私もメイルちゃんが好きなキャラですが、他の方のエグゼ二次創作でも鉄板のヒロインですし、他のキャラも割と熱斗君とのカップリングがあると思います。
なので私の書く作品では他所様であり得なさそうなカップリングに落ち着きました。
「まどいさん待ってて、今フロントに行って花瓶もらってくるから」
俺に花束と紙袋を渡した熱斗君はそのまま走って行ってしまった。俺はというと。
「あぁ~いい匂いがする、花束の匂いなんて普段嗅がないわよね」
鼻腔いっぱいに広がる甘い香りはそれまでの俺の気持ちをリセットさせてくれた。しばらくすると、フロントから借りてきたのだろう大きな花瓶を抱えた熱斗君が現れた。そして、その花瓶に水をゆっくりと満遍なくかけていき、最後に茎の下の方を持ってクルリと回して水の中で切り口を下に向けて固定した。
「じゃじゃ~ん、綺麗でしょ、プライドさんにこうしたら綺麗に花が咲くよって教えてもらったんだ」
そう言いながら熱斗君は得意げな表情を見せた。確かに、花は瑞々しさを取り戻しており、まるで太陽の光を浴びているかのように輝いているように見えた。
「こっちの紙袋も開けてみてよ!」
熱斗君に急かされるまま、俺は紙袋を開けると中には味がある画材が入っていた。そのうち一番大きなパレットを手に取るとそこにはメッセージカードが添えられていた。それを開くとそこにはこう書かれていた。
「いつも支えてくれてありがとう……光熱斗」
「へへっ、俺いつもまどいさんに支えられてきたから、何かお礼をしたくて、色んな人にも相談したんだけど、絵を描くまどいさんなら絵を描く物をプレゼントするのがいいんじゃないかなって思ってさ」
照れくさそうな顔をしながら頭を掻くその姿はとても可愛らしく見えた。
『まどいさん、ナンパされてた時画材屋さんの前だったでしょ、もしかして眺めてたのかなと思ったんだ』
ロックマンもよく見てるな、天真爛漫な熱斗君と、しっかり者のロックマン。この二人の関係もまた羨ましいものだ。
「それじゃ、せっかくのプレゼントだから、帰国したら早速これで描かせてもらうわね。そうだ、今紙とペンあるからお礼に二人の似顔絵を描いてあげるわ」
『よかったね、熱斗君』
「嬉しいけど恥ずかしいな……」
二人はそれぞれ違った反応を見せながらも喜んでくれたようだ。俺は熱斗君を座らせて鉛筆を走らせていく。二人が並んで座り、その様子を見ている姿を描きたいと思い立ったからだ。描き始めてすぐに分かったことがある。それは、やはりこの子達は似ているということだ。性格や行動こそ違うものの、根っこにあるものは一緒なのだ。
「ねぇまどいさん、まだ動いちゃダメ?」
『だめだよ熱斗君、モデルなんだからじっとしてなくちゃ』
「いいよなロックマンは別にじっとしててもなんともないんだから」
「こらこら、喧嘩しないの、それにもう楽にしてもいいわよ。もう完成が頭の中に見えてるから」
そのまま楽に姿勢を崩した熱斗君とロックマンはお互いに話し始めた。そんな二人を見ていてふと思うことがあった。もし俺があの日、光さんの誘いに乗っていなかったらどうなっていたのかということをだ。きっとカラードマンと二人で生きていくことはできたかもしれないけど、こんな風に二人と関わっていくことはなかっただろうし、何よりこうして絵を描いていること自体がなかっただろう。
「はい、二人とも完成よ、どうかしら?」
俺が完成した絵を二人に見せると、二人は目を丸くしながら見入っていた。まず最初に口を開いたのは熱斗君の方であった。その言葉には驚きが含まれていた。
「ねぇ、まどいさんこれひょっとして」
『もしかして熱斗君の隣にいるの僕?』
そこには二人の少年が描かれていた。一人はもちろん熱斗君であり、もう一人は紛れもなくロックマンである。でも違うのはネットナビとしてではなく、光熱斗の兄、光彩斗の姿が描かれているのだ。WWWを壊滅させたあの日俺は二人の関係を知っている立場にあるし、原作でもロックマンがヘルメットを外して熱斗の兄としてグラフィックが出てきてるのを見てる。俺が彩斗の姿を知っていてもおかしくないだろう。
『すごいよ熱斗君、まるで僕が本当に熱斗君の兄として隣に立っているみたい』
普段は割と大人びているロックマンもはしゃいで喜んでくれてる。よかった、喜んでもらえて。
「ありがとう、まどいさん、いつも俺たち二人を助けてくれて、本当に感謝してるよ」
「いいのよ、私にできることなんてこれくらいだもの、もうそろそろ私が出来るサポートも限られてきたし。ほら、最近熱斗君にネットバトルじゃかなわなくなってきてるし、本格的に裏方に徹しようと思ってたの」
なんだろう、若き才能に嫉妬とかもあるだろうに、熱斗君を前にしちゃうとそんな感情も消えてしまうんだよね。この隣にいて暖かくなる気持ち、将来熱斗君は数々の人たちとの縁を元にキズナ理論を導き出し、『流星のロックマン』の時代には歴史に名を遺す偉大な人物になる。
「あぁ、あのさ、実はまどいさんに渡したいものがもう一つあるんだ」
「渡したいもの?もう、いいのよ、こんなに素敵なものをもらってるんだし、今までだってたくさんの物を熱斗君から貰って来たんだから」
