過ぎない。よって意図しないで発動している死にスキルは特に考慮せず、純粋に術式や素材の力で得た能力を頼みにしている。当然だが各種の能力が必殺級の性能で高い水準に纏まっており、また能力を発動せずとも鋭い切れ味と頑強さから普通の槍術に使っても心強い代物。

 とある仕掛けもあって四種もの神器を使いこなすスピアの実力は、疑う余地も無く高いものであると言えるだろう。

 

 【刺し穿つ死棘の槍(ゲイ・ボルグ)】。

 某クランの猛犬ご愛用の一番オーソドックスな必殺魔槍。一応断っておくと【ゲイ・ボルク】ではなく【ゲイ・ボルグ】なので、某型月とは違うと主張(あっちはゲイ・ボルク)。異界の邪神由来の概念破壊の権能から、生物・非生物を問わない再生不能の呪いを持つ。此の槍で破壊された部位は生物ならば死滅し、器物ならば機能を失い、ソレらは二度と治すことが出来なくなる。勿論真名解放による心臓への必殺投擲も備える。当然のように死翔式対軍攻撃方法も可能。もうコイツ一本でいいんじゃないかな。

 

 【貫き穿つ死翔の槍(ゲイ・ボルグ・オルタナティブ)】。

 名前は某スカサハ式。だが形状は月式。元の形状のまま完全な分身を複製する能力により最大で50本に分裂する。自動で空中機動を行うホーミング能力を持ち、霊体化して物理的なあらゆる存在を透過し、対象だけを切りつける事が可能。基本は回避不能な霊体化自動追尾と分身により相手を空中に縫い付け、そのままトドメを刺すのに使用する。

 

 【穿ちの朱槍(ゲイ・ボルグ・オリジン)】。

 名前と形状はプロトタイプ式。精神と肉体を侵す神毒の紅槍。攻撃が当たった肉体だけでなく、斬りつけた武装や防具にも毒素が浸透するため、武器や防具で受けても意味が無い。精神の毒は徐々に正気を失わせ、最終的には意のままに操られる傀儡人形へと貶める。肉体の毒は激烈な痛みを励起させ、また体内に入ると血液や体組織を硬化させてしまう。此の攻撃を受けるとその場をやり過ごしても、血管内部や血液、肉体の部位が硬化したことで緩慢な死が確定する。(動脈硬化による卒中を急速に誘引し、硬化部位は機能を喪失)

 

 【抉り穿つ鏖殺の槍(ゲイ・ボルグ・コインヘン)】。

 名称形状共に狂戦士風。全ての能力を併せ持った最強のゲイ・ボルグ。もうコイツ一本でいいんじゃないかな(二回目)。概念破壊、心臓への因果逆転、死翔の投擲。分裂能力、霊体化能力、空中機動、自動追尾能力。精神毒、肉体毒。当然全部の能力が使えるし、何なら組み合わせられるし、各能力をグレードアップさせている。1000本に分裂した霊体化する自動追尾空中機動の槍が、精神と肉体を破壊する死毒を纏って、因果逆転の呪詛により必ず心臓を穿つ結果を残して各槍一本がそれぞれ100の鏃に更に分裂して100の棘を生成し絨毯爆撃の如き勢いで炸裂弾のように軍勢を吹き飛ばす……!! 勿論数だけでなく威力も全能力が10倍、精密動作性も劇的に向上、毒の強度も即効性は30mサイズの超級危険種すら即死させる程で、因果逆転の呪詛も強度が上がり槍の破壊以外では絶対に防げない。なぁにこれぇ(白目)。……だからもうコイツ一本でいいだろ(三度目の正直)。

 

 

 クロメの骸人形最新版。

 咄嗟に識別する為に太陽系の惑星の名前をコードネームにして区別している。基本的に元の超級危険種の詳細を知っていれば対処が出来得るという事情から、普段はコードネームで呼称している。尤も改造によって超強化と外見の変異を得たこれ等を見て、初見で正体を見破ることが出来るような人間などそうそういないだろうが。

