マジンガーを作りたかっただけなんだゼェーーーット 作:753101938315
土曜日に間に合わなくてすみませんでした。
兎にも角にも一応個人的には頑張れたと思います。
それではどうぞ。
「お〜中々良いところに住んでるね。激ちゃん。」
そうしてアイは俺の家を回ってそう言った。
他にも棚から本を取って見せたり戻してから俺の仕事机の椅子に座ったりしている。
結局あの後、なんだかんだ言いくるめられて家まで連れてくるハメになってしまった。
バラされるのも嫌だったし、何より知られた相手が相手だ。
嘘かもしれないがマジンガーZのファンだというなら無碍に扱うわけにもいかず、こんな事になってしまったのは自分の爪の甘さと冷淡になれない所を思い知らされる。
はぁー、と激は深くため息をついた。
するとアイが机に置いておいた原稿を手に取る。第2話目となる予定のもので、仕上げが終わったばかりだ。
「え、これまさかマジンガーの生原稿!一回こういうの見てみたかったんだー⁉︎」
流石に激も不味いと思ったのか急いでアイから取り上げる。
「バッ、バッキャロウ!勝手に触るんじゃねぇ!?」
するとアイは頬を膨らませて
「えー、ケチー。」
と生意気な事を言ってくるが、お構いなしに封筒にしまって封をする。
「結局お前何しにきたんだよ。別に用がないなら帰ってくれ!」
と語尾を強めていうが、のらりくらりとかわしたようにこう言ってきた。
「ひどいなぁ、ファンを雑に扱わないでよ。私、こう見えて君の事も君の作品も大好きなんだよ〜。」
うぐっ、と激は困ったような声をあげるがアイはお構いなしといった様子で激に笑いかける
だが、ここで疑問になるのが何故俺のことを覚えていたのか、と言う点である。
コイツは職業柄、様々な人間と関係を持つ。
マネージャーや事務所の方々、有名な芸能人やダンスの振付師などなど数え出したらキリが無いほどだ。
そもそもコイツとは中学卒業と同時に疎遠、というか話す事すらなくなったのでもう関係ないものと思っていた。
しかしここで激が特大級の地雷を踏み抜いてしまう事となる。
「愛してるだの"真っ赤なウソ"吐いて、自分の気持ちに正直になれないヤローに愛してるだの言われてもなんとも思えねぇんだよ⁉︎」
激はソファーにドカリと音を立てて勢いよく座るとアイに対してそう言い放った。
そこで初めてアイの顔から笑みが消えた。
一瞬だったのであまりわからなかったが、俯いて顔の表情が見えにくくなる。
そこから掠れそうなほど小さな声でアイはポツリと溢した。
「.....じゃあ、愛するって何?愛してるって何なの、教えてよ...」
ん、と激は何かが引っかかるような感覚に襲われる。
内心激は思っていた。
コイツ、もしかしなくとも途轍もなくアホなのではと。
と同時にこんなことも考えていた。
コイツはウソの吐き方が下手くそだ。
自分の身を守ると言うウソなら後々何とかすればまだ良い。
個人的な考えだが、終わりよければすべてよしという言葉は本当に気に入っているしその通りだとおもう。
俺が真に忌避すべきは最初から誰かを傷つけるためのウソだ。
真を捻じ曲げ、愛という言葉を吐く、これは結婚詐欺なんかと同レベルのものだ。
「....だったらその愛してるを真実にしてみろ。罪悪感なんてものがあるなら本当にしちまえばウソにはならねぇ。」
アイは目だけは此方を向いてはいるが、何も喋らず黙りこくったままだ。
「嘘ばっかり、出来るわけないじゃん。そもそも愛してるってことがわからないんだしさ。」
アイが苦し紛れに言った言葉がそれだった。
この時、激の中で何かがキレた、まるで祖父を馬鹿にされた兜甲児のようにキレた。
激はソファーからムクリと立ち上がるとアイに近づいて、手を大きく振りービンタを一発喰らわせた。
バチンッ!!
そう部屋に音が鳴り響き、アイは呆然とした表情で叩かれた右の頬を指で撫でている。
「こっ、こんの大嘘吐きが!てめぇそんな事二度と言うんじゃねぇ‼︎」
と激は堪忍袋の尾が切れたかのように怒りを爆発させた。
「何故、お前を推してくれるファンを好きになれねぇんだ。お前はそれを踏まえて愛してないと言えるか?胸が熱くなる事も、愛したいとすら思えねぇのかお前は⁉︎」
続け様に檄は言う。
「いいかこの世にはついていい嘘ーー例えば友達を庇うための嘘や自分自身を守るための嘘がある。それならいくらでもタップリつくがいいさ。だがな、お前のついたソレは、1番タチの悪いもんだ。そんな心配なんざテメェ自身のロケットパンチで風穴開けちまぇ!!」
それを聞いたアイは目を見開いて、ポカンと口を開けながらもしっかりと此方を見つめている。
そしてクスクスと笑いだすと、我慢できないとばかりに口を大きく開けて笑った。
「アッハハハハ、あはは。何よそれ、全然答えになってないじゃん。もう、激ちゃんったら。」
アイは大笑いをしているが、目からは絶えず涙が流れていた。
正に笑泣きというやつだ、何か吹っ切れたように笑っている。
俺その時はハッとした、いくらキレたとはいえ、アイドルの顔という大事な所にキズをつけてしまったのだ。
すぐに謝罪するがアイはいいよいいよ、と陽気に返した。
もう夜も遅く、ここに泊まるということになり俺はソファー、アイは俺が普段使っているベッドで寝る事にした。
俺が電気を消す前にアイは
「ありがとう激ちゃん。
俺に挨拶でもするかのように軽い声で言ってきた。
肩の荷が降りたとばかりににこやかなアイの笑顔がにそこにはあった。
なんと言いますか、最後のところを書いたときには感極まったせいかいつのまにか涙出てました。
これからも激とイチャつくアイを皆さんに届けていきたいです。
それでは753101938315でした。