ニンジャスレイヤーTRPGフロムゴブリンスレイヤー   作:BANZAINAMUSAN

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【Q&Aどういう話?】ゴブリンニンジャは非ゴブリンニンジャより非常に強く、超人的な身体能力や超自然的なパワー(ジツ:ニアイコール魔術)を発揮する。最低でもゴブリンロードの3倍は強い。ある日突然ニンジャと化したゴブリンニンジャと戦うことになったゴブリンスレイヤーは勝てるのか!?


サンプルリプレイ:ゴブリンスレイヤーVSゴブリンニンジャ

 

 導入が終わり、盤面はシームレスに戦闘シーケンスに移行した。

 ボブにとって、アニメイシヨンを見るだけの導入はややまどろっこしい感じではあった。

 はやくゴブリンスレイヤーを批評したかったからだ。

 

 しかしその大部分がカットされこそしたが、ゴブリンスレイヤーのゴブリンスレイにかける意気込みは伝わった。

 ……正直、かなりニンジャスレイヤー性を感じる。

 

 

(それでもコイツはニンジャスレイヤーじゃないんだ!

 パクリやがって! 許さんぞ!

 僕が僕のゴブリンニンジャで判決を下してやる!)

 

 

 ナムサン。ボブは未だに独善的な使命感に支配されていた。

 導入におけるアンブッシュ(不意打ち)の回避判定を成功させ、こうふんをもよおすアドレナリンがドバッとバッファしているのだ。

 

 いよいよここから先は真のニンジャの時間だ!

 再び骰子を握るべき時が来た! ボブは意気込んだ。

 しかし、判定の時間にはまだ早い。

 

 

「まずは【機先】をどちらを制するかだけど」

 

 

《真実》は内包する意味の共通する用語をボブに伝わるようコイネー・コンバートしつつ卓を進めた。

 

 

「戦闘シーケンス」はターン制で進行し、各ターンごとに巡ってくるキャラクターごとの「手番」を解決する。ターン内の各キャラクターの手番は、「イニシアチブ値」(略称「機先」)の高い順に処理される。

機先とは?:イニシアチブ値(実質先制値):ニューロンを参照

 

 

「ゴブリンスレイヤーはゴブリンに特化したスキルが異様に充実してて、ゴブリンに対する機先はファイアイーターより高いみたいだ」

「ワッザ? ファイアイーターはニンジャなのに?」

「だがゴブリンでもある」

 

 

 ボブはファイアイーターのキャラクターシートを見る。

 彼はゴブリンでもあり、ニンジャでもあるエクストラ存在:ゴブリンニンジャだ。

 よって、ゴブリンスレイヤーはファイアイーターに対し、ゴブリン特化アドバンテージを得るのである!

 

 そして肝心の機先だが、判定項目には「1」と書かれている。

 

おさらい:主に戦闘判定に関するファイアイーターのステータス

攻撃/射撃/機先/電脳  5/2/1/1

回避/精密/側転/発動  5/2/2/2

即応ダイス:4 緊急回避ダイス:0

 

 知力のほか、反応速度の役割も兼任するニューロンが1であるが故に。

 この項目は他のTRPGとかだと敏捷性とかにそうとうすることが多いから勘違いしやすいと思うので注意が必要だ。

 

判定ダイス早見表の読み方

略称:判定名などの詳細:紐づいている能力値

攻撃:近接攻撃判定ダイス数:カラテ

射撃:射撃攻撃判定ダイス数:ワザマエ

機先:イニシアチブ値:ニューロン

電脳:ハッキング判定ダイス数:ニューロン

回避:回避判定用の基本ダイス数:最も高い能力値

精密:精密攻撃系スタイル使用時の攻撃判定ダイス数:ワザマエ

側転:連続側転判定ダイス数:ワザマエ

発動:ジツ発動判定ダイス数:ジツ+ニューロン

 

 この値がどのようにゴブリンスレイヤー世界でコンバートされているのか、ボブが知る由もない。

 厳密なルールを知るより、ファジーであろうと四方世界体感を優先だからだ。

 ボブは仮にもニンジャスレイヤー性を自身に感じさせるなら、そうでなければ面白くないとも感じた。

 

 ……何もかもが思い通りにならないからこそ面白いのだ。

 《真実》と《幻想》はまず、ボブにそう認知させることに成功した。

 2柱はコンバート・クロスセッションの難しい舵取りが任されている。

 

 按配を誤れば、ニンジャがモータルを蹂躙する、相互にとって不幸な、ひどくつまらないセッションになってしまうであろう。

 しかしそれでも……ゴブリンスレイヤーなら……ゴブリンスレイヤーならきっとなんとかするのでは?

