【完結】朝起きたら色綾まどいになってました   作:発火雨

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キーボードを新調したので、執筆作業が捗ります。
しばらくアメロッパ編が続く予定。


二人でデート アメロッパ到着

「どうも初めましてガウスコンツェルンの会長をしているガウス・マグネッツです、熱斗君こちらのお嬢さんを紹介してもらってもいいかね?」

「あっ、この人は色綾まどいさん、ネットエージェントで俺の先輩なんだ」

「ほほう、熱斗君が前に話してくれた優秀なネットエージェントさんだね、お噂はかねがね」

 

 突然のエンカウントに脳が追い付かないまま、自己紹介をされ手を差し伸べられる。

 

「ガウスさんとはアジーナ国の復興で向こうのスクエアに通ってる時に知り合ったんだ」

「立て直しのためのプランを色々練る中でやはり現地を自分の目で確かめておきたくてね、そこで復興の手伝いをしてる熱斗君に出会ったんだよ」

 

 あぁ、アジーナスクエアに熱斗君が何度も通ってたからその時に出会ってたのか、確かにガウスコンツェルンは今回のゴスペルの騒動でもいち早く寄付や支援を発表してたし。私と握手を交わしている間にも彼は熱斗君の方をチラリと見ながらニヤついた笑みを浮かべていた。

 

「しかし熱斗君も隅に置けないな、こんな美人とデートの最中とは私はお邪魔だったかな?」

「もう、からかわないでよガウスさん。それよりもなんでガウスさんがこんなところに?」

「ははっ、お忍びの旅行だよ。いつも仕事仕事の毎日じゃ息が詰まるからな、名目上は娘に任せている子会社の視察だが秘書も連れずに気ままな一人旅さ」

 

 朗らかに笑うガウスさんを見てると本当に楽しげな表情をしていた。大企業のトップという責任ある立場にいる人には見えないほど屈託のない笑顔を見せている。もしかして本当にゴスペルの関係者じゃない可能性もあるのか?

 

「ネットエージェントの評判は私の耳にも届いていてね、今度会社を通して科学省への支援を増やせないかと考えていたから、是非とも一度評判のあなたにお会いしたかったんだ」

「世界に名だたるガウスコンツェルンの会長さんにそう言って頂けるなんて光栄です」

「うん、熱斗君から聞いた通り素敵なお嬢さんだ。もし他の職場を体験してみたくなったらいつでも相談してくれ、君のような秘書がいてくれたら私も大助かりだ」

「ちょっとガウスさん、俺の前でまどいさんを引き抜かないでよ!」

 

 嘘か本気か分からない冗談を言うガウスさんに対して熱斗君は慌てていた。そしてそんな二人のやり取りを見つめても、とてもガウスさんがゴスペルの幹部で社会に復讐を企ててる悪人なんて思えない。

 

「いやいや、すまんすまん、歳を取ると若者をからかいたくなるものなんだよ」

「わかります、私も素直な熱斗君を見てるとからかいたくなりますから」

「ちぇ、なんだよ二人とも俺を子ども扱いして」

 

 頬を膨らませ不満げにしている熱斗君だけど、それがまた子供っぽく見えてしまう。まぁガウスさんくらいの歳から見たら俺だって小娘だろうが。

 

「熱斗君さえよければ私の会社に入ってみるかね、その時は将来の幹部候補生として娘を支えてやってくれたら嬉しいんだが」

「だめですよ会長、私の前で熱斗君を引き抜いたら」

「おっと、こいつは困った、相思相愛の若者を引き裂くのは並大抵の努力では出来ないからな」

 

 そんなこんなで話し込んでるうちに熱斗君が一緒にご飯を食べようというのでガウスさんを交えて三人でファーストクラスの機内食を食べることになった。話してみてわかるがガウスさんはとんでもないカリスマの持ち主だ。一代で財を成したことを鼻にかけず誰に対しても優しく接する姿勢に好感を覚える人はきっと多いはずだ。そして食事中も話題の中心になるのは常にガウスさんのほうだった。

 

「ほう、熱斗君の夏休みの思いで作りにアメロッパまで旅行かね、結構結構、若いうちの思い出というのは一生ものだからな。ゴスペルの事でネットエージェントとしての仕事も多いと思うが、遊べる時にしっかり遊んで学びなさい」

