ニホンに無事帰国した俺はそのまま熱斗君に家にご挨拶、なんかもう本当にめんどくさいことにしてしまって申し訳ない気持ちでいっぱいで光さんとはる香に話したら、まぁそんなこともあるかって感じで割と流れちゃった。厳密には熱斗君がもし社会人になっても俺のことを好きでいて気持ちが揺るがなければもう一度告白するってことで落ち着いた。なので一応はカップルなのだけど(仮)が付くし、周りにあまり知られないようにしている。
こんなんでいいのだろうかとも思うけど結構倫理観とか元の世界とは違うので、改めて俺が違う世界に紛れ込んでるって実感してしまう。結構慣れたつもりなんだけどなぁ。
「熱斗があんまり無茶しないようにお願いしますね、後祐一朗さんのこともよろしくお願いします」
はる香さんもこんなスタンスなんで助かるのは助かるけど本当にいいのかなって思うけど、俺たちがアメロッパに行ってる最中に光さんが思いっきりオーバーワークしていたらしく、久々に怒ったそうだ。光さんも熱斗君が頑張ってるからと思って無理したらしいのだが、流石にはる香さんも堪忍袋の緒が切れて説教をしたとのことだ。
なのでせっかくのペアリングも見せびらかせるのもあれなので、お互いのPETの中に組み込む形になっている。
なんていうか個人的に熱斗君と付き合うことになったことに前世の倫理観から罪悪感を感じている部分があったけど、周りがあまりにも気にしてないのが逆に不安になるっていうか……。いや、この世界ではこれが普通なのか? でもやっぱり違和感はあるんだよなぁ。
ゴスペルのことに関して話を戻すと、いつまでも後手に回らないで先手を打っていきたいところ。なので原作知識のズルだけど、一足先にコトブキ町に目を付けて怪しげなマンションをピックアップ。電磁波も今はまだ環境に悪影響を及ぼすほどではないけど普通の住宅街には不釣り合いな数字を発する場所を特定。ご丁寧にそのマンションの住民データは全部偽造で周りの住民の避難と同時進行でマンションに突入する計画だったんだけど。
「まさかたかがマンションの電脳にここまでの戦力を持たせるとは……」
誰もいないマンションの電脳にプラグインしたロックマンとカラードマン。いや、もうゴスペルはマンションを本拠地だと隠す気も無いようで、とんでもない量のウイルスやナビたちが溢れかえっていた。ドリームビットを中心にしたウイルスの軍団に、かつてあっさりと倒されたゴスペルのナビたちが自立型ナビとして量産されてしまっているようだ。
「さすがにこれだけの数を相手にするとなると面倒ね、カラードマン撃って撃って撃ちまくりなさい」
『敵が多すぎて雑に撃っても当たっちゃうもんね!なんか最近の仕事こんなの多すぎない?』
「ロックマン、俺たちも負けちゃいられないぜ!」
『でも熱斗君、さすがに数が多すぎるよ』
もう敵さんまともに戦う気ないみたいだもんね、数で押しにかかってる。その数だってそんじょそこらのネットバトラーなんて軽く凌駕するほどの量だし、下手すりゃ軍隊レベルじゃないこれ? こっちもこっちでかなり厳しい戦いを強いられそうだけど、ここで負けたら今までの努力が水の泡になってしまう。それに無意味に俺たち二人でマンションに突撃したわけじゃないんだよね。
突然マンションの電脳に外部からのアクセスがあり、ネットワークが構築される。これで外部からの侵入もし放題。
『いやいや、まさか再びこんな前線に来ることになろうなんて……日暮様、無事ゴスペルの本拠地へのアクセス権を掌握しました』
『うおおぉ!ガッツマンも参戦でガス!』
「ガッツマンにナンバーマン!」
「ライバルの俺様を抜きにゴスペル相手に大立ち回りなんて抜け駆けは許さないぜ熱斗!」
「ってわけで今回も手伝いに来たでマスよ」
コトブキスクエアがゴスペルのネット上の本拠地として使われてることはわかってるんだから、炎山君に協力をお願いしてオフィシャルとネットエージェント合同でゴスペル壊滅作戦を実施!オフィシャルにも内通者いるかもだから炎山君が見極めた少人数しか参加できてないけどさすがは炎山君。まさに少数精鋭に相応しい部隊を用意してくれてすぐにコトブキスクエアを掌握してくれたみたい。
そこからゴスペルの電脳へのアクセスを可能にするのは科学省でハッキングを仕掛ける光さん率いるバックアップチーム。最前線で解析したナンバーマンからのデータを元にインターネット上からマンションの電脳に強制介入を試みる。これならわざわざ電磁波の嵐の中に身を置く危険を冒す必要ないもんね。
まぁ、俺と熱斗君は現地入りしてサーバーに直接アクセスしたり、色々しなくちゃいけないことが出てきちゃうんだけどね。でもネットエージェントのスーツは電磁波に対して対策もばっちりだから大丈夫!
