神と悪魔とドラゴンと   作:浜の小さな大魔神

3 / 20
みなさんこんにちわ。
浜の小さな大魔神です。
えぇ、今回ちょっと長めに書いてとりあえず
プロローグ部分をある程度終わらせようと思います。
次からは皆さんお馴染みの原作ウェンディ初登場回である
六魔将軍(オラシオンセイス)編にする予定です。



仕事と喧嘩と仲直り 後編

 

目の前にいるのは,大柄な人間よりさらに人周り筋骨隆々としているであろうか。そんな感じすらさせる狼と人間の半獣半人。

しかし,シンにとっては別に敵でもなんでもなかった。

 

 

「ギャウン!」

 

 

目の前に転がっている魔狼

何が起こっているのか,簡単である。

単純に目の前に突っ込んできた魔狼の攻撃を受け流して

ついでに回し蹴りで一撃加えて

そのまま攻撃魔法で体を軽く焼いてやる。

言葉にすればこれだけ

しかし,それを見るものが見れば戦慄するほどの精度と威力で圧倒していた。

 

「すごい」

 

目の前でそんな,戦闘技能者としての絶技を見せつけられたウェンディはそれをただ,見惚れるように見つめるしかなかった。

しかし,それはすぐに終わりを告げる。

 

「ウェンディ!!そろそろ魔力がきつい。君のサポートが必要だ。俺だけじゃあ奴には勝てない。手伝ってくれるか?」

 

ぶっちゃけたことを言うなら,シンにすればこんなのは雑魚だ。

しかし,ここでウェンディの心を折る必要はない。

十分恐怖したことだろう。

普段やらないことに,気を張ったことだろう。

帰ったらシャルルにこっ酷く叱られて,マスターからも軽め以上に嗜められて,そんでちょこっと凹んじゃうだろう。

そうしたら,何か作ってあげよう。

この前好評だったパイでも焼いてあげようかな

 

そんな思考から先頭に思考を戻す。

とはいえ,相手は瀕死だ。

そんなに危惧することはない。

とはいえ,ウェンディが足手纏いだったという負目を背負わさる意味もまたない。だから,彼女はサポートすることで貢献した。というにげみちもつくつてあげる,この後どうするかは彼女次第だ。

まずは目の前の敵を片付けるとしよう

 

「悪魔も天使もドラゴンもすべからく、おれの前にひれ伏せ。」

【パワー上昇 アームズ】

 

俺の前口上の間にウェンディが力のエンチャントをしてくれる

あの子の献身性は、後方支援で本当に力を発揮する

いつか、あの子が一歩踏み出して一人で戦う日まで

俺が、あの子を守るんだ。

 

 

【聖魔竜の咆哮ー!!!】

 

 

ドガーン!!!

 

魔狼はブレスによって跡形もなく消滅した。

 

「さて、魔獣も消滅したことだし報酬をもらいに行こうか」

「え?、、、、あ!?じ、実はこの村の依頼は嘘の依頼で、だから報酬自体無くて、、、ええっと」

「あ~、それはもちろん知ってるよ?そのうえで、報酬をもらいに行くよ」

「どういうこと?」

「まずは村に戻ろうよ。シャルルも心配しながら怒って待ってるはずだよ」

「う~。シャルルにすごい怒られそうだよ~」

「今回は助けられないだろうから頑張って」

 

すでにこの後のことに気が行ってしまって涙目の少女

すると、上のほうから声がした

どうやら、ようやくきたようだ

 

「ほれ、来たみたいだぞ。」

「何?上のほうが騒がしいけど」

「評議員だよ。」

「え!?」

「俺がここに来た段階でここの依頼が嘘であることには気が付いていたんだ。だからウェンディを救いに行くのとは別にシャルルに動いてもらってたんだ。」

「それが、評議員の人たちを呼びに行ってくれたってこと?」

「その通り」

「じゃあ、もう大丈夫なの?」

「うん。もう大丈夫だよ。」

 

 

そういわれてようやく安心したのだろうか?

体が極度の疲労と命の危機に瀕してあり得ないほど集中していたからだろうか

ゆったりと彼女は意識を手放してしまった。

 

 

 

「ウェンディー!!シーン!!」

「おーいシャルル~」

「この子意識失っちゃってるじゃない。大丈夫なの?」

「極度の疲労で気を失っちゃっただけだよ。」

「それで、どうするの?」

「ウェンディを安全な所まで連れて行ったらとりあえず俺が評議員の地方官の人のところに行って事情を話してくるよ。とりあえずウェンディのことは言わずに適当にぼかしながら俺が途中で気づいたことにでもすればいいでしょう」

「そうね。ウェンディが行ったところで碌に受け答えできるとは思えないし。」

 

 

そういうわけで,俺が今回のことに関しても対応することになった。

とはいえ,別段難しい話をするわけではない。

あったことをあるがまま話すというだけのことだ。

 

 

 

 

 

 

 

ウェンディside

 

目を覚ますと,シャルルが私の隣にいた。

顔を見なくてもわかる。

こういう時のシャルルは小言とかとやかく言ったりしない。

最初にちゃんと訳から聞く

 

「いい加減話しなさいよ。なんで今回だけこんなに強引なことしたの?」

 

やっぱりきた。

いつもなら,申し訳なさで答えるけど

今回だけは,まだ誰にも言いたくない。

このことだけは,誰にも

 

「迷惑かけてごめん。でも,言えない。今は」

 

また怒っちゃうかな?

