【完結】朝起きたら色綾まどいになってました   作:発火雨

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GWなので更新も多めでありたい。皆さんも楽しい休日をお過ごしください。
ちなみに作者はアドコレ持ってないです。一応ゲームはナンバリングのみプレイ済み


小学生相手に勢いで誤魔化す大人

 あれ、なんで熱斗君ここに居るの!?もしかしてここが原作初対面の場所なんだっけ?

 

「あれ?まどいさんじゃん、こんなところで何してるの?」

「い、いやぁ、ちょっとお仕事でね」

 

 水道局の混乱騒ぎに乗じてアクアプログラムを盗み出す算段だったけど、外部からのアクセスはさすがに難しくて現地入りすることになっちゃったんだよね。どうしよう、もうカラードマン送り込んで先に進んじゃってるし、ここで正体がばれるのは非常にまずい。何とか誤魔化さないと。

 

「やっぱり、まどいさんの仕事ってオフィシャルで、水道局の件を調べに来てた?」

「オフィシャル?私が?」

『あれ、違うんですか?僕たちとWWWのことも知ってたからてっきり』

 

 なんでオフィシャルだと思われてるんだ?別に成りすましたりしてないと思うけど、今回も臨時水道局員の偽造IDカードで侵入してるし。

 

「私の仕事はオフィシャルじゃないのよ、どうしてそう思ったの?」

「だってすごくネットバトル強かったし、日暮さんが言ってたよ、このチップの価値をきちんと把握できるのはWWWやオフィシャルみたいにチップに精通してる人じゃないとって」

『それに僕たちとWWWの関係も知ってたみたいだし、てっきりオフィシャルに僕たちの情報が出回ってたと思ったんです』

 

 あぁ、なるほどね。ってそれならオフィシャルの振りしたらこの場は切り抜けられたじゃん!あんまりにも熱斗君が素直だから、こっちまで素直な反応しちゃったよ。とほほ、俺って悪役向いてねぇな。そうだよな、元々根が小心者の一般人だし犯罪結社の構成員ってのが土台から無理があるよ。

 

「お姉さんの仕事は、ひ・み・つ!」

 

 ここはもう女の色気で誤魔化すしかねぇ、人差し指を口に当ててウインクしながら答えてやったぜ。これで落ちなかったらもう諦めよう。だが、そんな心配は無用だったようで熱斗君はあっさり納得してくれたようだ。なんか顔少し赤いけど大丈夫か?

 

「それよりもなんで熱斗君は誰もいない水道局に来たの?たぶんそのIDカードも自分のじゃないんでしょ?」

 

 そうだ思い出してきた。たしかパパのIDカードを借りてこっそり調べに来たんだ。そんでもって水は復旧できるんだけど、実はメインでどうにかしなくちゃいけないのは汲み取りプログラムじゃなくて浄化プログラムの方で、街中に汚れた水があふれてしまい二次災害に発展してしまう。

 

「……ごめんなさい、実はパパのカードを勝手に借りてきちゃったんだ。どうしても自分たちで調べたくて」

『調べようって言ったのは熱斗君じゃなくて僕なんです、ごめんなさい』

 

 どうしよう、すごく素直でいい子たちだよ。その素直さゆえに間違ったり騙されたりもするけど。できたらこの子たちに二次被害なんて起こして欲しくないなぁ。なんとかうまいことこの場を切り抜けて、熱斗君たちもいいようになる方法ないかな?

 

「うーん、どうしようかしら……?」

「あ、あの~まどいさん、怒ったりしないの?」

「怒る?確かに勝手にカードを借りたりしたのはよくないことだけど、私は熱斗君を怒れるような人間じゃないもの。それに誰かのためにここまで来たんでしょ、むしろお姉さんが褒めてあげたいくらいよ」

 

 そういうと少しおどおどした態度が一変、顔が和らいで笑顔になった。やっぱり子供には笑っててほしいよね。すると突然、通信モニターからアラーム音が鳴り響いた。これはカラードマンからのコールだ。まさかアクアプログラムが見つかったのか!?くそっ、タイミング悪いな!

