崇永記 作:三寸法師
◆1
〜1〜
今となっては昔のことであるが、師冬は前の主君である北条時行の郎党だった頃、それは優れた軍師であったという。
中先代の乱においては騎馬の強みを活かしやすい平地で異次元の馬術によって北条兵たちを好き放題蹂躙した今川範満に対し、時行の強みである逃走力をフルに活かした策を用い、遂に討ち取って小手指ヶ原での合戦を勝利に導いたという出来人である。
足利軍に投降して以来、足利家執事高師直の猶子に迎えられるという厚遇を受けている師冬の姿は伊豆国府の少し外れにある六角軍の陣営にあった。他でもない当主の俺が招いたのである。
「茶をお飲みくだされ」
「……」
「遠慮なさらず。それとも酒の方がお好みでしたか?師冬殿は」
「いえ、頂きましょう」
出された茶を口に含むため、師冬は仮面を外した。
ここ何ヶ月も足利陣営で秘せられ続けてきた顔が何の因果か六角軍の陣営においてようやく露わになったのである。
「良き面構えでいらっしゃる。師冬殿、それでこそ足利家のご郎党に相応しい。外様の武将の私が言うのも何ですが」
「千寿丸殿の今のお言葉、足利家執事高師直の猶子たる私にとってはこれ以上ない褒め言葉です。それと、そこまで私に気を遣わずとも構いませんよ。現状の私の格では六角家当主ひいては西国きっての名門佐々木一族の惣領の座にある貴方に到底及びませんから」
「……であれば、遠慮しないぞ。師冬殿」
心の内で「現状の私の格」という師冬のやたら意味ありげな言葉を反芻した俺は口では遠慮しないと言いつつ、「師冬殿」と呼ぶことにより、遠回しに師直の猶子という現在の師冬の立場を踏まえて最低限の配慮はさせてもらうという意思表示を行った。
少なくとも一年以上、信州で牙を研いできた師冬に京で生き抜いていくための機微は果たして僅かでも伝わっただろうか。
「師冬殿は馬に顔を蹴られて傷を負ったせいで仮面を着けていると風の噂に聞いて心配していたが、どうやら杞憂だったようだな」
「……馬に顔を蹴られたのは私の前に
「まさかそのために四六時中仮面を?その目立つ髪で?頭隠して尻隠さずとは言うが、聡明な師冬殿らしくない」
「顔を隠すために仮面を付けるよう命じたのは
「……すまない。別に皮肉を言う意図はなかったが、その言い方だと食い気味に否定してるようにしか聞こえない」
戸惑いを誤魔化すための仕切り直しを兼ね、俺もまた客人である師冬に続けて湯呑みを口に近づけた。
口の中いっぱいに東国ならではの茶の香りが広がっていくのを感じながら俺は思う。今の師冬の顔つきはどことなく、師直の末の弟である師久に似ている。つまり、高一族の面影があるのだ。
「もう……時行のことは良いんだな?」
「無論です。千寿丸殿、亜也子にも同じことを聞きましたか?」
「面と向かっては……うん、記憶にない」
人払いした影響で、この場にいない望月亜也子は今や六角家に仕える便女とはいえ、元は師冬と同じ時行直属の郎党である。
亜也子は中先代の乱の終結間際に帰順してから四ヶ月近く経った今でも六角に留まっているが、師冬もまたその才覚により将来を嘱望されながら高師直の猶子として足利軍に身を置き続けていた。
「今の私にはやりたいことがあります。何だと思われますか?」
「さぁ?天下統一?」
「近くはありますが、更に先のことです。私が千寿丸殿にお声掛けしたのも、それに関係しています。が、貴方に明かすのはまた別の機会にしておきましょうか。あまり興味がないご様子ですしね」
「……気を悪くしたのなら申し訳ない」
本当に師冬のやりたいこととやらに興味を持てなかったのだが、態度に出てしまっていたのは俺の落ち度なのだから、ひとまず謝っておいた。これが雑兵相手だとしたら家の面子の問題で逆に御法度なのだが、今の師冬は立場が立場である。