 彼らは心のどこかで、そういう期待もしているのだ。

 全員がそれぞれ思惑を達成してハッピー! を目指しつつも、骰子の目によって実際はどうなるか分からない、ハラハラドキドキ面白い、そういう卓を目指しているのだ。

 

 GMとして実にやりがいのあることですね?

 

 普段はゴブリンスレイヤーのことをせっかくのセッションをメチャクチャにしてくるなんかヤな感じの只人とこそ思ってこそいるが、そこには神のラブがあった。

 

 ……神のラブは、人間には難しい……

 

 

「はい、ゴブリンスレイヤーの武器投擲攻撃!

 難易度は……えー、HARD相当だね」

 

「ワッザ? さっきはNORMAL判定だったのに?」

 

「そういうスキルがあるんだ。ゴブリンスレイヤーはゴブリンの動きのクセを読みとるのさ」

 

「むむむ! ゴブリンスレイヤー=サンの癖に生意気だぞ!

 今回も回避するぞ!」

 

 

難易度とは?

 判定時には、対応する能力値に等しい個数のD6を握り、それを振ること。判定は出目が大きければ大きいほど良く、振ったD6の中に難易度以上の出目があれば、その判定は成功となる(出目を合計するわけではない点に注意)。

 

 

 ボブは5D6握った。ファイアイーターの回避判定は5だからだ。これからボブは、5D6のうち5以上の出目を1つ以上ださなければならない。でなければ回避失敗し、ファイアイーターはただちに1ダメージ受ける。ニンジャスレイヤーTRPGのダメージ判定はさいしょのうちほとんど1だから簡単だ!

 

 

「エイッ!」コロコロコロ!5D6!

 

 

対応表 :要求される出目

U-HARD-3:6の出目が3個以上

U-HARD-2:6の出目が2個以上

U-HARD :6

HARD  :5

NORMAL :4

EASY  :3

KIDS  :2

 

 

 出目は……1,1,2,3,5! 回避成功!

 

 

「ヤッタ!」

 

「ファイアイーターはゴブリンスレイヤーの武器投擲攻撃を……そうだな……折れて錆びた刀で弾いて回避!」

 

「スゴイ!」

 

「ボブ、君のターンだ」

 

「ニンジャマジックを使うぞ! ニンジャマジックを使うぞ!」

 

 

 ボブは2D6を小指と薬指で掴みつつ、残る三指でニンジャサインを組み、素振りを繰り返した。

 自分の意思でニンジャにジツを発動させることが出来る!

 重篤なニンジャヘッズであるボブにとって、なんと甘美な体験であろうか。

 

 しかしカトン・ジツの発動には難易度NORMALの成功判定が必要だ。

 2D6で出目4以上を出すのはやや心もとない……そんな時には即応ダイスだ!

 

 

「僕は即応ダイスを2つ使う! 合計4D6だ!」

 

 

即応ダイス:シナリオ本編内で起こる『回避判定』以外のあらゆる判定に追加できる特殊なダイス。一度使用すると、シナリオ終了まで回復しない。使用したい即応ダイス数を判定前に宣言することで、シナリオ中いつでも、また1つの判定に対して何個でも、即応ダイスを使用できる。

 

 

 ボブは両手でニンジャサインを組み、「カトン・ジツ!イヤーッ!」キアイの入ったシャウトとともに合計4D6!コロコロコロ!出目は2,3,5,6!成功!KA-TOOOOOOOOON……0101011110……

 

 

「いにしえの暗黒神に授かりし、我がニンジャマジックを受けよ!

 カトン・ジツ! イヤーッ!」

 

 ファイアイーターのカトン・ジツが発動!

 危うし!ゴブリンスレイヤー!

 

 

【GOBLIN SLAYER!】

 

 

【非日常的な戦闘】

 

 

 強敵。鉄兜の隙間から余すことなくその様を凝視した全身鎧の男は即座に判断を下した。

 ファイアイーターと名乗ったゴブリンは二度に渡って武器投擲を防いでみせたからだ。

 

 別の手段で殺さねばならない。

 

 ファイアイーターは長々と前口上を語りつつ、手にする錆びて折れた刀を、ゴブリン・シャーマンがそうするように、呪術的な……

 

 そう判断した時点で、ゴブリンスレイヤーは謎めいた超古代文明の最奥に築かれたゴブリン集落を膝下まで沈める、海水へと身を潜らせた。

 周囲はその大半が何らかの超自然的な事情で水没しているのだ。

 

 直後、粉塵爆発じみた、広域に渡る炸裂。

 

 すわ自爆か?

