ポケモン廃人に転生してしまった。バトルスタンバイ 作:エンパイア
「いけ、ドラピオン!」
「ドォォラァァ!」
「ジバコイル、バトルスタンバイ!」
「ジバババン!」
兄貴の3体目のドラピオンに対して、俺はジバコイルを再び出す。しかし、そのタイミングで『ひかりのかべ』の効果が切れてしまった。
レベル差は『ひかりのかべ』でカバーするつもりだったので効果が切れてしまったのはイタイが、ドラピオンは特殊攻撃をあまりするイメージが無いのでこのまま行く。
「ジバコイル、『10まんボルト』!」
「ジババ!」
「ドラピオン、『クロスポイズン』!」
「ドォラァ!」
ジバコイルの『10まんボルト』に対してドラピオンは『クロスポイズン』を撃って来た。
どく技はジバコイルには効果が無いが、技を相殺させる事には使える。
「ドラピオン、『ほのおのキバ』!」
「ジバコイル、『ほのおのキバ』を耐えて『でんじは』!」
肉を切らせて骨を断つ。ドラピオンの『ほのおのキバ』をわざと受けて、ドラピオンが回避出来ない距離から『でんじは』を放ち麻痺状態にする。
「今だ!『10まんボルト』!」
兄貴はムクホークの時みたいに麻痺したドラピオンを交代しようとするが、兄貴とドラピオンの距離よりジバコイルとドラピオンの方が近く、交代するよりも早くドラピオンに『10まんボルト』が命中する。
「『ほのおのキバ』!」
しかし、ドラピオンとジバコイルの距離が近いという事は、ドラピオンも攻撃を当てるチャンスでもあり、兄貴は『ほのおのキバ』を指示する。
「ドォ…ラァ」
しかし、ドラピオンは麻痺が発動し痺れて動けなかった。
「チャンスだ!『10まんボルト』!」
ドラピオンに二度目の『10まんボルト』が命中するが、ドラピオンはこれも耐えた。
「チッ、これでも倒れないか」
「そんな柔な育て方はしてないよ。ドラピオン、『ほのおのキバ』!」
二回連続で麻痺が発動するなんて運の良い事にはならず、ジバコイルに『ほのおのキバ』が直撃し戦闘不能になる。
「ジバコイル、ご苦労だった」
漸くまともに攻撃を当てる事が出来たが、俺の不利な状況に変わりは無く残りのポケモンは半分の3体だ。
「ストライク、バトルスタンバイ!」
「ストォォォ!」
「戻れ、ドラピオン」
兄貴は麻痺状態のドラピオンでは不利だと判断したようで、ドラピオンを交代しようとする。
「そうはさせない!ストライク、『おいうち』!」
「スト!」
相手が交代しようとすると威力が倍になる『おいうち』を指示する。ドラピオンにあく技はいまひとつだが、ジバコイルとのバトルでのダメージがあるドラピオンは戦闘不能になる。
倒れたドラピオンはそのままモンスターボールに戻っていく。
「やられたね。『おいうち』を警戒するのを忘れていたよ。ちょっと鈍ったかな。でも、次はそうは行かないよ。いけ、ムウマージ!」
「ムゥマァァ!」
兄貴の4体目のムウマージを出した。ムウマージは素早さ種族値こそストライクと同じだが、レベル差を考えると不利になるので交代する。
「戻れ、ストライク。フーディン、バトルスタンバイ!」
「フゥ!」
「ムウマージ、『シャドーボール』!」
「ムゥ!」
「フーディン、『テレポート』!そして、『ひかりのかべ』!」
「ディン!」
『テレポート』で『シャドーボール』を回避してすぐに『ひかりのかべ』を張った。
エスパータイプのフーディンをゴーストタイプのムウマージに出すのはリスクがあったが、ムウマージは基本的に特殊攻撃が主なので多少のリスクがあっても『ひかりのかべ』を張りたかったのだ。
「戻れ、フーディン。パルシェン、バトルスタンバイ!」
しかし、今のフーディンは『ひかりのかべ』を張っていても効果抜群の『シャドーボール』を受けたら戦闘不能になりかねないので、パルシェンと交代する。
「パルシェン、『つららばり』!
