蒼焔の機影 〜今を生きる人へ〜   作:蒼海 輪斗

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 ハワイから戦艦長門を旗艦とする、海上打撃艦隊が出撃。目的はアメリカ太平洋艦隊の壊滅。海軍第一航空団は艦隊防空の任にあたっていた…。

(世界線的には、ハワイ攻略作戦後に、日本海軍陸戦隊、陸軍により、米本土のアラスカへ上陸作戦が行われた。「アラスカ上陸作戦」では、多大な犠牲をはらいアラスカ全域を占領した。好機とみた大本営により、予定より早くアメリカ本土上陸作戦が発令された。)


死闘!北太平洋海戦
第二話 第一次北太平洋海戦


1946年 6月5日

 

北太平洋

 

 日本海軍の連合艦隊が太平洋を航行している。レイテ沖海戦時に一時は事実上壊滅した連合艦隊だが、零戦七八型の採用や、ドイツからの支援により、大型空母の建造が始まり、燃料や資材の心配がなくなり、大東亜戦争緒戦の勢いを取り戻したのだ。

 

 

 

 

 今回の作戦は、空母機動部隊、戦艦打撃部隊を構成し、アメリカ本土上陸を行う輸送船団を護衛しつつ、その航空戦力をもち、米本土の防衛を行う戦車部隊を撃滅することが海軍第一航空団の役目だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 再び連合艦隊の旗艦へとなった長門が、力強く海を進む。その後ろには、戦艦榛名や伊勢型戦艦、巨大空母の信濃と雷龍、多数の巡洋艦、駆逐艦が続いている。

 

 

岩本徹三    「在りし日の連合艦隊が蘇ったみたいだな。」

 

 上空で、哨戒飛行をしていた岩本が機内でそう呟いた。上空には多数の零戦七八型、紫電改が飛行していた。新第一航空戦隊の空母信濃と雷龍、二航戦天城、葛城、三航戦隼鷹、龍鳳から発艦してきた直掩機だ。合計で100機以上はいる。

 

坂井三郎    「こちら坂井小隊。敵影なし。そっちはどうだ?」

 

赤松貞明    「こっちも問題ねぇよ。なんなら制空権が俺たちにあるからな。」

 

菅野直     「おいおい、そう言って油断するんじゃねぇぞ。そう言って落とされた奴はごまんといるぜ。」

 

赤松貞明    「うるせーな。分かってるわ。」

 

西澤広義    「まあまあ、落ち着いてください。私達の任務は艦隊の防空です。しっかりしないと、ミッドウェーの時みたいに…」

 

坂井三郎    「まあ、そうだな。索敵は怠らないようにな。赤城、加賀、蒼龍、飛龍の次には信濃と雷龍までやられちまう。」

 

菅野直     「それは勘弁してもらいたいな。」

 

岩本徹三    「それじゃあ俺たちの手で守らないとな。」

 

 無線を交わして、岩本たちが意気投合する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 空母雷龍のちょうど直上を伊藤の小隊が飛行していた。

 

伊藤龍生    「すごい…。海軍は陸軍と大違いだ。」

 

 伊藤が海軍の連合艦隊に驚きの表情を浮かべる。戦艦長門…。噂には聞いていたが、とても大きかった。

 

伊藤龍生    「(やっぱり島国には海軍が必要なんだな…)」

 

 伊藤は機内でそんなことを考えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アメリカ西海岸沖

 

 アメリカ太平洋艦隊が航行している。アイオワ型戦艦、ノースカロライナ型戦艦、エセックス型空母、ポートランド型重巡洋艦、フレッチャー型駆逐艦などが艦隊を組みながら航行している。

 

 

 

戦艦アイオワ艦内

 

 先頭には、艦隊の旗艦であるアイオワが高速で航行していた。

 

米観測員    「航海長。レーダーにて反応あり。日本艦隊と思われます。」

 

米航海長    「なんだと。わかった。艦長にも報告しろ。」

 

米観測員    「了解しました。」

 

 米観測員が艦長に報告するべく、駆け足で艦橋へと向かっていった。

 

空母エセックス艦内

 

米航海長    「艦長、アイオワから入電です。『日本艦隊を発見。対空見張りを厳とせよ』とのことです。」

 

米艦長     「日本艦隊だと…。…索敵機を発艦させろ。敵艦隊を発見次第、攻撃隊を発艦させる。」

 

航海長     「了解。」

 

 間もなく、エセックス他12隻の空母から索敵機が発艦していった。

 

アイオワ艦長  「これ以上は進ませないぞ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

北太平洋 アメリカ西海岸近海

 

 

戦艦長門 艦内

 

観測員     「雷龍偵察機より入電。『我、敵艦隊発見。敵空母ヨリ発艦セル攻撃隊ヲ確認ス。攻撃隊ノ出撃ヲ要請スル。』とのことです!」

 

航海長     「ついに見つけたか。こっちも見つかってるってことだな。全艦隊に下令。戦闘用意!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 上空では伊藤たちが、艦隊の動きに気が付き始めていた。

 