 無論、ゴブリンがそうと知って自らの命を削る、殊勝な真似をするわけがない。

 海水から身を起こし、目視。

 ファイアイーター、無事である。

 その身は自己を中心に解きはなった紅蓮を自ら喰らうかのよう。

 

託宣(ハンドアウト)が下った。

 いにしえの暗黒神は『状況判断が自慢のようだが、果たしてニンジャに勝てるかな?』と言っている」

 

「ゴブリンか?」

 

「神はゴブリンではない。

 いにしえの暗黒神……ニンジャマスター。

 ニンジャを創るニンジャ。

 そのお力の一端を私は授かったのだ!

 すなわちゴブリンニンジャなり!」

 

 ファイアイーターが長々と口上を垂れている間に、ゴブリンスレイヤーは準備を終えていた。

『こんなこともあろうかと』備えていた、《転移(ゲート)》の《巻物(スクロール)》である。

 ここでいう『こんなこと』とは、勿論、ゴブリンである。

 数百のゴブリンを統率する上位種やゴブリン存在の可能性を様々に考慮し、ここに至るまで必要と判断した手段を講じ、そして備えていたのだ。

 

 鉄兜の奥で、ゴブリンスレイヤーの赤い目が光る。

 

「馬鹿め。死ね」

 

 マジックスクロール発動!

 鋭利な水圧!

 

「イヤーッ!」

 

 ファイアイーターは側転回避!

 ウォーターカッターがその回避に追従!

 

「イヤーッ!」

 

 ファイアイーターは側転回避!

 ウォーターカッターがその回避に追従!

 

「イヤーッ!」

 

 ファイアイーターは側転回避!

 ウォーターカッターがその回避先の更に先へ先行!

 

「イヤ……ヌウーッ!」

 

 ファイアイーターは避けきれず、錆びて折れた刀で水圧を受ける!

 ゴブリンスレイヤーは、異常とも言えるゴブリンへの深い観察力で、ファイアイーターの回避の癖を読み取ったのだ!

 SPRASH! テッコ無残! 錆びて折れた刀無残!

 

「グワーッ!」

 

 鋭利な水圧!

 ……だが、ここでスクロールの発動時間が終わってしまった。

 その胸に鋭利な傷跡こそ残したが、切断しきれていない。

 ファイアイーターはまだ生きている。

 あるいは超古代文明の遺産がその威力を減衰せしめたのか?

 

 とまれ、並のゴブリンとは耐久力すら違う。

 ゴブリンスレイヤーの察するに、同程度のダメージをあと3度は浴びせねば殺せない。

 

「GOBUBUBUBU。オレサマ、耐えた。

 オレサマ、ツヨイゾ……完全にニンジャだわオレサマ……GO-BUBUBUBU!

 どうしたゴブリンスレイヤー! その程度か!

 今度はこちらから行かせて貰うぞ! イヤーッ!」

 

 ファイアイーターが真直ぐにゴブリンスレイヤーに駆け迫る。

 その速度、ゴブリンロードの3倍以上素早い。

 だが……単調な動き。

 例え見知らぬ魔術を使おうが、とてつもない身体能力を誇ろうが、流麗に言語を語ろうが、根本の部分ではゴブリンだ。

 

「グワーッマキビシグワーッ!」

 

 ゴブリンスレイヤーは既に非人道兵器マキビシ……ではなく、鋭く尖った小石を周囲に撒き終えている。

 ファイアイーターは大いに怯み、その動きを止めた。

『こんなこともあろうかと』備えていたのだ。

 ここでいう『こんなこと』とは、勿論、ゴブリンだ。

 ゴブリンスレイヤーは、なんらかの理由で生き残った可能性のあるゴブリンからの奇襲に備えていたのだ。

 

 ゴブリンは素足だが、ゴブリンスレイヤーはしっかりとした靴を履いているので無効。

 備えておけば生き延びることができるなら、備えない理由が無い。

 ひとつひとつの反省から、迂闊を修正しつづけ、小鬼殺し(ゴブリンスレイ)に向けて、その殺意が現実となるよう研ぎ続けたのだから。

 

「死ね」

 

「舐めるな! イヤーッ!」

 

 ゴブリンスレイヤーはファイアイーターの怯む隙をつき、そこらに水没している武器のひとつ……ショートソードを拾い上げて素早く投擲!