本来であれば、たとえ興味のない話であろうが、さも強い関心があるように徹底して装うすべきだったのだ。
「いえ、千寿丸殿が謝られることではありません。取り留めのない質問をしたのは私ですし。ただ、一つ気になることが」
「気になること?」
「六角家に帰順した亜也子には今、高階家で世話になっている私のように何かやりたいことがあるのでしょうか?」
「やりたいことと言うか、自分と同じ信濃国出身で怪力が売りの女武者巴御前のようになりたいらしいな。しかし、意外だ。お前が元同僚の心配をするとは。もっと冷めているものかと」
「どちらかと言うと心配なのは亜也子というより千寿丸殿……貴方です。もし仮に貴方が亜也子に寝首を掻かれるようなことになってしまえば、私のやりたいことにも支障が生じてしまう」
「亜也子が俺の寝首を?それは無理だ。実力差の問題以前に、あれに寝姿を晒したことはない。そこまで不用意ではないぞ」
確かに剣術や馬術の腕に頼らない素手での勝負であれば、怪力無双と呼び得る亜也子の側にやや分があるだろう。
しかし、執事のような職にある訳でもなければ、生え抜きの郎党という訳でもない亜也子に当主である俺の寝所に立ち入る許可を出した覚えはない。よって、寝込みを襲うことはまず無理なのだ。
「確かに寝所に呼んでいないのであれば、寝首も何も心配ないかもしれませんね。ですが、お気付きになりませんか?亜也子はあの様子だとほぼ確実に時行殿の郎党から接触を受けています」
「……何?」
警戒は周りの郎党や家人たちにもさせていた筈。そう易々と時行の手の者が忍び込んで亜也子に接触出来はしない。
しかし、心当たりがないでもない。以前にも六角家の屋敷に侵入した上で、当主の俺の部屋まで来た人物が居たのだ。
「風間玄蕃か?いや、しかし」
「貴方が魅摩殿と共に上京していた間、六角軍は箱根に駐屯していました。丁度その頃、足利配下の忍びの天狗衆の目は箱根を向いていなかった。玄蕃が忍び込むには十分な状況と言えます」
二刀使いとしてだけでなく、軍師としても時行に仕えていた師冬は自ずと同僚たちの能力をよく把握している。
師冬の言葉に説得力を見出した俺は決意した。時間を置いても仕方がない。今日中にも白黒をはっきりつけようと。
〜2〜
元は亜也子と同じ主君に仕えていた師冬によると、彼女は逃若党時代に比べ、持ち前の天真爛漫さに翳りが見えたと言う。
それどころか何やら思い詰めている様子であるとか。以前、一族の重鎮である道誉に人を見る目に欠けているのが課題であると指摘された俺より、師冬は亜也子についてよく把握しているらしい。
時間の経過と共に彼女の性質が変化して落ち着いただけならそれまでという前置きこそしていたが、まだ六角に帰参して半年足らずということを踏まえれば、その可能性は低い筈である。
「お呼びですか?殿様」
「ああ」
まだ日が暮れる前。俺は当主として急遽設営された六角軍の陣内に設けた稽古場に便女の亜也子を呼び出した。
この後、一族の主要な武将たちとの宴が控えているが、まだ時間の余裕はある。用事を済ませるには十分な筈だ。
「この弓、尊氏様に頂いたものなのだが、あろうことか引こうとしても全くビクともしない。そこで、だ。単純な膂力で言えば俺を上回るお前ならあるいはどうかと思ってな」
「でも、殿様。私、弓の腕はとても殿様ほどじゃ」
「構わんさ。何も狙い通りに当てよと言ってるのではない。単純に怪力自慢のお前が引けるかどうか試したいだけだ」
加えて目賀田ら有力な将たちは戦後処理で忙しいと理由をつけて亜也子を丸め込んだ俺は新しい弓を亜也子に持たせた。
竹下で初めて使った時はかなり苦しみながらだったとはいえ発射に成功したのだが、戦が終わって練習がてら改めて使ってみようしたところ、どうにも上手くいかなかったのである。
「んぎぎぎ……ごめん、殿様。無理!何なの、この弓?」
