ソードアート・オンライン・アゲイン ∼今度こそ君を……∼ 作:八鍵 嘯
茅場のチュートリアルが終わるころ、俺はある決意をしていた。
それは、かつて間違えた道の修正。つまりは、
「クライン、お前の仲間の場所は分かるか?」
クラインたちを連れて、街を出ることである。
「あ、ああ。分かるが、どうするつもりだ?」
辺りでは悲鳴や絶叫、罵声や懇願の声が響いていた。
困惑するクラインに俺は状況確認と、その対処方法を伝える事にする。が、この場所で話すのは危険だ。だから俺は、クラインを広場から放射状に広がった幾つもの街道の一つ、そこに停まっている馬車の影に連れ込んだ。
「いいか。あいつの言葉が本当なら、今後生き残るにはひたすら自分を強化し続けなければならない。知っての通り、MMORPGっていうのはプレイヤー間のリソースの奪い合いだ。限られた金とアイテム、経験値をより多く獲得した奴だけが生き残れる。この《始まりの街》周辺のフィールドは同じことを考えたプレイヤー達にすぐに狩り尽くされて、すぐに枯渇するだろうからモンスターの再湧出《リポップ》を探し続けることになるだろう。だから今のうちに次の村を拠点にした方がいい。幸い俺は危険なポイントも全部知っているから、レベル1でも安全にたどり着ける」
俺は、かつてここでクラインを置いていった。
そして、何度も、何度も何度も後悔をしてきた。本当にクラインの仲間も連れていくことは出来なかったのか? と。
「お前とあったのも何かの縁だ、お前の仲間も一緒に連れていってやる」
そして、俺は辿り着いた。クラインたちを見捨てない方法を。
その後始まりの街の北西ゲートで、クラインがフレンドからメッセージで呼んだ仲間と合流した。その数、五人。後の攻略ギルド《風林火山》(WWFM:Wind Woods Fire Mountain)のメンバーだ。
「よう。……いろいろとヤバイことになっちまったが、大丈夫か?」
合流した仲間を気遣うクライン。
「あ、ああ」「もう、何が何だか、って感じだがなぁ」「一応は、な……」「大丈夫だよ」「周りはかなり混乱していたがな」
仲間に出会ったことによって、幾分か落ち着いたのだろう。クラインの仲間たちは騒いだり、喚いたりはしなかった。
「そうか。じゃあ、早速だがちっとこいつの話を聞いてくれないか?」
そういって、クラインは俺を皆に紹介した。
「こいつはキリト。元βテスターだ」
五人から「おお……」という声が漏れる。
「キリトだ、よろしく。早速だが──」
こうして俺は、かつての過ちを繰り返さないよう、行動を開始した。
第一目標:クライン達の先導(開始)
第二目標:???