ソードアート・オンライン・アゲイン ∼今度こそ君を……∼ 作:八鍵 嘯
クライン達を連れて始まりの街を出た俺が向かったのは、始まりの街からそう遠くない村、《ホルンカ》だった。小さな村だが、宿屋、武器屋、道具屋が揃っているため、狩りの拠点にするには充分だ。
つい先ほど夕日が落ちたという頃、俺たちはホルンカに到着した。
「今日と明日はここで夜まで狩りをする。今日中に装備を整えて、明日の昼すぎまでこの周辺で狩りをした後、次の村に移動する事にする。ここの武器屋と道具屋はそこまで大きくないけど、ある程度揃えたらあとは以降の大きな町でなんとかしよう。武器や防具は個人の好みだが、道具の方は取り合えず回復ポーションと解毒ポーションはなるべく沢山買っておいてくれ。この辺のフィールドは毒を使うモンスターが出るからな」
などといった必要事項を伝えたのち俺は、自分の持っていた素材アイテムを売り、所持金ギリギリまで使って茶革のハーフコートと回復ポーション、解毒ポーションを買うと、村の奥にある一軒の民家に走った。
中に入ると、いかにも《村のおかみさん》風な雰囲気を持ったNPCが台所で鍋をかき回していた。すると、そのNPCが振り向き、言った。
「こんばんは、旅の剣士さん。お疲れでしょう、食事を差し上げたけれど、今は何もないの。出せるのは、一杯のお水くらいのもの」
「いいですよ」
俺がそう答えると、おかみさんは水を入れたカップを俺の前の机に置いた。
椅子に座り、それを一気に飲み干す。
それを見たおかみさんは、少しだけ笑い、再び鍋の方へと戻っていった。何かを煮込んでいるのに、食事が出せない、というのには訳がある。
そのまま、じっと待っていると隣の部屋へと続くドアの向こう側から、子供の咳き込む声が聞こえてくる。そして、さらに数秒後。おかみさんの頭の上に金色の疑問符が現れた。クエストが発生したのだ。
「何かお困りですか?」
俺の言ったクエスト受諾フレーズに反応して、おかみさんが振り向き、同時に疑問符が点滅を始める。
「旅の剣士さん、実は私の娘が……」
娘が重病なので、治療に必要な西の森にいる捕食植物の胚珠をとってきてくれたらお礼に剣を差し上げましょう、というクエスト内容を語ったおかみさんに向かって「任せといてください!」と言った(必要なコマンドではない)俺は、視界左端のクエストログが更新されたことを確認して、夜の森へと駈け出した。
こうして、俺はクエスト《森の秘薬》を開始したのだった。クライン達には隠して。
第一目標:クライン達の先導(継続中)
第二目標:コペ*△@¥■○