 名称に関して、ここら辺はドクターの趣味であり、その手の事に頓着しないクロメは言われるままに受け入れている。当然だが此の世界には太陽系だの地球だのの概念が無い異世界なので、周りも元ネタは知らない。関係ないが、寝物語でドクターからおとぎ話として異世界の知識を聞かされているドクターの恋人たちなら多少知っている。

 尚、素材となった危険種たちは基本的に不死身の生命体だったが、能力により肉体的強度に頼らない各種の殺し業を備えたドクターたちの敵ではなかった。その気になれば直視の魔眼の効果くらいは魔眼を必要とせずに実行できるくらいだし。

 

 水星の名を与えた【“千変する水天”キューベックス】。

 姿形はウサギとヘビとシカを合わせたような白亜の怪獣。随所にトリコロールが彩られ、昆虫然とした真紅の複眼は感情を感じさせない無機質な印象を受ける。しなやかで柔軟性に富んだ肉体は高い身体能力からなる機動力を十全に発揮するために出来ていた。全ての超級危険種の例に漏れず、既存の生命体を軽く凌駕する身体能力だけでなく、特殊な能力を備えている。此の生物はアクアマリンの素材になった危険種とは違い、“無”から“水”を生み出すことが出来る。また、その“水”には多様な効果を持たせることも可能。飲んだ者を癒す治療効果のある水や、氷点下でも凍り付かない水や、触れたモノを溶かし尽くす王水の如き水等々……。変化可能な性質は文字通り千変万化。また、意図的に水の色を変えることも出来るが、基本的に透明なタダの水と見た目も臭いも味も殆ど変わらないため、初見では見抜くことは難しい。体長は超級危険種としては小型の5mサイズ。高い機動力を確保するために筋肉質ながら柔らかい肉体は、同クラスの体躯の生物と比べても軽量。

 

 金星の名を与えた【“輝く獄炎”マグマカイザー】。

 姿形は四足歩行するトカゲに近い見た目をしている。火山とトカゲを合体させたらこうなる、といった形。マグマを生成して操る炎の支配者。全身は体内で生成されるマグマによって鮮やかな朱色に染まっており、岩肌をそのまま体表に変えたような各体節はゴツゴツと角ばった印象を受ける。8000度近い煮えたぎるマグマそのものである肉体は、存在するだけでその場を灼熱地獄へと変ずる。当然だが通常の手段では近寄る事すら困難であり、直接近接攻撃を当てようとした勇者はそのまま一片も残さず蒸発する事だろう。炎熱を操る能力を有しており、その能力は多岐にわたる。またマグマを糧にマグマを生み出すというゼロ対イチの能力を備えており、倍々ゲームでほぼ無限にマグマを生成可能。更にマグマを泳ぐ速度は水中の魚の如き速さで、マグマに浸かる事で再生も可能。つまり、自前のマグマでマグマを無限に生成し、フィールドをマグマの海に変え、マグマを泳いで高速で移動し、マグマによって癒されることで高い継戦能力を得る……という戦い方をする。体長は超級危険種としては一般的な10mサイズ。元から高い硬度により頑強な肉体をしているが、前述の通りマグマによる再生能力によってほぼ不死身の身体を持つ。

 

 地星の名を与えた【“成長し続ける完全生命体”Twin G】。

 以前より愛用していた某レジデントイービル的なタイラントを成長させた結果、G型生命体として新生した存在。つまりモデルはバイオ2のボスキャラ。四腕を持つ怪爪のヒトガタ危険種。色彩は黒をメインとしており、もはや人間性など感じられない正真正銘の怪人と化している。細胞レベルでの無限進化、それによる不死身の特性を有する。とはいえ兵器として運用する場合、勝手に形態や能力が変化し続けるというのは扱いづらい為、基本的には最も安定している第三形態で変異を固定されている。状況に応じて形態を変化させることは可能だが、使用者の命令を受けなければ実行できない。尤も、素体であるタイラントの膂力や生命力をヒトガタに押し込めた結果、圧倒的な怪力を発揮し、細胞単位での再生による生命力を有し、各種感覚も鋭敏となっているため、形態変化を必要としないくらい素の能力が高い。コレにG生物としての特性をベースにした改造を加えた結果、非常に高い性能に纏まっている。当然、旧型の特性をそのまま引き継いでおり、道具を扱う知性と認識能力、指示を理解出来るだけの知能、同型である(ペア)との完全な同期連携能力は失われていない。骸人形として一つの枠に収める為、普段は同化させて一個の肉体にしてある。体長は2mサイズで、ともすれば大柄な人間と同程度。

