壊れてしまったレフィーヤさん~妖精は髪を切り、そして英雄に依存する 作:37級建築士
健全なベルレフィをお送りしたい
~ケヒトの治療院~
~離れの茶室→ベル達の新居~
星も瞬かない真っ暗な夜、離れの小さな小屋ではもくもくと湯気が煙突より漏れ出ている
湯を沸かし、家主たちは入浴を興じるとする。ただし、その窓辺からは一切の光は漏れ出ていない
……ン……ピチャン
水滴が垂れる音がする。湯船から湧き出る湯気が天井に触れ、そして水滴となって湯を穿つ。
そんな音だけがむなしく響く
「手を入れ替える時は言ってください。決して、離さないように気を付けます」
「……はい」
仕切りを二つ超えて、縁側の廊下を進んだ先にある更衣室に入り、扉を閉じた。
魔石灯のスイッチを切って、そうすれば暗くなって見えなくなる
目隠しはいらない。夜目も効かない曇天の暗夜だから、僕はレフィーヤさんを直視できる
見えない先にある、裸のレフィーヤさんを、僕は認識してしまう。想像しすぎないのは、なんとも難しいことだ
「……ッ」
……する
……ふぁさッ
………………カチ
「!」
布が落ちる音、そして聞こえた。金属の外れる音
フロントホック、そう言っていた。胸の形が崩れるのが嫌だからと、レフィーヤさんが言っていた
見えてくる。暗闇でも、その色と、デザインが見えてしまう。肉体的な目ではなく、心の目で見る光景にだ
肌色の上半身、形のいいその二つの膨らみ、わかっていても意識してしまうそんな部位。そしてそんな部位を守る装い
隠す様に守るように、包み込んで飾るライムグリーンのレース模様の布、形を保持して美麗な形状を保つ女性の秘すべき神秘。通常ならまともに拝む機会のないもの
だけど、その神秘は女性自らの手で、留め具を外し、肩紐をずらし、目の前で秘するべき脱衣の行為が営まれている
…………スルル
「……ッ」
つないでいない手から、まずは外して、すると自然に外れて、垂れ下がる
僕の手、レフィーヤさんの左手を掴んだ右手の甲に、ブラの紐の感触がこすれている。
ぶら下がっているのだ。レフィーヤさんのブラが、そして、今僕の目の前に
この見えない闇の先に、何ものにも隠されていない神秘の果実が、全て、露に
「————ン」
「!?」
声が上がった、甘い声だ。一気に、湿り気の匂いがする更衣室に花が咲いた気分になる。
本当に、気が狂いそうになる
「……すぅ、はぁ……うぅ……ッ、手を、おねがい」
「う、うん……右手、触るね」
見えない肌、触れて感じるのは手の感触だけ
それでも、聞こえる音は姿を脳裏に描いてしまう。上着のパジャマを脱いで、そして今は下着を、ブラジャーを外して、傍の籠へと入れていく
上はこれでもう何も身に着けていない。光のない空間で、貴方は僕の前で、肌を晒している
だけど、絶対に離れることは無い。こんなに異性が近くにいて、それでも指先はしっかりと絡まって、握って、求めるように縋りついている
自分に惚れた伴侶と勘違いさせる、そんな仕草を僕に見せる。魅せられてしまう
意図せずとも、レフィーヤさんが無意識に振る舞うからだけじゃなく、僕自身がレフィーヤさんをそう見てしまうのだ
忘れていたわけじゃないけど、それでも自分が盲目だったと内省してしまう。金槌で頭を強く殴られた気分だ
初めからわかっていたことだった。レフィーヤさんはとてもかわいい、魅力的な女の子なのだから、この結果は当然の帰結だ
「……下は、わたしでもできますから」
「そう、だね……えっと」
「恥ずかしいのは、我慢します……だから、あなたもできるだけ、想像しないでくれたら」
「そ、それはもちろん、努力するよ」
「……欲を言えば、鼻の穴も口も閉じてくれれば」
「レフィーヤさん、僕それ死んじゃうから」
冗談なのか、しかし声色にふざけた様子はない。ちょっと本気だ
「……だって、わたし」
「大丈夫、本当に見えてないし……変なことなんてぜったい」
「それは、信じてます……けど、でも……あ、その…………私、碌にお風呂使ってないから、変な匂い」
「……し、しないよ。大丈夫」
「あの、返答に妙な間が」
「…………べんべん」
気が触れてしまう。変な答えに、きっとレフィーヤさんは怪訝な顔をしているだろう。想像できる、容易なことだ
それにしても、匂いを気にしてないなんて、ないわけがない
…………言えるわけ、絶対にない
冒険者ならよくあること、高く成った体温とにじみ出た汗、それで異性の冒険者から漂う匂いが少し濃くなると、どうしても起きてしまうこと
すれ違い様、ふとした接近、異性の匂いにドギマギしてしまうのは、不可抗力の事故だ
部屋を暗くしてよかった。肌を晒らしたレフィーヤさんはイケない香りで、とても危険な魅惑の色香が常に漂っている
汚いとか、におうとか、そんな心配は全く持って杞憂だ
……汚いどころか、危険すぎるッ
「……なにか、隠してませんか?」
「な、なにも……べんべんッ!!」
「べんべん?」
戸惑い、震えている。衣類二つ脱ぐだけで大変な事態となってしまった
これで、まだ下二枚が残っているから、本当に大変な仕事だ
「…………ボソ(別に、本当はあなたになら)」
「?」
「あ、その……うッ 下、脱ぎますから……やっぱり、手伝ってください」
お願いします、頭は下げる代わりに、握った左手が僕の手に絡みついて、どこか媚を売るような触り方をする
拒むことは、できない。結局、いつものごとく、僕はレフィーヤさんの肌に、慎重に、壊れ物を扱うように触っていく
暗闇での着替え、これが連日続くと思うと、なんとも言えない心地だ。早く、慣れないと
次回に続く
以上、健全なお着換えでした。もっと匂いの感想を生々しく書くべきかと悩みましたが、さすがに駄目な気がしたので省略
次回入浴シーン、早ければ今日にでも投稿できるかもです。投稿しなかったら明日で