崇永記   作:三寸法師

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▲7

〜1〜

 

 

 建武五年(延元三年)五月二十二日。水深の浅い川を挟んで対峙する北朝(足利)軍と南朝(顕家)軍は共に総力戦の態勢を整えつつある。河口付近でも両軍の者同士が火花を散らしている。ただ、海上で船が真っ赤に燃えて尚、何とも戦場に似つかわしくない言い争いが繰り広げられていた。

 北朝方は京極佐々木家の令嬢かつ父親(道誉)の差配により本家当主(六角千寿丸)と婚約中という体の魅摩で、南朝方は春日顕国が別行動という理由につき軍全体の軍師の役目を担っている逃若党執事こと諏訪の雫(御左口神)だ。

 

 

「佐々木六角千寿丸は家庭人として最悪の部類なの!近江国守護職交替で絶対八つ当たりされたでしょ!認めなよ、魅摩ちゃん!」

 

 

「いいや、違うね。近江国守護職は北畠顕家(御宅の大将)が滅び次第、直ぐにでも三郎(千寿丸)に返還される手筈さ。綺麗さっぱり。そうだよね?父上」

 

 

「ん?んん、そうだね。勿論拙僧はそのつもりだよ。魅摩」

 

 

「ほれ見ろ。雫、よく聞きなよ?そしたら、三郎(千寿丸)も憤りをすっかり忘れて、全て元通りさ……抱き締めてくれたから何だって?くだらないねェ……三郎(千寿丸)だったら、私のファーだって舐めてくれるよ?」

 

 

「な!……魅摩ちゃん。ファーは穢れの元だから、本当に止めた方が良いと思う。相手が病気になっちゃう……あ、でも魅摩ちゃんたちからしたら、()()()して貰った方が良いんだよね?六角との間に生まれた子を傀儡にして、京極佐々木家(魅摩ちゃんの実家)が国の実権を握れるから」

 

 

「テメェ!もっかい言ってみろ!」

 

 

(((何なんだ、これは。本当に此処は戦場か?)))

 

 

 姦しい言い争いに両軍の武将や兵士たちは困惑し切りである。

 伊豆北条党きっての子煩悩、長崎駿河四郎は生々しい話に視線が定まらず、一方で道誉(腹黒坊主)は影の差す顔から汗をダラダラ垂らした。

 

 

(明らかに魅摩(我が愛娘)は動揺している。この間、我が京極佐々木家の軍営に帰って来たと思いきや、ぶつぶつ盗られたと独り頻りに呟いて放心状態だったのを()()()()で誤魔化しているが。一旦、間を与えて落ち着かせねば、神力操作が()()()()()……高師冬、他の一族(高階氏)以上の危険人物かもしれない。あの咲耶という娘は……どう考えても)

 

 

「父上、これは流石に……魅摩()を連れて仕切り直しを。真骨頂の船の戦で六艘焼き沈めただけでも大戦果。神封じは昼過ぎ(決着後)にでも」

 

 

「っ、そうだね……魅摩、分が悪い。退くぞ」

 

 

「ちょ!父上!話はまだ終わってな──」

 

 

「大丈夫さ。この道誉、身内の受けた屈辱は百倍、千倍にして返す主義だよ……御左口神(あの小娘)を捕縛する好機は必ずある筈さ。一先ずここは赤松軍に場を譲って、我らは師直殿の勝利まで時機を待とう」

 

 

「……チッ」

 

 

 この石津・阿倍野の一帯で勃発した南北朝両軍(顕家軍と師直軍)の合戦において、海戦を演じた軍は主に三つが考えられている。まず伊予国の南朝方である忽那(くつな)水軍、次に北朝方に関しては二種が推定されている。

 この内の一つが、山陽の雄である赤松軍だ。ただし、当主の円心は本拠地(播磨国)で周辺諸国に睨みを効かせねばならず、三男の則祐はかつて護良親王の臣(顕家と同派閥)だった経緯から、参戦が躊躇われたに違いない。

