ポケモン廃人に転生してしまった。バトルスタンバイ   作:エンパイア

16 / 32
Pー1グランプリ

 セキチクシティへの道中、オコリザルを進化させる為にバトルをしていた。

 

「オコリザル、『ふんどのこぶし』!」

 

 『ふんどのこぶし』を受けた相手のトレーナーのポニータが戦闘不能になる。

 

「ありがとうございました」

 

 相手にお礼を言って別れる。オコリザルをバトルで優先して出し『ふんどのこぶし』を使っている。ただ、練習とバトルを合わせると『ふんどのこぶし』の使った数は20回を超えているのだがまだ進化しない。

 レベルが上がっていないのか?バトルで20回使わなければいけないのか?そんな事を思っていると1人の女性が近付いてきた

 

「あのすいません。そのオコリザルは貴方のですか?」

 

「はい、そうですが?」

 

 オコリザルのトレーナーかどうか聞かれたので肯定すると

 

「お願いします!力を貸してください!」

 

 突然、頭を下げて来た。意味が分からないので話を聞いてみると、この女性、マナミの父親がかくとうタイプのポケモン祭典であるP-1グランプリというものに出場するためにエビワラーを鍛えている様だがそのせいで家に帰らないそうだ。

 何とか父親と話をしようとはしているみたいだが逃げるように去るようで話にならないみたいだ。

 なので俺にP-1グランプリに参加して父親を倒して家に帰すように説得して欲しいみたいだ。

 

 この話を聞いてサトシとオコリザルが別れる回だったのを思い出した。

 そしてこの話を受けるかどうか考えた。下手すれば俺がオコリザルと別れることになってしまう。

 

 俺の反応は好ましくないと分かったマナミは

 

「お願いします!どうしても父に帰って来て欲しいんです!」

 

「お、おい土下座はやめろ!?……分かった、出ればいいんだろ!」

 

 いきなり土下座され慌てた俺は思わずこの頼みをきくことを了承してしまった。

 しかもP-1グランプリまでは数日あるようだ。思わぬ足止めを喰らってしまったがオコリザルを進化させるきっかけになるかもしれないと思い、渋々だが協力することにした。

 

 そして今日がP-1グランプリ開催日である。今日までの間、マナミの実家でお世話になりながらオコリザルの調整のために手持ちのポケモンとバトルさせたのだがやはり進化しない。

 こうなれば今日のバトルで進化を期待するしかない。

 

 P-1グランプリの会場に着き受付を済まして時間まで待っているとアナウンスが流れた。

 トーナメント表も出たので確認するとマナミの父親アノキと戦うにはお互いに決勝まで勝ち進まなければならないようだ。

 

 

 ひとまず自分の対戦相手に集中することにする。俺の番がきてリングに行くと多くの観客がいた。

 余りの人数に緊張しそうになるが、ポケモンリーグの方が観客が多いのでこれぐらいで緊張してられるかと持ち直した。

 

 一回戦、二回戦は問題なく勝ち進んだ。アノキの方も勝ち進んでいる。

 これで負けられると俺が出た意味がなくなるので良かった。三回戦の相手は優勝候補らしいので気を引き締める。

 

 カーンという音で試合が開始した。

 

「サワムラー、『メガトンキック』!」

 

「サワァァー!」

 

 サワムラーはその伸縮自在の足を使って攻撃して来る。今までのポケモンと違って距離があっても足を伸ばして攻撃して来るので、こっちの攻撃が当たらない。

 

「オコリザル、『ビルドアップ』そして防御を固めて距離を詰めろ!」

 

「ヴキィィー!」

 

 『ビルドアップ』で攻撃と防御を上げ強引に距離を詰める。近付けさせないようにサワムラーも連続で攻撃して来るが、

 

「今だ!『ふんどのこぶし』!」

 

 ある程度攻撃を受けて威力を上げた『ふんどのこぶし』が技ごとサワムラーを吹っ飛ばした。

 体勢を崩したサワムラーとの距離を詰めるのは簡単だった。逆に自分の得意な距離じゃないサワムラーが不利になった。

 

