再び転生した元神は魔法科高校へ IFシリーズ   作:さすらいの旅人

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今回は真夜サイドの話で短いです。


またしても予想外な報告

「……全く。隆誠さんは一体どうやって『無頭竜(ノー・ヘッド・ドラゴン)』の情報を得たのかしら」

 

 場所は変わって四葉邸。

 

 ミラージ・バット決勝戦が始まる前、隆誠は真夜に一通り報告していた。達也が公開前の飛行魔法を宣伝と言う名の無断使用、並びに九校戦で『無頭竜(ノー・ヘッド・ドラゴン)』が関わっていた情報を。

 

 前者に関しては主に隆誠の愚痴同然であったため、聞いていた真夜は特に何も言い返さず苦笑するばかりだった。一緒に聞いている葉山も同様に。

 

 だが、後者は全く別で驚愕するばかりとなった。『無頭竜(ノー・ヘッド・ドラゴン)』の存在を既に知っている四葉家だが、裏事情に一切関わっていない筈の隆誠が何故知っているのかと疑問を抱くほどに。

 

 それだけでなく、その犯罪組織が現在いる場所、更には構成員の情報をデータとして送られた。余りにも詳細な内容であった為、真夜は思わず隆誠に情報の出処を尋ねたのだが、『その情報が信じられないのでしたら即座に破棄して構いません』と言われてしまった。遠回しに『教える気は無い』と答えたのだ。

 

 隆誠が今回の情報を得れたのは、神造精霊獣フェンのお陰であった。達也に『無頭竜(ノー・ヘッド・ドラゴン)』のアジトの所在と構成員を調べるよう依頼された女性――小野(おの)(はるか)の背後に張り付き、彼女が調べた情報を見た後、それを全て記憶したフェンは主の隆誠に一部始終の光景を送っていたから。隆誠本人はこう言う盗み見行為を好ましく思ってないが、裏情報を得る手段が無い為に敢えてやっている。

 

「ですが奥様、私から見ても隆誠殿より送られた情報の信憑性は充分にあると思います。『ダグラス=(ウォン)』だけでなく、国際警察に指名手配されてる『ジェームス=(チュー)』、そして残りの構成員達も聞き覚えがある者ばかりです」

 

 真夜と一緒に情報を精査していた葉山も驚くばかりだった。諜報部門を担当している黒羽家が掴んだ以上の情報である為に。

 

 黒羽家当主の(みつぐ)は『無頭竜(ノー・ヘッド・ドラゴン)』が拠点にしてる情報を得ているも、流石に幹部達の名前まで全て掴み切れていなかった。もし隆誠が暴いたと知れば、彼のプライドは確実に傷付くだろう。

 

「他にもその者達が九校戦を妨害していただけでは飽き足らず、随分品の無い事をしたみたいですね。確かあの犯罪組織は、毎年行われる九校戦を賭け事に利用しているとか」

 

「余程連中にとって、大変不都合な状況だったのでしょうな」

 

 真夜と葉山は『無頭竜(ノー・ヘッド・ドラゴン)』が主体で、九校戦の勝敗で賭けを行っている事を知っていた。

 

 隆誠からの報告で、『ジェネレーター』が観客達の大量殺戮を目論んでいたと言う内容も聞いている。最早手段を選んでいられない状態に陥り、生体兵器(ジェネレーター)を使ったのだろうと二人は察した。

 

「だとしても、彼等は大変愚かな事をしてしまいましたね」

 

「ええ、あの連中は触れてはならないモノに触れてしまいましたから」

 

 それと同時に達也も後ほど知る事になると聞いた瞬間、真夜と葉山は最早如何でもよくなってしまった。それどころか少しばかり同情している節が見受けられる。

 

 ミラージ・バットに出場してる深雪を地に堕とすことを企てるなど、達也が知った後の行動は容易に想像出来てしまう。恐らく今夜辺りに『無頭竜(ノー・ヘッド・ドラゴン)』を壊滅させるだろうと。

 

「それはそうと葉山さん、隆誠さんは今後どうされた方が良いでしょうか」

 

 真夜はもう既に『無頭竜(ノー・ヘッド・ドラゴン)』より、隆誠の今後について話し始めようとする。

 

 九校戦で達也の監視を命じた事により、彼女は隆誠に対する評価が非常に高くなっていた。

 

 非魔法師でありながらも、達也の軽挙妄動と言える活躍の指摘、並びに開発した魔法『能動空中機雷(アクティブ・エアー・マイン)』が軍事利用されると言う意見。裏組織に一切関わっていない筈なのに、独自に犯罪組織『無頭竜(ノー・ヘッド・ドラゴン)』の存在を確認後にアジトと構成員の情報を報告。

 

 諜報担当の黒羽家以上の成果を示された為、真夜としては彼をこのまま放置するのは非常に勿体ない存在だと考えている。

 

「確かに彼は有能で、四葉家にとっても今後多くの利益をもたらす人材になるでしょう」

 

 ですが、と言って葉山は話を続ける。

 

「奥様もご存知の通り、隆誠殿は四葉家に対して不快感を抱いております。加えて、もし彼を四葉家に迎え入れても、黒羽殿を筆頭に他の分家も一斉に大反対されてしまうかと」

 

「……はぁっ、やはりそうなりますよね」

 

 真夜も充分に理解している。四葉家(じぶんたち)が過去に龍郎と小百合を引き裂いただけでなく、その間に産まれた子供は『愛人の息子』として蔑まれている始末。隆誠が四葉家を恨む理由があるのは当然としか言いようがない。

 

「だからと言って、こんな優秀な人材を遊ばせるほど、今の四葉家にそこまで余裕は無いんですが」

 

 四葉家は七草家と並び最有力とされている一族なのだが、血縁やそれ以外の配下を含め『何時でも自由に使える』魔法師の人数はあまり多くない。それを補う為に外部の協力者を補充してるが、あくまで使い捨てに過ぎないから、そこまで重用する人材はいないのが実状なのだ。

 

 隆誠が爪弾き者扱いされてるとは言え、四葉家の血縁である事に変わりない。真夜としては是非とも重要な役割を与えて迎え入れたいのだが、葉山が言った通り、すぐに実行出来ない理由がある為に現状無理だった。

 

「もし隆誠さんが、達也さんを簡単に倒せるだけの実力があれば話は別なのですが」

 

「奥様、それは流石の彼でも無理かと……」

 

 隆誠について過去の情報を調べた際、魔法が無くても途轍もない実力者である事を真夜と葉山は既に知っている。新ソ連からの多くの敵兵を倒しただけでなく、九重八雲や千葉修次と互角に渡り合えることも含めて。

 

 だとしても、達也は全く別だった。あらゆる存在を無にする『分解』、そしてどんなに倒しても蘇る『再成』があるから、如何に隆誠でも彼を倒すのは不可能だろうと結論している。

 

 しかし、翌日以降にとんでもない報告が来た事によって大きく覆されてしまう。余りにも常識外れな内容を聞いた真夜と葉山が揃って、まるで思考停止したかのように固まるのだから。




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