マジンガーを作りたかっただけなんだゼェーーーット   作:753101938315

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今回の話はストーリー上では結構大事な話になってます。
性的描写とか、ボーイズラブの様な描写とかそういう感じのやつが苦手な方は読まない方がいいと思います。


それではどうぞ。


アニメ試写会編‼︎後編

様々な人達が笑い合い、かなり賑わっているとある大通りの一角

 

本日貸切となっているこの店では現在マジンガーZの打ち上げが行われていた。

 

激はバレないようにドアをこっそり開けたが、ウキウキのリョースケに見つかり引っ張り出されてしまった。

 

 

「皆さん!長井先生到着しました‼︎」

と店中に響き渡るような大声で言うと、大勢の人が一斉に激の方を向いた。

リョースケから主役の挨拶だと振られるがテンションが上がっていた激は靴を脱いで座席の上に立つとリョースケから水の入ったコップを渡されて、みんなの方を向いて言った。

 

「皆さんのお力があってこそこのマジンガーZというアニメの企画が完成したのだと思います。まだまだ、えー、放送開始したわけではないですが。これからもこのメンバーでしっかりと頑張りましょう!乾杯‼︎」

 

 

 

 

その声に賛同する様に全員が乾杯‼︎と返すと、激もコップを置いて、やってきた店員にオレンジジュースを注文した。

 

 

「あ、じゃあ僕もそれで。」

と言ってきたのはいつの間にか激の右隣に座っている兜甲児を演じるカミキヒカルだ。

頬杖をつきながら激の方をまるで飼っている動物を眺めるかのように優しそうな目で見てくる。

 

 

すると、いつの間にかヒカルの手が激の髪を撫でるようにして触っており驚いた激は飛ぶようにしてヒカルから離れた。

 

 

「激ちゃんさ、ちゃんと髪の手入れとかしてる?そういうのにもちゃんと気使わないと。」

 

にこやかに笑いながら話しかけてくるが激はこういう時のヒカルがどうにも苦手であった。

 

まるで飼い猫のご機嫌をとる飼い主の様で、デビルマンの飛鳥了が不動明を可愛がる様で、そんなイメージが付き纏いどうにも好きになれなかった。

 

 

「余計なお世話だっての。それより甲児みたいな声でそんな事言うな、イメージ崩れるだろ。何より気持ち悪りぃ。」

 

 

それに対してヒカルは乾いた笑いを返すとこんな事を言い出した。

 

「もう激ちゃんと知り合って何年ぐらいかな、俺を助けてくれてさ....」

店員から渡されたオレンジジュースをそれぞれ飲みながら激は言った。

 

「さぁ、もう10年は経ってると思うけどあんな事で助けたなんて思ってないぞ俺は。」

 

と答えつつも激は頭の中でこう考えていた。

(こいつ何気に年齢構わず女にモテるよな。)

激は何度かヒカルの女性関係のイザコザに巻き込まれたり、ヒカルを助けた事があるが中々に複雑な時も多かった。

特に中学の頃のあの事件など....

 

「あの事覚えてる?ほら、中学1年か2年の頃の事件。激ちゃんが暴力沙汰起こした時のやつ。」

と、思い出したようにヒカルは言う。

激は忌々しげな顔でヒカルを向くと、ニコニコなヒカルは覚えてるんだね。と安心した表情をした。

 

 

 

 

 

 

 

 

それは激とヒカルが中学校に入って1年と少しが経った頃まで遡る。

 

冬休みが近くなってきた金曜日の放課後の時であった。

「えっ、お前3年の先輩に呼び出されてんのか?何やったんだよ。」

 

今日もヒカルと一緒に帰ろうとした激はそんな事を言われたので当たり前のように質問した。

 

「うん、委員会の活動だかで呼び出されてさ。激ちゃんには悪いけど、今日はちょっと一緒に帰れないかも。生徒会室で作業とか、結構面倒臭いのに呼ばれちゃってさ。」

 

ふーん、と返事を返した激は仕方なく1人で帰るかと考えた。

 

ヒカルも激と話し終わると鞄を持ってすぐに生徒会室に向かった。

 

その後、上靴から外履に履き替えた激はヒカルに貸したノートをまだ返してもらっていない事に気づいて急いで戻った。

 

(よかった、あの数学のノート明日も使うのに忘れるとこだったな。)

 

 

急いで靴を履き替え、階段を駆け上がった激は先生にバレないようにこっそり走ると、ようやく生徒会室に着いた。

 

