【完結】朝起きたら色綾まどいになってました   作:発火雨

49 / 68
ハーメルン楽しいモードに入っているので更新も早め。


N1グランプリ本戦直前

 いよいよ明日からN1グランプリの本戦が始まる。きちんと予選を勝ち抜いた者たちへ送られてきた招待状、もう熱斗君たら嬉しそうに自慢しまくるんだから、俺や光さんはもちろん、科学省のみんなで盛大にお祝いしちゃった。

 

「このまま世界一目指してガンガン行こうぜロックマン」

『任せてよ熱斗君、パパにも手伝ってもらったからコンディションは抜群だよ』

「ははっ、ここのところネット犯罪も熱斗のおかげでスムーズに処理できて久々に職員たちの時間が空いたからね、みんなで徹底的に詰めるところを詰めたから、これ以上ない仕上がりだよ」

 

 熱斗君があまりにもスムーズに事件を解決しまくるもんだから原作シナリオはもちろん、他の小さなネット犯罪も減少傾向にあるんだよね。もちろんWWWが諦めるなんてことは無いから嵐の前の静けさだと思うけど、それにしたって平和な時間が流れてた。おかげで光さんや普段裏方の科学省職員たちが張り切り過ぎちゃって、進んでロックマンの強化計画とか、熱斗君の訓練用のウイルスデータの用意とかしまくるもんだから、今のロックマン恐ろしい戦闘力してるんだよね、もう最強データって感じ。

 

「ふふっ、やっぱり二人とも男の子なのね、祐一朗さんもあんなにはしゃいじゃって」

「そうだ、明日はママにも熱斗とロックマン、そしてパパの頑張りの集大成をテレビで見てもらおう!」

 

 さすがに世界大会への興奮が抑えきれないのか、熱斗君とロックマンはまだしも光さんもどこか興奮気味、そりゃ世界の運命を背負ったりしないで平和の祭典としてのお祭り騒ぎなんだからこんな風にもなるか。

 

「ごめんなさいねまどいさん、二人を家まで送ってきてくれて」

「いえいえ、あのまま作業に熱中してたら科学省に泊まり込みそうな勢いだったので引きずってきました」

 

 二人とも集中し過ぎ。時計とか見てなかったんだろうな、大一番の前だからこそ家族で過ごしたほうがいいだろうと思って、男同士の楽しいコミュニケーションに熱中する二人を現実に引き戻し、研究室から叩き出したのだ。それでもまっすぐ家に帰るか不安だったのでわざわざ俺が自宅まで送り届ける羽目になってしまった。うーん、俺もお節介だよな。

 

「助かるわ、祐一朗さんも熱斗も集中して周りを見なくなるタイプだから、それに科学省に泊まることも時たまあるし」

「そうですよね、たまにはお父さんにべったりの時があってもいいけど、お母さんのことも忘れないでほしいですよね」

「ははっ、ママごめんなさい」

「は、反省してます」

 

 頭を掻きながら謝る光親子。ネットエージェントの仕事柄科学省フリーパスなので光さんの泊まり込みに合わせて熱斗君が泊まることも何度かあるんだよね、もう職員全員顔見知りだし、中々パパと過ごせない熱斗君のこともみんな知ってるから、たまにはいいんじゃないかって大人の本気で熱斗君用の泊まるスペースと許可を取っちゃったんだよね。

 

 なのでたまに熱斗君が泊まる日はちょっとしたイベントで、その日の泊まり込み勢はいつもよりもちょっと豪勢なデリバリーを頼んでみんなで食べるのだ。熱斗君はそのネットバトルの腕を認められてるってのもあるんだけど、科学省のみんなからはマスコット的な存在として可愛がられてるんだよねぇ……まぁ確かに熱斗君可愛いらしいもんな。特に年上のお姉さまたちに大人気、この年上キラーめ。

 

「それじゃ、また明日会いましょう熱斗君」

「まどいさんも明日は会場に来るんでしょ?」

「えぇ、会場で何があってもいいように現場のオペレーターとして待機してるの、だからテレビじゃなくて間近で活躍を見てるから不甲斐ないことしちゃだめだぞ」

「任せてよ、明日の目標はもちろん優勝だから!」

『今の僕たちなら炎山君とブルースにだって負けないよ』

 

 ってなわけで光家を後にして俺も家路につく。いやむちゃくちゃここんところ忙しかったけどようやく一段落ついたなぁ。さてさてこれからが大会も本番だ、事前に参加者も名簿でわかってるけどとんでもないことになっちゃたもんな……。おっと電話だ。

 

『まどいちゃ~ん、明日の準備はOK?明日は俺とケロちゃんと別行動で監視してもらうことになってるから、朝の打ち合わせの後は顔合わせて会うことも無くなっちゃうけど大丈夫?』

「もちろん、準備万端よ。絶対この大会を成功させてあげるから大船に乗ったつもりで構えてなさい」

『さすがまどいちゃん、まどいちゃんの乗る分にはクイーン・チェーコ号を用意しといたから楽しんどいで』

 

 そうなんだよね、実際船に乗るんだよね。大会の規模がデカすぎて予選突破者もまだまだ1,000人以上いるんだこれが、ここからさらに本戦前にふるいに掛けていく。その名もビクトリーデータ争奪戦。港に用意した船のネットワークは全部リンクしてて32個のデータを手に入れた者から勝ち抜けるサバイバル。

 