「シェ!」
「躱わせ!」
「ムゥマァ!」
『つららばり』に対して回避を指示してくるが、グレンジムのカツラがやったみたいに『つららばり』の最初の四発でムウマージの動きを妨害して、最後の一発を命中させる。
「『つららばり』“改”!」
「『シャドーボール』!」
追撃の『つららばり』“改”と『シャドーボール』がぶつかり合うが、ムウマージは『すてみ』ムクホークと同じような火力を出せず『シャドーボール』を破りムウマージに直撃する。
「ムウマージ、『エナジーボール』!」
しかし、耐え抜いたムウマージは『エナジーボール』で反撃して来た。
『ひかりのかべ』の効果があるとはいえ、特防の低いパルシェンは効果抜群のくさ技を耐えられず戦闘不能になる。
「戻れ、パルシェン。ご苦労だった。ストライク、バトルスタンバイ!」
「ストォォ!」
倒されたパルシェンを戻し、ストライクを出す。ムウマージもダメージを受けているので、あく技の『おいうち』を当たれば倒せる筈だ。
「『でんこうせっか』で惑わせながら接近しろ!」
「ライ!」
「『でんげきは』!」
「マァァジィィ!」
「『でんげきは』を受けてでもムウマージに接近しろ!」
『でんこうせっか』でスピードを上げたが、必中の『でんげきは』を撃って来た。
こうなってしまったら避ける事は出来ないので、かなり無茶な指示だが『でんげきは』を受けてでもムウマージとの距離を詰めさせる。
『ひかりのかべ』で威力が半減した事と、『でんげきは』の威力が低い事も有りストライクはムウマージを攻撃出来る距離まで詰める事が出来た。
「『おいうち』!」
「『でんげきは』!」
ストライクが『おいうち』を決めたが、ムウマージも攻撃を受けながらも『でんげきは』を放ちストライクに直撃した。
両者、お互いを睨みつけると同時に倒れて戦闘不能になった。
「戻れ、ストライク。ご苦労だった。フーディン、バトルスタンバイ!」
「フゥゥ!」
「戻れ、ムウマージ。いけ、ドータクン!」
「ドォォォ!」
俺は残ったフーディンを兄貴は新たにドータクンを出した。
「フーディン、『シャドーボール』!」
「ディン!」
「ドータクン、『トリックルーム』!」
「ドォ!」
ドータクンは効果抜群の『シャドーボール』を受けながらも『トリックルーム』を発動した。
これで、素早いフーディンは遅くなり遅いドータクンは素早くなってしまった。
「『ジャイロボール』!」
「『テレポート』で躱わせ!」
ドータクンの『ジャイロボール』を『テレポート』で躱そうとするが、『テレポート』を発動する前に『ジャイロボール』がフーディンに直撃しフーディンが戦闘不能になった。
「フーディン、ご苦労だった。俺の負けか………」
「……シンジ、勝った俺が言うのもアレだけど、あまり気にし過ぎるなよ」
「兄貴、俺は一度の負けで駄目になる様なぬるいトレーナーじゃない」
確かに負けた事は悔しいが、この負けをいつまでも引きずってなどいられない。
この負けは次のバトルで勝つ為の糧にしてみせる。
だが、その前にしなくてはならない事がある。
倒されたメンバーをげんきのかけらで回復させて、全メンバーを集めて話をする。
「今回負けたのは俺達が弱くて、兄貴達が強かったからだ。そして、俺達が目指す頂は兄貴達よりも更に強くならなければ辿り着けない。付いて来れるか?」
「ドォダァァ!」
「シェェェン!」
「ヴキィィィ!」
「ニィドォォ!」
「ドォサァァ!」
「フゥゥゥゥ!」
「ゲェェェン!」
「ブゥゥバァ!」
「ストォォォ!」
「ガルゥゥゥ!」
「フッ、どうやら今回の負けで怖気付くようなぬるい奴はいないようだな。明日からリーグに向けての特訓を開始する!今までよりハードになるが付いて来い!」
全員、望むところだと言わんばかりに声を上げる。兄貴とのバトルは俺のポケモン達にやる気を高める良いきっかけになった様だ。