ポケモン廃人に転生してしまった。バトルスタンバイ   作:エンパイア

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グレンジム

「ようやく着いた。だが……」

 

 最後のバッジを手に入れる為グレン島まできたのだが、この島の雰囲気には戦意が無くなりそうになる。

 グレン島は温泉が名物になり、そのおかげで有名な観光地になったが、そのせいでジム戦に来るトレーナーも遊び半分のぬるい気持ちで来る事が多くなってグレンジムのジムリーダーカツラは嫌気を指したとなっていたが、その気持ちが分かる気がする。

 

 しかし、俺はそんなぬるい気持ちで挑戦しに来てはいないので、その事をカツラに分かってもらってジム戦を受けて欲しい。

 表向きのグレンジムに辿り着いたが、俺の記憶通り廃墟になっていた。

 原作ではサトシがこのジムの前で困惑している時にタイミングよく変装したカツラが現れたので、何処からか見ている筈だ。

 

「グレンジムへ挑戦かね?」

 

 狙い通りカツラだと思わしき人物が話し掛けて来た。

 

「はい。そのつもりで来ました」

 

「残念ながら見ての通りグレンジムは閉鎖してしまったんだよ。観光気分でジム戦に来るトレーナー達に失望したジムリーダーがジムを閉めてしまったんだよ」

 

「そんな事を言いながらグレンジムはまだやっていますよね?」

 

「い、いや、どうだろうね?」

 

 明らかに動揺していて、自分がカツラだと言っている様なものだが、まだ白を切るようだ。

 

「いくら貴方でもポケモン協会の公式サイトの情報まで書き換える事はできない。そうですよね、カツラさん?」

 

「……」

 

 此処に来る前に念の為ポケモンセンターのパソコンを使ってポケモン協会の公式サイトを調べてみたが、間違いなくグレンジムは存在していた。

 その事を言うと変装したカツラは無言になってしまった。

 

「俺は此処にぬるい気持ちでジム戦に来ていません。リーグ出場の為、最後のバッジを手に入れる為に真剣勝負をしに来ました」

 

 そう言いながらバッジケースを開き、いままでゲットしたバッジを見せた。

 

「フフ、どうやら本気のようだな。君の様な熱いトレーナーを待っていた。だが、バトルを受ける前にこのナゾナゾに答えてみせろ。上は洪水下は大火事これな〜んだ?」

 

「お風呂ですね」

 

「ピンポーン、正解だ。約束通りジム戦を受けよう。ついて来たまえ」

 

 カツラの後をついて行くとカツラが経営しているペンションに着いた。どうやら原作通り火山の火口で場所でバトルするみたいだ。

 

 露天風呂のギャラドスの石像を動かすと道が現れた。その道を進むにつれて気温が上がっていき、汗をかき始める。

 アニメではサトシのゼニガメがカツラのキュウコンに手も足も出ずやられていたが、この暑さではみず技は本来の威力を出せないと思う。

 疑似的なひでりが常時発動している様なものだ。

 

「さあ着いたぞ。改めて自己紹介をさせて貰うぞ。私はグレンジムのジムリーダーカツラだ。さぁ、私と暑くて熱いバトルをしよう。ルールは使用ポケモンは3体、交代はチャレンジャーのみ可能だ。いくぞ!出でよ!キュウコン!」

 

「コォォォン!」

 

 カツラの1体目はキュウコンを出して来たが、その直後気温が更に上がり日が入りづらい場所にも関わらず日の光りが指した。

 

「(まさか、このキュウコンの特性は『ひでり』か!)」

 

 これはかなりマズイ。ただでさえ、この暑さでほのお技は強化されてるのに、そこに更にひでりでほのお技を強化されたらひとたまりもない。

 

 これなら、相性の悪いゼニガメを圧倒出来たのも納得できる。

 

「ガルーラ、バトルスタンバイ!」

 

「ガルゥゥゥゥ!」

 

「いくぞ!キュウコン、『かえんほうしゃ』!」

 

「コォォォ!」

 

「ガルーラ、『ねこだまし』!」

 

「ルゥゥラ!」

 

「コォン⁉︎」

 

 キュウコンは『かえんほうしゃ』を撃とうとするが、ガルーラが目にも止まらない速度でキュウコンの前に移動して、両手を勢いよく合わせて衝撃波を起こしダメージを与え怯ませた。

 

「ガルーラ、『グロウパンチ』!」

 

 続けざまに攻撃を指示する。ゲームではターン制なので『ねこだまし』を使ったら、そのターンが終わってしまう為シングルバトルではあまり使われていなかったが、現実であるこの世界では『ねこだまし』を使った後でもこうして攻撃する事ができる。

 これを防ぐには、『ねこだまし』そのものを『まもる』などで防ぐか、『ねこだまし』を受けた直後にポケモンを交代するしか無いのだが、ジム戦においてはジムリーダーはポケモンの交代が出来ないのでかなり有効な攻撃だ。