それとも,もう愛想尽かされちゃうかな?

どっちにしても,このままじゃ許してくれないよね

 

「そ,今は話せないのね。なら,話せる時になったらちゃんと話しなさい。その時は、シンも私もちゃんといるところではっきりということ。それを守れる?」

「,,,,,,」

「何ぽかんとしてんのよ。あんたが言い出したのよ?それとも嘘だったとでもいう訳?」

「ち、ちがうよ。私、シャルルに嘘ついたりなんてしない。」

「でしょ?それならいいじゃない。ちゃんと話すのよ?わかった?」

やっぱり,私はこの可愛らしくて小さな親友には敵わないなぁ。

でも,これだけ信じてくれてるんだもん。

「うん!!」

この返事だけで,十分だよね。

 

「どうせ,シンのこと絡みなんでしょう?」

「ふぇ////な,なんで,そそ、そう思うの?」

「だって,あなたがここまで頑なになるなんてそれしかないでしょ。それに私にだったらもっとストレートにいうからわかるわよ。」

「ウゥゥゥ////」

「好きならちゃんとそう伝えなさい。いつまでもウジウジしてたら,誰かに横から掻っ攫われるわよ?」

(まぁ,ウェンディが危険ってわかった時の焦り方とか,出てった後の対応を見たら,そんなこと絶対ないと思うけど。心配させられた身としては,ちょっとは仕返ししてやらないと)

 

少し,悪い笑みを浮かべながらも自身の親友である少女の身に何もなかったことにこれ以上なく安堵するシャルルと赤面に,何か譫言のようにぶつぶつと言っているウェンディがそこにはいた。

 

 

 

 

シンside

 

取り調べというか,評議員の確認は以上なほど早く終わった。

どうやら元々ある程度目をつけていたそうで今回決定的な尻尾を出したということで,報奨金がどうこうと言っていたのでとりあえず今回の依頼分と行き帰りの交通費はもらい,それ以上は貰わなかった。

残りは評議員側に寄付するということで恩を小さく売って,ついでに顔を覚えといてもらう。こういう地道な根回しは,意外と後で効いてくるからな

 

 

ウェンディ達の元へと行くと,何があったか赤面してるウェンディと

何やらしてやったりのシャルルがいた。

話も終わったのでとっとと下に行って帰ろうと伝える。

 

「おーい,終わったし帰るぞー。」

「うぇ!?あ,シン!!終わったの?」

「うん。帰ろ?」

「あ、うん。そうだ「あ,そうだ。」何?」

「はい。これ」

「これは?」

「今回君がもらうはずだった報奨金。評議員がくれた」

「ええ!?だって,そもそもこれってシンがもらったんでしょ?」

「いいよ。俺は。お金なんて使ってないから腐るほどあるし」

「それもそれでなんだか嫌な言い方ね」

「事実なんだから仕方がない。それに、本来受注者が報酬をもらうのはルールみたいなもんだしね」

「、、、、、、うん」

 

 

 

ウェンディはなんだか心ここにあらずって感じで何かを考えているようにも落ち込んでるようにも見える

この子は基本的にわかりやすいけど、たまに本心が全く見えなくなる時があるから心配だ

だが、ここで言及しても仕方がないだろう

とりあえずは

 

「帰るか」

 

帰って向こうで考えることにした

 

 

帰りの車内では

お互い特に話すこともない無言の時間が続いた。

ウェンディ自体元々おとなしい子だし、シャルルもやかましいのは得意じゃないから必然的にこういう時間ができることそのものは珍しくはない。ただ、ここまで気まずい感じなのは初めてでぶっちゃけ居心地が悪い

どこかで二人を怒らせるようなことをしてのか心配になった。

そんな心配をよそに、定期便はギルドの近くまで戻ってきていた

 