 ファイアイーターは足裏の痛みで回避できずだが、残る生身の腕でショートソードの柄を掴んで無傷! 後方に放り捨てる!

 

「お前が死ね! ゴブリンスレイヤー=サン!

 死ね! イヤーッ!」

 

 ファイアイーターは残る生身の腕で、何かを投げ返した。

 その鉄の十字星の名を、ゴブリンスレイヤーは知る由も無い。

 

 ニンジャの用いる暗殺投擲武器、スリケンである。

 

 ファイアイーターは超人的な腕の速度と謎めいた超古代文明遺跡内に漂う粒子を摩擦させ、魔術めいてスリケンをカラテ生成して投げつけたのだ!

 

 高度に発達したカラテは、魔法と区別がつかない。

 その錬金術じみた能力は、ニンジャにとってピックアップ記載すべき異能ですらない。

 

 例えゴブリンニンジャのカラテと言えども、革鎧程度ならば貫通し、鉄兜部分であろうと激しくめりこむ可能性大!

 

 どうするゴブリンスレイヤー! 天運に身をゆだね回避判定するのか!?

 それとも、どんな窮地にあっても一切天運に頼る事は無く……諦めず、対処しようとでも……言うのか!?

 

 繰り返し描写するが、ゴブリンスレイヤーがスリケンを人体急所に受ければ確実に死んでしまうぞ!

 

「……クッ!」

 

 果たして、ゴブリンスレイヤーは……ナムサン。身を捩り、咄嗟に小円盾を構えようとしていたが、スリケンの速度に追いつけず、その鉄兜のスリットの隙間に……入り込まず、しかし鉄兜スリット部位は激しくひしゃげていた。

 

 スリケン角度のほんの僅かなズレが、彼の命を救ったのである。

 

 彼は只人が天運に身を任せず成し得る、最善を尽くした。

 ゴブリンの体駆動から、何かを投擲する前動作と読んだ上での行動であったが、根本的な身体能力が違いすぎたのだ。

 

 ゴブリンニンジャは、ファイアイーターは、怪物(ニンジャ)定命の者(モータル)に理不尽な結果を突きつけた。

 

 仮にゴブリンスレイヤーに失敗があるとするならば、謎めいた投擲物の一投に耐え、その場に踏ん張ろうとしたことであろう。

 瞬間的に揺さぶられる衝撃で鉄兜内面に頭を打ちつけ、朦朧(スタン)

 立っていられず、思わず片膝をつく。

 

 ファイアイーターは足裏に痛みを感じながらも、マキビシめいた鋭利な小石を避けて、ジャブジャブと歩み寄った。

 只人の膝下まで水没している空間……ゴブリンであれば、腰回りまで沈む。

 

「いにしえの暗黒神よ! ゴウランガ!

 ファイアイーターはほとんどクエストをやりました! もっとパワを寄越せ!

 オレサマは最強ダ! なんでもできるンダ!」

 

 ガシリ。

 ファイアイーターは無造作にゴブリンスレイヤーの鉄兜を掴んだ。

 そして、腕力で、カラテで強引に引き剥がそうとする。危険だ。

 

 彼が身の安全のためにしっかりと固定した鉄兜を強引に引き剥がせば、ゴブリンスレイヤーの首が捻じ切れてしまうぞ!

 

託宣(ハンドアウト)が下った。

『これからお前の鉄兜を剥ぐんだ。良いだろ?』と言っている」

 

 もう駄目か! ゴブリンスレイヤー!

 悪辣なるゴブリンニンジャに尊厳を蹂躙され、屈してしまうのか!?

 無力であったあの頃のように!

 

「……もうちょっと勿体つけようゼ、ニンジャマスター=サン。

 オレサマ、生きたままコイツの全身の皮も剥ぎたいゾ!

 起きロ! ゴブリンスレイヤー=サン!

 生死の瀬戸際だゾ? わめケ!」

 

 コワイ! なんと邪悪で醜悪な笑みか!

 だが、ゴブリンスレイヤーは最後の最後まで諦めぬ!

 そのひしゃげた鉄兜スリット部位の奥で、赤い双眸が光った!

 

 




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