例えば俺の自由への切符とか、超優良な就職先とか。なんてのは照れ隠しも入ってるけど、熱斗君から貰ったものは数え切れない。むしろ俺がお返しをしなくちゃと頑張ってる状況だ。あんまりにも貰い過ぎるとシリーズが完結するまでに返せなくなっちゃうよ。君この後もたびたび世界を救うわけだしさ。
「そんなことないよ、俺、本当にまどいさんにはいっぱいいろんなことを教わったし、これからもずっと一緒に居たいと思ってるんだ」
ありがとう。そんな風に思ってくれてたなんて嬉しいよ。悪役から味方サイドに転身して、出来るなら近所の頼れるお姉さんポジションを狙ってみたけど、上手くいってるんだな。本当一時はどうなることかと思ったけど、なんだかんだ言ってカラードマンと二人三脚でここまで来れたし、きっと熱斗君ともこれからも同僚として過ごしていくんだろうな。
将来的にはネットエージェントも増えるだろうし、『4』からはメイルちゃんも戦い始めるから、もしかしたらそこで二人がくっつくかもしれない、他にも今日会ったプライドさんともお互いの初対面の感触は悪くなかったろうし、ケロちゃんともいい感じだ。俺ものこの後の楽しみは誰が熱斗君とくっつくことになるか見守る立場になるのかな、もしかしたら身近なお姉さんとして恋愛相談とかされちゃうかも。
「ねぇ、これ見てよ、ミリオネアさんに大切な人に渡しなさいってもらったんだ」
ロックマンが入ったPETのナビマークを外すと綺麗な青いリングが、そしてポケットから出した小さな箱を開くとそこにはピンク色のお揃いのリングが。なるほどこの二つはペアリングなわけだ、綺麗なピンクの色は彼のお隣に住む同級生の幼馴染を彷彿させるものだった。
もしかして早速恋愛相談されるお姉さんとしての出番が回って来たんじゃないだろうか。ちょうどアメロッパから帰国したらみんなへのお土産を買わないといけないって話はしてたし、本当は明日の飛行機までの時間で買おうと思ってたけど、メイルちゃんのためにわざわざペアリングだけ先に用意したのか。
やるな熱斗君。そんなの渡されたらそこでヒロインレースの決着が付いちゃうよ。色んな素敵な女性が熱斗君の周りにはこれからも集まってくるんだけど、まだ『2』の段階で決めにかかってくるのか。ちょっと小学生の段階でエンゲージリング送るとか将来を約束しちゃうとか早すぎる気もするけど、きっと熱斗君ならいい旦那さんに慣れるだろうし何の問題もないな。
「お、俺、実はずっと好きでした……」
これは俺も二人の愛のキューピッドとして結婚式には呼ばれちゃうなぁ。仕事の同僚だけどもしかしたら歳の離れた友人代表のスピーチなんかも任されるかも、あっ、でも俺ほとんどメイルちゃんと交流無いや、それじゃスピーチは同級生のデカオ君かやいとちゃんかぁ。
「歳の差があるかも知れないけど、俺自分の気持ちに正直になりたいんだ」
歳の差……?あっ、ひょっとしてケロちゃん!?まさか熱斗君の想い人はあの子だったの?確かに熱斗君は年上の女性に好かれてるなぁと思ってたけど、そういえばアメロッパに来てからもコソコソ通信してたし、俺の知らない間に二人で仲良くなったのか……。メイルちゃんには悪いけどこればかりは本人たちの気持ちが一番大事だもんな。ってこと俺がめぐり合わせたわけだから、俺が結婚式のスピーチを頼まれるわけか……。なんか自分が結婚するわけでもないのに、他人の式のスピーチをどうのこうのって考えるのって婚期を逃しそう。
「好きです、まどいさん。俺の気持ちを受け取ってください!」
あれ……、結婚式にスピーチとかじゃなくて俺が花嫁で出ることになりそうな展開……、って。
ええぇぇぇぇ! 俺!? 今、熱斗君に告白されたの!?
『熱斗君告白イベント』
恋愛相談に熱心に乗ったのはケロちゃん。チューリップの花束や画材を渡すことを演出したのは砂山ディレクター。現地で協力したのはプライドさん。たまたま必殺のアイテムを渡したのはミリオネアさん。
みんなに後押しされた結果こうなりました。
『ロックマンはどう思ってるの?』
色々考えてるが基本は熱斗君の気持ちが一番大事。でも自分の絵を描いて見らえたイベントで何があっても最後まで熱斗君を応援する気持ちを固める。
『当初のプロットでは』
実は熱斗君が一方的に恋をしているが、まどいさんは全然気が付かず、炎山君も交えて勘違い描写を描きつつ最後まで熱斗君をやきもきさせる予定でした。しかし予想以上の皆さんからの感想での人気っぷりに加え、タグに『おねショタ』を追加した時からプロットを変更しこのような形になりました。
『プロットのこぼれ話』
なんとなくの言葉の響きでチーム・オブ・ロックマンと書いたら、これまた予想以上の反応で、そのうえ支援絵まで頂きましたので、もう一度このチームを結成し出番を増やすことにしました。そのため、アメロッパでの事件二つを大幅に改変。のちの話のためにプライドとガウスの両名の出番が変更となりました。
(今エグゼ二次創作が増えてますので他の作品、頂いた感想、支援して頂いた絵などを見て私のプロットも色々変化しています。誤字報告や感想などたくさんの反応をありがとうございます、すべて創作の励みにさせて頂いております)