 とはいえ、赤松一族は多士済々だ。例えば当主次男の貞範(雅楽助)は中先代の乱や建武の乱からも分かるように、経験豊富な勇将だ。二月にはブタ(細川顕氏)が気不味く参加した師直派の集まりにも愉快に同心した。

 

 

「では、貞範(雅楽助)殿。後は頼みましたぞ」

 

 

「お任せを。佐々木軍とは箱根の戦でも共闘した間柄。敵の娘(女軍師)の言いたい放題やりたい放題を見過ごす訳には参りませんからなァ」

 

 

「……その敵の娘(女軍師)、意外と頭が回るようです。お気をつけて」

 

 

「何の。海には讃岐国水軍部隊、陸には武田殿らの軍も居られる。彼らと連携して堺から狙えば、(顕家)軍は一溜まりもありますまい」

 

 

 他でもない堺こそ(顕家)軍の急所である。こう考えていた武将は貞範(赤松雅楽助)だけではない。今回は次鋒として起用されたブタ(細川顕氏)も同様だった。

 今まで散々、足利家執事(高武蔵守師直)にいびり倒され、その鬱憤は最高潮だ。

 

 

『さて、次はお前が行け。豚……あ、違った。細川。その太さで何が細川だ。笑わせる。豚の汚名を返上したくば、死ぬ気でブヒブヒ川を渡れ。いい加減結果出して下さいよ。太い太い細川くうぅん』

 

 

「ぬううううううう〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜舐めるな、師直ォ!」

 

 

 その特質を見抜いた師直の計算など毛筋の先程も知らないブタ(細川顕氏)は渡河に成功し、突破口を開いた。加えて、それだけで飽き足らず、讃岐国に住まう同族(細川家)の水軍や赤松、武田軍の狙う堺湊にブタ(細川顕氏)もまた狙いを絞った。図らずも、鬱憤が最高潮に達した時のみブタ(細川顕氏)は良き仕事をするため、決戦にその時機(タイミング)が来るよう計って尻を叩くという師直の考えが正解であったと、ブタ(細川顕氏)自ら証明してしまったのだ。

 後に足利兄弟の生母、上杉清子が実家への手紙に記す。文面を信ずるにこの一戦、細川兵部()少輔()と高武蔵守(師直)あってこそであった。

 

 

 

 

 

〜2〜

 

 

 

 

 

 北朝(足利)軍の陣営に師冬付きの女騎として入り込んでいる千寿丸は決して孤軍だった訳ではない。むしろどうせ師冬(彦部吹雪)に甲賀衆について知られているのだからと、忍びを女騎(自ら)の侍女という建て前で周りに配置して、天狗衆を使う師直(総大将)とは別個に、戦況把握に努めていた。

 戦模様が激しさを増すに連れ、千寿丸は着実に昂り始めている。

 

 

「何故だ……何故、攻めあぐねている?見ておれんぞ」

 

 

「細川殿らが堺湊を攻撃しに行くも、街中に伏せていた名和義高軍並び郊外から突如現れた伊達軍の妨害で不発……敵に地元豪族の岸和田氏も居るとなれば、あまり当てにできないかもしれません」

 

 

(おのれ……情報源を明かせんから、師冬を通じて堺湊の現状を師直に伝える手も取り止めざるを得なかったせいもある。歯痒くて仕方ない。立場さえ有らば、軍を率いて今度こそ顕家との決着が)

 

 

「チッ。(南朝)軍は総大将(北畠顕家)自ら山車に乗って暴走させ、その視界的派手さと相まって細川殿(豚カツ)らを圧倒している。堺湊の占拠は厳しいか」

 

 

「ええ。完全に味方の狙いを読まれてましたね。しかも、あの山車の暴走は、堺湊の周りの土地が普段の人々の頻繁な往来で踏み固められているという性質を考慮したもの。単なる兵書読みに留まらない優秀な軍師、それも春日に代わる何者かが居るという証です」

