再び転生した元神は魔法科高校へ IFシリーズ   作:さすらいの旅人

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今回は飛ばし飛ばしでやってるから短いです。


頭を痛める状況

 再会したフェンを影の中に潜ませた隆誠はホテルへ戻り、休息も兼ねた昼食をとっていた。その際、深雪の試合を観る前に今日行っていた競技の経過情報も一応確認している。

 

 女子新人戦クラウド・ボールは担当が達也じゃないからか、優勝は三高で準優勝が一高。試合内容も一通り確認したが、三高の選手が使う魔法と身体能力で圧勝した言う結果だったので、一高が優勝出来なかったのは仕方ないとしか言えなかった。

 

 もう一つの女子新人戦アイス・ピラーズ・ブレイクは予選なのでまだ終わっていないが、深雪以外の二選手は問題無く一回戦突破している。その二人はスピード・シューティングに出場した北山雫と明智英美で、前回と同じく此方の競技も達也が引き続き担当しているようだ。内容に関してはそこまで際立つモノだったので、今のところは大丈夫だと一安心している。

 

 しかし、まだ油断は出来ない。この後に行われる深雪の試合が、隆誠にとって一番気掛かりであるから。達也は平等に選手達のサポートをしてるかもしれないが、自分の妹に関しては別なのだ。加えて深雪も感情が昂ると事象に干渉してしまう為、お得意の冷却魔法が簡単に発動してしまう。本人はソレを勿論自覚してるが、時折相手を脅すことに利用してることもあるから、達也に指摘されない限り改善する気は無いだろうと隆誠は諦めている。あの兄妹がああなった原因は四葉家の歪んだ教育による結果なのだと。

 

 果たして一体何を仕出かすのかと思いながら一回戦の最終ゲームを見て、果てしなく呆れてしまうのであった。白の単衣に緋色の女袴を身に纏った深雪が、普通の高校生では使えない高難易度魔法『氷炎地獄(インフェルノ)』を披露して圧勝していたから。

 

(まさか、な……)

 

 もしかしたら達也と深雪は四葉家に対する反逆の意思を示しているのではないか。隆誠は思わずそう考えてしまうほど、二人の行動に疑問視するのであった。

 

 

 

 

 西暦2095年8月8日

 

 

 

(本当に何考えてんだよ、あの愚弟と愚妹(バカふたり)は……!)

 

 一気に飛んだかのように女子ピラーズ・ブレイク決勝戦で、北山対深雪の試合を観てる隆誠は眩暈に襲われてるように頭に手を当てていた。

 

 深雪の『氷炎地獄(インフェルノ)』に対抗しようと、対戦者である北山が対抗魔法『情報強化』を施しながら、二つ目のCADを使って振動系魔法『フォノンメーザー』を使っていたのだ。両者共に担当してる技術スタッフが達也だから、すぐにあの愚弟の仕業だと隆誠は即座に分かったから。

 

 それだけでは飽き足らず、深雪が勝負を決めようと広域冷却魔法『ニブルヘイム』と言う高難易度魔法を使っていた。それが決め手となった事で再び『氷炎地獄(インフェルノ)』を発動した事で、北山の氷柱(ピラー)は全て消えてしまい、深雪の優勝が決まった。

 

 呆れている隆誠とは別に、周囲は素晴らしい試合だったと称賛してるかのように、観客達から盛大な拍手が沸き起こっている。

 

(はぁっ……部屋に戻ってフェンの相手でもするか)

 

 ――ワンワンッ!

 

 最早達也と深雪は正体隠す気ゼロとしか言いようがない結果を見た事で、隆誠はホテルへ戻る事にした。

 

 昨日に引き続き影に潜んでいるフェンは自分と相手をしてくれるのが嬉しいのか、念話でありながらも喜びの声を上げている。

 

 部屋に戻った後に隆誠は語っていた。精霊獣でありながらもモフモフに大変癒し効果があったと。同時にフェンも大好きな主人に構って貰えた事で、大層ご満悦な表情をしていたとか。

 

 その後の連絡で――

 

「真夜さん、後先考えてない達也を思いっきり殴っても良いですか?」

 

『その気持ちは非常に理解出来ますが、どうにか抑えて下さいね』

 

 隆誠が思わず本音を漏らした事によって、真夜は苦笑しながらも宥めていたのであった。

 

 

 

 

 西暦2095年8月9日

 

 

 

(また事故、か)

 

 新人戦ミラージ・バットで一高の女子選手二人が予選を通過した後、予想外な展開が起きていた。新人戦モノリス・コードで事故が起きて、一高の男子選手三人が負傷してしまったのだ。

 

 事故の内容としては少々疑問視されるものだった。市街地フィールドの試合が開始する前、一高選手は廃ビルの中にいたのだが、開始直後に『破城槌』を受けて瓦礫の下敷きになったらしい。屋内に人がいる状況での『破城槌』を使ってはいけないルールになっている筈だが、一高と対戦してる四高の選手は使ってしまった。それは当然試合中止になる他、四高が失格となったのは言うまでも無い。

 

 しかし、聞いた話によると四高側は真っ向から否定したそうだ。自分達は『破城槌』なんか一切使っていないと。第三者側からしたら明らかに四高がやったように思われるが、隆誠はとてもそんな風に見えなかった。

 

 そもそも九校戦に選ばれた選手は、各校から選りすぐりの優秀な生徒が集まっている。加えて魔法師としてのデビュー戦でもあるから、非難覚悟でルール違反を犯そうとするとは思えない。怨恨目的なら話は別かもしれないが、四高と全く関わりの無い隆誠がそれを調べる術はないので真相は一切分からないままだった。

 

(そう言えば、確かバトル・ボードでも事故が起きていたな)

 

 三日前に隆誠が九校戦の会場へ来た際、観客の男女二人から聞いた話を思い出した。本戦バトル・ボード決勝で渡辺摩利が走行中に壁に激突し、他の競技に出られないほどの骨折をしたと。

 

 あの時は不運な事故としか思っていなかったが、今回の事故を知った隆誠は改めて疑問を抱く。彼女に続いて、今回起きた事故の被害者も一高の選手である為に。何だかまるで一高だけを狙っているんじゃないかと。

 

(いや、これ以上は止めておこう……)

 

 あくまで人から聞いた話に過ぎないから、一切調査してない状態で決め付けてはいけない。疑問を抱けば抱くほど、変に膨れ上がってしまうどころか、それがいつの間にか事実として独り歩きしてしまう。加えて今の自分は当事者とは一切関係の無い観客の立場であるから、調査する立場じゃないと隆誠は己を戒める事にした。

 

 だが、それでも一番気になる事がある。

 

(もしまた事故が起きて、深雪が巻き込まれでもしたら……)

 

 後に行われる本戦ミラージ・バットで何かしらの事故が発生して、あの異母弟が何を仕出かすか分からない隆誠にとって一番の懸念だった。深雪のガーディアンはあらゆる感情を失っている為、過剰な報復を行う事に何の躊躇いもない。だからもし大会中に何か仕出かせば、それこそ取り返しがつかない事になってしまう。

 

 真夜からの連絡が来た際、事故についての懸念も話しておこうと思った隆誠は、夜に行われる予定の新人戦ミラージ・バットが始まるのを待つのであった。




今回の話で他の原作キャラとの会合も考えましたが、今の時点で遭遇したら長引いてしまうので省略しました。

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