ポケモン廃人に転生してしまった。バトルスタンバイ   作:エンパイア

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どうしようもない使えない奴

 7つ目のバッジを手に入れた事は良かったが、意外とギリギリの勝利だった。何故なら、サイホーンがサイドンに進化して身体が大きく変わったせいで動きに違和感があった。

 原作でもサトシのナエトルがハヤシガメに進化したせいで、ナエトルの時のスピードが出せなくなった描写があったが、それと同じような事がサイドンにも起きた。

 

 もしジバコイルが戦闘不能になったら、恐らくサイドンはまともにバトルする事が出来ずに倒された可能性がある。

 なのでサイドンは兄貴に貰ったプロテクターを持たせて実家に転送してドサイドンに進化してもらって、新しくなった身体に慣れる事を優先して特訓してもらう。

 兄貴に連絡してサイドンを転送して、旅の準備を終えて次の街へ行こうとすると、

 

「ようやく見つけたぞ!お前!」

 

「…お前はダイスケか」

 

 いきなり怒鳴る様な大声で俺に話し掛けて来たのは、おつきみ山でバトルしたあのダイスケだった。

 

「俺に何の用だ」

 

「決まってんだろ!あの時受けた屈辱を倍にして返しに来たんだよ!」

 

「フッ、あの時の負けを引きずってわざわざ俺を探していたのか。ご苦労な事だな」

 

「調子に乗ってんじゃねぞ!今度こそお前を負かしてやる!俺とバトルしろ!」

 

 ポケモントレーナーを続けていくのなら負ける事もある。その負けを次に活かす事が大事な事にも関わらず、その一回の負けを必要以上に引きずるだけではなく、こうして報復に来るのを見るとどうしようもなく哀れでぬるい奴だと思ってしまう。

 

「いいだろ。今度こそ完膚なきまでに叩き潰してやる」

 

 しかし、コイツを無視してこれ以上付き纏われるとこちらも迷惑なので、キッチリ勝負をつけさせてもらう。

 ポケモンセンターの裏にあるバトルフィールドを使う事にした。

 

「いけ、ナッシー!」

 

「ナッシィィィ!」

 

 ダイスケの1体目はナッシーだったが、そのナッシーを見て俺は疑問を持った。

 レベルが明らかに高い。ヒトカゲにあんなぬるい指示しか出来ない奴が育てたとも、ましてやゲットしたとも思えない。

 

「お前、そのナッシーどうやって手に入れた?」

 

「へっ、ビビったか?高い金を払って手に入れた甲斐があったぜ」

 

「金を払って手に入れただと!まさかお前ポケモンハンターからポケモンを買ったのか!」

 

「あぁ、中々便利だぜ。楽に強いポケモンゲット出来るんだ。ヒトカゲみたいな弱え奴をわさわざ使う必要もなくなる」

 

「…そんなポケモンを使って何とも思わないのか?」

 

 自分で育て上げたポケモンでバトルに勝つ事こそポケモントレーナーの醍醐味だと俺は思っている。

 他人から買ったポケモンでバトルに勝って虚しくないのか?お前にはポケモントレーナーとしての矜持はないのか?と問いかける。

 

「何にも思わねえなぁ。お前みたいなムカつく奴を黙らせられるんだ、最高だろ?」

 

「そうか、お前はどうしようもなく使えない奴だな。そんなポケモンに負ける程俺と俺のポケモン達はぬるくない」

 

 端から負けるつもりなど無かったが、絶対に負けれないバトルになった。

 

「無駄口を叩いてないで、とっとと俺にやられるポケモンを出したらどうだ!」

 

「やられるつもりはない。ストライク、バトルスタンバイ!」

 

「ライクゥゥゥゥ!」

 

 ナッシーに有利なストライクを出した。レベルでは負けているので、負けている分は相性などで補っていく。

 

「ナッシー、『タマゴばくだん』!」

 

「ナッシィ!」

 

「ストライク、『でんこうせっか』で躱わせ!」

 

「スト!」

 

 ナッシーはそれ程素早さが無いので、『でんこうせっか』で攻撃を躱して撹乱する事にした。

 

「ストライク、『つるぎのまい』!そして、『でんこうせっか』で動き続けろ!」

 

 隙を見つけて、『つるぎのまい』で攻撃をぐーんと上げる。そして、再び『でんこうせっか』で相手を惑わす。

 

