再び転生した元神は魔法科高校へ IFシリーズ   作:さすらいの旅人

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内容が短いのでフライング投稿にします。

今回は達也サイドの話です。


一方、その頃

 ここで少しばかり時間を遡る。深雪が『ニブルヘイム』を使って隆誠を氷漬けにする前まで。

 

 

 

 

『……何故だ!? 我々は誰も殺さなかったではないか!』

 

「お前達が何人殺そうが何人生かそうが、俺にはどうでもいいことだ」

 

 隆誠が予想した通り、達也は『無頭竜(ノー・ヘッド・ドラゴン)』の幹部達を粛清する為に襲撃していた。

 

 襲撃と言っても魔法による遠距離狙撃に過ぎない。彼がいる横浜ベイヒルズ北翼タワーの屋上から、1キロ超えた先にある横浜グランドホテルの最上階に向けて正確に狙撃している。

 

 狙撃で使っている魔法は『分解』であり、壁だけでなく、室内にいる幹部やジェネレーターが文字通り消失していた。達也は『精霊の眼(エレメンタル・サイト)』を使って最上階の室内に残っているダグラス=(ウォン)から一通りの情報を得た後、用が済んだと言わんばかりに止めを刺そうとしている。

 

 しかし、それとは別に達也は会話をしながらも別の事にも思考を割いていた。

 

(深雪、何故義兄さんとホテルの屋上で話しているんだ?)

 

 遠く離れているにも拘わらず、達也は精霊の眼(エレメンタル・サイト)を通じて、深雪がいるホテルの屋上で隆誠と話している情報が送られていた。

 

 彼は常に精霊の眼(エレメンタル・サイト)として扱う超知覚のリソースの半分を深雪に割り当てている。どれ程遠く離れていても、深雪に迫る脅威を確認したら即座に動ける為に。これは四葉家や他の分家どころか、視られている深雪本人すらも知らない。

 

 何故そのような事をしている理由については省くが、とにかく達也は深雪を常時視る事で情報を得ているのだ。それによってダグラス=(ウォン)と話しながらも、頭の中では彼女がホテルの屋上で隆誠と話している情報を確認していると言う訳である。

 

(まさか『ニブルヘイム』を使うとは……)

 

 更に信じられない情報が届く。深雪が『ニブルヘイム』を使って、隆誠を氷の彫像にさせていたのだ。

 

 それを見た達也は少々面倒な事態(・・・・・・・)になったと思いながらも、後で彼に『再成』を使って元に戻す予定を立てる事にした。

 

『悪魔め!』

 

「……その『悪魔の力』を久々に解き放つ事が出来たのは、お前達が俺の持つ唯一の感情を引き出してくれたお陰だよ」

 

 予想外の情報によって達也はダグラス=(ウォン)との会話が一瞬途絶えそうになるも、すぐに持ち直そうと皮肉を言い返した。

 

 同時にやらなければならない事が出来た為、これ以上の会話は不要と判断する。

 

『ま、まさかこの魔法は、三年前の沖縄で――!?』

 

 聞き覚えがある単語があったのか、ダグラス=(ウォン)が何かを思い出すように口にしてる中、達也は処刑の引き金を引いた。その直後に断末魔が響くも、そこで声が途絶えることになる。

 

「……お疲れ様です、特尉」

 

 達也と一緒に同行していた女性軍人の藤林は先程の光景に少しばかり目を背けていたが、すぐに気を取り直すように任務を遂行した達也、もとい大黒特尉にそう言った。

 

「此方で処理しますので、特尉は帰投して下さい」

 

「了解しました。では少尉、後は……ッ!」

 

 藤林の台詞に達也は頷きながら去ろうとするが、即座に足を止めた。

 

「特尉?」

 

 突如動かなくなった達也に藤林が声を掛けるも、彼は全く反応を示していない。

 

 それもその筈。改めて精霊の眼(エレメンタル・サイト)で視ている深雪に意識を向けた瞬間、信じられない光景になっていたから。氷の彫像となっていた筈の隆誠が自力で解いただけでなく、深雪に一瞬で接近したどころか、彼女の顔を容赦無く殴っている。

 

「深雪!!」

 

「ちょっ、特尉! こんな所で飛行魔法を使っては!」

 

 深雪に危機が迫ってる事を意識した直後、達也は藤林の言葉に聞く耳持たず、所持してる飛行魔法専用のデバイスを作動させた。

 

 真夜中とは言え、街中で移動用の飛行魔法を使ったら配置されてる監視カメラに映ることを達也は当然知っている。けれど、今の彼はそんな事は如何でもよくて、全速力で深雪がいるホテルへ戻っていた。

 

 大急ぎで戻っている達也の頭の中は珍しく混乱していた。非魔法師である筈の隆誠が深雪の『ニブルヘイム』を受けたにも拘わらず、自力で解く事が出来たのかが全く分からない。

 

(よくも、よくも深雪を……!)

 

 だが、それはもう如何でもよくなってしまっている。今の彼の頭は、隆誠に対する怒りで爆発寸前だから。今も精霊の眼(エレメンタル・サイト)を通じて視ているにも拘わらず、深雪が『コキュートス』を使って隆誠を殺そうとしても通用しない光景を全く気に留めていない程に。

 

 そして隆誠が深雪の首根っこを掴み――

 

『お兄様……申し、訳……ありません……』

 

「ッ! 止めろ、止めるんだ義兄さん!!」

 

 深雪の悲痛な声が届いたのか、達也は思わず隆誠に向けて大声で怒鳴った。未だ深雪と隆誠がいるホテルの屋上に届くまでの距離ではないが。

 

 その思いが無情の如く、精霊の眼(エレメンタル・サイト)を通じて視ている深雪は、隆誠からの止めの一撃を受けた事で意識を失ってしまう。

 

「あ、あ………アアアアァァァァァァァァァァアアアアアアアアアア!!!!!!」

 

 この瞬間、達也の感情は一気に爆発した。そして同時に四葉家が恐れている『世界を破壊し得る力』が暴走するカウントダウンが始まろうとする。




隆誠が深雪を(殺していないが)手に掛けた瞬間、達也は怒り狂う事になりました。

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