壊れてしまったレフィーヤさん~妖精は髪を切り、そして英雄に依存する   作:37級建築士

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ラブコメではよくある展開。本二次創作では健全なベルレフィを提供しています


(20) 暴走妖精レフィーヤ

    

 

 

 

 

 治療院の離れで過ごしていた日々、もう懐かしくすら感じる。壊れてしまったから、余計に過去のものと思えてしまう。

 

 あの奇妙な出来事が終わってから、結局僕たちは病室に戻り、そしてレフィーと僕の立場は入れ替わった。

 あれから、レフィーは手を繋がなくても精神は乱れることはなく、発作状態もは見られない。

 ただ、それでも精神状態が完全に戻ったわけでもないとの判断で今も同じ治療院でお世話になっていて、そして僕とは別室をあてがわれた

 

 日常は戻ったわけじゃない。以前と同じ、二人過ごす時間は継続している。僕とレフィーは部屋をまたいで日中も夜も共に過ごす。それが互いの精神的に良い作用をもたらすからと

 

 けれど、医者の言いつけ以上に、過度に接してくるレフィーは、本当に言いつけだからなのか、わからなくなってきた。だって、トイレと入浴以外の時間は帰れと言われるまで居座ろうとするのだ

 

 

『ベル、少し良いですか? 用、とくにないですけど、無くちゃダメなのですか?』

 

 

 傷だらけの僕と違ってレフィーは運動能力に問題はない。激しいのはダメだけど、普通に歩く程度なら、敷地内を移動することなら許されているのだ

 

 だから、誰もレフィーが僕の病室にいても指摘はしないし咎めることは無い。

 

 そして、そんなレフィーヤが日に日に妙な様子を見せていくことに、病院側は気づかない。それこそ、ことが起きるまで

 

 

 

「…………さあ、どうぞ」

 

 

 

「ご、ゴクリンコッ」

 

 

 

 

 ある日に早朝に、僕とレフィーが少し大胆な行為をしていたところへ

 

 

 

 

 

 

……ガララ

 

 

 

 

 

 

「朝の検査に来まし……は、はわわわわわわわ!?!?!?!」

 

 

 

 

 

 

……ビターン

 

 

 

 

 

 

 

「「………………」」

 

 

 

 

 

 

 扉を開けたアミッドさんがすぐに部屋から去った。

 

 当然、見られた恥ずかしさで互いに正気に戻り、結果僕たちはありがたいお説教を頂きました、とさ

 

 アミッドさん、すごく怖かった。けど、ずっと顔が真っ赤だった、あの顔は忘れられない

 

 

 

 そして、あの日以降からレフィーヤさんの暴走は明らかになっていく

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~次の日~

 

 

 

 

「ベル、服を脱いでください」

 

「……は?」

 

 

 昨日怒られて間もないのに、レフィーヤさんはまたも大胆にせまる

 

 

「えっと、あぁそっか」

 

 

 焦りながらも頭を回す。レフィーヤさんは僕に介助されていたころの恩返しをしようとしていると、そう推測できる。服を脱げというのも、きっと入浴の介助にちがいない

 離れで暮らしていた時は目隠しながら頑張って手伝った。きっと、その借りを返すつもり

 

 で、あればよかったのに

 

「……ベル、下の服を脱いでください」

 

「!」

 

「いいから、ほら!!」

 

 

 強引に迫り、そしていよいよ毛布を剥ぎ取りズボンを脱がそうとしたレフィーヤさん。とっさにナースコールを鳴らしてしまったぼくは、間違っているだろうか、間違ってないよね?

 

 

 

 

 

 

~そのまた次の日~

 

 

 

 

 

 

「昨日は、その……すみません」

 

「……はは、別に気にしてないです」

 

「気にしてない?……そ、それって私には興味がないって」

 

「ち、ちがいます!!」

 

 

 なだめようと言葉を繰り出すも、レフィーヤさんは焦って、動揺して、そして

 

 

 

「うぅ……ふぬッ」

 

 

 

「わ、レフィーヤさん駄目です!!」 

 

 

 

 脱がさない代わりに、レフィーヤさんは自分から脱いだ。

 

 ベッドの上に躍り出て、その場で入院患者服のズボンを脱いだのだ

 

 

「!」

 

 

……レフィーヤさんの生足ッ

 

 

 色白で、すらっと細くてけど柔らかそうな肉感もほどよくある。綺麗な生足とお尻のラインも!しっかりと見てしまった

 

「……上は、後のお楽しみです」

 

「アバババババババ」

 

「混乱しないで、ちゃんと見てください!」

 

 

 見てくださいと、その場で膝立ちになって、僕の上を跨いで迫る。近い、手を伸ばせば届く位置に、触れがたい神聖な光を見てしまった。赤色だった

 

 赤色のショーツ、かなり派手なものでした。ちょっと透けていて。凝視すれば見えてはいけないものが見えてしまいそうなデザインの、うん、よくない。これ以上は本当によくない!

