神と悪魔とドラゴンと   作:浜の小さな大魔神

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皆さんこんにちは
浜の小さな大魔神です
今回は、ウェンディ闇落ちを救おうの回です
幼馴染っていうのかこれ?
気になった人もいるかと思いますが
まぁ、ウェンディがシンを拾った時にはまだ小さかったし
お互い同年代で数年間は一緒にいるのでそう表現しても
いいのではないかと思って書きました。
それでは本編、どうぞ


幼馴染だから言えること

 

「さぁ、ウェンディ。久しぶりにお話しようぜ?」

ウェンディは明らかに異常なほど落ち込んでいる。

どうしようかと考えたが、とりあえず話してみることにした

 

「私のせいで、エルザさんが、ナツさんが、皆さんが、私がジェラールを助けたせいで」

「まぁ、それは仕方ないんじゃねぇの?」

「違う。私が治さなければ、ニルヴァーナが見つかることもなくって」

「別にあるとこはわかってんだ。どうせ見つかっただろうし、ここまで大っぴらにやっちまった以上は消さなきゃならねぇんだ、どっちみち探す手間があったんだ。前向きにとらえようや」

「でも、、」

 

こうして話していれば、落ち着いてくると思っていたんだが

その瞬間に、彼女の周りを黒い何かが覆った。

それに呼応したとでもいうのか、いきなり弾いたように

立ち上がって笑い出した

 

「あははは。あははははは」

「おい、ウェンディ?」

「違う!!私のせいじゃない!!全部全部シンが悪いんだ。シンが私を助けに来ないからいけないんだ。シンが私の近くにいないから。私を守れなかったからいけないんだ。シンがいれば、皆大丈夫だったのに。ジェラールが復活することも、エルザさんのこともナツさんのことも、みんなみんなシンの、、、」

 

怒りながら泣いていた。

言葉と気持ちが乖離している。

本当にそんな感じだ。

でも、彼女が言っているのも事実だ。

俺がウェンディのそばで守ってやれなかなかったのがそもそもの原因だ

 

ギュッ

 

だから、何も言わずにウェンディをただ抱きしめた

何か言葉を発しようとした気もする

違うと喚き散らそうとした気もするし、ウェンディをひっぱたいてでも正常に戻そうとした気もする。

でも、それは違うと思った。

それはできないと感じられた

そして何より、脳が考え出すより早く

心と体が反射するように動いていた。

 

 

「シンのせいだ。いっつも歯の浮くようなこと言ってるくせに、いっつも守るとか言ってたくせに、嘘つき。この嘘つき!!」

 

 

ウェンディのそんな言葉は心をえぐられる。

ニルヴァーナの影響下なんだろうと、本心じゃないんだろうと

そう言い聞かせていても、彼女からこんなことを言われれば心も傷つく

それでも、どんなに苦しくても

泣いているウェンディを救うためならおれは手段を厭わない

だから、この抱擁を解いたりしない。

 

「シンだって、私が嫌いなんでしょ!そうなんでしょ!?私だってシンなんか嫌いよ。大っ嫌いよ。消えて!!私の前から消え去って」

 

 

「ごめんなぁウェンディ。本当にごめん。君につらい思いをさせて」

「うるさい!!口先だけで何言ったって」

「君を守れなかったのはおれが悪い。いつもあれだけ言ってたのにこのざまだ。自分でも情けなくて笑えるよ。」

「どうせどうせ!ジェラールを復活させた私を邪魔だと思ってるんだ。いらない子だって思ってるんだ。」

「そうだね。ジェラールを復活させたのは確かによくないことだったね。でもね、君がいらない子だなんてことは一つもないんだよ。」

「嘘だ。本当は面倒だって。鬱陶しいって思ってるにきまってる」

「君の性格を面倒だって感じたことがないといえば嘘だけど、君の責任感とやさしさにあふれた性格は立派な美徳だし、それを煩わしいとか鬱陶しいだなんて思ったことは過去に一度たりともないよ。断言してもいい。」

「でも、嘘ついた。助けるって言ったのに。私が悪いって言った。結局そう思ってるんでしょ!?」

「勘違いだよ。君がしたことは結果的によくなかったのかもしれない。でも、それは君の恩人だったからなんだろ?それにさっきも言ったけど結局は探すんだ。そういう意味では目当てのものを見つけたとしてお手柄ともいえる。助ける云々に関してはそこを言われると耳が痛いけど」

