エターを早くも疑われましたが、完結させたい気持ちはあるんです。
実は他所で書いてる小説の方を書きすぎていました。
探せばすぐに見つけられますがこことはテイストがかなり違うのでご注意を。
小説自体は書き続けていたので、今回少し行間の開け方を変えてみました。
前よりも細かく行間を開けてるんですね。
私は作品を書くのはPCで、見るのも基本はPCからなのですが今の人はスマホから見る読者さんの方が多いそうな。
私の書き方だと文章が詰め込まれすぎて小さい画面だと読みずらいとのご意見が他所でありましたので、スマホで読み人を意識して書き方を変えてみました。
小説の書き方も読みやすい形式を求めて色々工夫中です。突然変化する文章をご了承ください。
「ふん、ここまで勝ち上がった技量は認めよう。確かに一流のネットバトラーの腕はある」
「もう勝った気でいるのか、ずいぶんと余裕だな」
一方は世界の強者が集った大会の準決勝に勝ち上がった小学生、もう一方はすべてが謎に包まれた謎の人物。
会話こそ成立すれど、その瞬間も二人の操作するナビは激しい戦闘を繰り広げていた。
「今だ詰めろブルース!」
ノーマルナビのチャージショットを紙一重で避けたブルースが足に力を入れ踏み込めば、一瞬にして目の前にワープしたように観客たちには見えているだろう。
フミコミザンというバトルチップがある。そのチップはソードをベースに相手に急接近するようにあらかじめデータが組み込まれているが、炎山のオペレート技術とソード系の扱いに特化したブルースのポテンシャルがあれば、すべてのソード攻撃を任意でフミコミザンにすることが出来る。
「素晴らしい速度だ、しかし威力が足りんな。バトルチップ『ドリームオーラ』」
「構わんブルース、そのまま攻撃だ! 『スーパーキタカゼ』」
ネットバトラーQが急接近してくるブルースに対して、今や入手困難で相場が上がり続けている最高峰の防御系チップを使うのと同じタイミング。
炎山はバリアを強制的に引き剥がすチップを使うと、ブルースの踏み込みに合わさるかのようにステージに一陣の風が吹き荒れ、ナビが纏ったオーラを吹き飛ばしてしまう。
「貴様が対戦相手によって使うチップを変幻自在に変えていることは対策を困難にした。しかし、ここ一番で『ドリームオーラ』に頼るのはここまでの試合運びでわかっていたからな、それに合わせてメタを張るのは当たり前だろ。そうやって対戦相手の弱点を突いてきたのに自分がやられる側になるのはそんなに珍しいか?」
ブルースがノーマルナビの懐に飛び込んだと同時に、ノーマルナビはチャージショットでブルースを迎撃しようとするが、その攻撃が届く前にブルースの太刀がノーマルナビにヒットしていた。
弾き飛ばされるノーマルナビ、ブルースは踏み込みによる追撃をせずにその場に腰を深く落とし、自身のソードを構える。
「そのままソニックブームで攻めろ。『イアイフォーム』や『シラハドリ』でのカウンターを狙うだろうが、斬撃に合わせたカウンターなど俺たちには襲るるに足らん」
ソード系のチップは遠距離から攻めるチップよりも攻撃力が高いことが多い、その分相手に近づかなければいけず、被弾の可能性も多くなる。
もちろんメリットも多いのだがそれだけをメインに見据えたカスタムのナビはここ最近では減少傾向にあった。
それこそが自分の周囲のエリアに飛び込んだ敵を居合切りで迎撃する『イアイフォーム』や、ソード系の攻撃に防ぎ自動的に斬撃の放つソニックブームを打ち出す『シラハドリ』といった対策チップの影響である。これらのチップの普及によりすべての攻撃をソードだけに頼ることは困難になっていたのだ。
もちろん、ここに来るまでにそういった対策をブルースに取ってきたナビたちは数多くいたが、そのすべてを炎山とブルースは跳ね返してきた。
『イアイフォーム』は接近しないと発動せず、使用中は足に力を籠めるせいで移動が出来なくなることから斬撃を飛ばす攻撃には無意味。