「俺も最初思ったさ。何人張りの弓かとな。だが、そうか。亜也子でも無理だったか。となると後は……厳覚にでも頼むか」
「厳覚?」
「ああ、知らないか。道誉殿の配下の将だ。言い換えると、京極家の家臣だな。だが、昔は俺の弓術指南役だった男さ」
吉田家は京極家にも六角家にも郎党を輩出しているが、厳覚は普段は京極家に出仕していた身でありながら、近江国随一の弓上手と見込まれて惣領家嫡男だった俺の弓術指南役に抜擢された。
しかし、ここで問題が発生したのだ。教え子と指南役として俺と厳覚は致命的なまでに相性が悪かったのである。
「結局、俺は幕命で楠木正成討伐軍に参加するために西国に上った貞宗殿を弓の師匠と仰いだ。そのせいで、厳覚はすっかり臍を曲げてしまってな。俺の弓術指南の役を自ら降りた。それ以来、気不味くなって仕事以外で殆ど言葉を交わしていない」
「……ダメじゃん」
「うむ。どうやら
しかし、実のところ手空きの若い郎党たちは青地重頼や粟生田小太郎、そして楢崎太郎左衛門含めて尽く試したのだ。
残るは新参の便女である亜也子なのだが、こうなってしまったからには手詰まりだ。まさか文官の仕事にも多少の覚えがある目賀田ら重臣たちをこのようなことのために駆り出す訳にもいくまい。
「で、どうするの?これから」
「……一つ考えがある。もう一度構えてみてくれ」
「うん」
「では失礼するぞ」
「!?」
自分でも年若い少女を相手に思い切ったことだと思う。
俺は弓を構えた亜也子の後ろに回り込み、少しだけ背伸びしてから、弓術の指南でもするかのように両の手を掴んで囁いた。
「そのまま」
「ッ……」
正直、前世であれば、交際相手でもない女子に対して不用意にこうした真似をしなかった。幼い時分ならば、まだしもである。
ただ、今の俺は肉体年齢で言えば数えにして十歳なのだから男女の距離感についてそこまで配慮する必要はない筈である。
立っている場所のために亜也子の表情は不明であるが、強張っているのは間違いないだろう。ことが済んでしまえば、必要に応じて埋め合わせの一つや二つする用意はある。
「玄蕃に会ったな、お前。この俺の居ぬ間に」
「……」
「安心しろ。罪に問うつもりはない。こうしてお前が今もまだ
もし叛意があるとしたら、直ぐに反撃を試みるか多少なりとも殺気を帯びる筈である。しかし、そうした気配は一切ない。
寝首を掻くつもりがないとなると、残留した理由として考えられるのはやはりまず甲賀望月家の存在だろう。
「甲賀望月家の養女になった私が脱走した場合、殿様が近江に帰国し次第、当主を呼び出して中先代の乱で諏訪氏の書状を持ち込んだ件で尋問し、誅殺や出征も厭わない。あの脅しが効いたよ」
「……それで?」
「でも、それだけじゃないんだ。私は木曽義仲公や和田義盛公に仕えた巴御前のようになりたい。ううん、巴御前を超える天下無双の女武者に私はなりたい。この野心を満たしたいから、殿様の元なら叶えられるから、私は残った。玄蕃の誘いを断ってでも」
弓の構えを解かず、顔だけ俺の方へと少し向けた亜也子の目つきは近江源氏佐々木氏が惣領家である六角家の郎党どころか少女の身ながら室町幕府の陪臣だと今から名乗って良い程に精悍だった。
亜也子の顔は辺りを照らす夕陽と相まって、可愛いであったり美しいであったりといった月並みな褒め言葉より、もっとシンプルに粋であると言った方が遥かに今の彼女に相応しいように思えた。
平素とはまるで違う彼女の様子に満足した俺は話を続けた。
「報告しなかったのは前の主君への義理立てか?」
「うん。それくらいはしても良いでしょ?……殿様」
怪力少女の亜也子は今後の六角家の要になる可能性がある。
というのも、近江の守護を代々勤める六角家は実を言えば本拠地の南方にある甲賀群を未だに掌握しきれていない。頓宮家をはじめとする不穏分子が少なからず存在するのだ。
