「いぃぃぃいいいえぇぇぇえええやぁぁぁあああすぅぅぅううう!!!」
「い」で猛ダッシュ。「え」で徳川にボディブロー。「や」で徳川が倒れ込む。「す」で徳川の胸を踏みつけた上で刀の切っ先は首にある。
すっげぇな、石田。その調子その調子。
しかし、長曾我部め、石田に会わせていい奴の人選を考えろよ。一番駄目な奴連れてきちゃ駄目だろ。重々承知してるだろ。
「家康を連れてきた!」とかなんとか言って、おもしろそうに笑ってんじゃねぇよ。
「三成!元気そうだな!」
「殺す殺す貴様を殺す息をするな口にするな残滅する殲滅する殺す私は断じて貴様を許さない!!」
「そうか、元気か!」
徳川はどういう脳内変換してるんだよ。
腹を抱えて笑うな長曾我部。後ろを見ろよ、大谷と島左近(犬)の顔を見ろよ、般若かよ。
ほら、徳川の首に血の筋が…。
「元親のお陰で三成に会えた。ワシはそれだけでいい。
秀吉殿のことの件で、お前はワシを憎んでいるのだろう」
「?…秀、吉?誰だ、それは」
「ッ?!」
目を見開いた徳川がバッと勢い良くこっちを見た。分かる、言いたいことは分かる。
「所で貴様は誰だ?」
「ッ???!!!」
徳川は口をパクパクとして、ぽかんとした石田を指差す。うんうん、分かる。分かるぞ、徳川。
ただ、自分の首の心配をしろ。
「そう、か…三成、お前はお前のために生きているんだな…」
「刑部、こいつは誰だ。憎く恨めしく今すぐ殺したいが誰か分からん。知っているのか、誰だ」
「キャンッ!キャンキャンッ!」
「ぶっはっはっはっ!!」
何だコレ。話が全員噛み合わねぇ。
「…大谷」
今度は大谷が顔を覆った。
「…石田は」
「左近と共に道場に押し込んだ。…
「いやぁ、吃驚したな!三成には記憶がないのか」
「長曾我部、何故徳川を連れてきた。こうなることは予想出来たろう」
「まあな、家康を連れてきたのには訳がある。家康とは港で再会してな。
おい、家康。話してやれよ」
「ああ、元親。元親に毛利殿が鬼狩りであると聞いた。それを見込んで頼みたい」
「貴様もか。…何ぞ」
「ある洋館に巣食う鬼を討伐してほしい」
三成様
三成様
きっと俺の方が先に死んでしまうけれど
それまでは
それまでは
三成様
苦しそうに泣かないでほしい
思い出せないと泣かないでほしい
俺が居ます
刑部さんも居るっすよ
全部思い出してしまったら
三成様はきっと潰れてしまう
三成様
三成様
三成様は、三成様だけは
幸せになってもらわないと
だから俺はここにいる。
「行くぞ、左近。遅れるな」
「アンッ!」
──それまでは、側に。
「貴様の所の犬はよく出来ている」
「ほお?左近のことか。ぬしが褒めよるとは凶星…イヤ、槍でも降るか」
「生後も僅かな犬風情が主人の手綱を握るとは、どんな忠犬でも出来ぬもの」
「アレはわれと同じで、三成さえ良ければそれで良い。ヒヒッ、アレが犬で良かったと思うべきよナ、毛利よ」
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大谷吉継
物書き。前世とは違い、病気知らずの丈夫な体で生まれる。やったね!
三成を引き取り、三成を幸せにすることを第一に今日もグロめのミステリー小説を執筆する。
人の不幸は蜜の味な性格は、多少丸くはなっているものの、多少はやはり多少なのである。
とある鴉と繋がっている。
石田三成
大谷のことと家康を殺してやるという復讐心以外は殆ど記憶は無い。
大谷に引き取られ養子、親子となったが、関係は未だ最たる友のまま。大谷はそれがなんとも嬉しいらしいので三成も嬉しい。
10歳にしては達観した考えを持ち、また、銀髪という毛色の違う子を忌み子と恐れた親が親戚筋である大谷に押し付けた。
将来はきっと「犬連れの鬼狩り」とか言われそう。
島左近
犬。犬種は柴犬。色は胡麻色と呼ばれるものに一部赤色のラインがある。
婆娑羅持ちで前世と同じ「風」。相手が何であろうと動じず、鬼の形相で食って掛かるが、石田には千切れんばかりに尻尾を振りまくる。
何で俺って犬なんすかねー。
徳川家康
政府にコネのある豪商の次男。
石田が自分のことを覚えてなくて驚愕。でも元気そうだったからいいや、と殺されかけている。それで三成が生きていってくれるならと受け入れている。
石田に殺されることをオープンにする事となり、時期に復讐心がどこかに飛んでいった石田から拒否られる。