蒼焔の機影 〜今を生きる人へ〜   作:蒼海 輪斗

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第二次北太平洋海戦が幕を上げる。

(大日本帝国は、アラスカの占領により、アラスカ基地からの航空支援もあり、北太平洋上空では制空権掌握を絶対的なものとしていた)


第三話 第二次北太平洋海戦

日本海軍機動部隊 上空

 

伊藤龍生    「あっ、攻撃隊が戻ってきました!」

 

 水平線の向こうから、一時間前に発艦していった第一次攻撃隊が帰還してきたのだ。

 

岩本徹三    「どうやら空母を撃沈したみたいだな。」

 

赤松貞明    「ふっ、やってくれたな。」

 

 攻撃隊が次々と信濃、雷龍、天城、葛城、隼鷹、龍鳳に着艦していく。

 

坂井三郎    「それにしてもかなりやられたみたいだな…。」

 

 200機ほどいた攻撃隊だったが、米艦載機の迎撃とすさまじい対空砲火によって1/3ほどの艦載機を損失していた。

 

赤松貞明    「なぁに、そんなに慌てるな。アラスカからの航空支援があるんだろ?なにも空母ばかりに依存する必要はないと思うぜ。」

 

西澤広義    「まあ、そうですね。」

 

 西澤が返事をしたその時。

 

無線      『敵機接近。高度4000。距離40kmホド。』

 

 無線機より敵機接近の報が入ってきた。

 

岩本徹三    「お仕事の時間みたいだな!」

 

 岩本が列機を率いて速度を上げる。

 

菅野直     「よし!お前ら行くぞっ!!」

 

 菅野も列機を率いて敵機へと接近する。

 

坂井三郎    「いくか。空母を守り抜くぞ!!」

 

伊藤龍生    「はいっ!!」

 

 海軍第一航空団の第一編隊が敵機迎撃へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日本海軍機動部隊 前方40km地点

 

米艦爆1    「畜生!!ジャップめ!よくも俺たちの空母を沈めやがって…!てめぇらの空母も海の藻屑にしてやる!!」

 

米艦爆2    「その意気だ。ここで奴らの侵入を許したら米本土に上陸されちまう。それだけはさせないぞ!!」

 

 米艦爆隊が爆撃高度を取りながら、少しずつ日本海軍機動部隊へと向かっていく。

 

米護衛機1   「奴らの戦闘機は新鋭機だ。練度も僅かにアイツらが上回っている。」

 

米護衛機2   「徹底して一撃離脱をするんだ!!」

 

 その時、

 

ドガガガガガガ!!  ドガガガガガガ!!

 

 機銃弾が飛来し、瞬く間に三機のヘルダイバー艦爆が撃墜された。

 

米艦爆1    「敵機!?一体どこから…!」

 

岩本徹三    「ここだぜ。」

 

 岩本の零戦七八型がヘルダイバーのはるか上方で、急降下をしながら機銃を放つ。発見が遅れた米艦爆隊はなすすべなく、次々と撃ち落とされていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

米護衛機1   「これ以上やられてたまるかよ!!」

 

 遂に米軍の護衛機編隊が、零戦七八型に襲いかかる。米軍の戦闘機はF8Fベアキャットだ。烈風よりも僅かながら性能が良い戦闘機だ。 

 

 

 

 

 しかし、相手が悪すぎた。

 

 

 

赤松貞明    「おっ、おやつの時間みたいだなぁ」

 

 運悪く、赤松の小隊にあたってしまったようだ。赤松が一機のベアキャットに狙いを定めると、見越し射撃でベアキャットに機銃弾を撃ち込む。

 

ガガガガガガガ!!

 

米護衛機1   「ぐっ…あっ…」

 

 操縦席にピンポイントで命中したようだ。パイロットはそのまま絶命し、ベアキャットは煙を吹きながら落ちていった。

 

 

米護衛機2   「なにっ!?やられたのか…」

 

 米護衛機のパイロットが操縦席を正確に撃ち抜かれた光景を目の当たりにし、驚愕の表情を浮かべる。

 

赤松貞明    「次はお前だ!」

 

 さらに赤松はもう一機のベアキャットに照準を合わせる。

 

米護衛機2   「ひっ!?こっちに来る!!く、来るなぁ!!!」

 

 襲いかかる機銃弾から逃れようと、米護衛機パイロットはジグザク飛行を繰り返した。

 

赤松貞明    「ちょこまかと動くな。当たらないだろ。」

 

 照準器に捉えながら、赤松は機銃を撃ち続ける。

 

米護衛機2   「もうだめだっ!!脱出する!!」

 

