ソードアート・オンライン・アゲイン ∼今度こそ君を……∼ 作:八鍵 嘯
純白の閃光
嘗て俺がアスナに初めて出会ったのはデスゲームが始まって一か月が過ぎた頃で、第一層迷宮区の奥深くの未踏破エリアでのことだった。
その頃のアスナは俺と結婚した時のようなホワホワとした雰囲気はなく、ひたすら攻略に励んだ先に消滅してしまうのではないかと感じさせるほどストイックな生き方をしていた。いや。消滅してしまうのではないか、ではない。アスナは実際、攻略の先で息絶えるつもりだったのだ。
しかしアスナはその後、俺を見て生きることを決意したという。
つまり、もし俺がアスナに出会わなければ、アスナはきっと攻略の果てに燃え尽きてしまうだろう。それを阻止し、再びあの幸せを手に入れるべく俺は今、迷宮を彷徨っている。
「前回、アスナに初めて会ったのは確か……」
迷宮の攻略は、俺がホルンカの街を出てからおよそ一週間後、現実の日付で言うと十一月十四日から始めており、既にそこから10日が経っている。俺のマップ踏破率は既に90パーセントを超えており、実はボス部屋も見つけていた。
少しでもアスナとの遭遇率を上げるために、俺は必死に当時の状況を思い出そうとしていた。が、何せもう数年前の話だ。記憶もあやふやになっており、なかなか手がかりになるようなことは思い出せない。
そんなことを続けながら迷宮攻略を進めていた、その時。
「──っ!」
俺は視界の端に、鮮やかな純白の閃光を見た。
見覚えのあるフラッシュを視覚内に捉えた俺は、反射的にその光源の方へと振り向いた。そこにいたのは、裾の長いフーデッドケープを羽織った《
いくら顔が見えなかろうが間違えようがない。
彼女は──アスナだ。
レベル6亜人型モンスター、《ルインコボルト・トルーパー》は、目の前の少女に向かってその無骨な手斧を振り下ろした。しかしその攻撃は紙一重のところで回避される。1秒でも遅れていたら少女のHPバーは半分を下回っていたであろう攻撃を、ギリギリのところで回避をした少女は、そのまま身体を反転させて再びモンスターに対峙する。
そんな文字通り命がけのの回避を繰り返すこと3回目。突如コボルトが大きく体勢を崩した。
すかさず少女はコボルトに向かって《
細剣カテゴリの基本技、単発突き攻撃《リニアー》。
刀身が白く輝きを放ち、コボルトの胸当てに直撃。プレイヤー自身によってブーストされたことによって、基本技とは思えないほどのサウンドと光を放つ。
この攻撃はコボルトにとって致命傷となったようで、コボルトはこの世界特有の死亡エフェクトを四散させた。
第一目標:クライン達の先導(継続中)
第二目標:コペルの殺人と死亡の回避(失敗)
「第一層攻略」編スタート!
次回はアスナとの接触!
「迷宮の攻略は、第一層唯一のフィールドボスを倒し迷宮が解放されたその日から始めており、既にそこから8日が経っている」という文について訂正が入りました。
フィールドボスは第一層にはいませんでした。