「ヒック、ヒク。私のせいでみんな不幸になるんだ。私のせいでみんなが苦しむんだ。みんなが悲しむんだ。」

「それは違うよウェンディ。」

「え?」

「君は、皆を笑顔にする。だって、誰も救えなかったエルザさんを救ったのは君なんだ。あの日、あの森で全てに絶望して壊れかけていた俺を助けてくれたのは君なんだ。君が笑って、生きてもいいと言ってくれたから、愛されなかった俺に帰る居場所をくれたから、いまもおれはここにいられる。君が救ってくれたんだ。君が不幸にしたなんてことは絶対ない。もし、そんなこと言うやつがいたら俺がぶっ飛ばしてやる。」

「シンは、信じてくれるの?」

「あたりまえだ。たとえ世界が君を否定しても俺が肯定する。世界が君を非難してもおれが最後の最後まで君の味方でいる。君はおれを闇の真っ暗な中から救ってくれた恩人だから。太陽みたいに優しくて、天使みたいにかわいくて、俺を、シャルルを、皆を笑顔に、幸せにしていく俺の尊敬する魔導士だから。だから安心して、ウェンディも俺を信じてよ。」

 

 

体から黒い靄のようなものが抜ける。

ようやく今までのウェンディに戻ったみたいだ。

 

「シン、さっきのこと本当?」

「いったこと?全部本心だよ?なんか自分でもびっくりするくらい言葉がつらつら出てきた。」カラカラと笑う。

「わ、私もシンのこと、、、、、信用してるし信頼してるし、尊敬してるよ!!」

「!?、、、、プッ ハハハ!」

「な!なんで笑うの////」

「だって、そんな真剣な顔して言うから」

ダメだ、思ったよりもツボだ。当分は抜けられそうにない。

 

「ハハハッ。安心しなよウェンディ。君の気持ちは確かに伝わったから。」

「フン‼だ。あんなに笑うシンなんてもう知らないから。」

「あはは、ゴメンって。」

「もう、今回だけだからね」

「うん。ありがとう。ウェンディ」

「もう一回」

「へ?」

「だからその~、もう一回さっきみたいにぎゅっとしてほしいな~。なんて。えへへへ、冗談だよ。」

 

そうはにかむウェンディを見た俺は

又も無意識に体を動かしていた。

 

ギュッ

 

「うぇ、ちょっ、じょ、冗談だってば~/////」

 

顔を真っ赤に染めているが、離してやる気なんてかけらもない。

今はただ、目の前の少女を抱きしめていたくて仕方なかった。

満更でもなかったのか

少女も特に振りほどこうとせず

御互いがお互いの体温を感じながら

 

「「はぁ~、やっぱり落ち着くなぁ。」」

 

まったくおんなじことを思っていた。

 

「おっ」

「あ、」

 

「被ったな」

「被ったね」

 

「「あはははははははは!」」

 

二人して同じことを考えていたことに大笑いした。

 

 

ウェンディside

 

ずっと考えていた。

私のせいで、皆が不幸になっちゃうんじゃないかって。

みんな先に行ったけど、シンが残ってくれたことがうれしくて

でも、申し訳なくて。

そう思っていたら突如、黒い何かが体内に入り込んで

すると、心の中の抑えがとっぱらわれたような気分になった。

 

 

 

「違う!!私のせいじゃない!!全部全部シンが悪いんだ。シンが私を助けに来ないからいけないんだ。シンが私の近くにいないから。私を守れなかったからいけないんだ。シンがいれば、皆大丈夫だったのに。ジェラールが復活することも、エルザさんのこともナツさんのことも、みんなみんなシンの、、、」

(違う!!何言ってるの私!?)

