横島の兄は多重転生者 作:バビルメイクライ
六道家の関わる仕事を引き受けることになり、六道冥子さんと協力して除霊を行うことになった。
式神使いである六道冥子さんは、ちょっとしたことで式神を暴走させてしまうらしく、彼女に破壊されてしまった物件は山ほどあるとのことだ。
とりあえず六道冥子さんを暴走させないように立ち回り、除霊を終わらせたが、それから六道家関係の仕事がよく回ってくるようになったのには、作為的なものを感じる。
六道冥子さんともよく会うようになって名前も覚えられてしまった。
そんなこともあったがGSとして仕事を続けていると、特殊な品を連続で入手することになる。
調べたところによるとヤマタイの鏡と精霊石のマガタマという品で、どちらもヤマタイ国関連の物品であるようだ。
これらに加えてあと1つ、ヒミコの金印があれば、ヤマタイ国の女王であったヒミコを呼び出すことができるようである。
ヒミコは古代の日本で、強力な魔性の力で国を治めていたとされ、日本史上最大の力を持った魔女だとも言い伝えられていた。
女王ヒミコのその魂を呼び出すことに成功したものは、まだ誰もいないとも言われているそうだ。
どうやらヒミコの金印は六道家に代々伝わるものであるようで、ヒミコを呼び出す為には六道家の人間に手伝ってもらう必要があるだろう。
共同で終わらせた除霊の後に六道冥子さんに話をしてみると、六道家にある父親の書斎でヒミコの金印を見かけたことがあるらしい。
ヒミコの金印を一旦借りることができないか頼んでみると六道冥子さんと一緒に書斎に取りに行くなら構わないと許可が出た。
翌日、凄まじい豪邸の六道家に向かうと六道冥子さんが出迎えてくれる。
ついでに何故か六道冥子さんのお母さんまで現れた。
「冥子が最近お世話になっているようで、前は令子ちゃん令子ちゃんとばかり言っていたのに、近頃はいつも貴方の話をしているのよ~」
そう言ってにっこり笑っていた六道冥子さんのお母さん。
ヒミコの降霊には六道冥子さんのお母さんも興味があるようで、ヒミコの金印の貸し出しにも許可を出してくれた。
六道家にある六道冥子さんの父親の書斎に全員で向かい、我がコレクションを荒らすものに呪いあれなどと不吉なことが書かれた保管庫の入り口にある結界に穴を開けて、内部へと進入。
ヒミコの金印の保管場所に向かう道中で、あちこちに仕掛けられているワナが作動した。
壁から飛び出してきた刃を霊波刀で防ぎながら先へと進むと、ようやく到着した保管場所。
全員で探して発見したヒミコの金印。
ヒミコの金印を持って保管場所から出ると、用意した机にヤマタイ国の物品を全て置いて降霊の準備を行う。
霊力を集中して降霊を開始すると呼び出された女王ヒミコ。
「わらわを眠りからさますのは誰じゃ!?」
現れた女王ヒミコは此方を見て、自分を呼び出したのが1人の人間だと気付き、驚いていたようだ。
「ほう、神や悪魔に等しい力を持つ、このヒミコを呼び出すとは、なかなかあっぱれな術を使う者よな。何用か!?申せ!!」
とりあえず俺は女王ヒミコに持ち霊になってもらえないか交渉してみることにした。
「ふむ、このヒミコを1人で呼び出したお主は凄まじい霊力を持っておるようじゃな。そんなお主と共に現世でしばらく過ごすのも悪くはないじゃろう。よかろう、お主の持ち霊とやらになろうではないか」
交渉は成立し、ヤマタイ国の女王ヒミコが新たな持ち霊となる。
それから降霊に使ったヒミコの金印を元の場所に戻し、結界の穴を塞いで元に戻しておいた。
これで、六道冥子さんの父親が戻ってきても問題はないだろう。
六道冥子さんと、そのお母さんは女王ヒミコの降霊を見ることができたので満足していたらしい。
俺が女王ヒミコを持ち霊にしたことについては驚いていたようだが、竜崎霊華さんという前例があったので納得もしていた六道親子。
「これからも冥子と仲良くしてあげてね~」
なんてことを言いながら笑顔で去っていった六道冥子さんのお母さん。
六道冥子さんと共同で行う除霊はこれからも増えそうな気がした。
縁ができてしまったのなら仕方がないのかもしれない。
新たな持ち霊となった女王ヒミコは、かなり霊格の高い霊であるようだが、俺なら問題なくオーバーソウルをすることが可能だ。
女王ヒミコを連れて、六道家から事務所に戻ると、女王ヒミコのオーバーソウルを試してみることにした。
ヤマタイの鏡と精霊石のマガタマという2つの媒介を使い、2段媒介のオーバーソウルを女王ヒミコで行ってみたが、凄まじく強力なオーバーソウルとなったことは間違いない。
オーバーソウルで俺の霊力が大量に流れ込んだことで、既に神や悪魔に等しい力を持っていた女王ヒミコの霊格が凄まじく高まったらしく、普通に実体を持つことも可能になっていた女王ヒミコ。
現代の服に興味がある女王ヒミコを連れて、服を買いに行くことになった。
「現世も悪くはないのう」
様々な服を着て楽しみ、にっこりと笑いながら言った女王ヒミコは現世を満喫していたようだ。
まあ、持ち霊のやりたいことを叶えるのも、シャーマンとしての役目だろう。