 

 

「お、落ち着いてレフィーヤさん……えっと、ほら!これみて!!」

 

 なだめようとするも目の前の色欲に僕も混乱してしまった。だから何を思ったのか、傍にあるナースコールの紐を飛ばして、ベッド傍の机に置いてある果物を手に取った。バナナだ

 

「ほら、これ……ヘルメス様の差し入れで、いやぁ美味しそうですねぇ……うん、でも一人で食べるのは「わかりました、それを使えと!!」……もったいなくて一緒に食べ、いや違いますから……そういう変な意味は無くて」

 

 レフィーヤさんの手が僕のバナナを奪い取る。神速を思わせる早業で、その場でバナナの皮をむいて、実をあらわにして

 

 

「……ぁ、れぇろ……はむ、んちゅ」

 

 

「!?」

 

 

 何をしているんですか何をしているんですか何をしているんですか!!!!!

 

 

 

「ん……ぷは、ぁ……どう、ですか?」

 

 

 

「何がですか!!」

 

 

 

 意図が分からない。僕の目の前で、レフィーヤさんはバナナを口に加えて舐めまわして、そして聞いてくる。

 食べさせるならまだわかる。けど、どうして見せつけるのか

 

 

 そして、なぜ女の子がバナナをかじらず舐めまわす光景に、僕は目が離せないのか

 

 

 

……扉が開きそう、なにかよくわからない扉が

 

 

 

 聞こえる、どこかかなたよりお祖父ちゃんの声援が。

 

 

 

「……興奮、させるにはこれがいいと、本に」

 

 

「や、興奮なんて……しない」

 

 

「…………ふうん」

 

 

 

……ぐい、ぐいぐい

 

 

 

 

「やめてください!毛布をめくらないで! 確かめようとしないで!!」

 

 

 

 

「……ベル・クラネルッ」

 

 

 

 

 奇行が輪をかけてひどくなる。理由も明かさず、なぜか官能的に迫ってくるレフィーヤさんに、どうしてか冗談や気の迷いはなく本気の思いしか感じない。本気の感情、本気で無理して頑張って

 

 そうしないと、自分自身を赦せないと、そんな思いだけは、透けて見えてしまっている。見せつける色香以上に

 

 

 

「レフィ……どうして、そこまで」

 

 

 

 手にはバナナ、下はショーツ一枚。次に意を決してまたシャツのボタンを上から外し始める。下着はつけていないようで、レフィーの健康的で豊かな谷間がむにんと押し出てしまった

 

 止めないといけない。だけど止める言葉が安易なものしか思いつかない

 

 

「…………だめ、だよ」

 

 

「ちがう、これは必要なことです……だから」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…………がらららら

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「!」

 

 

 既視感を感じる展開、お見舞いの果物を入れた籠を掲げて、元気いっぱいに挨拶をするティオナさんが見えた

 

 そこへ続いて

  

「アルゴノゥトくーん、お見舞いに来たよーって……レフィーヤ?」

 

「なに? レフィーヤがいるのか」

 

「ちょっと止まらないでよ、入れないじゃない」

 

「……ベル、レフィーヤも何して」

 

 

 

 集う一同、皆はいるや視線は僕の目の前の素敵な艶姿にあつまる。

 

 手にはバナナ、胸元は開いて、そして僕のズボンを脱がしてパンツに手を伸ばそうとするレフィーヤを、見て、見てしまって

 

 

 

「だから、私とエッチしなさいって言っているんです!!!」

 

 

 

 

「——————」

 

 

 聞いてしまった。聞き間違えだとか、誤魔化しがいっさい不可能か範囲で、しっかりとそこ両耳で聞き届けてしまった

 

 

 響く乙女の声、しかして発した言葉はなんとも背徳感に満ち溢れている。それが、レフィーヤ・ウィリディスであるならなおのこと

 

 

 

 

 

「「「「…………」」」」

 

 

 

 

 

 そっと閉じられた扉、皆気まずそうな眼をしていて、うん

 

 

 

 

 

「…………ベル、よくも」

 

 

 

 

「え、いや僕止めようとしてましたよね、ね、ね!」

 

 

 

 

 

「あなたのせいです、この破廉恥ウサギ!!!」

 

 

 

 

 