 

 

「……目論見が外れたな。春日が男山で別行動の今、敵軍の賢者は顕家(総大将)以外に誰も居ないという前提だったが……今回の戦、頭脳戦に持ち込めば足元を掬われるやも。それにしても一体何者だ?その優秀な軍師とやらは。吉野朝廷から誰か派遣されたか?あるいは経験豊富な老将、例えば結城宗広辺りが軍師の真似事をしているか」

 

 

(それともお前か?楠木正行……否、違う。アイツは生前の父親(正成)との別れ際、今後十年近くの前線における戦闘を禁じられていたと小耳に挟んだ。顕家軍で軍師稼業の物真似をする性質(タチ)とも思えん)

 

 

 女騎の咲耶、もといそれに扮する千寿丸が顎に指を添えている。

 身体に湧き上がる戦士の疼きをヒンヤリとした頬当ての質感で抑えつつ、思考を巡らせるが、はっきりとした答えは出なかった。

 すると師冬が徐ろに口を開いた。眼差しの奥に燻るものがある。

 

 

「もしかすると……雫かもしれませんね」

 

 

「え?雫ってド変態執事の?まさか」 

 

 

(あり得ない。半年程前に降ったばかりの時行(中先代)の部下に、公卿の顕家がそんな権限を与えるだと?他の将たちがどう思う?捧げられた女を侍らせ、助言させるという筋書きでも……いや、時行(中先代)の性格的に無いか。しかし、あの変な絵描きにそんな御大層な才覚が?)

 

 

「ほんの戯言です。そう考え込まず。以前の戦(般若坂の戦い)彼女()がこの数年の間に兵法を学んだと自称していたのを思い出しただけです。まぁ、あの話(亜也子の処遇)を持ち出したら、あっさり動揺していたので、無いかと」

 

 

「あはは……数年の間か。頭の良い人間が勉強に励み、潜伏期間を合宿のそれと捉えれば、基礎は充分仕込めようが……ん?人間?

 

 

 千寿丸と師冬が顔を見合わせる。方や女装中で、方や仮面男という奇妙な組み合わせだが、他の将兵たちは距離の近い二人に決して触れてなるものかと、完全に腫れ物扱いを心に決め込んでいた。

 それはさておき、師直軍は今回の戦に三つの使命を帯びている。

 第一は当然、敵総大将の北畠顕家を討ち取る事で、第二は政権(足利)()()を煩わせる北条時行の首の確保だ。残った第三はと言えば──

 

 

「なぁ、雫って結局、物の怪?土着神?何だっけか?」

 

 

(もし神が軍師(頭脳労働)の真似事をしているとしたら……侮れないかも)

 

 

「……何にせよ神力の塊みたいですね。物の怪と捉えるか、土着神と捉えるかは余人の解釈(受け取り)次第でしょうが。ただ、尊氏様がその力を取り込まんと欲していらっしゃるのは間違いなく。だからこそ」

 

 

()の身柄を捕らえ、献上せよと」

 

 

(必要に応じ斬撃を無効化する(ヤツ)をどうやって捕らえるのかという話になってしまうかもしれないが……そのための魅摩か。今の俺には然して関係あるまい。ただ、いつか俺と魅摩の間の子を尊氏様に献じる運びになるだろうな。さすれば、尊氏様に更なる御力が)

 

 

 頬当ての裏で、千寿丸は吐息を溢す。守護職剥奪で尊氏への崇信が揺らぐ事態には至っていなかったが、京極家への不信感は魅摩にも含め、暴発していた。こればかりは感情の成せる問題だった。

 閑話休題。ここは戦場だ。皮算用に没頭していては急な事態に対応出来なくなるものだ。実際、この合戦は次のステージに移行しようとしている。剛腕の将、師直が新たに命令を発したのである。

 

 