 

「クッ、こちらに連続でダメージを与えるだけではなく攻撃まで上がるとは中々やるな。しかし、これでどうだ!キュウコン、『おにび』!」

 

 こちらが『グロウパンチ』で攻撃を上げたのを見ると『おにび』で火傷状態にして攻撃を下げに来た。

 しかし、それは想定内だ。

 

「ガルーラ、『からげんき』だ!」

 

 自身が状態異常だと威力が倍になる『からげんき』で攻撃した。ゲームでメガガルーラを使っていた時、かなりの確率で状態異常にされたので今後の事を考えて覚えさせた。

 

 強烈な一撃を受けたキュウコンは戦闘不能になった。

 

「ご苦労だったなキュウコン。次は、出でよ!サイドン!」

 

「サイドォォォ!」

 

 カツラの2体目はサイドンだ。サイドンは防御が高く、火傷状態で攻撃が下がっているガルーラでは不利なので交代する。

 

「戻れ、ガルーラ。ゲンガー、バトルスタンバイ!」

 

「ゲェェェン!」

 

 こちらの2体目はゲンガーだ。サイドンは原作知識で出てくるのは知っていたが、サイドンに有効なタイプは軒並みこのフィールドやほのおタイプと相性が悪く、唯一ドサイドンがタイプだけでいえばグレンジムに有効だがまだ新しい体に慣れるため特訓中なので、特攻が高いゲンガーを採用した。

 

「サイドン、『ドリルライナー』!」

 

「サィィィィ!」

 

「躱して『シャドーボール』!」

 

「ゲン!」

 

 どくタイプを持つゲンガーに効果抜群のじめん技を使ってきた。ジムリーダーがゲンガーの特性には『ふゆう』がある事を知らないとは思えないので、恐らくゲンガーの特性を確認する為に使ったのだろう。

 

 ならば、こちらはゲンガーの特性が『ふゆう』である事を悟られないように回避をして『シャドーボール』で攻撃し命中させた。

 

「中々素早いな。ならば、『ロックカット』だ!」

 

 ゲンガーの素早さに対抗する為にサイドンは『ロックカット』で素早さをぐーんと上げた。

 

「サイドン、『ドリルライナー』だ!」

 

「ゲンガー、空中に逃げろ!」

 

 再び『ドリルライナー』で攻撃してきたが、ゲンガーを空中に逃がして攻撃を回避する。

 

「サイドン、『ロックブラスト』でゲンガーを落とせ!」

 

「ゲンガー、躱わせ!」

 

 サイドンは『ロックブラスト』でゲンガーを撃墜しようとするが、こちらも回避を指示する。

 しかし、運悪く『ロックブラスト』は五連射してしまい、最初の四発の『ロックブラスト』がゲンガーの逃げ道を塞いでしまって、そのせいでゲンガーの動きが一瞬止まってしまい、その隙に最後の一発がゲンガーに命中し地面に落ちてしまった。

 

「チャンスだ!『ドリルライナー』!」

 

 今なら攻撃を当てられると判断したカツラは『ドリルライナー』を指示するが、ゲンガーの特性は『ふゆう』なのでサイドンの攻撃はゲンガーをすり抜けた。

 

「サイ⁉︎」

 

「しまった⁉︎」

 

「今だ!『シャドーボール』!」

 

「ゲンゲー!」

 

 自分達の予想が外れて動揺した隙をついて『シャドーボール』で攻撃する。

 サイドンの特防は低いので特攻の高いゲンガーの二発目の『シャドーボール』を耐えられず戦闘不能になった。

 

「フフフ、まんまと騙されたよ。ここまで熱いバトルは久しぶりだ。ならば、私も切り札を見せよう。出でよ!ブーバー!」

 

 カツラの声に反応して、ブーバーはバトルフィールドの下にあるマグマから現れた。

 

「ブゥゥゥゥバァァァ!」

 

 カツラが切り札と言うだけあって俺のブーバーよりレベルが高く貫禄がある。

 

「戻れ、ゲンガー。ガルーラ、バトルスタンバイ!」

 

「ガラゥゥゥゥ!」

 

「ガルーラ、『ねこだまし』!」

 

「ガルゥ!」

 

「ブーバー、『まもる』!」

 

「バァァァ!」

 

 再び『ねこだまし』でダメージ与えて怯ませようとしたが、今度は『まもる』でガードされてしまった。

 

「何⁉︎」

 

「先程と同じ手は喰わない。ブーバー、『かえんほうしゃ』!」

 

 攻撃後の隙を狙われてガルーラに『かえんほうしゃ』が直撃する。地味にまだキュウコンのひでりが続いており、ものすごい威力になった。

 ガルーラはボロボロになりながらも、なんとか立ち上がったがその直後、火傷のダメージを受けて戦闘不能になった。

 それと同時にひでりも終わった。

 

「ガルーラ、すまない。安易に『ねこだまし』を指示した俺がぬるかった」

 