『シラハドリ』は斬撃に対してのソニックブームに対して、ブルースの踏み込みで逆カウンターを当てることで蹴散らしてきた。そのあまりの技量に発動者からはブルースがソニックブームをすり抜けたのように見えてきただろう。
「避けきれん! 『メットガード』だ!」
ネットバトラーQは対戦相手に合わせて使うチップを変えてきた。
多くのネットバトラーがある程度自分の戦略をベースに固定されたフォルダを使うのに対して、予選や本選の対戦相手ごとにカスタムし直したフォルダを使う彼は異質な存在であろう。
もちろん細かな調整は皆するだろうが、ネットバトラーQのそれは細かいなどというレベルではなかった。
対戦相手の正確な情報の把握、それに対して効果的なチップの選別、そして数多くのチップを手に入れる財力に使いこなす腕。
相手に対して対策を練る。当たり前のことだろうが、それが出来るネットバトラーは決して多くないのだ。
むしろ対策のために自分のスタイルに異物を混ぜればそれが自らの足を引っ張ってしまう。
だからこそ安易にソード対策をしてきた者たちはすべて炎山とブルースに打ち砕かれてきた。
「ここで『メットガード』……、避けるぞブルース!」
もしも『イアイフォーム』であればそのままソニックブームの餌食だったのだろう。
もしも『シラハドリ』ならフミコミザンで攻撃を躱された挙句、手痛いカウンターを食らっていただろう。
しかしネットバトラーQが選んだのは『メットガード』二ホンではありふれたチップでその辺の子供達でも日常的使っているものだ。
この大会でブルース相手にメットガードを使った者はいない。しかし、それが合理的で最も正しい選択だったと言える。
高速で飛来する斬撃のソニックブームとは違い、地面を這ってスローテンポで迫る衝撃波ではカウンターのために踏み込むタイミングが違う。
むろん、その程度の浅知恵は炎山とブルースには効かない。初見でも即座に『メットガード』の衝撃波のタイミングを見極め踏み込んできただろう。
対戦相手が『メットガード』をソニックブームに遠投し、タイミングをずらすという奇策をしなければ。
「子供は大人たちが思いもよらぬ手段で道を切り開くが、それは若さだけの特権ではない、重ねた歳月はこんな曲芸を可能にする」
「確かに、この程度なら技とは呼べず曲芸止まりだろうな」
無機質なネットバトラーQの変声機を通した声に挑発で返す炎山。
『メットガード』から放たれた衝撃破などブルースの機動力を捉えることなどできない、そのまま軽やかに回避行動をするブルース。
回避した先に命中するように予め撃たれていたノーマルナビのチャージショットに対して完璧なタイミングでシールドを構え防御行動を取る。
「止まり? 私の曲芸はまだ終わっていないよ」
「ブルース! 『メットガード』はまだ生きてるぞ!」
シールドを展開し、正面からのチャージショットは防いだ。
つまりシールドを構えていない正面以外は無防備をさらけ出したということ。
先ほどソニックブームと空中で衝突した『メットガード』は衝撃で弾かれ、ブルースの真後ろへと山なりに飛んで行った。
チャージショットの後に放たれたバスターはブルースの構えるシールドには当たらない。
外れた? 否、最初から当てるべき対象は構えられたシールドではなく、空中をゆっくりと落ちている『メットガード』
バスターの攻撃はブルースのすぐそばで衝撃波に変換される。
「ここに至るまでにネット掲示板で私のことを何と言ってるか知ってるかね。ウラのランカーたちに着けられる二つ名にあやかって曲芸師。ふむ、私の正体も知らぬ者たちの癖に中々本質を得ている」
喋りに興じて追撃をしないネットバトラーQ。
しかし、それは次の一撃を狙いすましているからに他ならない。
衝撃波を食らってなおシールドの構えを解かないブルース。側面に回り込むには時間が足りなすぎるし、ここで無意味にバスターやチップによる攻撃をしても弾かれるだけであろう。
ここはシールドの構えを解く一瞬を見極めそこを狙う。防御を解く瞬間とは一番のねらい目なのだ。
先ほど自分が『ドリームオーラ』を剝がされた時がまさにそれだ。