次郎四郎(仁木義長)兵部少輔(細川顕氏)が開いた突破口から増援に行け」

 

 

「ヒョウっ!ヒャハハハ!やっと血が見れるぜ!」

 

 

 遂に仁木義長(次郎四郎)が最前線に姿を現す。後の高兄弟死後、兄の頼章(左京大夫)と共に彼ら(高兄弟)の後釜のような役割を果たし、義詮政権において佐々木氏や土岐氏らと闘争する狂戦士だ。先の建武の乱では主に九州で猛威を振るい、それから二年程が経った今、義長(仁木次郎四郎)は血に飢えていた。

 奇声を上げ、義長(仁木次郎四郎)は勢い良く南朝(顕家)軍の陣形を崩壊させて行く。

 後年にも天下を揺るがす勇将の突撃に対し、南朝(顕家)軍はどう対処するのか。迎え撃つ武将は、真の狂気を胸に宿す結城宗広(シリアルキラー)である。

 

 

 

 

 

〜3〜

 

 

 

 

 

 歯軋り音が響く。千寿丸は頭に血が昇って(つか)に手を掛けている。

 どうやら女騎に変装している身である事を失念しているようだ。

 様子を見兼ね、師冬が後ろから抑えるが、今の千寿丸は興奮してそれだけで鎮め切れるものではなく、遂に叫び出してしまった。

 

 

「言わんこっちゃない!数で圧倒しているのに、兵をあんな散発的に繰り出して敵を利す軍略があるか!あのデカ鼻もぐもごもが」

 

 

(((やっぱりこの頬当て娘、まさか)))

 

 

()師冬(三河守)様。そのお嬢様の声……」

 

 

「はっきり申し上げて、以前にも聞いたことがあるような」

 

 

「というか、師冬(三河守)様が仲良くしておられる武将と言えば──」

 

 

「何でもありません。さぁ、咲耶。頭を冷やしに行きましょう」

 

 

「もぐもがもご」

 

 

 頬当ての隙間から手を突っ込まれたまま、師直軍の陣営の裏手へあたふた連行された千寿丸は、師冬に両の拳を擦り付けられる。

 丁度二束の揃う髪が狙われなかったのは、尊氏への配慮なのか。

 

 

「み、耳が……!」

 

 

「貴方は!何も考えていないようですね!」

 

 

「いやいや、普通に采配しときゃ、こんな手こずらずにさァ!」

 

 

 千寿丸は捲し立てた。兵力でかなり有利な以上、ちまちま突破口などと言ってないで、正面から数を頼みに押し潰す方が理に適っていると。もし策を施すにしても別働隊に側面を攻めさせる程度で十分であり、それより気を衒っても敵軍の反攻(カウンター)を招く危険(リスク)有りと。

 実際、先鋒の畠山軍は全体の半分にも遠く及ばない数で攻めた結果追い返され、次鋒の細川軍は突破口を作った後、西からの攻撃軍と息を合わせて堺湊占領を狙うも、敵軍の抵抗に阻まれていた。

 

 

「ついさっきも勇将・次郎四郎(仁木義長)殿の勢いが結城軍の飛ばす腐臭物の前に削がれた。真価を発揮すれば、二年前のように九州武士たちを圧倒でき、この本州でも桃井直常にさえ見劣りしない筈なのに」

 

 

「……確かに勢いを削がれて尚、包囲殲滅されていない仁木殿の武には本来の底力を感じます。ですが、それでも貴方は起用法に問題があった故、仁木殿が真価を発揮できず、敵の策に嵌ったと?」

 

 

「如何にも。これは攻城戦に非ず。野戦だぞ?万単位で揉み潰す方略なら、敵のあの策は不発に終わっていたさ。だから、小細工と言うんだ。だが、開戦以来、各々数千騎程の部隊を順番に繰り出すやり方に終始しているから、敵方の策略が次々嵌り、両軍の差が徐々に縮まっている。このままだと敵の軍師の思う壺だぞ。師冬殿」