 

『まどい~アクアプログラム見つけたけど、かなり厳重に管理されてるからもう少し時間かかりそうだよ……あれ、熱斗にロックマンなんでまどいと一緒にいるの?』

『カラードマンこそ、水道局の電脳で何か探してるの?』

 

 不味い、ここで捕まっちゃったらドリームウイルスが完成しないし、もしかしたら次の展開がもっと危険なものになるかもしれない。何とか自分が知る展開に軌道を修正しつつ、熱斗君たちの味方にならないといけない。少なくてもアクアプログラムは手に入れないと。こうなりゃごり押しパート2だ。

 

「熱斗君、よく聞いて」

「な、なにまどいさん!」

 

 少ししゃがんで熱斗君と同じ目線に合わせる。なるべく真剣で雰囲気が伝わりやすいようにしないと。

 

「本当は給水プログラムのバグなんかじゃなくて、浄水プログラムを狙ったWWWの作戦なの、そしてこの騒動を起こしてるのは水道局責任者の氷川清次さんと持ちナビのアイスマン」

「えぇ、じゃあ、あの人がWWWだったの!」

「ちがうわ、彼は息子さんを人質に取られて仕方がなく今回の事件を起こしてるの」

「そうか、それなら早く息子さんを助け出してこんなこと辞めさせないと」

『ちょっと待って熱斗君、なんでオフィシャルでもないまどいさんがそんなこと知ってるの?』

 

 そうだよね、知り過ぎてておかしいよね。俺もそう思うもん完全に知り過ぎてて怪しいもん。ロックマンのご指摘通り、でもごり押しで攻めるって決めたからこのままいくぞ!

 同じ目線で向かい合っていた熱斗君を正面からそっと抱きしめる。そのままロックマンにも聞こえないくらいの声で耳元で囁く。

 

「人質の息子さんは熱斗君の学校の生徒で、小学校の校門前の車の中に閉じ込められているはずよ。彼を助けて氷川清次さんとアイスマンを止めてあげて」

「な、なんでまどいさんがそんなこと知ってるの!?それにまどいさんなら自分でWWWと戦えるんじゃ……」

「私はだめなの……でもね、熱斗君。私はあなたの味方よ、この先どんな風になってもそれは変わらないから、あなたがWWWの野望を打ち砕くのを応援してるわ」

 

 自分でもむちゃくちゃ言ってるのはわかる。だって何一つ理論的に自分が味方ですって根拠がないんだもん、それに怪しさだって抜群だし。熱斗君も怒涛の展開でパニックになってるから。よし、もうひと押しで煙に撒けそうだぞ。

 

「私が助けてあげられるのもここまでなの、後は自分でどうにかしてね。熱斗君が無事でありますように、お・ま・じ・な・い」

 

 そう言って軽く頬にキスをする。ごめんねメイルちゃん、彼氏さんに勝手にキスして。でも頬っぺたに軽くだし、俺の保身のためにも、悪役のハニトラだと思って勘弁してくれ。俺が味方になれたら二人の仲を全力でサポートするから、たぶん熱斗君鈍感だし。

 

「え、え、え!?」

 

 顔を真っ赤にしてパニックな熱斗君を無理やりエレベーターに押し込んでこの階から遠ざける。少なくてもこれでアクアプログラム奪取の準備が出来るだろうし、俺が逃走ルートの仕込みさえすれば、あとは遠隔からの操作でカラードマンが何とかしてくれるはずだから、水道局からおさらば。

 

「がんばれヒーロー、みんなを助けてあげて」

 

 エレベーターに押し込まれた熱斗君が一瞬正気を取り戻したのか慌てて声を上げる。

 

