「カァー!元就サマー!元就サマー!例ノ場ニ鬼殺隊ガ到着シタヨウデス!」
「そうか、良くやった」
「勿体ナキ、オ言葉…!」
残間が戻ってきた。鶴姫が襲われた辺りに鬼殺隊が到着したらしい。一先ずあの辺りは安心だろう。
「鴉…?鴉が喋って?おい、毛利。こいつは…」
「オ前!元就サマノ前デ頭ガ高イゾ!頭ヲ垂レロォ!」
「何だこのクソ鴉、ぶっ殺していいか?」
「やめよ、良くできた我の駒ぞ」
「カァ!眼帯ヤロウノ阿呆阿呆!」
「よし、ぶっ殺す」
「やめよ、貴様ら」
お前だってオウム連れてたじゃん。
鎹鴉である残間のことを説明し、鬼殺隊に入隊した経緯を話す。
「何で幽霊(暫定)に連れてかれてんだ」
「我も知らぬ、知りたくもない。
…貴様はどうする。この家を残す分には構わないが、我が戻ってくることは少なかろう。…残間」
「ハイ、ソウデス。任務先ハ点々トシテオリマスノデ…」
「ついてくに決まってんだろ」
そういうと思ってた。鬼だけどいいかな。バレてない内はいいかな。バレたら俺が死にそう。
…ま、犬歯がちょっと人より長いだけでほぼ人間だし、人望あるみたいだし…何とかなるか!
「そうか、ついてくるか。構わんな、残間」
「勿論デゴザイマス!元就サマ!
…ソコノ眼帯ヤロウ!元就サマノ為ニ命ヲ賭ケルガイイ!」
「テメェに言われなくても分かってるっての。兎に角、俺は絶対について行くからな!あんた、その職は死と隣り合わせだろ。分かってんだろうな」
「恐れて何となる。…屍は貴様が喰うのだろう。殺されたとて、食われなければよい話」
「…そういうことじゃねぇんだよ」
そういう約束だろう?…え、違うの?
支給された隊服と『日輪刀』。
名前がいいねー、『日輪刀』。その日輪刀が、輪刀だった。分かるか?輪刀だったんだ。
前世と同じ武器だと嬉しい反面、どうやって隠して持ち運ぶんだよコレ、という思いが込み上げる。
あ、着脱可能だから分けて仕舞えって?ああそう、ならいいんだ、オッケー。
あっ、ちょっ、真っ赤になるな、目立つだろ!!ほら、戻れー、戻れー、落ち着くんだ、静まれー静まり給えー!よっしゃ戻ったな!そのままでいてくれ!俺は目立ちたくない!
背に「滅」の字が入った隊服は何故か2種類あり、普通の隊服と、魔女っ娘風の隊服だ。何言ってるか分かんないだろ?俺は理解したくない。
前世で俺の家臣が何をとち狂ったか魔女っ娘風の戦着を作りやがった。その魔女っ娘風隊服がそこにあった。手紙が同封しており、長ったらしい御託が述べてあったが要約すると「キレイなあなたに似合いそうだったから♡」ということらしい。
魔女っ娘風隊服と手紙は即刻、長曾我部に燃やさせた。おい、そんな悲しそうな顔をするんじゃありません。その端正な顔を引っぱたくぞ。
「…おい、長曾我部。『鬼』とやらは藤の花の匂いも苦手らしいぞ」
「らしいな」
「一応聞いておくが、貴様は藤の花の匂いについてはどう思っておる」
「あー、良い匂いなんじゃねぇの?俺は好きだぜ」
「……………」
「痛って!」
思いっきり腹パンしておいた。手が痛い。この筋肉ダルマが!!
鶴姫の件で藤の花には何かあるとは思ってたけど、おま、人でもなけりゃ、『鬼』でもないって、何者?!何なの、お前?!
「元就サマ!早速オ仕事デゴザイマス!」
「早いな、場所は」
「南東!ココヨリ町向コウノ山ニテ鬼ノ気配アリ!」
「町向こうの山…?」
「聞いたことあるな」
あっ、町民が襲われたって言ってた鬼か!てっきり音沙汰ないから倒されたもんだとばかり。初仕事が地元で良かった。
だけど、鬼が出たって表立って話が出たってことは被害者がいるってことだ。
「おら、いっちょ鬼退治と行こうじゃねェか。町のやつらが食われんのは困りモンだ」
「フン、鬼ヶ島の鬼が鬼退治か……笑えるな」
「どういう意味だ、毛利ィ?」
まじ笑えるー、と鼻で笑えるという意味だ。