 本当面白いこと考えるよね砂山さん、これは俺が一般視聴者でも面白がって食いつく。

 本当WWWに入らなくてよかった。うちにWWWのスカウトのこと通報してくれたから正式に科学省で保護できてるし、それを踏み台に光さんに喰らい付いて交渉し始めた時の執念はすさまじかったもんな、こりゃ大会後万が一クビになっても科学省にすんなり入ってそうだな。なんか指揮官的なことさせたら上手そうだし。

 

 そんでもって翌日、俺は一足先にたくさんの船が並んでる船着き場でいち早くクイーン・チェーコ号に乗船。ネットエージェントの仕事として乗客やこれから行われるネットバトルに目を光らせる。

 

「さ~て、熱斗君もすごく強くなったけど、他の参加者も手ごわそう。いったいどんな戦いをしてくのかしら」

 

 おっと、いよいよ参加者たちが乗船してきた。俺がネットエージェントだってばれないようにしないと、特に不用意に声を出すとどこで誰が聞いてるかわからないから、なるべく通話も控えないと。一癖も二癖もある参加者たちに囲まれて船という密室空間で過ごすわけだし。

 

「うわっ、すげぇ、こんな豪華な船でバトルするのか!」

『熱斗君はしゃぎすぎ』

 

 あっ、熱斗君来た。初めて乗る豪華客船にテンション上がりまくってる。いや、これから始まるネットバトルに心ときめいてるのか?どっちにしても無邪気に笑ってる熱斗君いいね。もうこの歳だと小学生が楽しそうに遊んでるだけで微笑ましくて幸せになれちゃうんだよな。そんな彼と恋人ってのが倫理観的にどうかと思うけど、この世界の倫理感だから仕方がないよね。むしろオモテにあまり触れてない殺し屋の方が倫理観俺的にはしっかりしてたし。

 

 さて、他に目ぼしい参加者は……、居た居た。元同僚のヒノケンに原作知識的に怪しいガウス・マグネッツ。ヒノケンなんて正々堂々予選を突破しちゃったし、WWWに居た時の犯罪は全部不起訴になってたから一般人なんだよね今。勿論元WWWが参加するのはどうかって声がテレビ局側で有ったらしいけど、砂山さんの面白そうだから全然OKの一言でスルーされたんだよね。それに……予選の映像見るとかなり強くなってる。たぶん原作よりも手ごわいぞこれ。

 

 特に元同僚だから俺の事ばれたら絶対面倒臭いことになるから、この船に乗ってることばれないようにしなきゃな。

 

 あれ、熱斗君に話しかけたのはプライドさんじゃんか、そりゃナイトマンも勝ち残るよね。いろんな国から参加者が集まってるけど、文字通り国を背負える人と言ったらプライドさんとナイトマン以外いないんじゃないかな。

 

 そしてあんなにはしゃぎまわってた熱斗君がエスコートするようにちゃんと会話してる!そうなんだ、仕事柄年上の人と話すことも多いから、なるべく不快感を与えないようにってことで自然と身に付いて行ったんだよね。単なる敬語を使ってことじゃなくて、真摯に話す。元々根の善良な熱斗君がそれをやると気持ちよく会話できるんだ。そのせいで科学省勤務のお姉さん方にモテることモテること。受付の人なんて毎日元気よく挨拶されて笑顔を向けられるとそれだけで一日頑張れるとか言ってるくらいだ。

 

 熱斗君もなんでこんな年上キラーになってしまったのか、本当ならメイルちゃんとくっつくはずだったのに。俺は陰ながら強化しようとしてたからその影響で強くなって、ネットエージェントの肩書から大人と良く接するってのまでは理解できるんだけど、熱斗君の好みが年上になった件に関しては無関係だからなぁ……。本当にごめんなさいメイルちゃん。

 

 続いて現れたデカオくんとやいとちゃん。まさか二人がこの船に乗ってると思わない熱斗君は再びテンションが上がり大興奮。興奮でプライドさんを置き去りにしてるのは減点対象だから注意しようね。あっ、やいとちゃんがきちんと注意した、さすがお嬢様。

 

 うーん、世界一を決める大会で参加者もピリピリしてもおかしくないはずなのに、あそこだけ以上にのんびりしてるというか緊張感がないというか、てか同じ町の同級生が三人集まるとかとんでもないよな。たぶん砂山さんが参加者の乗り込む船を割り振ってるから仕込んでるんだろうけど。

 

 ってかやっぱり熱斗君注目されてるな、そりゃ優勝候補の一角だから当然か。

 

『ただいまより。クイーン・チェーコ号はN1グランプリ本戦会場、ジゴク島へ出航いたします』

 

 おっアナウンスも入った、いよいよ始まりだな。




『クイーン・チェーコ号』
『5』に出てくる豪華客船。
ジゴク島へ向かう船はいくつかあるがその中でも一番いい船。基本的に上客の組み合わせはランダムなのだが、一部の人間は砂山が意図的にコントロールしている。メタ的に言えばネームドキャラは大体意味があって集められてる。

『桜井メイル』
原作ではメインヒロイン、アニメだと他の女の子も魅力的でそれぞれ好きなカップリングはあるだろうが、それでも王道の根強い人気を持つ。

残念なことに本作作者がみんな書いてる王道ヒロインなら自分が書く必要はないと思うたちの人間で、人気のヒロインは他の作者様に任せマイナーなキャラをたくさん出そうという思想の犠牲になる。

レベルが上がったN1グランプリの一次予選敗退。出番がほとんどなかったので強化が入らず、まともな戦闘描写がそもそもなかったので(シリーズでは戦うのは『4』のみ)バトルの腕はBライセンス止まり。

敵味方強化されまくってるが、その波に乗れなかった不遇の子。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。