六角家が甲賀郡を制して真の拠点とするためには山中親子に加えて甲賀望月家の力を得ることが重要であり、中先代の乱の折に加入した亜也子こそ、両家の架け橋になり得る得難い人材なのだ。
ひとまず俺は顔つきの戻った亜也子の肩を持つことにした。
「ああ、それでこそ真の忠臣だ。望月亜也子。俺とて墓の下を穿り返すような真似をするつもりはない。北条時行には田舎で穏やかな余生を送って貰おう。覚海尼とてそれを望む筈だ」
「覚海尼……高時公のお母様だっけ?」
「そうだ。噂に聞いただけだが、今やすっかり骨抜きになっているらしい。邦時の相続の芽を潰そうとしたり泰家や長崎親子を恐喝したりしていた全盛期とはまるで違う様子だとか何とか」
「……そっか。なら、私が頑張らなきゃだよね」
俺が腰越で敵兵だった亜也子に謳った誘い文句の一つに、六角家の元でならば、二つの皇統から見放されることになる北条家当主の時行の将来的な名誉回復の布石を打てるというものがあった。
それは今の亜也子のモチベーションの一つになっている筈だ。
「ああ。お前が高名になれば、遺した日記には計り知れない歴史的価値が認められる。時行の全貌を記すが良いさ。単なる朝敵ではない全裸逃亡……何だっけ?衝撃的過ぎて逆に忘れた」
「ド変態稚児。だけど、事実でも日記に残すのはちょっとなぁ」
「……好きにしろ。日記にまでは口を挟まない。六角家の機密情報はまた別だがな。甲賀衆については特に厳禁だ」
甲賀衆もとい甲賀忍軍は六角家が戦国時代の荒波を乗り越えていくのを見据えて打った布石でもある。彼らが居れば、かの武田信玄のように周辺諸国を情報戦で圧倒することが出来るだろう。
ただし、だからこそ今の段階から無闇に人に広まって欲しくはないのだ。下手に日記に記して発覚したら目も当てられない。
「殿様、次の戦は絶対に私を出して」
「恋しくなったか?戦場が」
「うん。戦場に出ないと、名も上がらないから」
武者として当たり前の欲求だろう。誰もが戦場で功名を上げることを望む。それに応えるのが当主としての俺の役目だ。
確かに俺は竹下での戦で勝利を確信する余り思った。肩慣らしを兼ねて亜也子を連れて来るべきだったのではないかと。
ただ、尊氏率いる大軍を前にした脇屋軍の奮戦や自軍が壊走した折に義貞が見せた力を思い出すと不安はどうしても拭えない。
「なら一つ条件がある」
「条件?」
「このまま弓を共に射て、あの的に当てられるか否か。それで天啓を得ることとする。異存ないな?亜也子」
「……分かった」
貞宗が得意とすると風の噂に聞く同盟相手の市河某との連携技ではないが、俺と亜也子は共に組んで同じ矢を引き絞る。
力を込めて各々の限界に挑戦した二人の手によって放たれた矢は雷鳴を思わせる轟音を立て、的である巻藁を掠めた。
刹那、巻藁を構成する藁や板が辺り一帯へと飛散した。
〜3〜
絶大な威力の一矢を放った反動をモロに喰らった俺と亜也子の両名は同時に吹き飛ばされるような形で、陣幕の側に転がった。
ただ、それであたかも俺が亜也子に抱き抱えられているかのような体勢になっているのはどうしたことか。俺が頭を地面に打ち付けないようにと亜也子が咄嗟に庇ったという成り行き上、やむを得ないことだったとはいえ、これでは格好がつかないだろう。
「殿!今の音は……なっ!?」
「ほう。これはこれは千寿丸殿。お邪魔でしたかな?」
「……道誉殿。お早いお越しで。お出迎えも出来ず、失礼致した」
不味い。ただでさえ、惣領家当主としての威厳を著しく損いかねない絵面に陥っているというのに、よりにもよって分家の京極家の当主である腹黒坊主の道誉に見られるというのは非常に不味い。
いつになく慌てた様子の亜也子を手を翳して制した俺は自分個人というより当主として六角家の誇りと尊厳を守るべく、まるで何事もなかったかのように立ち上がり、愛想笑いを浮かべた。