 米パイロットは、風防を開け、操縦席から飛び出す。その時、たったさっきまで搭乗していたベアキャットが爆発した。赤松の零戦七八型が発射していた機銃弾が燃料タンクに命中したのだ。

 

米パイロット  「うわああああああああああああああああ!!」

 

 米パイロットは爆風で吹き飛ばされたが、幸いにも爆風によって落下傘が開いた。

 

米パイロット  「た、助かった…」

 

 しかし、先程自身を撃墜した赤松の零戦七八型が付近を旋回している。

 

米パイロット  「まずい…、撃ち殺される…」

 

 事実、史実でもアメリカ軍は、撃墜した日本軍のパイロットが落下傘で降下しているところを平気で撃ち殺していたのだ。

 報復として機銃掃射を受ける可能性が高い。

 

 

 

 

 

 だんだんと、赤松の操縦する零戦七八型が落下傘で降下する米パイロットに向かっていく。

 

米パイロット  「もう…だめだ…」

 

 米パイロットは死を覚悟した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 しかし、

 

 

 

 

 

 

 赤松の操縦する零戦七八型は、猛スピードで通り過ぎていっただけだった。

 

米パイロット  「!?なんでだ…?なんで撃ち殺さないんだ…!?」

 

 米パイロットが困惑する。あの距離だったら自分を容易く撃ち殺せたはずだ。しかし、あの零戦七八型はそんなことをせずに、通り過ぎていったのだ。

 

赤松貞明    「俺達は”空のサムライ”だ。落ち武者を竹槍で突くような真似はしねぇ。そう教えられてきたからなぁ…。」

 

 赤松は狭い操縦席で、米パイロットの問いに答えるかのように、独り言を呟いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日本海軍機動部隊 上空

 

米艦爆3    「よし…!ようやく射程圏内に捉えたぞ…。覚悟しろ!」

 

 零戦七八型の猛烈な迎撃をなんとかかいくぐり、数機のヘルダイバーが空母信濃に向けて急降下爆撃を開始した。

 

機銃員     「敵機直上!!急降下!!」

 

 機銃員たちが、直上の急降下爆撃を行おうとしているヘルダイバーに弾幕の雨を浴びせる。

 零戦七八型と同様に、対空機銃も25mm機銃から、多銃身20mm機銃に変換した日本海軍の対空機銃は命中率が飛躍的に向上し、対空能力が大幅に上昇していた。

 

 早速一機のヘルダイバーに機銃弾が命中し、右翼が分離、そのまま撃墜された。

 

米艦爆3    「なにっ!?奴らの対空砲は当たりづらいんじゃなかったのかよ!!?」

 

 もはや大戦中期の日本軍ではないようだ。容赦なく弾幕の雨が米艦爆隊に襲いかかる。

 

バンッ!!  バンッ!! バンッ!!

 

 遂に、米艦爆隊は一発も爆弾を投下することも叶わずに、全機が撃ち落とされた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 雷撃隊も同じ道を辿っていった。

 

米雷撃隊長   「クソッ!!このままじゃ投下前に撃ち落とされる!!」

 

 前方からは対空砲火、後方からは敵機、まさに米軍にとっては絶望的状況であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 しかし、ここで事件が起こる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アイオワ艦長  「主砲、撃ち方はじめ!!」

 

 知らぬ間に、戦艦アイオワが主砲の射程圏内に入り、砲撃を行ったのだ。そしてなんと砲弾が空母隼鷹に命中した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドガーン!!  バァーン!!  バァーン!!

 

 

 

 空母隼鷹の飛行甲板で次々と爆発が起こる。

 

隼鷹整備兵   「消火〜〜〜〜!!急げ〜!!」

 

 整備兵たちが早急に消火活動を開始する。早急なダメージコントロールにより撃沈は防がれそうだが、もはや艦載機の発着艦は不可能に見える。

 さらに艦載機も米軍機の迎撃や、米空母への攻撃により、かなりの数を損傷している。このまま戦闘を続ければ、仮に米本土上陸に成功したとしても、米本土の制空権確保は絶望的な戦いになる。さらに戦車部隊の撃破も満足に行うことはできなくなる。

 

 

赤松貞明    「ちょ〜〜〜〜と、不味くなったな…」

 

菅野直     「いや、これはまずいなんて状況じゃねぇぞ…」

 

 事実、現在飛行している零戦七八型も1/4ほどが撃墜されているのだ。伊藤たちのエースたちはもちろん無事だが、若い搭乗員はかなりの数が撃墜されてしまったようだ。

 

伊藤龍生    「一体、どうすれば…」

 

 危機的状況に伊藤が頭を抱えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その時に、救世主は現れた。    

 

 

 

 

 

 

 

 

次回   見参!!超大和型戦艦




救世主が現れる。次回、北太平洋海戦集結…
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