蒼焔の機影 〜今を生きる人へ〜   作:蒼海 輪斗

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長期休業から復活しました!!今回から蒼焔の機影復活です!!
蒼焔の機影シリーズも艦これ2シリーズもいよいよ終盤に差し掛かってきました。どちらも最後まで読んでくれるとうれしいです。
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第七話 決戦!!アメリカ本土上陸作戦 中編2 〜生まれ変わりし特攻機〜

アメリカ西海岸

 

 

 

 日本海軍の大型輸送艦が海岸に接岸した。巨大なタラップが降り、海軍陸戦隊がわらわらと降りてくる。

 

 その中に、台車に乗せられて運ばれていく兵器があった。白く少し桜色みがかかった色をしており、航空機のようだ。見た目は一時は特攻のために生産された特攻機”桜花”に似ている。

 

 しかし桜花に比べると二周りほど大きく、機首付近に40mm機関砲が二門搭載されている。これが新兵器であることを、この時は誰も知らなかった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

菅野直     「聞いたか?新兵器が到着したらしいぞ。」

 

 

 

 菅野が海軍第一航空団の団員を集めて話している。菅野の背後には布で覆われたなにかが置かれている。

 

 

 

坂井三郎    「新兵器?後ろのやつか?」

 

 

 

岩本徹三    「それじゃなかったらどれだよ。出し惜しみせずに早くみせろよ。」

 

 

 

 岩本が菅野のことをはやす。菅野は「やれやれ」とでも言いたそうな顔をして、かかっていた布を引っ張った。

 

 

 

 布から現れたのは、桜色の塗装がされた少し小型の航空機だった。特攻機である桜花に非常に似ていたため、案の定

 

 

 

赤松貞明    「おいおいおいおい。俺たちに特攻にでも行けってのか!?」

 

 

 

 赤松が半ギレ状態で菅野に詰め寄る。伊藤は一瞬喧嘩になるのではと慌てた。二人ともかなり喧嘩っ早い性格なのだ。

 

 しかし伊藤の心配とは裏腹に、菅野は落ち着いた声で説明する。

 

 

 

菅野直     「馬鹿野郎。今更特攻なんかにいかせるわけねぇだろ。エリート部隊が全機特攻なんかしてみろ。今度こそ日本が滅びるぞ。」

 

 

 

赤松貞明    「じゃあこの桜花はなんなんだよ!?」

 

 

 

菅野直     「桜花じゃねぇ。ちゃんと見ろ。これは『神風』だ。連山に吊るして発射させるロケット戦闘機だ。」

 

 

 

赤松貞明    「まんま桜花じゃねぇか!!」

 

 

 

菅野直     「だから落ち着け。敵艦に突入なんてしねぇよ。そのまま空戦をするんだ。アメ公のジェット戦闘機より速度はでねぇが、小回りはこっちのほうがよく効く。それに武装もこっちが上だ。40mm砲を二門搭載している。一発が20mm二発分の威力だ。B公だろうが魚雷艇だろうが数発ぶち込めば、お陀仏だ。」

 

 

 

 菅野は「フフン」と得意げに話す。岩本は「お前が作ったんじゃねぇだろ…」と言いたそうな顔をして話を聞いている。西澤は『神風』と呼ばれた兵器から目を離さない。

 

 

 

伊藤龍生    「これで米軍のジェット戦闘機を撃墜できるんですか?」

 

 

 

菅野直     「当たり前だ。まぁ、連山に吊るさねぇといけないから運用性は難があるけどな。また航続時間も3時間くらいだ。」

 

 

 

伊藤龍生    「それにレシプロ機とも操縦性は違いますから、使いこなすにはかなりの技量が必要ですね…。」

 

 

 

岩本徹三    「まぁ、俺たちほどの技量があれば問題ないだろう。」

 

 

 

 確かに海軍第一航空団はエリート揃いである。中には若い搭乗員もいるが、ほとんどが経験豊富な優秀な搭乗員である。少し訓練をすればすぐに乗りこなせるようになるだろう。

 

 

 

赤松貞明    「じゃあ早速お手並み拝見だな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

基地上空

 

 

 

 連山が爆弾倉を開いた状態で神風を吊るしている。そしてその連山の中では伊藤がおっかなびっくり神風に飛び乗ろうとしていた。

 

 

 

伊藤龍生    「本当にこれに乗るんですか!?」

 

 

 

赤松貞明    「早くしろよ。後はお前だけだぞ。」

 

 

 

岩本徹三    「飛び乗れば後は操縦するだけだぞ。戦闘機の操縦はお前得意だろ?」

 