「伊庭。悪いが、折角用意して貰った巻藁、駄目にしてしもうた」
「とんでも無い。ご命令とあらば、今すぐにでも新しいものを用意させます。ですが……一体どちらが射られたのですか?」
「二人同時に放ったら、このザマだ。さぁ、これから宴ぞ。道誉殿を案内するのだ。これ以上の粗相は許されまいて」
「……は」
日が暮れ次第、この六角軍の陣営で行われる小規模の宴は足利軍内に集った佐々木一族の有力武将が集うという豪華なものだ。
生憎、足利軍がこの地に留まる要因にもなった大軍で上洛するために兵糧の再収集に邁進する直義の手伝いで、一族の武将の大原仲親は欠席なのだが、道誉を含め三名が来ることになっていた。
「殿。塩冶殿がお越しに」
「ああ、疾く行かねばな。竹下での勝利は他でもない高貞殿が此方に靡いてくれたからこそ得られたものだ」
道誉の他に来る二人のうちの一人が塩冶高貞である。隠岐国と出雲国の両国の守護を兼ねる高貞は武勇に秀でた猛将だ。
一万騎に届かない代わりに精鋭が集められた先の搦手軍に配属されていたのを踏まえば、あの義貞から新田四天王をも上回る武力の持ち主として評価されていたのではと思える程である。
「高貞殿。今日はよくぞ来られた」
「いえ、宗家たってのお招きとあらば、この高貞はどこへでも参りましょう。宗家御自らお出迎えくださるとは光栄です」
「当然のことをしたまでだ。高貞殿、こちらへ」
宴のための用意を設えた建物内に案内する道すがら、俺は今後のことについて高貞に相談した。今後のことと言っても、佐々木一族全体というよりは塩冶家についての話である。
「顔世殿……奥方の保護について近江国に残った我が六角の郎党に伝えるよう手配しておいたが、本当にそれで良かったのか?」
「無論です、宗家。むしろありがたいことです。出雲国に逃すより近江国に身を隠す方が、遥かに容易いですから」
仮にも尊良親王を擁した建武政権軍を裏切った高貞の身内に危険が迫りつつあることは言うまでもないことだろう。
特に、高貞の奥方である顔世は器量良しで評判なのだ。京に居たままではどのような危険があるか知れたものではない。
よって、惣領家である六角家に従う証を立てようという高貞からの申し出もあり、こちらで保護することになったのだ。
「宗家。後は黒田殿のご到着を待つのみで?」
「如何にも。道誉殿曰く、先生……宗満殿は京極軍の所要を済ませてから来る予定だとか。何はともあれ直に来る筈だ」
「……道誉殿は今まで何を?」
「恐らく尊氏様か師直殿の相談相手だろう。もうすっかり足利軍中で参謀として扱われている様子だからな。道誉殿は」
この俺、佐々木六角千寿丸を除く佐々木一族の要人三名が今ここに揃おうとしている。一人は京極道誉、もう一人は塩冶高貞。
残る最後は黒田宗満。道誉の叔父にあたる人物であり、俺に兵法を仕込んだ戦略及び戦術に関しての"先生"である。
宵のうちに伊豆国府での宴は始まる。その目的はただ楽しむのみに非ず。今後の展望の共有こそ、今宵の宴の主眼であった。
以下に挙げた人物であれば誰が好き?
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足利直義
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高師冬
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楠木正行
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足利義詮
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足利直冬