「我が名は毛利元就! 日輪の申し子なり!」   作:ゆしゃ

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第12話

 

 

 

鬼殺隊に入隊してから4年が経ちました。『天照の御子』(笑)、18歳の毛利元就です。

 

下弦の鬼をいつの間にか倒していた上に、トータル討伐数は優に200を超えつつある。

ちなみに「終の手『照』」はほとんど使わないようにしてるので、討伐数はほぼ実力。どんだけ居るんだ鬼。

 

階級は甲になってしまった。とうとう最高階級の甲になってしまった。呼吸を使う人たちを差し置いて甲になっちゃったよ。辛い。

長曾我部に話したら、「あんた、自ら死地に行こうとしてねェか?」と言われた。死地に行こうとなんてしてねーよ。んなもん叶うなら避けたいよ。死地が寄って来るんだよ。

 

幸い、上からの呼び出しは入隊してからまだない。来ないのが怖い。大丈夫かな〜?溜めに溜めて何か暴発とかしない?主に立場的なアレで。

 

 

石田についてなんだけど。この4年の間に基礎から叩き込み、俺の予想通り立派な剣士に育ちました。戦場に1人で出陣させて確実に大将首を持ってくるレベル。

 

それは人間相手の話であって、鬼と対峙するにはざっと見積もって後2年くらいは鬼の対処について稽古をつけるべきだろう。

鬼ってのはバリエーションが豊かだ。人間を食えば食うほど鬼としての能力が跳ね上がり、血鬼術なんて特殊能力に目覚める。

一応、能力の向上にも上限があるらしく、200も倒してれば上限に達して人間を食えなくなった鬼に何体かは出会った。何れも強いものではあった。

 

だが、それは雑魚の中でも、という話。取るに足らないと言い切れる。

 

 

俺は手を掛けたものは完璧に仕上げないと気が済まない。途中で放り出すのは呆れた時と嫌悪した時だけだ。

俺が石田の指導に手を掛けた以上、前以上の強さを持つ男になってもらわなければならない。

好都合なことに、邪魔な記憶(豊臣軍)を思い出す気配は未だにない。

 

 

ちなみに俺が最終選別で使った熱い男(幽霊確定)の刀は4年前に石田にくれてやるつもりで大谷邸に置いていった。

持っていても長さが合わないから磨上する気でいたんだけど、刀の取り扱いを学ばせるいい教材になるんじゃね?と思い、「大谷よ、刀を振るわぬ貴様とて刀の手入れくらいは知っているな?何れは真剣も振るう。石田に教えておけ」と放ってきた。

 

 

 

さて、今日。

俺は大谷邸で石田の稽古をつけながら、別行動を取っていた長曾我部を待っている。

 

何か急に残間が手紙を加えて飛んできて、「カァー!眼帯ヤロウメ、オレヲ使イヤガッテ!無事ナ方ノ目ヲツツイテヤル!」とかなんとか怒りながら戻っていった。

残間の奴、届けてくれるには届けてくれたのね。そしてつつきに戻るんだ。

 

残間が届けてくれた手紙には大谷邸で合流しよう、と書いてあった。追伸で石田に会わせたい奴がいるとも。

あの鬼、4年経っても変わんないわー。別行動を取る度に長曾我部は変わんねーわと再確認している。もはや何回目かは数えてない。

 

「…ぬしらはわれらの家を何だと」

「周辺の鬼を狩ってやっているのだ。その駄賃とでも思えばいい」

 

大谷の家はの周辺は変わらず鬼がよく出没する。

何度狩っても、何処から流れ着くのか住み着くようになり、また人を食う。大谷邸には藤の木があるからか、大谷たちが襲われたことはない。住んでいる人や家が少ないのはそういった理由だった。

土地柄的に鬼が住み着きやすいのか、人間側に鬼が集まる理由があるのか。

 

「ワンッ、アンアンッ!」

「三成を呼んできやれ、左近よ」

「アンッ!」

 

今回、長曾我部と合流するにあたり、大谷邸に赴き、最も驚きだったのがコレだ。

 

 

 

 

島左近が犬だった。

 

 

 

聞けば、数ヶ月前に石田がどこからか小犬を拾って来たのだという。

単に、犬に左近なんて名前付けただけかなと思ってたら、本人らしい。大谷の質問に間違えることなく吠え返したと。婆娑羅の属性は風だった。犬種は柴犬だろう。

 

思わず右手で顔を覆った。大谷は晴れやかだった。なんでだ。

 

 

 

 

 

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