『スーパーキタカゼ』を使われることは予期していたし、それを使わせる目的もあったのだが、あまりに完璧なタイミングで差し込まれたものだから、ネットバトラーQの内心に驕りはない。
「私のナビのチャージショットは痛かろう、特別な改造をしているからね」
消えるシールドに合わせて完璧なタイミングで差し込まれるチャージショット。
これぞ何の変哲もないはずのネットバトラーが操るノーマルナビの特徴。
基本的に改造されたナビは特殊な攻撃をメインとしたものがほとんどで、ノーマルナビに標準で搭載しているバスターを使うものは少ない。
どんな時でもチップとは別に使え、癖がなく速度が速いことから光熱斗とロックマンが使うが、彼らはその特性を十二分に理解し、チップによる攻撃の補助や牽制に使っているに過ぎない。
ナビカスで強化しようにも、普通にチップを使った方が威力が出たり属性の恩恵が得られるため、あくまでもサブウェポン。
けっしてメインの火力にはなりえないはずなのだ。
「バスターの厄介さは誰よりも知っているさ」
チャージショットはシールドの内側に展開された『バリア』によってブルースには届かない。
シールドでネットバトラーQの視界を遮りあらかじめ用意していたのだ。
「ほぅ、ナビにカスタムして使っているシールドと別に『バリア』で防御を固めていたか、確かに効果的な防御手段だが今までの君らしくないな」
「俺はこの後戦う光熱斗とロックマンに勝ちたい。そのために奴らの研究は欠かさないし、優れたオペレーター技術やコンボは積極的に取り込んでいる。俺らしくないというのはお前のもっている情報が古いにすぎん。俺たちは常に進化し続けている!」
息つく暇もない高度な戦い、この二人には観客の歓声も、放送席から流れる実況も聞こえていない。
「ずいぶんと光熱斗に入れ込んでいるのだな。世間ではライバルと呼ばれながらもここ一番で勝てないことがそこまで悔しいのかね?」
ネットバトラーの腕とはオペレート能力のみに非ず。
時にPETの外で行われる盤外戦にも対応できなければならない。
「今日ここで奴にも勝つのだから問題ない」
「しかし、世界の危機に対して君は何も出来ていなかっただろう。WWWの時もゴスペルの時も、この世界を救ったのは光熱斗とロックマンだ」
「その通りだ、だが、奴らだけに世界の命運を背負わせるなんてナンセンスだ。そのためにオフィシャルが、そして俺たちがいる!」
世界を救うために動いた英雄たちは多いだろう。しかし、最後の決戦を乗り越えたのは光熱斗とロックマンの二人だけだ。
炎山はそれが気に食わない、己の生涯のライバルと認めた男が、親友と認めた男が、隣に並び立ちたいと思った男一人に任せっきりなど。
「素晴らしい! だからこそ私たちがここにいるのだ。WWWとゴスペル、二つの組織から世界を守り抜いた光熱斗。世界はただ一人のヒーローなど頼るべきではないのだ、ましてや小学生の子供などにな。つまり君が光熱斗の代わりになることも私の望むところではないのだ」
「オペレートの柔軟性とは反対にどうやら頭が固いらしいな。個人の才能や努力で得た力は評価される、そこに年齢など関係ないはずだ。そのマスクの中は相当な年寄りなんだろう」
「君たちみたいな才能の塊で、未来が明るく輝く者には理解しづらいかもしれぬな……、そうだ、大人になるにつれ世の中に逆らわなくなった。運命だと受け入れた、自分はヒーローなどになれぬと、世界を脅かす悪役にもなれぬと、運命は決められていて逆らえぬと決めつけた!」
ネットバトラーQの纏う雰囲気が突如として変わる。
相変わらず声は変換され、歳も性別もわからないものだが、その言葉には熱が篭る。
「私は光熱斗を越えたい、ロックマンを倒したい、運命をねじ伏せられると証明したいのだよ!」
『……!』
「擬態したままでは炎山とブルースには勝つことは困難だ。それに彼らの信念は称賛に値する、ならばこそ見せつけろ!」
ノーマルナビの装甲に亀裂が入っていく。
黒き光が亀裂から漏れだし、ノーマルナビの装甲を剝がし取っていく。