 

 

 すでに訓練を終えた岩本たちが伊藤を急かす。

 

 

 

 操縦は別の話だ。強風が襲いかかり、ぐらぐら揺れる神風に飛び乗るのは容易ではない。下手したら強風に煽られ地上に落ちる可能性もある。そしたら一巻の終わりだ。

 

 

 

伊藤龍生    「(タイミングをあわせて…。今だっ!!)」

 

 

 

 伊藤はタイミングを見計らって神風に飛び移る。なんとか操縦席に乗ることはできたが、空戦前に寿命が縮みそうだ。

 

 

 

赤松貞明    「それじゃあ、切り離すぞ。」

 

 

 

伊藤龍生    「えっ?ちょっ、待って…」

 

 

 

 しかし赤松は伊藤の返事を聞かずに、連山と神風を吊るしているワイヤーを切り離した。つなぐものがなくなった神風は急速に地上へと向けて降下する。

 

 

 

伊藤龍生    「っ!!エンジン始動!!」

 

 

 

 伊藤は襲いかかる重力に逆らいながら、エンジンを始動させる。神風の後部から勢いよくジェットが発射される。伊藤は重くなる操縦桿を必死に引きながら機体を水平にする。

 

 ようやく降下が止まり、水平飛行ができるようになった。伊藤は訓練を始め、意のままに神風を操れるようになるのにそれほど時間はかからなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 訓練が終わり飛行場に着陸すると、やつれた顔で伊藤は操縦席から出てきた。

 

 

 

赤松貞明    「すげぇ顔してんな。どうだった?」

 

 

 

伊藤龍生    「いや、きつすぎますよ…。訓練はそれほどじゃなかったですけど、降下がきつすぎます…」

 

 

 

西澤広義    「まぁ、伊藤さんが言うのは無理がありませんね。」

 

 

 

岩本徹三    「確かに降下はきついな。爆弾の気持ちを味わったぜ。」

 

 

 

 どうやら伊藤だけでなく、歴戦の撃墜王でも急降下の重力はかなりの苦しさを与えたようだ。

 

 

 

伊藤龍生    「確かに操縦性は良好ですし速度もでます。機銃は連射性は低いですけど破壊力があります。」

 

 

 

菅野直     「そうだろ。まぁ、発射前に墜とされたら意味ないけどな…。」

 

 

 

赤松貞明    「やっぱ桜花じゃねぇか…」

 

 

伊藤龍生    「まぁまぁ、赤松さん。桜花に似ているのは分かりますけど、これは米軍の新型機に対抗できる唯一の戦闘機かもしれないんですよ。」

 

 

 

菅野直     「伊藤の言う通りだ。まずは使ってみろ。」

 

 そう言いながら菅野はそこから兵舎に向かって去っていった。  

 

 

 

 

 

 

 

三日後

 

 十四機の神風を搭載した連山は、再びシカゴへ向けて飛び立っていった。もちろん護衛の零戦七八型、紫電改を連れながら。

 

伊藤龍生    「本当に大丈夫ですかね?」

 

 伊藤はいまだに不安がっている。そこへ無線を通じて岩本が励ましの言葉をかける。

 

岩本徹三    「安心しろ。昨日練習しただろ?お前は操縦自体がうまいから問題はねぇよ。」

 

伊藤龍生    「…そうですよね。はい!全力を尽くしましょう!」

 

 伊藤は決心し、神風へと乗り込む。爆弾倉の扉が開き、猛烈な風が吹き付けてくる。

 

整備員     「まもなく切り離します。」

 

伊藤龍生    「はい。お願いします。」

 

 まもなくシカゴ上空だ。すでに前方では護衛の零戦七八型や紫電改がF8Fや宿敵のF-80シューティングスターが空戦を繰り広げている。

  

整備員     「切り離し用意!!」

 

 整備員が声を上げる。伊藤たちは神風の操縦桿をしっかりと握った。

 

整備員     「投下!!」

 

 整備員の声を合図に、爆撃手がワイヤーを切り離す。十四機の神風が一斉に投下され、急速に降下していく。

 

坂井三郎    「エンジン始動!!」

 

 そのままエンジンを始動。力強く神風からジェットが吹き出し、瞬く間に高速水平飛行を開始する。

 

赤松貞明    「さぁ、見せてやろうぜ。新鋭機の実力をな!!」 

 

 十四機の神風は迎撃に来た米軍機へと突入するのであった。

 

 

 

次回   決戦!!アメリカ本土上陸作戦 後編 

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