 

 

「ほう。敵の軍師の思う壺か。その軍師とは誰だ?娘」

 

 

「「!?」」

 

 

 興奮する女装中の千寿丸とそれを嗜めんとしていた師冬という陣の裏手にいる二人の虚を突くように、声を掛けてきた者がいる。

 他でもない足利家執事にして此度の北朝(足利)軍の総大将・高師直だ。

 陣幕からひょっこり顔を出すようにする師直の姿で二人の心臓は縮み上がる。尤も、二人とも大なり小なり顔を隠す身なのだが。

 

 

「も、師直様……私も目下、心当たりを捜索中です」

 

 

「……師冬。その娘は中々面白い事を言う。そうは思わぬか?」

 

 

「……は。だからこそ私の側女に」

 

 

「ふん……確か咲耶と言ったか?噂は耳にしている。男山(春日軍)攻略戦で偶に女を連れ込んでいたという師冬が、長じて女連れで遠征しているものだからな。だが、今年になって急に女持ちとは驚いたぞ」

 

 

「はい。師冬殿には優しくして頂いております……」

 

 

(この完璧執事め……気付いてるなら早くそう言え。どこまでも底意地の悪い。この格好で万一あっても六角家に累が及び難いからこその変装だと察しての言葉なら、その限りでもないんだけどさ)

 

 

 千寿丸は前に直義から近江国守護職剥奪の裏にある師直の意図を聞かされ、頭で理解しているものの、足利兄弟(尊氏や直義)と違って非源氏の身で余計な発案をした執事(高師直)に対して、未だ恨めしさを抱いていた。

 どんな叱咤激励の意図があろうとも、師直の教唆こそ職を失って尊氏との距離が離れた原因に違いないと責任転嫁しているのだ。

 

 

「師冬、お前は我が猶子ながら趣味が俺と違うようだ。とはいえ、調教はしっかりやるべきだな。特に尻をよく叩いておくべきだ」

 

 

「お望みとあらば、今すぐにでも」

 

 

「良い、戦中だ。お前たちが裏でシッポリやっている間に、戦況がまた一つ動いたぞ。師泰()を出撃させた。敵の傷病兵部隊を重点的に攻撃させ、そのまま押し込んで新田徳寿丸の本陣を裂く勢いだ」

 

 

(新田徳寿丸……義貞の次男坊!確か堀口貞満(美濃守)が副将だと聞く!)

 

 

(矢作川の戦いでは堀口軍にしてやられた。今回はどう転ぶ事か)

 

 

 千寿丸にしろ師冬にしろ、幼将の徳寿丸よりもお守りの堀口貞満(美濃守)に警戒心を向けている。実力と胆力で名を馳せた名将だからだ。

 三年前の戦(矢作川合戦)では京極(佐々木)道誉や吉良満義、そして土岐頼遠の武家方(足利軍)第一陣を撃破し、二年前には後醍醐の帝にすら啖呵を切った。主君(貞満)の幼い息子を担いでいる今回、堀口貞満(美濃守)がどんな戦をしたものか。

 しかし、師直の言葉で二人は直ぐにそれどころでは無くなった。

 

 

「師冬、それと小娘。お前たちは師泰と別に北条軍を狙え。時行が自軍の猛将の祢津小次郎を徳寿丸(新田軍)救援に向かわせた。これこそ愚の骨頂だ。合図あり次第攻めろ。尊氏様のお望み、一つ果たせよ」

 

 

「「は!」」

 

 

 足利家執事(高武蔵守師直)による言葉で、猶子の師冬以上に、女騎に扮する千寿丸が奮い立った。勿論、尊氏の名前だけで劇薬になったからだ。

 前線を見渡せる本陣へ師直が戻り、師泰軍の最新動向の把握に努める傍ら、千寿丸は張り切って堂々と武器の素振りをし始める。

 石津、または阿倍野の戦いは新たな局面へ向かおうとしていた。

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