ギルドに帰るまでの途中には一つの町がある

そこは決して大きな町ではないが、商工業者の組合が近くにあるということでそれなりに賑わっている。ふだん、特段の幼児のないときなんかはスルーしていくのだが

なぜか急に、ここでウェンディが突然降りたいと言い出した。

なのでとりあえずシャルルに、いいの?と聞いてみても、いいんじゃない?と返すだけなので

不思議に思いながらも二人がいいと思うならわざわざ否定する理由もなく、承諾して街に降りた

街に降りると、ウェンディは一心不乱に歩いた。それを俺たちも追いかけるようについていくと街のいわゆる雑貨屋のようなところについた

ここでようやく真面目に疑問をぶつける

 

「ウェンディ、ここに連れてきた理由をいい加減に教えてもらえない?」

「話すから、まずは中に入って」

「わかった」

 

 

中に入ると、店の店員にウェンディが話しかけた。

すると店員が奥に行き、何やら商品を持ってきた

まさか、自分の欲しかったアクセサリーでもあったからあらかじめ予約でもして取りに来たのだろうか?

いやなに、ウェンディも年頃の女の子だ。

着飾りたいという気持ちはわからんことはない

だが今回のあの危険に陥った理由がそれならさすがに文句の一つも言わせてもらうぞと思い

 

 

「おいウェンディ、まさかそれって、、、」

 

ちょっと怒ろうと声をかけると

思っていたのとは違う答えが返ってきた

 

「うん!!シンに挙げるプレゼントだよ。いつも助けてくれてありがとう。今日も助けに来てくれてうれしかった。それから、今朝はひどいこと言ってごめんなさい。」

「、、、、はえ?俺に、プレゼント?なんで?」

「え?シンもしかして忘れてたの?今日はシンの誕生日だよ」

「,,,,,,,,,,あ!?!?」

「あきれた。まさか本当に忘れてたなんて」

 

シャルルからも厳しいご指摘が入る

だが、ここ最近仕事行ったりばっかりで碌に日程の確認もできていあないし仕方がない。

そういえば去年はちょっと長めの仕事行ってて帰れなくて、帰った後のにウェンディが

「来年は絶対かえってきてね。すっごいの用意するから」

とか言ってたな。

たぶん自分でも無意識にここら辺の仕事減らしてってたんだろな。

そんなことを思い出しながら、目の前にある手渡されたブレスレッドに目を向ける。

白と黒が半分半分で色分けされた真ん中には悠々と雄々しくたたずむドラゴンの模様が入っている

そしてそれをくれた目の前の彼女に目を向ける。

 

 

「ようやく気が付いたの?自分の誕生日くらい覚えてないとだめだよ?」

「面目ない」

「フフフ。いつもと違うからなんだか変な感じ」

「まあ、大体逆だからな」

そんなことを言ったら頬を膨らませて怒られてしまった。

しかしすぐに表情は戻り、そして

 

  「お誕生日おめでとうシン。これからもよろしくね」

 

ウェンディは、言葉とともに花のほころぶような満面の笑みを浮かべていた。

 

ドクン!!

「!?」

なんだ。今の胸の高鳴りは?

顔が熱い。なんかすげードキドキしてる。

ウェンディってこんなかわいかったか?

いや、前から可愛いのは間違いないわ

でもそうじゃなくて!!

そもそも今日はなんであんなに慌てた?

たしかにウェンディが心配になったのはそうだけど

でも、普段だったらあり得ないくらい動揺したし慌てた。

ウェンディがけがをしてないとわかったときに驚くほど安堵した

彼女を食らおうとしている獣を見たときに、ありえないくらいの殺意が沸いた

そして今、プレゼントをもらえたのが自分だということに

今日こんな無茶をした理由が自分だということが分かったことに本当なら窘めなきゃいけないのに、こんなことで危険な真似しちゃダメって言わなきゃいけないのに、今それ以上に飛び上がりそうなほどうれしい自分がいる。

 

あ、そういうことか。

ようやく、この気持ちの正体が分かった。

慌てた理由も、怒った理由も、うれしい理由も、なんだか甘くなっちゃうその理由も。

 

(ああ、俺はきっとこの優しくて可憐な女の子に、ウェンディ・マーベルって少女に、どこまでも惚れてしまったんだな。)

そう思うとなんだか自分の中の気持ちがすっと腑に落ちた。

そして、そんな子からプレゼントをもらったんだ。

言う言葉なんて一つしかない。

 

 

「ありがとう。最高の誕生日プレゼントだよ」

 

多分俺は今、生まれて初めてといえるほどの満面の笑みを浮かべているだろう。




ええ、これでプロローグはおしまいです
この話が書きたくてだいぶめちゃくちゃでしたが書きました。
ここでウェンディにもシンにもお互いに対する恋心を持たせておきたかったので
次回から六魔将軍編に入っていくわけですが、ぶっちゃけ話の構想はまだ練っている段階なので投稿期間にちょっと空きが出ると思いますが楽しみにしていただければ幸いです。
それだはまた次回お会いしましょう、
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。