「うん、せっかく周りのみんながプレゼントしてくれた旅行だから目いっぱい楽しんでくるよ」

『本当はもっと学びの方にも力を入れてほしいんだけどね』

「ロックマンもまだ青いな、このくらいの年頃の少年はあっという間に成長していく、君が見ぬ間に大人の階段を駆け上がっていくさ」

「そうだぞロックマン、いつもよりボディが青いぞ」

 

 俺は聞き役に徹することが多かったけど、それでもガウスさんとの会話はとても楽しく有意義なものになった。社交的でウィットに富んだ会話術は勉強になることばかりだし、何よりも人を惹きつける魅力がある。もしこの人が敵だと思うと少し怖いな……。俺も悪党だったからわかるが、真に小賢しい悪党は正面から真面目に戦うようなことはしない。罠を張り、隙を読み、それを相手に悟られない。この紳士の顔の裏にはどんな顔が隠されているやら。

 

「それで、まどい君とは上手くいきそうかい?彼女は美人だしいつまでも子供に甘んじていたらすぐに他の大人に取られてしまうよ」

「ちょ、ま、まどいさんとはあくまで先輩後輩で、そんな関係じゃ……」

「一度きりの人生に歳なんて些細な壁さ、もし、良ければうちの娘とも会ってみないかい?ほら、結構な美人だろ」

 

 これはどちらか言うと孫と親戚のおじいちゃんみたいんだな。ってかテスラ・マグネッツの写真に見とれてるね熱斗君。もしかして年上のお姉さんがタイプ?ケロちゃんも年上だし、もしかして熱斗君の性癖ちょっとませちゃってる?

 

「うわっ、美人な人だね、ガウスさんの子会社で働いてるの?」

「あぁ、今は会社を一つ任せてるんだが生まれつき気が強くてね、男が寄り付かない。もしよければ熱斗君のような子が支えてやってくれたら私も安心してガウスコンツェルンを任せられるんだが……」

「あら、もしテスラさんと結婚したら逆玉の輿ね」

「二人ともからかわないでよ、俺結婚とかまだ早すぎるよ」

 

 照れながら否定している熱斗君だが、その様子だとまんざらでもなさそうな感じだ。まぁ、熱斗君はまだ小学生なんだしこれから色々出会いもあるだろう。そんなに人生生き急がなくても大丈夫だよ。どっちかって言うと俺の方が大変かも、女性の方が結婚するのって早いだろうし、俺もいつか男の人と結婚して家庭を持ったりするもんなんだろうか?

 

 そんなリアクションが可愛い熱斗君と優雅に食事と会話を楽しむガウスさんとの時間はあっという間にすぎ、いつの間にか目的地のアメロッパに着いてしまった。空港を出ると豪華な黒塗りのリムジンがガウスさんを迎えに来ており、俺達もそのまま乗ってはどうかと誘われたが、そこまで厄介になるわけには行かない。っていうか一応用心のためにも足取りとかは悟られないようにしたいんだよね。無駄かもしれないけど。

 

「それじゃあ二人とも、いい旅を。何か困ったことがあればいつでも頼ってくれたまえ」

 

 別れ際に名刺を渡され、そこにはガウスさんの名前と連絡先が書かれていた。熱斗君も俺もお礼を言いつつ頭を下げてその場を後にした。うーん、印象だけではやっぱりわからないな、一応警戒はしておくけど、ハイパワープログラムがすでに盗まれてしまってる以上、今後どのような形で関わってくるかわからない。

 

「それじゃとりあえず今夜泊まるホテルに行ってから観光を楽しみましょうか」

「世界オフィシャル会議って明日だもんね、でも俺たち呼ばれてないのに参加できるの?」

「いや、さすがに無理よ、でも色々情報は集まるだろうからそっちに期待ね。ホテルの方で頼んであるガイドが待ってるはずだから……」

 

 まぁ時間もまだあるしまずはお使いイベントをコツコツこなしていきましょう。ホテルに着くと熱斗君がまたも驚いてくれる。うんうん、サプライズって大事だよね。

 

「ようこそアメロッパへでマス」

「日暮さん、どうしてここに!?」

「ヒグレヤで小金が貯まったんでレアなチップを求めて海外遠征の真っ最中なんでマス、んでこの時期に二人が来るってまどいさんに聞いたから待ってたんでマスよ」

 

