ポケモン廃人に転生してしまった。バトルスタンバイ   作:エンパイア

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リーグに向けて

 ワタルと別れた俺はクチバシティのポケモンセンターでその夜は休み、朝イチの船でシンオウ地方に帰った。

 旅なら歩いて行くのだが、今はバスや電車を使って実家のあるトバリシティへ向かう。

 道中、カントーでは見なかったムックルやヒポポタスといったシンオウのポケモンを見つけたのでゲットしてみようとも思ったが、これからリーグに向けて特訓するので、現状ではこれ以上のポケモンのゲットは良くないと思い断念した。

 

 そんな事が有りながら漸くトバリシティに着いた。実家が見えると家の前で掃き掃除をしている兄貴がいた。

 

「兄貴、今帰った」

 

「シンジ!おかえり、早かったじゃないか!」

 

「予定が思ったより早く終わった」

 

 カイリュー島探しと、カイリューの厳選は時間がかかると思ったので遅くなると言ったのだが、カイリュー島が早く見つかった事とワタルからカイリューの卵を貰えた事で大分は早く帰る事が出来た。

 

「そういえば、親父達は?」

 

「俺に育て屋の事を教えたら、旅行に行ったよ。ずっと働いていたから、俺が育て屋を継いで余裕が出来たから行ってこいって言ったんだ」

 

「そうか」

 

「さぁ、家に入ろう。旅の話を聞かせてくれ」

 

 兄貴に促され家に入った。久しぶりの実家はやはり安心する。兄貴がお茶やお菓子を出して、色々カントーの旅について聞いてきた。

 

「……シンジ、ポケモンハンターとやり合うのはもうしないでくれ」

 

「分かった。だけど、あの時はそうするしかなかったんだ」

 

 最後のポケモンハンターとやり合った事(カイリュー島の事を除いて)を話すと、兄貴は顔を青ざめさせながらそういった事に首を突っ込まないでくれと心配された。

 アニポケではこんな事件がよく起きていたが、改めて考えると10歳の子供が関わる事ではないと思い知らされる。

 俺も面倒ごとに巻き込まれるのはごめんなので、大人しく兄貴の言葉を受け入れる。

 

 一通り話し終えると、俺は庭に出て俺の預けたポケモン達を確認する。

 各々、特訓していたが俺に気付くと全員集合した。

 

「フッ、久しぶりだな。特訓サボっていなかったようだな」

 

 ドダイトスやコノヨザルといった久しぶり会う奴らもいたが、真面目に特訓していたようで、前に会った時より強くなっているのが分かる。

 

「皆んな毎日特訓三昧だよ。オーバーワークにならないか心配なぐらいだよ。誰に似たんだろうね」

 

 兄貴から小言を言われたが、俺としてはそれぐらいやらないとリーグ優勝出来ないと思っているので良くやったと思う。

 

「兄貴、今日この後時間は空いているか?」

 

「あぁ、この後空いているけど」

 

「なら丁度いい。俺とフルバトルしてくれないか?旅ではやる機会が無かったから、本番前に一度やっておきたい」

 

「シンジとバトルか。よし、やろう。少し待っていてくれ」

 

 そう言って兄貴は残っていた仕事を終わらせてフルバトルの準備をしてくれた。

 

「よし、こっちの準備は出来たぞ。シンジ、そっちの準備はいいか?」

 

「問題ない」

 

「じゃあ、まず先攻後攻を決めよう。シンジ、裏表を決めてくれ」

 

 そう言って兄貴はポケッチのコイントスの機能を起動した。

 

「裏だ」

 

「じゃあ、俺は表だな。それじゃあ、コイントス」

 

 コインが舞い、出たのは表だった。

 

「俺の先攻だな。よし行くぞ!いけ、ムクホーク!」

 

「ムクホォォォ!」

 

「パルシェン、バトルスタンバイ!」

 

「シェェェェン!」

 

 兄貴の1体目はムクホークだった。兄貴のムクホークはジンダイさんとのバトルで分かっているが特性は『すてみ』だ。

 反動ダメージのある技の威力はとんでもないことになるので、防御の高いパルシェンを選んだ。

 

「ムクホーク、『ブレイブバード』!」

 

「ムクゥゥゥゥ!」

 

 いきなり反動ダメージのある『ブレイブバード』で攻撃して来た。中途半端の攻撃じゃ対抗出来ないので、此方も最大の攻撃で迎え撃つ。

 

「パルシェン、『つららばり』“改”!」

 

「シェェン!」

 

 一撃に集約された『つららばり』“改”で攻撃するが、ムクホークは『つららばり』“改”を撃ち破る。

 

「何⁉︎パルシェン、防御体制に入れ!」

 

 『つららばり』“改”もかなりの威力があるので、簡単に破られた事に驚きながらもパルシェンに指示する。

 パルシェンは殻に籠って防御を整えた所にムクホークの『ブレイブバード』が命中してダメージを受けた。

 

「戻れ、パルシェン」

 

 見た感じ今のダメージだけで体力がかなり削られたので、パルシェンを戻す事にした。

 

「練習してたのは見たけど『つららばり』を面白く使うな」

 

「簡単に破られるとは思っていなかったがな」

 

「そんな事は無いぞ。お陰で『ブレイブバード』の威力が大分削られた。同じぐらいのレベルだったら、どうなったか分からないさ」

 

 やはり兄貴のポケモンの方がレベルが高い。伊達にバトルフロンティア制覇まで後一歩の所まで行った訳では無い。

 

「ジバコイル、バトルスタンバイ!」

 

「ジババババン!」

 

 俺の2体目はジバコイルに決めた。ムクホークは『インファイト』を覚えるので少し不安はあるが、『がんじょう』で耐えられるので任せた。

 