 相手はジムリーダーなので同じ手が効く訳がなかった。もう少し慎重に技を選ぶべきだったとガルーラにボール越しに謝罪した。

 

「ブーバー、バトルスタンバイ!」

 

「ブウバァァァ!」

 

「ほぅ、私のブーバーにブーバーをぶつけるとは中々熱いな。しかし、勝つのは私のブーバーだ!いけ!『かみなりパンチ』!」

 

「ブゥ!」

 

「躱して、『サイコキネシス』!」

 

「バァァァ!」

 

 カツラのブーバーの攻撃を躱して、『サイコキネシス』で吹き飛ばしたが、まだまだカツラのブーバーは余裕だ。

 

「これでどうだ!ブーバー、『かえんほうしゃ』だ!」

 

「それを待っていた!ブーバー、『かえんほうしゃ』を受けろ!」

 

「何⁉︎」

 

 カツラのブーバーの『かえんほうしゃ』を受けた俺のブーバーはかなり苦しそうな顔をするが、その直後俺のブーバーからとてつもない熱気が放出された。

 

「今だ!『かえんほうしゃ』!」

 

 すかさず俺はブーバーに『かえんほうしゃ』を指示する。すると、放たれた『かえんほうしゃ』はとてつもない威力だった。

 

 原作シンジがサトシのピカチュウの『10まんボルト』を受けてエレキッドの『かみなり』を強化したり、ブーバーの『ふんえん』を受けてヒコザルの『かえんほうしゃ』を強化させた戦術を使う。

 

 恐らくこの強化は一時的なものだろうが、カツラのブーバーに確実なダメージを与えた。

 

「ブーバー、『かみなりパンチ』!」

 

 しかし、耐えたカツラのブーバーは『かみなりパンチ』で反撃してきた。

 ダメージのある俺のブーバーは躱す事が出来ず戦闘不能になった。

 

「ご苦労だったブーバー。良い『かえんほうしゃ』だった。その感覚を忘れるな」

 

 今回ブーバーを出したのはこの戦術で強い『かえんほうしゃ』を撃つ感覚を覚えさすのが目的だった。

 流石にひでり状態とこのバトルフィールドで威力の上がった『かえんほうしゃ』を受けるのは不安だったので、ひでりが切れるまで待ったが、無事ブーバーは目的を達成してカツラのブーバーにもそこそこダメージを与える事が出来た。

 

「ゲンガー、バトルスタンバイ!」

 

「ゲェェェン!」

 

 サイドンとのバトルでダメージを受けたが、まだまだ戦える。

 

「ゲンガー、『シャドーボール』!」

 

「ゲーン!」

 

「ブーバー、『かえんほうしゃ』!」

 

「ブゥバァァァ!」

 

 ゲンガーの『シャドーボール』はブーバーの『かえんほうしゃ』に押し返される。

 

「ゲンガー躱わせ!」

 

 ゲンガーはギリギリ『かえんほうしゃ』を躱す事が出来たが、今のゲンガーが受けたら間違いなく戦闘不能になるので気を付けなければならない。

 

「ブーバー、『かみなりパンチ』!」

 

 ブーバーは『かみなりパンチ』を当てる為にこちらに接近してくる。

 ギリギリまでブーバーを引き付けて、

 

「『マジカルシャイン』!」

 

 『マジカルシャイン』で攻撃するが大したダメージにはならなかった。

 しかし、ブーバーは至近距離で急に『マジカルシャイン』の光りを見たので、目を眩んだ。

 

「ゲンガー、『シャドーボール』!」

 

「ブーバー、『まもる』!」

 

 ブーバーの目が元に戻る前に『シャドーボール』で攻撃するが、『まもる』で防御された。

 だが、『まもる』は連続で使用すれば失敗しやすい。しかも、ブーバーの目はまだ眩んでおりチャンスだ。

 

「『ヘドロばくだん』!」

 

「躱わせ!」

 

 カツラは『まもる』が失敗する可能性を考えて躱すように指示するが、目が眩んでいる状態では躱す事が出来ず『ヘドロばくだん』が命中する。

 

「ブーバー、『かえんほうしゃ』!」

 

「ゲンガー、『かえんほうしゃ』を躱しながら接近しろ!『シャドーボール』!」

 

 ブーバーの方がパワーがあるが、スピードはゲンガーの方があるので、『かえんほうしゃ』を躱してブーバーの懐に入り『シャドーボール』を当てようとする。

 

「ブーバー、『まもる』!」

 

 躱す事が出来ないと判断したカツラは『まもる』を指示した。

 しかし、ブーバーが『まもる』を発動する前に『シャドーボール』が直撃しブーバーが戦闘不能になった。

 

「見事な熱いバトルだった。これがクリムゾンバッジだ」

 

「ありがとうございます」

 

 遂に8つのバッジを手に入れカントーリーグへ出場権を手に入れた。

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