「我が名は毛利元就! 日輪の申し子なり!」   作:ゆしゃ

2 / 20
第2話

 

 

「…聞いたか、長曾我部。『鬼』とやらは『日』に弱いらしい」

「あー、そうみてぇだな」

「…………」

「うぉっ!眩しっ、おい!毛利、あんた、それ、鏡!やめっ、眩しいじゃねぇか!!!」

「それだけか。それだけなのか…!『鬼』すら辞めたかこの鬼め!」

 

あれから2年ほど過ぎ、『鬼』の情報が入り込んできた。

俺たちが暮らしている山の町向こうの山で『鬼』が出たそうな。

その場に居合わせ家族が食われてしまったがなんとか生き延びた町民が町中にその話を広めている。噂によれば、『鬼』は日光に異常に弱く、死に至らしめるものであるらしい。

 

だが、問題はそこではない。この魚好き鬼のことだ。

 

 

こやつめ、日光を克服していやがった。

 

 

そーだよねー?俺と再会したときめっちゃ太陽燦々だったもんねー?疑問にも思わないよねー?『日』が苦手とか。

だって俺、初めて出会った『鬼』は、夏の日差しの中立ってたもん!!!

今でも普通に、昼間に魚釣りとかしてるよ?!

 

 

ふんふん、俺が?日輪信仰してるから?はーーー?!理由になってねーーーよ!なーーんで俺が日輪だいしゅき(ハート)だからって、お前に関係ねーーーーよ!

 

………ないよね?

 

 

 

 

 

 

とりあえず、こいつは俺の日輪信仰のおかげで克服出来ました。ということにしておく。

ぜんっぜん納得いかないけど。

 

あ、そうそう。俺と長曾我部ね、前世の技が出来るようになりましたー!はい、拍手ー!

長曾我部は釣り竿振ったら炎が出たし、俺に至っては包丁を薙いだら発光した。

何で薙いだかって?長曾我部がなんか出したから俺も出るかなという好奇心です。

 

結果、なんか俺の周辺がめっちゃ光りました。初めての婆裟羅(2回目)こわ。

 

 

 

流石に町向こうの山に『鬼』が出たっていうんで、自衛のために技を磨くことにした。長曾我部がいるから一先ず戦闘力の確保は出来てるけど、分断されるとマズイ。

決まってるだろ?真っ先に俺が食われる。

 

 

だー↑がー↓、俺には奥の手がある。

前世の技をマスター出来たなら、今世は生きていける!そう…セルフ『ソーラービーム』、もとい「終の手『照』」。こいつが便利なんですぜ。

なんと、夜でも照射出来るんです。日輪って凄いね。流石日輪だね。日輪パワーは偉大だよ。バサラ技も日輪パワーをお借りすることが出来るが、今世ではおいそれと発動できないことに気がついた。

 

神水をたらふく飲むか、人を殺しまくるか、死にかけるかである。いや、急には無理よ。

死にかけてたら死ぬよ、技を放ってる場合じゃないよ。死にかけてたらそもそも動けないだろ!

 

 

 

長曾我部は長曾我部で、町に慣れやがった。アニキ、アニキと慕われてたし、コミュ力あるもんな〜!見た目こそ「あいつヤベーよ、ヤンキーかよ、近づかんとこ」だが、まぁ人の良いこと人の良いこと。

何でも、野郎共、任せときな!の一言で、町中の困った若造を舎弟にして改心させた伝説を残した。ヤベー、こいつはヤベー。あ、俺は勿論ぼっちです。

全てはこの毛利語自動翻訳機が悪いのだ。

 

 

 

長曾我部が俺と暮らし始めてから、長曾我部は前世と同様に、カラクリにも手を出し始めた。「暁丸と百鬼富嶽はぜってー作ってやる」とほざいてたので殴っておいた。

おめーあんな巨大なカラクリ兵器、山に置けるわけねーだろ。百鬼富嶽に至ってはガッツリ戦艦だし。

 

妥協して長曾我部はミニタイプを作り出した。ミニ暁丸とミニ仁王車だ。敵意のある侵入者に反応して自動的に攻撃を始める。容赦なく火を吹くし、容赦なく張り手で追い出す。壊れかけた際の自爆機能もオリジナルに忠実だった。

 

賊対策に持ってこいな実用的なカラクリに仕上がったのでそこに関しては褒めておいた。照れてる長曾我部は気持ち悪かった。貴様の前世のカラクリはロマンばかりで実用的の無さは凄かったぞ。

しかし、よく山火事にならないな、この山。

 

 

ちょくちょく長曾我部が留守にするようになった。といっても、夜にはきちんと帰ってくる。何をしているのか問いただすと、船の買い付けに行っていると語った。お前…まさか百鬼富嶽を…?と思ったら、漁船だった。町の若造ら、改め長曾我部の舎弟の野郎共に働き口を探してやろうかと港をぶらついていた時に思いついたそうだ。

「あいつら漁師にしちまえばいいんじゃね?海の良さも教えられるし、漁の出来次第だがこの先食いっぱぐれることはまずねぇはず。親御さんらに仕送りだって出来んだろ」とのこと。

購入資金は百年に渡って集めた長曾我部名義の代物を換金して掻き集めた。人の良さと行動力に驚かされるわ…。これはアニキだわ…。

 

 

 

「今度、初航海で海に出て来るんだがよォ…何食いてぇ?」

「…わざわざ戻ってくる気か」

「当たり前だろ。あんたの所が俺の居場所だ。野郎共にも俺の唯一は一人だけだと言ってるぜ。あんたが死んだら俺も死んでやる。…そんな関係だろ、俺たちは」

「…………」

「どんな感情だよ、その顔は」

 

長曾我部のすかしたセリフにイラァ。どんな感情だって??なんとも言えない感情だ、馬鹿め。自分でも分かる。汚い物を見下すような表情をしていることだろう。こやつめ、すかしたセリフが似合うから困るんだ!

 

舎弟と共に海へ旅立った長曾我部。10日ほどで帰ってくるらしい。マグロを所望しておいた。

 

…長曾我部が長く家を空けるのは初めてだな。

は?寂しいとかそんなんじゃないし??居なくなって清々するし??

…早く帰ってこいよ、鬼め。

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。