「俺、ヒーローなんかじゃないけど、必ずみんなを助けるから!」

「熱斗君は私のヒーローだよ、次会う時は私を助けてね」

 

 今回のアクアプログラムさえ手に入れちゃえば、原作のバスジャックはドリームウイルス関係ないし、そんな事件起こさずに雲隠れしてWWWを熱斗君に倒してもらう。そして頃合いを見て影からサポートして好感度を稼ぎ、日暮さんみたいに熱斗君の主人公特性で改心した元悪役として何とか市民権を得ることはできないかな。

 正直バスジャックなんて怖くてしたくないし、組織に背いた後もオフィシャルに追われ続けるのも嫌だから、WWWを壊滅させる熱斗君に協力してなんとか捕まっても罪が軽くなるようにしないと。だから熱斗君、将来的には俺を司法の手から助けてくれよ!

 

『勝手に作戦の事話してよかったのまどい?それに光熱斗とロックマンって組織のブラックリストにこの前乗った子だよね。倒したら今回の件も合わせてSランクオペレーター間違いなしなのに……』

「いいのよカラードマン、今回で私のWWWとしての最後の仕事なんだから、たぶんWWWも長くはもたないわよ。最終計画だって失敗するだろうし、それなら終わった後のことを考えなくちゃね」

『えぇ、それってドリームウイルスが負けちゃうってこと、究極のウイルスなんでしょ!?』

「光熱斗とロックマンを敵に回したんですもの。運命には勝てないわよ」

 

 よし、早いとこ脱出経路に色々仕掛けて熱斗君と鉢合わせする前にこんな所おさらばだ。

 

『もしかしてまどい、あんな子がタイプなの?歳が一回り以上離れてるのに……』

 

 カラードマンが意味深に茶化してくるけど無視無視。熱斗君にヒロインのメイルちゃんがいるし、俺も30超えた、あの子たちから見たらおばさんだからな。もし転生したのが同い年位のレギュラーキャラだったらそんな未来もあったんだろうけど、色綾まどいじゃ無理だよな。

 

「無駄口叩いてないで、さっさとお仕事お仕事、早くしないと怖~いオフィシャルの凄腕が来るわよ」

『そっちも大丈夫、もうすぐセキュリティもどうにかできそうだから、脱出経路だけお願いね』

 

 俺とカラードマンも明るい未来のため頑張るから。熱斗君とロックマンも俺たちの明るい未来のために頑張ってくれ!




『色綾まどい』
原作をプレイしたのが子供の頃だったので細かい原作の動きは忘れてる。それに詰めが甘いし脇が甘いのは元々悪人に向いてないから。
原作を知るゆえに行動を縛られてるし、熱斗君もこういう者とある種色眼鏡で見てしまってる。ファンだからしょうがないね!
キスしたのもメイルちゃんに悪いと思ってるけど、最終的にゴールインするんだし、後でデートとかサポートするから許してくださいくらいに考えてる。

『熱斗君』
小学生なりに色々怪しさに気づいたけど、大人のお姉さんの色気に飲み込まれた。
この段階では世界も救ってないし、ただネットバトルが得意な小学生でしかないのに、すごく自分を評価しているまどいをどう思ってるのだろうか。
頬っぺたとはいえキスされるし抱きしめられるしで、ドキドキが止まらない。エレベータ内部でファイアマンよりも真っ赤になっている。

『カラードマン』
別にWWWに忠誠とかはなく、一番の優先順位はまどい。組織を抜けてもまどいと一緒に楽しく遊べるならそれでもいいかなって感じ。

『ロックマン』
弟を見守ってるお兄ちゃん。急に年上の女性にアプローチされてまんざらでもない様子に兄として複雑な気持ち。メイルちゃんの気持ちはもちろん知ってるけど恋愛って歳の差も関係ないし、最終的には熱斗君の判断を尊重できる。人間が、いや、ナビが出来た人。
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