横島の兄は多重転生者   作:バビルメイクライ

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第7話、吸血鬼

島を探索している道中にピートが教えてくれたが、今回の敵は最も古く最も強力な吸血鬼の1人であり、名前はブラドー伯爵と言うようだ。

 

中世ヨーロッパでは何度かペストが流行り、人口が激減したことがあったが、しかし少なくともその内2回は病気ではなく、ブラドー伯爵が原因だったらしい。

 

ちなみにドラキュラはブラドー伯爵のいとこの奥さんの兄にあたるようである。

 

人間の逆襲をうけて、ブラドー伯爵は領地に逃げ戻り、力が蘇るまで魔力で島を隠して今まで眠っていた。

 

目覚めたブラドーを封じ込める為に、唐巣神父は結界で島を封じていたようだが、使い魔のコウモリが襲ってきたということは結界が弱まっていることになるだろう。

 

ブラドー島は島中が邪悪な波動に包まれていて、これじゃ吸血鬼が隣にいても霊能が働かないと言っていたGSも居たが、俺なら問題なく判別することが可能だ。

 

村の中でピートが発見したのは唐巣神父の眼鏡だけであり、レンズが割れていた眼鏡から察すると、唐巣神父に何かがあったことは間違いない。

 

吸血鬼が襲ってくるのは夜になってからになりそうだが、全員そこまで緊張することなく自然体で、拠点となる家を選んでいた。

 

夜になり、ドクターカオスがブラドー島にある村から集めていた食料を使った食事を全員でしているとピートが村の周りを見にいくと言って家を出ていく。

 

ピート狙いの小笠原エミさんが、妙に気合いが入った顔でこそこそと家を出る姿が見えた。

 

小笠原エミさんの目的は、確実にピートだろう。

 

単独行動をしようとしている小笠原エミさんが危険であることは確かだ。

 

竜崎霊華さんと女王ヒミコを連れて小笠原エミさんを追いかけておくと、ピートと同じ顔をした吸血鬼が小笠原エミさんに近付こうとしているところを発見。

 

小笠原エミさんは吸血鬼をピートだと思っているようで、全く警戒していない。

 

とりあえず俺は縄のような形状にした霊波刀で吸血鬼を縛り上げておく。

 

すると小笠原エミさんが此方を見て「美形2人が私の為に争ってるなんて」と喜んでいた。

 

明らかに勘違いしていた小笠原エミさんだったが、此方が騒がしくなったことで様子を見にきたピートを見て、俺が縛り上げた吸血鬼がピートではないことが証明されると警戒心を取り戻した小笠原エミさん。

 

霊波の縄に縛られている吸血鬼は霧になることも出来ず、完全に身動きを封じられている。

 

ピートが言うには、俺が捕まえているピートに似た顔をしている吸血鬼が、ブラドー伯爵であったらしい。

 

「終わりだブラドー!」

 

そう言ってブラドー伯爵に噛みついたピート。

 

吸血鬼は血を吸うことで相手を魔力で支配していくので、噛まれた者は噛んだ者に絶対服従するしかない。

 

しかし、他の吸血鬼が大ボスを噛んでしまえば秩序が崩壊し、魔力が消滅する。

 

ピートは吸血鬼と人間のハーフであるバンパイアハーフであり、ブラドーの息子であることも明かしてくれた。

 

ブラドー島に住まうのは吸血鬼とバンパイアハーフだけで、ブラドー伯爵に操られていた村人達も大勢いたようだが、ピートがブラドー伯爵を噛んだことで解放されたみたいだ。

 

それから拠点にしていた家に戻ると、地下に退避していた唐巣神父も無事に合流していたようで、今回の件が解決したことに喜んでいた唐巣神父。

 

あとは帰るだけとなったところでピートに自分の血を吸うように小笠原エミさんが言い出したりもして、バンパイアハーフのピートが物凄く困っていたな。

 

そんなことがありながらも全員で日本に帰ると、全員がそれぞれの場所へと戻っていく。

 

今日はバイトも学校も休みだという忠夫を連れて飯を食いに行き、忠夫の好きな物を好きなだけ食わせてやることにした。

 

腹一杯になり満足していた忠夫は「兄ちゃんのおかげで飢えて死ぬことは避けられそうだ」と笑っていたが、やはり仕送りを切り詰められていることに加えてバイトの時給が255円だと、しっかり飯を食うことは難しいらしい。

 

忠夫の普段の食生活を改善する為に、米や卵と肉に野菜と果物に調味料を買っておき、冷蔵庫に入れる物は忠夫の部屋の冷蔵庫に入れておく。

 

これでしばらくは大丈夫だと思うが、定期的に様子を見に行く必要がありそうだ。

 

心配なのは忠夫だけではなく、除霊をしても金銭をあまり受け取ろうとしない唐巣神父の様子も気になる。

 

唐巣神父の教会に行ってみると倒れている唐巣神父を発見。

 

腹を空かしている唐巣神父は、しばらく飯を食えていないみたいだった。

 

とりあえず飢えている時にかきこむのは身体によくないので、米と味噌とネギと卵に生姜を使って、ネギ生姜味噌卵粥を作り、少しずつ神父に食べさせておく。

 

久しぶりに食事をして、なんとか復活した唐巣神父。

 

「すまない、助かったよ竜胆くん」

 

唐巣神父は優れたGSであることは間違いないが、お人好し過ぎるところがある。

 

貰えるところからしっかりと報酬を受け取らないと、また倒れることになるのは確実だ。

 

それでも唐巣神父のお人好しは筋金入りであり、直ぐに生活環境が改善されることはないだろう。

 

しかし、そんなお人好しな唐巣神父に、GSの知識が無かった見習いの時の俺が助けられてきたことは事実である。

 

とりあえず忠夫と同じように食料品を唐巣神父に提供しておき、しっかりと飯を食ってもらうことにした。

 

まあ、これから定期的に唐巣神父の様子も見に行くようにしよう。

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