 

 火星の名を与えた【“不死の怪竜”デスタグール】。

 原作でもクロメが骸人形に加えていた超級危険種。原作では骸骨姿の恐竜といった様相だったが、実は此の危険種は再生する生命体という特徴を有する。あの骨身の状態でも生命活動を続けていたが、文字通り不死鳥の如く再生し、生身の肉体を取り戻すという生態をしている。冬眠中は時間をかけて省エネの骸骨モードとなり、数十年単位の休眠から目覚めると近隣の生命体を山ごと食らい尽くすという習性をしている。目覚めと大喰らいによって補給したエネルギーにより再生すると、その姿は黄金に輝く二足歩行の竜、所謂特撮的な怪獣のようである。当然だが骨竜よりは肉体持ちの方が強力であるため、改造によって失われた肉体を復活させ、各種能力の向上を図ってある。原作で有していた巨大な熱線破壊砲だけでなく、散弾として広域に攻撃したり、威力を絞って超長距離を狙撃させたり、追加効果を色々持たせたりと、攻撃手段の多様化を施した。体長は原作と同様10mサイズ。生身を取り戻しているため、攻撃はその重量の分だけ重くなり、筋肉によって俊敏に動く上、鱗などの体表が大抵の攻撃を弾く。

 

 木星の名を与えた【“刺し穿つ巨大杭獣”デッドバンカー】。

 体長は40mサイズと此の世界でも最大クラスの巨躯を誇る。此のサイズは土星の号を与えた個体と同クラスだが、大きさに関してはどちらも元々の生物がそれだけの巨体を有するだけ。改造によって巨大化したワケではない。外見は特撮の怪獣のように二足歩行する怪生物といった様子。各部にプレートアーマーのように硬質化した鱗が護りを固めており、最大の特徴は発達した両手の爪。太く鋭く強靭な手の爪の内、中指に当たる部分の爪は異常に発達して特殊な形状をしている。人間ならば手の甲に当たる部分まで基底部がせり出して変質したその爪は、所謂浪漫砲(パイルバンカー)の機能を有していた。高温に発熱し超高硬度で対象に突き刺さった爪は、瞬時に刺さった対象の固有振動数と同調して共振、分子結合を破壊させるという、“物質”である限り絶対に免れられない必滅の破壊を齎す杭。そんなバカげたゲテモノが備わっているのが、此の生物だ。そのほかには特殊な能力は有しておらず、精々が巨体による肉弾戦が可能なくらい。まさにロマン兵器よろしく一撃必殺に特化した存在と言えた。一体何と闘っているんだ……。

 

 土星の名を与えた【“最強の龍”ドライグ】。

 体長は前述した通り40mサイズ。万人が“ドラゴン”と聞いて思い浮かべるであろう姿をしている。血色のように紅い全身に双翼、鋭い牙を備えた顎と二足歩行するトカゲの如き姿勢、そして長く太く大きな尾。此の世界ではドラゴンの頂点にある存在とされ、全ての竜種の中で最強と謳われる。火を噴き、空を飛び、咆哮で生物を萎縮させ、素早く強靭で硬くタフ。特殊な能力こそないが、各種耐性が生物の理論限界値にあり、およそ物理的手段では傷をつける事すら不可能。肉体強度から傷が通らないため、生身でも村雨が効果を発揮できない数少ない生命体である。その巨躯と飛行能力により、移動の足として使えば大隊規模の人員程度は容易く輸送可能。更に竜の威圧により、超級危険種以下の生物は本能的に恐怖し近寄らなくなる。仮に興奮し暴れ回る危険種であっても、コレが出現した瞬間に尻尾を巻いて逃げ出す程に生命としての格が違う。当然人間も本能的恐怖により身がすくみ、悍ましい重圧として感じることになる。

 