「『ドレインパンチ』!」

 

 更に受けたダメージを回復していく。これで完全に流れはこっちに来た。

 そのまま試合の流れは変わらずオコリザルの勝利となった。次はようやく決勝だと思っていたらオコリザルの体が光り始め、

 

「ヴキャャャー!」

 

 コノヨザルに進化した。

 オコリザルが進化出来ると知らなかった観客や実況は大盛り上がりである。

 

 そして決勝戦アノキとのバトルの時間が来たがコノヨザルに進化した盛り上がりが続いておりアノキとアノキのエビワラーは完全にアウェイだ。

 

「エビワラー、『メガトンパンチ』!」

 

「エビィ!」

 

 先に攻撃したのはエビワラーだったが『メガトンパンチ』はコノヨザルの体を擦り抜けた。

 進化してゴーストタイプが追加したため、得意のかくとう技や『メガトンパンチ』は効果がないのだ。

 アノキもコノヨザルがゴーストタイプだと分かったのか険しい顔をしている。エビワラーもアノキの方をチラチラと見ており冷静ではないのが分かる。

 

「『かみなりパンチ』!」

 

 ならばとでんき技を使って来たがエビワラーの攻撃はあまりにも大振り過ぎる。

 やはり冷静さを欠いているようだ。コノヨザルは余裕で『かみなりパンチ』を避けた。

 

「『ビルドアップ』!」

 

 その隙を狙い『ビルドアップ』を使う。それを見たエビワラーは慌てて『かみなりパンチ』を撃ってきたが、そんな状態で撃った攻撃など避けるのは容易く、ついでに『ビルドアップ』も積む。

 

「エビワラー!落ち着くんだ!」

 

 アノキはエビワラーに声を掛け落ち着かせたが、『ビルドアップ』を2回も積めれば十分である。

 

「コノヨザル、ゆっくり距離を詰めろ!」

 

「エビワラー、こちらもゆっくり距離を詰めろ!」

 

 お互いに攻撃届く距離までゆっくり詰めていく。接近戦は『ビルドアップ』を積んだコノヨザルの方が有利なのだがエビワラーも接近戦タイプなので、不利と分かっていてもやるしかない。

 

 先程まで大騒ぎだった観客達も固唾を飲んで見守っていた。まだ、距離を詰める。そして

 

「エビワラー、『かみなりパンチ』!」

 

「コノヨザル、『グロウパンチ』!」

 

 お互いの拳がぶつかり合った。やはり有利なのはコノヨザルなのだがエビワラーもなんとか持ち堪えている。

 

「左腕で『グロウパンチ』!」

 

 しかし、コノヨザルの右腕の『グロウパンチ』を受け止めるので精一杯だったため左腕の『グロウパンチ』を無防備で受けてしまった。

 

 『グロウパンチ』に限らず腕を使う技などは片腕でしか使えないのだが、P-1グランプリまでの数日間の特訓で両腕で技を使えるようになったのだ。

 

 元々この技術は原作シンジのエレキブルの技術でそれを思い出したので今日に備えて特訓したのだ。

 

 これで決まったと思ったが、足を震わしながらもエビワラーは立ち上がった。

 そしてこちらを不敵な笑みで見ると次の瞬間仰向けで倒れた。

 

 数秒間、無言が続いたが審判が俺の勝利を宣言すると観客達は一気に騒ぎ出した。

 

「負けてしまったか…」

 

 そう呟きながらエビワラーをボールに戻し、俺に近付いてくる。そして俺に握手を求めたので俺はそれに答えた。

 

 その際に俺は全てを話した。俺がマナミの頼みで出場したこと、アノキを説得して家に帰すようにして欲しいことなど

 

「一度、家族と話し合ってください」

 

 そう伝えるとアノキも分かってくれたみたいで一度家に帰ってゆっくり話しをすると約束してくれた。その際にコノヨザルを自分に預けてみないか?と聞かれたが即断った。

 

 ようやく進化したコノヨザルを手放すつもりはない。




サトシとオコリザルは別れなかった。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。