「熱斗君、ここはみんなに任せて私たちはマンションの内部からサーバーにアクセスしていきましょう」
「って日暮さんにデカオの二人だけじゃさすがにきついんじゃ……」
いやいや、確かにコトブキスクエアの方はオフィシャルに制圧してもらったから侵入作戦には市民バトラーの日暮さんとデカオ君の二人に安全圏内からの協力をお願いしたけど、この二人だけが戦うわけないじゃん。作戦を電話した時から物凄いやる気満々で準備してくれてる子がいるのよ。
「ふん……、熱斗とロックマンに後れを取るな、いくぞブルース!」
『はい、炎山様。バリアブルソード!』
すさまじい勢いでウイルスもナビも片っ端から切り捨てるブルース。もう完全に熱斗君とロックマンと張り合う気まんまんなんだよなぁ。いやぁ、さすがライバル。デカオ君とガッツマンも相当強いと思うんだけど、それ以上に炎山君のライバル意識が強すぎる。
「それじゃ炎山。ここは任せたからな」
「お前に任される筋合いはない、まどいの足を引っ張るなよ!」
本当に仲いいな、まるでこっちの方が兄弟みたいだよ。
でも今回の作戦はオフィシャルも協力してくれるし何より炎山君が協力してくれるのがデカい、なんか知らんけどすごく張り切ってて、そりゃもう鬼神のごとく敵をなぎ倒している。敵が使ってくる量産されたエアーマン、クイックマン、カットマンなんてほとんど相手になってない。そういや苦戦したシャドーマンはコピーできなかったのか、出てこないし、ナイトマン、マグネットマンに関しても戦ってない。残すはコピーフォルテとフリーズマンくらいしか戦力もないだろう。
「それじゃ熱斗君、ササッとマンションの最上階を目指しちゃいましょうか」
俺と熱斗君はナビたちをプラグアウトさせてエレベーターに乗り込む。二階にしか上がれないけど、まずはここのサーバーを攻略するところからか……。
「よし、一気に行くぞロックマン!」
「負けてられないわよ、カラードマン!」
プラグインしたロックマンとカラードマン。実はエレベーターに乗ったあたりから電磁波の影響が強くなってるみたい。あんまり時間かけてるとロックマンやカラードマンだけじゃなくて俺の体もヤバくなる。でも、二人いるからサクサク進むんだよね、ほら、ロックマンが縦横無尽に突撃してる間にサーバーのコントロールをカラードマンで掌握して……。
『ふぃ!な、なにこれ!?』
『カラードマン!?』
突如カラードマンとロックマンの間に氷の壁が生成される。ロックマンは壁を破壊しようとバスターで攻撃するがビクともしない。
『残念ながらここで君たちの快進撃もおしまいとしよう』
うげっ、出て来たよフリーズマン。しかも上手いことカラードマンとロックマンを分断されちゃったし、こいつの氷を壊すワクチンなんて用意してないよ。
「くそう、ロックマン。なんとかして合流できるポイントを探すんだ」
「カラードマン、コントロールの方はどうなってる?」
『それなら、間一髪で何とかなってるよ、エレベータも上の階に行けるようになってるよ』
ってことはこんなところでロックマンが足止めされてる理由はないわけだ。よっしゃ、俺もここらで相棒としてやったるで!