「ジバコイル、フィールドに『10まんボルト』!」

 

「ジババーン!」

 

 ジバコイルが地面に腕を突き刺しフィールドに『10まんボルト』を放ち、その衝撃で砕けたフィールドの幾つもの破片がムクホークに向かった。

 

「躱わせ!」

 

 ムクホークはその破片を全て躱しきる。そのスピードは流石だが、躱した直後に隙が出来る。

 

「『でんじは』!」

 

 隙を逃さず『でんじは』で麻痺状態にする。これで、さっきの様なスピードは出せない。

 

「戻れ、ムクホーク」

 

 麻痺状態にして追撃しようとした所で、兄貴はムクホークを戻した。 流石の交代タイミングだ。

 

「いけ、ゴウカザル!」

 

「ウキャャア!」

 

 兄貴の2体目はパートナーポケモンのゴウカザルだった。兄貴のパートナーだけあってムクホークよりも更にレベルが高い。

 

「戻れ、ジバコイル。フーディン、バトルスタンバイ!」

 

「ディィィン!」

 

 俺の2体目にフーディンを出した。ゴウカザルの素早さと相性を考えてフーディンを選んだ。

 

「ゴウカザル、『かえんほうしゃ』!」

 

「ウギャャア!」

 

「フーディン、『ひかりのかべ』!」

 

「フゥ!」

 

 ゴウカザルの『かえんほうしゃ』に対して、フーディンに『ひかりのかべ』を指示する。

 威力を半減させたが、それでもフーディンにかなりのダメージが入る。

 

「戻れ、フーディン。ニドキング、バトルスタンバイ!」

 

「ニドォォォ!」

 

 ダメージを受けたフーディンを下げて、4体目のニドキングを出した。

 

「ニドキング、『じしん』!」

 

「ドォォォォ!」

 

「ジャンプして躱わせ!」

 

「ウキャ!」

 

 ニドキングの『じしん』をゴウカザルはジャンプする事で回避をする。

 しかし、ゴウカザルは空中では身動きが取れないので、その隙を狙う。

 

「『10まんボルト』!」

 

「『かえんほうしゃ』!」

 

 ニドキングの『10まんボルト』とゴウカザルの『かえんほうしゃ』がぶつかり合うが、『かえんほうしゃ』が『10まんボルト』を撃ち破りニドキングに『かえんほうしゃ』が命中する。

 しかし、フーディンの『ひかりのかべ』が残っていたので耐える事が出来た。

 

「ニドキング、ゴウカザルが地面に着地する瞬間を狙え!『じしん』だ!」

 

「ゴウカザル、地面に向かって『かえんほうしゃ』!着地するタイミングをズラせ!」

 

 今度は回避出来ないタイミングで『じしん』を当てようとするが、ゴウカザルは地面に向けて『かえんほうしゃ』を撃ち、その噴射力で落下のスピードを落として『じしん』を回避した。

 

「『フレアドライブ』!」

 

「躱わせ!」

 

 『じしん』を回避したゴウカザルは『ひかりのかべ』の影響を受けない物理技の『フレアドライブ』で攻撃して来た。

 かなりのスピードのせいでニドキングは躱す事が出来ず『フレアドライブ』が直撃し戦闘不能になる。

 

「ニドキング、ご苦労だった」

 

 ニドキングはやられてしまったが、ゴウカザルは『フレアドライブ』の反動ダメージを受けた。それだけではなく、ゴウカザルの体は紫色に光り輝いてダメージを受けている。

 

「ニドキングの特性『どくのとげ』か。『ひかりのかべ』の事を考えて物理技にしたのが仇になったか」

 

 毒状態になったので、さっきよりも戦いやすくなった筈なので、ニドキングは充分仕事を果たした。

 

「ゲンガー、バトルスタンバイ!」

 

「ゲェェェン!」

 

「ゲンガー、スピードで撹乱しろ!」

 

「ゲェン!」

 

 ゲンガーはゴウカザルの周りを惑わす様な動きをする。その速度はさっきのゴウカザルのスピードにも負けてない。

 

「今だ!『シャドーボール』!」

 

 タイミングを見てゴウカザルの背後から『シャドーボール』で攻撃する。

 

「ゴウカザル、後ろだ!避けろ!」

 

「ウキャア!」

 

 しかし、ゴウカザルはさらに速いスピードで『シャドーボール』を躱し、一瞬でゲンガーの後ろを取った。

 

「『フレアドライブ』!」

 

 再び『ひかりのかべ』の影響を受けない『フレアドライブ』で攻撃して来た。

 ゲンガーは打たれ強い訳では無く、状況的に避ける事も出来ない。

 更に、先程の『フレアドライブ』を見ると耐えられるかは分からない。

 

「ゲンガー、『みちづれ』!」

 

 仕方なく『みちづれ』を指示する。予想通り、ゲンガーは戦闘不能になり、『みちづれ』が発動してゴウカザルも戦闘不能になる。

 

「ご苦労だった、ゲンガー」

 

「戻れ、ゴウカザル。『みちづれ』を使われたなら仕方がないか。良いタイミングだったな」

 

 兄貴は技の発動タイミングを褒めてくれたが、俺としては全く喜べない。

 毒状態で『フレアドライブ』の反動ダメージを受けたゴウカザルなら、苦戦はするだろうがゲンガーでギリギリ倒して、次に出て来たポケモンに『みちづれ』を使う予定だった。

 

 ゴウカザルが余りにも強敵だったので仕方なく使わざるを得なかった。

 これで、俺は2体戦闘不能でフーディンとパルシェンがダメージを負っていて、兄貴の方は1体戦闘不能でムクホークが麻痺状態、誰の目から見ても俺が不利だ。

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