 

この校舎は地味に広く、適当な増改築を行なっているため生徒会室が学校の隅にある始末であった。

 

 

まだぜいぜいと息が切れている激はすぐさまノックをしてみたが声や物音といった反応全くなかった。

 

 

「あれ、リョースケのやついないのか?」

 

と思った激だが、部屋からガタン!と大きな音がすると何かあったのかと思いドアを開けようとした。

 

しかし

「クソッ!なんで鍵がかかってんだ!」

そう、部屋にはしっかりと鍵がかかっており開けられなかったのだ。

それにより猛烈にイヤな予感のした激は叱られる事を頭の隅に浮かべながら一か八かこのドアをタックルで破壊しようと考えた。

 

幸いこの生徒会室は学校の中でもかなり古い部屋であり、鍵も錆び付いているのを激はヒカルから教えてもらっていた。

(叱られるの確定だけど、ナニカがヤバい!)

激のこういう時だけ当たるカンがビンビンに反応していた。

 

 

激はドアから少し距離をとると、深呼吸をして一気にドアめがけて突っ込んだ!

 

「でりゃあ!!」

バギン!!

 

その声と同時に大きな音がして、ドアが開くとそこには驚きの光景が広がっていた。

 

そこには

「むう、むー!むー‼︎」

と、口や手足にガムテーが巻かれ襲われそうになっているヒカルと

「ハァ‼︎何よお前!邪魔すんなよ、クソが‼︎」

ヒカルに馬乗りになっている女の、おそらく3年生であろう服がはだけている先輩の姿であった。

 

 

 

「俺の親友に何やってんだぁ‼︎」

 

 

 

 

 

そこから何があったのか、激はあまり覚えていない。

本なんかに載っている、脳が無意識のうちに記憶を消してしまうというやつかもしれない。

 

なんにせよ激が覚えているのはいつの間にか手に握られていた血のついた何かのトロフィーと、頭から血を流している3年生の先輩。

そして、興奮しているかの様に頬を赤くしたヒカルの姿であった。

 

その後、駆けつけてきた先生方に先輩と激は取り押さえられた。

 

先輩はその後救急車で運ばれた、頭の傷はあまり大きいものではなく入院せずとも痕も残らず治るとの事だ。

 

 

肝心の激とヒカルだが、激は謹慎処分となりヒカルは暫くの停学処分となった。

 

取り押さえられた後の激は、なぜこんな事をしたのかと面倒くさい取り調べもどきを受けさせられたが取り敢えずまた後日話し合おうとなった。

 

 

 

その後、激とヒカルは両親共々学校へと呼び出された。

相手側は肩身の狭そうな感じで激とヒカル達の向かい側に座っていた。

 

すると相手側はいきなり立ち上がると

「この度は、私達の娘が大変ご迷惑をお掛けしました!」

と、深々と謝罪をしてきたのだ。

 

 

相手の話を要約するとこういう事らしい。

 

元々、娘にはあまり口出しをしなかったのだが家がかなりの名家でこの事が公になると家の名にキズがついてしまう、それは避けたいから賠償金は払うし訴訟もしないからどうかご内密に。との事だ。

 

 

半ば全員が呆れつつも、こちらの経歴にも傷がつかないなら良しとしようという事でその提案を受ける事にした。

因みに先輩はかなり遠くの学校に転校するハメになったらしい。

 

 

 

激とヒカルは学校近くの公園のベンチで2人で話し合っていた。

激は空をボーッと眺めており、ヒカルは俯いたままでいる。

ヒカルは自分自身の顔を隠すようにしており、表情は伺えない。

 

 

「.....ありがとね、激ちゃん。嬉しかった。」

そう掠れた声でヒカルは呟く。

 

「お前のせいでも何でもねぇ....あんな事あるからなんだかんだでほっとけないんだよ。」

そう呆れたと言うような声色で激は返す。

 

 

 

そうして、激とヒカルはそれぞれ魂でも抜けたかの様にボーッとすると、ヒカルがいきなり立ち上がった。

 

「なんだよ、ヒカーー」

ヒカル、そう激が言い切る前にヒカルは激に抱きついた。

 

 

いきなりの事で激は一瞬固まるが、すぐに引き離そうとした。

 

だが、出来なかった。

「.....もうちょっとこのままでいさせて....」

 

激はカッとなりやすいし、お世辞にもできた人間なのかと言われれば激自身はそうではないと答えるだろう。

だが、激はヒカルを咎める事も拒絶する事もしなかった。

 