「チッ、ちょこまか動きやがって!ナッシー、『ソーラービーム』だ!」

 

 痺れを切らしたダイスケは威力はあるが隙の大きい『ソーラービーム』を指示した。

 もちろんそんな隙を逃しはしない。

 

「今だ!『むしくい』!」

 

 『ソーラービーム』を撃つ為にエネルギーを集めて無防備のナッシーに4倍弱点のむし技が直撃する。

 特性『テクニシャン』で『むしくい』が強化された事と『つるぎのまい』で攻撃を上げた事も相まって一撃で戦闘不能にした。

 

「な、なんだと⁉︎い、今のは何かの間違いだ!マグレだ!」

 

「今のをマグレで片付けるとは、本当に使えない奴だな」

 

「うるせぇ‼︎次は、いけ!サワムラー!」

 

「サワァァァ!」

 

 ダイスケの2体目はサワムラーだったが、コイツもレベルが高い。間違いなくポケモンハンターから買ったポケモンだろう。

 

「戻れ、ストライク。ブーバー、バトルスタンバイ!」

 

「ブーバァァァ!」

 

「サワムラー、『とびひざげり』!」

 

「サァァァァ!」

 

「ブーバー、『おにび』を『サイコキネシス』で操って当ててやれ!」

 

「ブゥゥゥゥ!」

 

 サワムラーの物理攻撃を下げる為に相手を火傷状態にする『おにび』を指示した。

 更に『サイコキネシス』を使い『おにび』の勢いなどを維持して自由にコントロール出来る様にした。

 

 これはヨスガジムのジムリーダーメリッサがサトシとのバトルであのカウンターシールドをヒントに作った戦術で真似させてもらった。

 

 火傷状態になったサワムラーだが、それでも『とびひざげり』をブーバーに命中させた。

 しかし、火傷状態になったせいで物理攻撃の威力が下がった為、ブーバーを戦闘不能にする事が出来なかった。

 

「ブーバー、『サイコキネシス』!」

 

 攻撃を耐えたら、すかさず反撃する。効果抜群のエスパー技で攻撃するが、サワムラーも耐えた。

 

「サワムラー、もう一度『とびひざげり』だ!」

 

「ブーバー、『えんまく』!」

 

 再びこちらを『とびひざげり』で攻撃して来たが、『えんまく』でこちらを捉え難くした。

 そのおかげで『とびひざげり』を回避する事に成功し、サワムラーは『とびひざげり』を外した自傷ダメージを受けた。

 

「とどめの『サイコキネシス』!」

 

 自傷ダメージを受けて、動きが止まったサワムラーに『サイコキネシス』が直撃し戦闘不能になった。

 

「そ、そんなバカな⁉︎こんな筈じゃ!」

 

 こんな事ありえないとばかりに取り乱すダイスケだが、俺からすれば当然だ。

 ダイスケのトレーナーの腕はおつきみ山でバトルした時とほとんど変わってない。

 どんなにポケモンのレベルが高くても、トレーナーの方が使えなければ勝つ事は出来ない。

 

「まだだ!まだ俺は負けてねえ!」

 

「そこまでよ!」

 

「なぁ⁉︎警察だと!」

 

 性懲りも無くバトルを続けようとするダイスケだが、突然現れたジュンサーさん達警察に取り囲まれた。

 

「ポケモンハンターからポケモンを買ったトレーナーがいるって通報を受けて来たのよ!」

 

 バトルを観ていたギャラリーの誰かが通報してくれたみたいだ。当たり前だがポケモンハンターからポケモンを買うのは犯罪であり、それを堂々と自分から喋ったのだ。

 言い逃れは出来ないし、逃げる事も出来ない。しかし、ダイスケは抵抗を続けている。

 

「くそ!離せ!離しやがれ!」

 

「無駄な抵抗を止めなさい!貴方にはポケモンハンターの事を全て話してもらいます!当然、牢屋にも入ってもらいます!」

 

「ろ、牢屋だって⁉︎い、嫌だ!ママー助けて!ママー!」

 

 情け無い声を上げながら連行されるダイスケを見てると、

 

「最後の最後まで使えない奴だったな」

 

 と呟かずにはいられなかった。




後2ヶ月で小説を投稿し始めて1年になるので、それまでにはカントー編は終わらせたいと思います。

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