 何度か会うナンバーマンに日暮さんの予定を確認したら上手く会えそうだったし、せっかくだから会っておこうかなと思ってね。ゴスペルに関する情報とかはないだろうけど、初めての海外で知り合いに出会うと安心するし、俺も熱斗君もしばらく日暮さんと会ってなかったもんね。

 

「んで二人はどうしてアメロッパまで?きっとネットエージェント絡みのことなんでマスよね?」

「えぇ、実は明日から……」

 

 そんなわけで明日の世界会議には参加できないけど、一応そっちに関しては手を打ってるから暇な時間で観光ついでに情報を集めようかと思ってることを伝える。具体的には窃盗や後ろ暗いことにもつながりやすい裏通りに顔を出して情報を集めたいし、あそこのまとめ役のラウルさんにも一度会って話を通しておきたい。彼もこの後の会議に呼ばれてるし、オフィシャル所属する中でも良心的なネットバトラーだから今のうちに仲良くなっておくに越したことは無い。

 

「なるほど、それならアッシもいくつかお手伝いできるでマスよ、ラウルさんの所ならチップの商売でナンバーマンが何度かお世話になってるはずだから、先にアポを取っておくでマス。そっちはまどいさんに任せて、熱斗君はアッシと一緒に来てほしい所があるでマス」

「それは助かるわ、私もウラの伝手はあるけど、ナンバーマンみたいに商売して広げた真っ当なコネじゃないもんね。っで、熱斗君が必要で情報が手に入りそうなところってどこかしら?」

「今大通りの宝石店にネット商人の中でも有名なミリオネアさんが来てるのでマス、彼女も独自のウラの交流があるお方、もしかしたら何か役に立つ情報を持ってるかもしれないでマス」

「ねぇねぇ、なんで俺が必要なわけ?」

 

 疑問を浮べる熱斗君。そりゃ話についていけてないよね。

 

「有名な資産家なのよ、そんでもってお金持ちの所にはウラもオモテもこぞってお金が寄り添ってくるのよ、貴重な情報と一緒にね。そんな彼女が一番好きなのが……」

「自身を熱くさせるネットバトラーとのネットバトルなのでマス、きっと熱斗君とロックマンの熱い友情の絆があれば、何か聞き出せるかもしれないでマス」

 

 ってわけで俺と熱斗君は別行動して情報を集めることに、いやそれには全然問題ないし、二手に分かれて情報収集できることはありがたいんだけどさ。

 

「って言うかいつの間に日暮さん、ミリオネアと交流持ったわけ?」

「アッシもまどいさんのおかげでウラではそれなりに名の売れた商人でコレクターなんでマスよ。彼女とも取引はしてるし、うちの大口のお得意さんでマス」

 

 すげぇな日暮さん、むっちゃ優秀じゃん。いや、元WWWのメンバー二人がこんな風に成功しまくってるのって世間体的にどうなのと思わなくもないし、そりゃ良識あるオフィシャルからの受けが悪いわけだわ。




『アメロッパ編』
これから数話続く予定、原作とは違う進行の予定。
ちなみに行の飛行機でガウスとのエンカウントを終えたので帰りの飛行機での騒動はなし、マグネットマン戦はカットマンである。

『日暮さん』
『2』ではヒグレヤを閉めているので、このタイミングでだけ会える。原作では熱斗君とロックマンの喧嘩を仲裁したり、悪名高きプリズムコンボのフォレストボムのチップをくれるため、印象深い人。

『熱斗君』
原作ではスリに有り金奪われ、強盗に財布とチップを取られ、ホテルでパスポートを取られると小学生が海外でに降りかかるにはひどすぎるコンボを食らう。いくら何でも裕福な先進国から子供一人で海外だなんて怖すぎる。

今回はちゃんと大人と一緒だから問題なし、むしろ呼びつけたオフィシャルで出迎えとかしてあげなさいよ。

テスラ・マグネッツを見て綺麗なお姉さんだと思う。そして会えば気に入られそう。
この後ミリオネアにも会う。たぶん気に入られる。
プリンセス・プライドにもそのうち会う予定。

もう好きなタイプは年上のお姉さんとプロフィールに書かれるかもしれない。
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