 天王星の名を与えた【“死すらも凍らせる蟲怪”アラクノギア】。

 見た目は六脚に甲殻類の如き装甲と鉤爪の腕部を有したクモのバケモノ。大きく硬い尾からは偽口が覗き、噛み付く他に偽口内部から劇毒の体液を放出する。体色は鈍い黒を基本とし、顔や体表各部に浮かぶ複眼は明々と赤く光っている。体長は25mサイズと危険種としても大型の部類。デモンズエキスの原料であり、時すらも凍り付かせる絶対の氷結能力を有する。その氷結温度は最大出力だと絶対零度。物理現象の法則すら変化する此の冷温下で生存可能な生命体は他に存在しないため、その絶対低温環境で活動可能な事実はある種の最強生物であると言えた。凍結能力と偽口からの毒液の他には、本物の口部から破壊音波を放てる。基本的にエスデスに可能なことは全て実行可能。いうなればエスデス将軍が増えたようなモノ。コレに高い身体能力と肉体強度を持つ巨体、骸人形故の不死性と無限に等しい体力とが加わるため、完璧に制御した場合は理論上エスデスよりも強力な戦力となる。ただ、使用者であるクロメの操作練度よりはエスデスの戦闘センスの方が優れているため、単体で不死性の再生機能をお互い封印してぶつかり合った場合でも、エスデスが必ず勝つ。おかしいのはエスデスなので、参考にはならないが。

 

 海王星の名を与えた【“無限の混沌”カオスドラグノフ】。

 Tの統合によって空いた枠に追加された、最新最強の骸人形。名前通り、混沌を司る改造キメラである。能力は、前述の危険種たちの全ての能力を扱える、という破格の代物。加えて質量や体積すら変化可能で、最小の10cmから100m、100gから10万tという自由度を誇る。その物理法則に喧嘩を売った機能の神髄は、事象操作の権能にある。他の骸人形の能力を使えるのもコレの応用で、極めると事象編纂すら可能とする。物理世界のルールを無視する此の最強生命体は、当然ながら此の世界にすら存在しない。ドクターの手によってゼロから生み出された此のキメラは、実体が存在しないため、物理的な方法では傷をつけられない。当然実体が存在しないという事は毒物薬物の類も利かず、危険種を操る帝具の類も効果が無いし、冷気や灼熱などの物理法則にも須らく囚われない。現実世界で未確認生命体を総じてUMAと呼称するように、此の世界では常識の外に存在する生命体を総じて“危険種”と呼んでいるので、人為的に創造されたコレも危険種の括りにある。




槍型神器よくばりセット。
詳細は本文の通り。
呪いの魔槍と聞いて思い浮かべた能力を贅沢に全て搭載しましたお値打ち以上の品となっております。



【挿絵表示】

刺し穿つ死棘の槍(ゲイ・ボルグ)



【挿絵表示】

貫き穿つ死翔の槍(ゲイ・ボルグ・オルタナティブ)



【挿絵表示】

穿ちの朱槍(ゲイ・ボルグ・オリジン)



【挿絵表示】

抉り穿つ鏖殺の槍(ゲイ・ボルグ・コインヘン)



クロメの骸人形最新版。
咄嗟に識別する為に太陽系の惑星の名前をコードネームにして区別している。
水金地火木土天海の8種。
詳細は本文の通り。



【挿絵表示】

水星の名を与えた【“千変する水天”キューベックス】。



【挿絵表示】

金星の名を与えた【“輝く獄炎”マグマカイザー】。



【挿絵表示】

地星の名を与えた【“成長し続ける完全生命体”Twin G】。



【挿絵表示】

火星の名を与えた【“不死の怪竜”デスタグール】。



【挿絵表示】

木星の名を与えた【“刺し穿つ巨大杭獣”デッドバンカー】。



【挿絵表示】

土星の名を与えた【“最強の龍”ドライグ】。



【挿絵表示】

天王星の名を与えた【“死すらも凍らせる蟲怪”アラクノギア】。



【挿絵表示】

海王星の名を与えた【“無限の混沌”カオスドラグノフ】。



マーボカレーさん、誤字報告ありがとうございます。対応いたしました。
(2023/06/13)
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