横島の兄は多重転生者   作:バビルメイクライ

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第6話、唐巣神父からの依頼

取り壊そうとすると関係者が次々と謎の死をとげる物件があり、何人もの霊能者が除霊に失敗して不動産屋も頭を抱えているようだ。

 

除霊を失敗したことがない横島竜胆除霊事務所に、その物件の除霊の仕事が回ってきて、仕事を引き受けることにした俺は、都心にある物件へと向かった。

 

かつては煉瓦作りの立派な家だったのだろうが、今は見る影もない廃屋となっている物件。

 

門を閉じる鎖に繋がれた鍵を開けて、廃屋の玄関へと移動して玄関を開こうとすると、玄関から生えた悪霊の顔。

 

「立ち去れ!!死にたくなければ失せろ!!ここはワシの家じゃああああ!!近づく奴はブチ殺したる!!」

 

声を荒げて威嚇してきた悪霊の顔面に霊力を込めた霊刀シメサバ丸の柄頭を叩き込み、玄関ごと吹き飛ばしておく。

 

廃屋となる前のこの家で、32歳の時に殺された鬼塚畜三郎という犯罪組織のボスが、悪霊の正体であることは確かだ。

 

今回の仕事は時価数百億の不動産がらみの仕事であり、成功報酬は凄まじい金額となるだろう。

 

霊刀シメサバ丸や霊波刀に自作の霊符とオーバーソウルなどを使用して除霊している俺は、除霊道具を買うことがないので、報酬が引かれるのは税金だけだ。

 

高い報酬が約束されているとなると気合いも入る。

 

廃屋の中に入ると、再び現れた悪霊の鬼塚畜三郎が襲いかかってきたが、霊刀シメサバ丸の刃で斬り裂くと怯んで逃げていった。

 

麻倉の陰陽道で逃げた鬼塚畜三郎の居場所を探ると、壁に隠された隠し部屋を発見。

 

隠し部屋の中に隠れていた鬼塚畜三郎に霊刀シメサバ丸を突き刺して壁に縫い止めておき、本棚に置いてある本を見てみると鬼塚畜三郎愛の詩集と書かれている。

 

どうやら鬼塚畜三郎は、この詩集を世間に見られるのが恥ずかしくて成仏できなかったみたいだ。

 

本棚が埋まる程度に凄まじい数がある詩集。

 

568巻もある詩集は、明らかに鬼塚畜三郎の自作の詩集であるのは間違いない。

 

竜崎霊華さんは呆れた顔をしていたが、女王ヒミコはどんな詩集なのか少し興味があるようだ。

 

という訳で鬼塚畜三郎の愛の詩集とやらを1巻から朗読していってやり、これを書いた時はどんな気持ちだったのかを事細かに鬼塚畜三郎に聞いてみる。

 

「やめろおおおお!!読むなああああ!!聞くなああああ!!」

 

悲痛な声を上げる鬼塚畜三郎は苦しんでいた。

 

「竜胆、この文字はなんと読むのじゃ」

 

ついでに他の詩集を開いていた女王ヒミコから、悪気のない質問があったりもしたので、しっかりと答えて女王ヒミコに内容を理解してもらう。

 

「やめろおおおお!!やめてくでえええ!!」

 

明らかに苦しんでいる鬼塚畜三郎は確実に力が弱まっていた。

 

追い詰められていった鬼塚畜三郎に、容赦なく追撃として詩集を読んだ感想を伝えておくと、泣きながら悲鳴を上げた鬼塚畜三郎。

 

「そなたには、詩集を書く才能が無いのう」

 

女王ヒミコのその言葉がトドメとなり、成仏していった鬼塚畜三郎は、最後のよりどころを失ったらしい。

 

これで今回の除霊は完了だ。

 

不動産屋に除霊の完了を伝えて報酬を受け取り、事務所に戻る。

 

横島竜胆除霊事務所で寛いでいると来客があった。

 

「横島竜胆さんですね、唐巣神父からの使いで来ました」

 

とりあえず来客を事務所に迎え入れて、茶を用意しておく。

 

「僕はピエトロ、今は唐巣先生の弟子をしています。ピートと読んでください」

 

唐巣神父の弟子が俺の事務所にまで来た用件を聞いてみると、紙で書かれた唐巣神父からのメッセージを渡されることになった。

 

メッセージとして書かれていた内容は「少し厄介なことになった。人手が必要なので、ぜひ来てほしい。詳しいことは此方で話します」というものだ。

 

長年世話になった唐巣神父の頼みであるなら引き受けるつもりだが、何処まで行けばいいのかもピートに聞いてみる。

 

「場所は地中海の小さな島です。ブラドー島といいます」

 

唐巣神父からの依頼を引き受けることにした俺に、ピートから依頼料として渡されたのは、歴史的にも貴重で価値があるという黄金の隼。

 

ピートはこれ以外に黄金の鷹なども持っているようだが、それは他のGSへ仕事を依頼する時に依頼料として渡すつもりらしい。

 

「それじゃ、僕はこれで。他にもスイーパーにあたらなければならないので」

 

そう言って去っていったピート。

 

翌日、飛行機でローマ空港まで行き、イタリアへと到着。

 

もの珍しそうにしていた女王ヒミコと、落ち着いている竜崎霊華さんを連れてチャーター機へ移動。

 

チャーター機で席に座っていると、徐々に人が増えてきた。

 

その中には美神令子や忠夫に六道冥子さんの姿もある。

 

ピートが集めた全員が揃ったところでチャーター機が出発。

 

すると空を飛んでいたチャーター機がコウモリの大群に襲われることになり、チャーター機のパイロットがパラシュートで逃げ出してしまう。

 

どうするんだとなった時に、自信ありげなドクターカオスがマリアの新装備としてジェットエンジンを組み込んでいたことを語った。

 

しかしその後、ドクターカオスがマリアと一緒にチャーター機の機内を突き破って飛んでいって爆発。

 

マリアの新装備のジェットエンジンで、俺達が危機を脱することはなく、チャーター機に開いた大穴により、更に墜落への時間が速まったようだ。

 

とりあえずチャーター機の大穴から全員外に出るように言っておき、俺が作り出した巨大な霊波盾に全員を乗せて飛ばして移動。

 

しばらく霊波盾で進んでから高度を下げて、近場の船に全員で降り立ち、船でブラドー島に到着。

 

何故か普通に無事だったドクターカオスとマリアが先に、ブラドー島で待っていた。

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