「り、理不尽ッ!?」

 

 

 

 

 

 病室に響くのはよく通る破裂音。それは何時ぶりか、もう一月以上味わっていなかった、レフィーヤさんのビンタ

 

 頬を貫く痛みも、揺れる脳の衝撃も、全部痛烈で安定のレフィーヤさんだ。そうだ、思い出した、レフィーヤさんといえばこういうのだった

 

 

 理不尽この上ない痛み、ちょっと口の中を切って血の味もした。だけど、僕もいい趣味をしているのだろうか。この痛みに、どうしようもない懐かしさを覚えて、お腹の底からこみ上げる暖かさに頬が緩んでしまった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 夜も更けてきた頃、燭台に置かれた魔石灯のわずかな光で本を読んでいた時間

 

 ノックを二回、静まった時間だから、返事も小さく控えめに

 

 

 

……がら

 

 

 

「!」

 

 

 

 ゆっくりと引き戸を開けて、貴方は僕の下へと近寄る

 

 明かりが少なく、薄暗い中でそのゆっくりとした歩みは妙に雰囲気がある

 

 

 

 

「……レフィーヤ、さん」

 

 

 

 

「————」

 

 

 

 目を背けて、申し訳なさそうにうつむいたりと、少し痛々しい

 

 叫んでしまって、ほほの傷もまた開いてしまった日中。顔には大きく傷を覆うパットが張られなおしている。ガーゼを含んだソレは大きく、まるで殴られた傷があるようで、やはり痛々しいものがある

 

 だけど、それを補う以上に、美貌は変わらずそこに在り続けている

 

 

 

「————……ん」

 

 

 

 何も言わず、ベッドに腰掛けた。僕に背を向けるようにして、傷を隠す様にして横顔を見せる

  

 どう切り出せばいいか、わからないのか黙している

 

 そうして数秒が流れて、僕の方から何か要りだそうと思い、乾いた唇を湿らせて言葉を発しようとした

 

 けど、そんな僕にさせまいとして、レフィーは

 

 

 

「ぁ、あの!」

 

 

 

「……ッ」

 

 

 

「えっと、その……私」

 

 

 

 とっさで出した言葉に、先を続けるものが浮かばなかったのか消え入るように声が下がる 

 

 明かりが照らす頬は、明かりの出す色のせいだと言い訳できないぐらいに、その顔に恥じらいの赤色が灯されていた

 

 熱が抜けきれない。器用に話題も振れない

 

 

 

「……ベル」

 

 

 

 語彙は無く、名前を口にする。僕の名前を、呼び慣れた名前で、以前のフルネームではない呼び方で

 

 久しく、今だけレフィーヤさんの雰囲気があの離れで過ごしていた時に戻っている気がする

 

 

 

……もぞ

 

 

 

「!」

 

 

 

 言葉は出してない、けど差し出した手は動いている

 

 僕の右手、切断された指を固定する骨組みも外れて、今は包帯だけの掌

 

 感覚は鋭敏で、けど握力はまだ戻り切っていない。頼りないこの手のひらに

 

 懐かしい、レフィーヤさんの温度が戻ってきた

 

 

 

 

 

「……指、もう大丈夫なんですね」

 

 

「う、うん……痛くは、ないかな」

 

 

 確かめるように、指指とを絡めて、そして握り合う

 

 人差し指、中指、一本一本その細く綺麗な指先で絡みついて、握って、最後は掌の温度で包み込む

 

 

 

「……ッ」

 

 

 手を繋いだ。じっくりと、段階を踏まえて三分以上の時間をかけて、レフィーは僕の右手を掴んで、そして繋げた

 

 

「!」

 

 

 つなげた手のひらで、だいたいのことは理解できる

 

 手のひらは温度と一緒に心を見せる

 

 あの時と同じ、そう、こうして思いを悟ることができていた。無論全部ではないけど、恥ずかしさで言えない感情は、特にこれがわかりやすくて、単純だったから

 

 今は、これが最適解だ

 

 

 

「…………ッ」

 

 

 

 

 時計の針を見る。まだ日付を更新するのも早い

  

 夜はまだ続く。だから

 

 

 

 

「少し、夜更かしをしましょうか」

 

 

 

 提案、返答はいらない

 

 繋いだ手は、百の言葉よりも多く深く、思いを伝える

 

 

 

 

次回に続く

 

 




次回、ちょっと真面目に会話パート

クトゥルフ成分いっぱいやったぶんベルレフィ成分も補充せねば。栄養バランス大事




感想・評価等貰えれば幸い。モチベ上がって日々健康に過ごせます、たぶん、きっと
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