「ようやく正体を現すのか、そのバスターの威力や連射性、ナビカスの拡張性や既存のナビの改造では再現できないものだ。どこの技術を使っているのか、この試合が終わったらオフィシャルとして聞かせてもらおうか」
ここまでノーマルナビの唯一の特徴といっていいバスターの性能。
それが既存の技術では再現できないものということは、試合を見てきた一部の科学者たちは知っている。
特にバスターの運用になれているロックマンを開発した光祐一朗すらも、同じ性能をロックマンで引き出すのは現状無理だと結論付けている。
「炎山、君はロックマンをどのくらい理解しているかね?」
「少なくても対峙した者として一番その力を見続けてきた」
剥がれ落ちた装甲の中から徐々に出てくるのは紺を基調としたボディ。
まるで見るものを怪しく誘い込むように模様が乱雑に引かれており、その腕や足には獣を連想させる特徴的な装甲が見受けられる。
「そうだ、ロックマンを正面から見続けてきたのは君だろう、開発した光祐一朗はそのスペックを誰よりも知っている。さて光熱斗はどうだろうか?」
「なんだと?」
ネットバトラーQの発言の真意がつかめない炎山は疑問を浮かべる。
確かに自分と、開発者である光祐一朗はロックマンをよく知る人物だろう。
ならば当然オペレーターの熱斗はロックマンを理解している。
むしろ戦う相手よりも、開発した科学者よりも、光熱斗はロックマンの性能を引き出すことが出来る。
「ロックマンエグゼ……、確かに君のような優秀でその力を知るオペレーターも、ロックマン本人が知らぬことも知り尽くしている光祐一朗も、光熱斗に比べればロックマンの力を発揮することは出来ないだろう」
「なっ、そ、そんなことがあるはずが……」
ノーマルナビの中から現れたナビは今までに見たこともないナビである。しかし、炎山は驚きを隠せない。いや、実際に対峙しているブルースも、それを見つめる観客たちも、ロックマンの生みの親も、ロックマンを兄と慕うオペレーターも、そしてロックマン自身も。
「光熱斗の知らないロックマンを私は知っている。これはバグスタイルと言ってね、先ほどまでの曲芸とはわけが違うぞ」
炎山とブルースにはわかる、ハッタリなんかじゃない、あのナビが纏うのは正真正銘強者のオーラ。
いや、いまだサイトスタイルと対峙したことはないが、それをも上回るのではないかと思わせられる。
「そうだ、仕切り直しだ。行くぞロックマン、バトルオペレーション、セット!!」
『ロックマン』
ネットバトラーQの持ちナビ。
ノーマルナビに偽装していた、異常なバスターの性能はバグスタイルの特徴。
無口で一言も喋らないが、その外見はあまりにもロックマンに酷似している。
『バグスタイル』
『3』でのみ登場するスタイルチェンジ。
本来はナビカスタマイザーでバグが発生しているにもかかわらず、戦闘を続けることでロックマンがこのスタイルに変化する。
毎回の戦闘開始時に良いバグと悪いバグが発生する。
良いバグは
「バリア100を標準装備」
「戦闘開始から約10秒間 無敵」
「カスタム画面で選べるチップの枚数が10枚」
「ロックバスターの性能が最大」
から2つ。
悪いバグは
「戦闘中にHPが徐々に減少」
「カスタム画面でHPが徐々に減少」
「上下いずれかに勝手に動き続ける」
「3分の1の確率でロックバスターが空撃ち」
から1つが、それぞれランダムで選ばれる。
実は空撃ちバグが選ばれると実機は不具合で空撃ちが発動しなくなる。
『アドコレ』では修正されていたが、この世界ではどうだか。
今回の56話、前回と見比べてどちらが読みやすいですか?
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前回
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今回
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さほど変わらず