 

思っていた言葉だけ発していたのが、

そのうち心で思ってもないこと、いやおそらくは

思ってはいけないと感じていたことを

ひとりでに言い始めた。

 

ギュッ

 

いきなり抱きしめられたことに驚いた。

いつもだったらうれしくて舞い上がってパンクしちゃうのに

今日は普段思いもしない言葉があふれて勝手に口から出ていく

 

 

 

「シンのせいだ。いっつも歯の浮くようなこと言ってるくせに、いっつも守るとか言ってたくせに、嘘つき。この嘘つき!!」

(違うの。そんなこと思ってない。シンは私を助けに来てくれた。みんなより早く、一番に私のところに来てくれた。)

 

「シンだって、私が嫌いなんでしょ!そうなんでしょ!?私だってシンなんか嫌いよ。大っ嫌いよ。消えて!!私の前から消え去って」

(そんなわけに、いつも守ってくれるシンを、私が嫌いになんかなるわけない。だって私はずっと前からシンのことが、、、)

 

思いとは裏腹に心の闇からあふれ出してしまう言葉に

ウェンディは無意識に涙を流してしまう。

 

「ごめんなぁウェンディ。本当にごめん。君につらい思いをさせて」

(本当につらかったのはシンのはずなのに)

 

「うるさい!!口先だけで何言ったって」

「君を守れなかったのはおれが悪い。いつもあれだけ言ってたのにこのざまだ。自分でも情けなくて笑えるよ。」

(そんなことない。シンが情けなかったことなんて一度もない)

 

「どうせどうせ!ジェラールを復活させた私を邪魔だと思ってるんだ。いらない子だって思ってるんだ。」

「そうだね。ジェラールを復活させたのは確かによくないことだったね。でもね、君がいらない子だなんてことは一つもないんだよ。」

(やっぱり、いけないことをしちゃったんだ、それなのに、さっきからひどいことしか言ってないのに、、、シンは優しいなぁ)

 

「嘘だ。本当は面倒だって。鬱陶しいって思ってるにきまってる」

「君の性格を面倒だって感じたことがないといえば嘘だけど、君の責任感とやさしさにあふれた性格は立派な美徳だし、それを煩わしいとか鬱陶しいだなんて思ったことは過去に一度たりともないよ。断言してもいい。」

「でも、嘘ついた。助けるって言ったのに。私が悪いって言った。結局そう思ってるんでしょ!?」

「勘違いだよ。君がしたことは結果的によくなかったのかもしれない。でも、それは君の恩人だったからなんだろ?それにさっきも言ったけど結局は探すんだ。そういう意味では目当てのものを見つけたとしてお手柄ともいえる。助ける云々に関してはそこを言われると耳が痛いけど」

「ヒック、ヒク。私のせいでみんな不幸になるんだ。私のせいでみんなが苦しむんだ。みんなが悲しむんだ。」

(そうだ。私のせいでみんなが)

 

「それは違うよウェンディ。」

「え?」

(え?)

闇に支配されていた表層の意識と深層心理に沈んでいたウェンディ本来の感情が再びリンクし始める。

一人の少年の心からの言葉によって

 

「君は、皆を笑顔にする。だって、誰も救えなかったエルザさんを救ったのは君なんだ。あの日、あの森で全てに絶望して壊れかけていた俺を助けてくれたのは君なんだ。君が笑って、生きてもいいと言ってくれたから、愛されなかった俺に帰る居場所をくれたから、いまもおれはここにいられる。君が救ってくれたんだ。君が不幸にしたなんてことは絶対ない。もし、そんなこと言うやつがいたら俺がぶっ飛ばしてやる。」

「シンは、信じてくれるの?」

「あたりまえだ。たとえ世界が君を否定しても俺が肯定する。世界が君を非難してもおれが最後の最後まで君の味方でいる。君はおれを闇の真っ暗な中から救ってくれた恩人だから。太陽みたいに優しくて、天使みたいにかわいくて、俺を、シャルルを、皆を笑顔に、幸せにしていく俺の尊敬する魔導士だから。だから安心して、ウェンディも俺を信じてよ。」

 

 

 

その言葉は、私を解放するには十分すぎた。

体から、靄が抜けていくのがわかる。

体から黒い、不の感情を圧縮したよう何かが消え去った。

 

 

 

 

そして、私は私を救ってくれたシンに

「シン、さっきのこと本当?」

気になって尋ねる。

「いったこと?全部本心だよ?なんか自分でもびっくりするくらい言葉がつらつら出てきた。」

 

カラカラと笑うシンの笑顔が、言葉に一欠けらの嘘もないことを教えてくれる。

ならば、自身も少年に伝えるべきだ。

 