 

暫くしてヒカルが離れるとお礼を言って帰っていった。

気怠げな激はそれに手を振り返すだけであった。

 

 

ヒカルの両目に黒い星が灯っているとも知らずに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ってな事があったのももう何年も昔だよな。」

空になったグラスの中の氷をストローで弄りながら激は言う。

 

あの後激とヒカルはヤバい奴と認知されたのか人があまり近づかなくなったが、なんだかんだで楽しい中学校生活となった。

連絡先も昔交換したので、未だに連絡を取り合っている。

「懐かしいよね。こんな歳になってまで付き合いが続くだなんてさ、思わなかったよ。」

と、ヒカルとの思い出話に花を咲かせていると

 

「長井先生!こっちの料理とか如何ですか!」

と、有馬さんが少し赤い顔で呼んでくる。

おそらく酔っ払ってきているのだろう、激は付き合いもあるためヒカルから離れると有馬の方に向かった。

 

その時、ヒカルは小さな声で笑っていた。

「あぁ、可愛ぃなぁ激ちゃん。」

そう ボソリと呟きながら。

 

 

 

有馬さんからお薦めされた唐揚げをを食べながら、新しく注文したミックスジュースを飲んでいる激はいきなり後ろから両頬を引っ張られた。

 

 

幸いジュースはテーブルに置き、唐揚げを飲み込んだ後だったがイラッときた激は軽く怒鳴りながら振り向いた。

 

「急になんーー」

と振り向いた激の右頬に指がふにゅん、と沈んでいくのがわかる。

 

激こんな事をしてくる人間、それにマジンガーの関係者と言えば1人しか思い当たらない。

 

 

「ほっぺた柔らかいねぇ。女の子みたいだよ、激ちゃん。」

そう、弓さやか役のアイである。

 

コイツが弓さやか役兼EDの担当だと知った瞬間、それを決めた奴をひっぱたきたくなったがリョースケや過激に宥められたのは秘密だ。

 

実際コイツの演じた弓さやかは息を呑むほどのものではあったが、いかんせん複雑な気分であった。

 

 

そんな事を知る由もないアイは鞄から色紙とペンを取り出すと、激に手渡した。

 

「お前、コレなんだよ。」

唐突にそんな物を渡されても流石に混乱した激であるがアイが言うには

「ウチの事務所の社長がさ、激ちゃんのファンらしくてサイン貰ってきてくれ〜って。お願いします、長井先生!」

 

そんな事を平然と言ってくるアイに軽くストレスを感じた激であるがファンを蔑ろに扱うわけにもいかないと思い、結局サインを書いてアイに渡したのだった。

 

 

「よし!コレで社長に文句は言われないな。うーん、まだ帰るのにはちょっと早いし、話し相手になってよ激ちゃん。」

 

現役のアイドルがそんなんで良いのかと言いたくなるものの高校生ですらない自分が言うのもアレだなと諦めたのだった。

 

 

だが、ここで激の運命を劇的に狂わせてしまう事件が起きる。

 

 

 

それは激が喉の渇きから飲み物を飲んだ時のことであった。

激が頼んだミックスジュースとはちょっと味が違う感じがしたが、激は

(あれ、氷溶けて味変わったのかな?なんか違う気がするけど、まぁいいや。)

 

 

と、飲み切って空になったコップを置くとアイが大きな声をあげた。

 

「ちょっと!激ちゃん!コレ飲んじゃったの!?」

と、身を乗り出してきたアイに激は驚くが頷くとアイの顔から血の気がサーッと引いていく。

 

「激ちゃんが飲んだのはスタッフさんのカシオレ!激ちゃんのやつはコッチのコップだって!」

と、流石のアイも声を荒げて言う。

 

 

げっ!

そんな言葉が頭に浮かんだ激は口を手で塞いで大急ぎで男子トイレに向かうと、便器の中に酒を吐き出そうとした。

 

(ヤバい!ヤバい!未成年飲酒なんて知られたらマジンガーは終わりだ!?)