「ここは私とカラードマンに任せて、二人は先に上の階に!」
こういう時に行く行かないみたいな押し問答も時間の無駄だから、熱斗君の尻を叩いて早いとこ行動させる。時間との勝負なんだから短縮できるところは短縮するのはRTAでも基本でしょ。
「さぁ、カラードマンとっととデリートして二人を追いかけるわよ」
『がってんだ~』
氷を身に纏い完全に時間を稼ごうとしてるフリーズマン。なんかごちゃごちゃ話してるけど、別に聞く必要とかないよね。適当に逃げる振りしながらタワー攻撃、そんで相手が油断してる今のうちにプログラムアドバンス準備。
「先手必勝!メガデスバースト」
フリーズマンを覆ってる氷を壊しながら誘爆し続ける爆風が直撃する。敵の攻撃はすべてが遅すぎる。こちとらロックマンに負け越してるとはいえあの情け容赦ない怒涛の攻めを毎回相手にしてるんだ。今更こんな攻撃喰らうかよ。
『さぁさぁ、氷の生成が追い付く前に、周囲に放ったタワー攻撃があんたに集約してるよ~』
適当に撃ちまくってるように見えてこっちのタワーはコントロールできるのよ。氷に引きこもってる動かない相手にタイミングよく一斉に当てるなんて簡単なお仕事なんだよ!
「ミッションコンプリート!」
『デリート完了!さすがの名コンビ、早いとこロックマンに追い付いちゃうもんね』
時間にして10分位かかったかな?早いとこ熱斗君を追わないと、エレベーターに駆け込んでお次の階へ。
かなり早い感じに動けてるんじゃないかな。フリーズマンも倒しちゃったし、後はドリームビットとコピーされた自立ナビくらいしか敵の戦力も残ってないだろう。気になるのはコピーされたフォルテくらいだが今更出てきても熱斗君とロックマンの敵にはなりえないだろう。
「全然いい感じじゃないの、今回の電撃作戦大成功ね」
『さすがまどい、年下彼氏が出来てノリに乗ってるね!』
いや、そんな風に褒められても困るんだけどさ。もっとこう頭がいい知略的な部分を褒めてほしいんだよね。それだと熱斗君を堕とした悪女みたいじゃん。いや、悪女ってより行き遅れにならなかったおばさんが調子に乗ってるみたいか……。どっち道あんまりかっこよくないな。
「ねぇカラードマンそれって褒めてる?」
『もちろん!まどいの将来が寂しくならなくて安心だよ』
ねぇ、それって本当に褒めてる?心配してくれるのはありがたいけど、それじゃ俺がまるで熱斗君が居なかったらお先真っ暗だったみたいじゃないか。いや、熱斗君が居なかったら再就職どころか今頃塀の中だったからある意味正解だと思うんだけどね。
『あれ、エレベーターってこんなに時間かかるっけ?』
「そう言われてみたら変ね」
ようやく開いた扉から出て窓の外を見るとマンションの一部が電脳化しているのが目に入る。っていうかすごく高い所にいるのね、まるで最上階みたい……。
『色綾まどい。君には一度会って話をしてみたかったのでね。特別に最上階までお招きした。どうか奥のサーバールームまで来て頂けるかね?』
うげぇ、エレベーターのアナウンスから妙に機械的な声が聞こえると思ったら、多分これゴスペル首領の声だ。
あぁ……、うん、認めよう。オレ誘い込まれちゃったわ。助けて熱斗君!また敵陣ど真ん中に囚われちゃったよ! 相棒のつもりがまた囚われのお姫さまポジションになっちまった。
『マンション襲撃』
敵の今後行動も本拠地もわかってるので電撃特攻します。なんでこのタイミングなのかというとようやくゴスペルに対してオフィシャルとの共同作戦の目途が付いたり味方の招集が完了したから。
『チーム・オブ・ロックマン』
今回も参戦、デカオも日暮さんも市民バトラーのライセンスを持ってるので当然参加。二人は科学省からプラグインしコトブキスクエアを経由してゴスペルの電脳入り口まで来ています。
現在の参加者は
ほぼすべての敵をなぎ倒しているブルース。
解析とハッキング担当のナンバーマン。
遊撃担当ガッツマン。
その他オフィシャルはコトブキスクエアに集まって来たゴスペルのナビやウイルスと戦闘中。