「わ、私もシンのこと、、、、、信用してるし信頼してるし、尊敬してるよ!!」

 

精一杯。羞恥心やら何やらをすべて我慢して言い切った。その返事が

「!?、、、、プッ ハハハ!」

「な!なんで笑うの////」

「だって、そんな真剣な顔して言うから」

これである、これはさすがにいくらなんでもひどい。

 

「ハハハッ。安心しなよウェンディ。君の気持ちは確かに伝わったから。」

「フン‼だ。あんなに笑うシンなんてもう知らないから。」

 

私が頑張って、勇気だしていったのに笑う人なんて知らない。

 

「あはは、ゴメンって。」

「もう、今回だけだからね」

とはいっても許してしまう。なんだかんだで、シンのことは嫌いになれそうもない。

そうだよね、決まってるよね。だって、私はシンが好きで

この気持ちだけは、この願いだけは誰にも譲りたくないって思ってるんだから。

 

「うん。ありがとう。ウェンディ」

 

だから攻めてみよう。もうちょっとだけ。

この思いをいくらかでも出せてる今のうちに

「もう一回」

「へ?」

 

すごく恥ずかしい。でも

(ここで頑張れ!!ウェンディ・マーベル)

「だからその~、もう一回さっきみたいにぎゅっとしてほしいな~。なんて。えへへへ、冗談だよ。」

(うぅ~!!私の馬鹿ぁ。なんでいつも肝心な時に勇気を出せないのぉ)

 

ぽかんと不思議そうな顔をしたシンは次の瞬間

 

ギュッ

 

いきなり抱きしめてきたのだ、さっきのように

 

「うぇ、ちょっ、じょ、冗談だってば~/////」

 

これにはさすがに動揺してしまい、さっき考えていたこととは別の言葉が出て来てしまう。もうニルヴァーナの影響はないはずなのに

顔を真っ赤に染めているが、離してくれそうな気は欠片もない。

でも、不思議だ。恥ずかしく打て仕方がないはずなのに

 

「「はぁ~、やっぱり落ち着くなぁ。」」

 

私はこの時少年とまったくおんなじことを思っていた。

 

「おっ」

「あ、」

 

「被ったな」

「被ったね」

 

「「あはははははははは!」」

 

そして、二人して大笑いしたのだった。

もう私の中に、暗い感情は何もなかった。

 

 

 

シンside

 

 

何はともあれ、ひとまずウェンディが戻ってよかった。

とはいえもうほかのところ局面は進んでいる。

思った以上に時間がかかってしまったので、すっとたち上がる。

 

「はぁ~、さて。一通り笑ったことだし、ルーシィさんたちを追いかけようか。立てる?ウェンディ」

「うん大丈夫。行こう!!シン」

「おう」

「シャルルもずっと待っててくれてありがとね」

「空気読ませちゃって悪かったな。」

「ふんっ。あんたたちのあんな状況じゃ下手に突っ込むほうが野暮になっちゃうじゃない」

「まるで何かいかがわしいことでもしてたかのように言うなやい」

「/////////」

「あんたが変なこと言うからウェンディ赤くなっちゃってるわよ?」

「ありゃりゃ、ま~じかぁ」

 

そんなこんな話してはいたが向こうから戦闘の音も聞こえはじめ、いよいよふざけてもいられなくなる。

 

「よっしゃ、それじゃあ。化け猫の宿(ケットシェルター)反撃開始と行きますか」

「うん!!」「えぇ!」

 

そうして、俺たちも走り出した。

すでに戦闘とニルヴァーナの様相はすでに折り返し地点を過ぎそれぞれの局地戦の様相を呈し始めていた。

 




はい、というわけで今回は書きたかったところの一つだったウェンディ闇落ちです。
この展開は原作にはなくて漫画やアニメだとヒビキが気絶させて終わりだし、二次創作探してもだいたいがさらっと書かれているところなので、思い切って今回は一話丸ごとにしてみました。
そしたら砂糖を吐く羽目になりましたが、、、

とはいえ、作中でも言った通り話も終盤戦誰と戦わせようか悩みどころではありますがその辺も含めてじっくり煮詰めていこうと思います。
皆さんのコメントや評価は大変励みになりますので是非ともよろしくお願いします
それではまた次回。
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