 

喉奥に指を突っ込んでみるものの吐く事はできず、暗い雰囲気で激は席に戻った。

 

 

飲んだのが、ジュースではなくアルコールの入ったカシオレだとわかった瞬間から気持ちの悪い感じがする。

 

もう吐きたい。胃の中の物を全部出したい。

そんな事を考えていると、アイがこっそりと耳打ちをする。

 

「激ちゃんがお酒飲んじゃったのは、私と激ちゃんしかわからないんだからさ。黙っておくから、ね。」

 

こう言う時にこんな奴しか信用できない自分の不甲斐なさに涙が出てくる。

 

「.....頼む、この事は黙っといてくれ......」

と、口では言っておきながらも内心激は

(これじゃあ、あのヤロウの両親と同じレベルだな。)

と思いながらため息をつくのだった。

 

 

 

 

 

 

 

なんか、あたまがぼーっとする。

ふわふわして、よくわからない。

あいがなんにんもぶんしんしてるようにみえる。

ぶわーってたくさんのあたまがたくさんあるなんてあいどるはすごいなぁ。

 

 

 

そう、典型的とも言ってもいい程に激は酔っ払っていた。

 

顔は少し赤くなり天井を眠そうな目で見つめている、アイが顔を突いてもあー、とかうー、とかまともな返事が返ってこない。

 

 

ニヤリと笑ったアイは持ってきた帽子を目深に被ると、近くの人達にこう言った。

 

 

 

 

「長井先生、寝ちゃいそうなので、()()()()()()()()()。」

 

 

少しアルコールの入った大人達は帽子のせいかアイだと気づく事もなく、挨拶をしてそのまま帰らせてしまった。

 

 

 

その頃、ヒカルは明日の仕事に備えて既に帰っていたためにその事は知る由もなかった。

リョースケ達も二次会に行こうと、騒いでいた為に誰1人としてその事には気づかなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

タクシーを拾ったアイは激の住んでいるマンションに着くと、激のポケットから鍵を取り出すと、ドアを開けて中へと入った。

 

「ほぉら、激ちゃん。家に着いたよ。」

そんな風に激を肩車で連れて行っても、まだ呂律が回っていないのかどこかボケーっとした顔のままだ。

 

 

 

アイはベッドのある場所に到着すると、激を放り投げるようにして寝かせた。

 

激の身長は160cm程という成人男性の中でも小柄な方なのでアイでも投げることぐらいはできるのだ。

 

「もう、家に帰るのも遅いし、良いよね?」

アイはそう言って激の布団の中に潜り込むと激と共に寝ようとした。

しかし、これから激の予想外の行動に驚かされる事になる。

 

「あづい、あづい。」

と、激は急に自分の服を脱いでそこら辺に投げ捨ててしまった。

 

 

「ちょっと!激ちゃん!?」

と、驚いたアイだがこれから起こるであろう事を想像してゾッ!とするような笑みを浮かべたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌朝、激は寒さで目が覚めた。

そんなに寒くはないのだが、嫌にハッキリと起きる事ができたのを覚えている。

 

 

 

「あれ、俺っていつ家に帰ったんだっけ....?」

と、目を擦りながら考えたが自分自身の格好を見て激は布団を全身に巻く様にした。

 

「な、なんで俺服着てねぇんだよ⁉︎」

激は衣服の類を全く纏っていない、全裸であった。激自身にも記憶は無いが、服や下着が近くに投げ捨てられており自分で脱いだとしか言えない状況である。

 

 

 

どうにかして昨日何があったのかを思い出してみようとすると、とてつもなく嫌な事を思い出してしまう。

 

「あ"〜、クッソ。そうだ昨日確か酒飲んじまって....」

 

昨日、自分のミスによりミックスジュースではなくカシオレを飲んでしまい吐き出そうとしたのは覚えているがそこからの記憶が全く無い。

 

 

 

 

そうして激がパンツとTシャツを拾って着ると、ベッドから降りた。

すると嫌な物が視界に入ってきた。

 

明らかに赤い色をした血が流れた様なシミがベッドにあったのである。

 

 

「えっ....俺、のかこれ?」

そんな事を考えると、不意にドアがガチャリ、と音を立てて開けられる。

 

 

ドアから出て来たのは両目に星を宿して、体にバスタオルを巻いている状態の天下のアイドル様

 

「あっ、起きたんだ激ちゃん。 昨日は凄かったよね激しくってさ♡」

 

 

激はもう何も感じないでいたかった。

もう全てを受け入れて、2度寝でもしたいなぁ。

なんて現実逃避をすることが激にできる唯一の抵抗であった。

 

 

 

 




なんだかんだで6000字オーバー‼︎

そういう描写があるという事は......

なんだかんだで書いてて楽しかったです。
それにしても、カミキヒカルのヤバさとか表現できてるかな?
って不安になりながら楽しく書いています。

アンケートは7月31日の午後11時までとします。
それでは753101938315でした。
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