伊藤龍生    「どうやら敵艦隊を発見したみたいですね。」

 

岩本徹三    「そうだな。遅かれ早かれ大空戦になるだろうな。」

 

赤松貞明    「後ろをとられて落とされるんじゃねぇぞ。」

 

菅野直     「お前に言われたくぁねぇな。」

 

西澤広義    「皆さん、覚悟して戦いましょう。」

 

全員      「応!!!」

 

 

 

 

 

 しばらくして、雷龍、信濃、天城、葛城から第一次攻撃隊が発艦していった。それぞれの空母から60機ほどが発艦したため、総数は250機を超える大編隊となった。

 

江草隆繁    「任せとけ。敵空母に一発お見舞いしてやるよ。」

 

村田重治    「敵戦艦に大穴を空けてやろう。沖縄の分だ。」

 

 艦爆の神様と雷撃の神様が率いる攻撃隊がアメリカ太平洋艦隊に向けて、飛行していった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戦艦アイオワ

 

 

米観測員    「我が艦隊に接近する攻撃隊確認!数200以上!高度8000!」

 

米砲撃長    「両用砲郡、砲撃開始!!」

 

 砲撃長の号令により、両用砲”Mk 12 5インチ砲”が火を吹いた。米軍は近接信管を開発しているため、対空砲はかなりの命中率を誇る。

 

 

 

バンッ!!  バンッ!!  バンッ!!  バンッ!!

 

 上空で砲弾が次々と炸裂する。攻撃隊は中央の機から被弾し、炎上しながら撃墜されていく。

 

江草隆繁    「さすが米戦艦…、凄まじい対空砲火だ。だが、俺の狙いはお前じゃない。」

 

 江草はアイオワから離れると、同じく対空射撃を行っているエセックスへと向かっていった。

 

江草隆繁    「本命はこっちだ!!」

 

 江草隆繁大佐の率いる、彗星艦爆隊が空母エセックスに向けて急降下爆撃を開始する。

 

村田重治    「雷撃隊、突撃だ!!」

 

 村田大佐率いる流星艦攻隊も雷撃進路をとりながら、エセックスに向けて突撃する。

 

米機銃員    「どんどん近づいてくるぞ!!早く落とせ!!」

 

 機銃弾が流星艦攻隊に放たれる。それでも果敢な雷撃隊は村田機を先頭にエセックスへ向けて突き進んでいく。

 

米機銃員    「畜生!!なんで当たらないんだっ!?」

 

 なかなか機銃弾が当たらないことに米兵たちは苛立っている。

 

村田重治    「雷撃進路よし。投下用意…」

 

 村田隊が魚雷を投下する用意をする。

 

村田重治    「って!!」

 

 魚雷が機体を離れ、水面に着弾、そのままエセックスに向けて航行する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方、空からも攻撃が加わる。

 

江草隆繁    「爆撃隊突撃!!」

 

 江草大佐の彗星艦爆を先頭に、彗星艦爆隊がエセックスに向けて急降下爆撃を敢行する。

 

 

 

 

 

 すると、なんと艦爆隊の中にドイツ空軍の急降下爆撃機”Ju87スツーカ”がいるのだ。

 

ルーデル    「戦艦の次は空母か…。いいだろう。次は撃沈してみせるぞ!」

 

 ルーデルが乗るスツーカが、けたたましいサイレン音を轟かせながらエセックスに接近する。

 

米機銃員    「おいっ…、あれはナチスのスツーカじゃないか!?なんでここに!!」

 

 機銃員たちが慌ててスツーカに照準を合わせるが、もはや手遅れだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ルーデル    「いくぞぉ!!」

 

 スツーカから500kg爆弾が切り離された。続いて

 

江草隆繁    「全機、投下!!」

 

 艦爆の神様、江草大佐の彗星艦爆隊から一斉に爆弾が切り離された。爆弾の雨がエセックス上に降り注ぐ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、爆弾は先程放たれた魚雷とほぼ同時に着弾した。

 

 

 

 バァーン!!  バァーン!!

 

 

 次々と大爆発が起こり、瞬く間にエセックスは炎に包まれた。

 

米兵たち    「うわああああああああああああああああああああああ!!」

 

 米兵たちが悲鳴を上げる。飛行甲板では格納庫からの爆発により、大穴が空き、もはやダメージコントロールでは歯が立たない状況となっていた。

 

 

 

 

 

 

村田重治    「やったぞ!!敵空母撃破だ!!」

 

江草隆繁    「ミッドウェーの仇はとったぞ…。再装填するから首を洗ってまっていろ…。」

 

ルーデル    「共産主義の野郎どもにも見せてやりたかったな。」

 

 

 

 

 

 海軍第一航空団の第一波攻撃隊は空母へと帰還していく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

第一波攻撃終了時

 

戦果 駆逐艦 3隻撃沈           損害 艦載機 87機損失

 

   空母  1隻撃沈              艦艇損害なし    

 

   艦載機 64機破壊

 

  

 

 

 

 

次回   第二次北太平洋海戦




北太平洋の戦いは続く…
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