去年はハーメルン投稿話数100ピッタリを記録しました。
また第一歩を踏みしめて投稿頑張ります。
読者様にとってもよき一年でありますように。
「N1グランプリも数々の名勝負を生み出してきましたが、残す所後一試合になってしまいました」
ついにここまで来てしまった。
まさか原作では中盤で終える程度のイベントだったはずが、こんなすごい規模になっちゃって。
「それでは決勝戦にコマを進めた、二人の選手を改めて振り返りましょう」
ケロちゃんもここまでご苦労様。
砂山さんが準決勝終えてから声が聞こえないから、大方殺到してる問い合わせに対応してるのかな?
「ネットエージェントが誇る世界一のスーパー小学生。光熱斗!」
歓声が沸き起こる、会場のボルテージは最高潮だ。
ステージには決勝に挑む二人と、アナウンサーのケロちゃんのみ。
今このステージには世界が文字通り注目している。
現地入りしてる人たちの視線はもちろん、カメラの向こうの電脳世界では、数えきれない視聴者がこの光景を見守っていることだろう。
ここがネットバトラーの最前線、砂山ディレクターの目論見通り、この大会は世界の命運を占うような規模の大会になった。
「ここで決勝前に一言頂きましょう、熱斗君意気込みはどうですか?」
今まで放送室にいたからわからなかったけど、ケロちゃんも少し緊張してるかな。
声が上ずってるし、さっきここに来る階段でこけそうになったよ。
まあ、この規模の大会を仕切るなんてなかなかできることじゃないだろうからね。
がんばれケロちゃん! 君は今輝いてるよ!
「相手が誰だってここまで来たら負けないよ、勝負だネットバトラーQ!」
一方の熱斗君は気合十分、緊張感もいい意味でしてないかな。
思えば熱斗君ってバトル関係だと全然緊張しないのよね。
一緒にいてお姉さん風吹かせてからかうと面白いように顔を赤くしてくれるから、ついついからかっちゃうけど、いざバトルに入ったらすぐに集中してとんでもない動きをしてくる。
本気モードの熱斗君とロックマンって本当にやばいんだよね、小学生とかそんなの関係なく、どんな相手にも食らいついて粘り勝っちゃうんだから。
「さて、今大会のダークホース。謎多きミステリアスな影、ネットバトラーQ!」
こちらも熱斗君ほどではないが、拍手喝采で迎えられた。
ネットバトルの強さはここまでで見せつけたが、その素性は一切不明な謎のネットバトラー。
ちなみに一部ではけっこうなファンが出来てるらしい、ミステリアスな雰囲気やその堅実な強さが人気の秘密とか、何が流行るかわからないもんだよね。
「いよいよ、決勝戦ですが一言頂いてもよろしいですか?」
「……」
何も喋らない様子にケロちゃんも困り果てる。
そりゃそうだ、準決勝でようやく機械加工された声を出して会話らしい会話をしたと思ったら、まただんまりなんだもの。
普通ならここでブーイングの一つも起きそうだけど、これがネットバトラーQのキャラクターだと浸透してるみたいで会場に特に変化はない。
でも相手が無言だとやりにくいし、会話の終わり時がわからないよね。
『はははっ、放送席から失礼するよ。喋らないネットバトラーQに代わって僕の方から決勝戦前に皆さんにご報告を』
突然会場のスピーカーから砂山ディレクターの声が流れる。
突然のことに会場は驚き、熱斗君とケロちゃんも驚いてる。
『準決勝での戦いからテレビ局のダイヤルはどこもパンパン、ネット回線もネットバトラーQの正体やナビについての質問がどしどし来てるぜ』
そりゃそうだ、炎山君を倒したこともそうだが、あの準決勝の試合は異常すぎた。
ロックマンの姿を模したナビ、使われたチップの規格外性、すべてが通常ではありえない。
『一般視聴者からの質問はもちろん、スポンサーや外部の人たちからも問い合わせが殺到してね。ちょいとこのままだと雇ってるウラランカーの仕事が増えそうだから少しばかり俺の口から回答させてもらうよ』
数が多ければそれも暴力になる。
一般のナビたちの質問はテレビ局のスタッフのナビで何とか出来てるけど、企業やオフィシャルの質問はスタッフでは対応できない状態になってる。
素性が知れなさ過ぎて、WWWの関与やバグの姿からゴスペルを連想するオフィシャルは一度ネットバトラーQを大会前に調査したいと、少々強引にテレビ局側に詰め寄ってる。
もちろん何かあれば大変だし、ここまでの徹底した情報規制に加えウラランカーたちと伝手がある砂山ディレクターを怪しむ声も出てきたのだ。
おかげで大会本戦とは別に大会の動向を探るオフィシャル、企業スパイに愉快犯たちを牽制するため、ウラランカーたちが睨みを効かせて一触即発の雰囲気らしい。
『勘のいい人は気づいているかもしれないけど、正体不明のネットバトラーQは俺が大会を盛り上げるために用意した腕利きのネットバトラーさ。むろんここまでの試合を見てきた皆さんは仕込みとはいえ確かな技量を持った人物だとご理解頂けると思う』
会場では大きな声が上がるが、決して落胆や批判ではない。
むしろこの規模の大会で、本当に得体のしれない人物など参加できないだろう。
ある意味大会を楽しんでいる人たちも、砂山ディレクターの仕込みだと理解しているのだ。
大会がここまで盛り上がった理由は、間違いなくネットバトラーQにあると、そして今その正体を暴こうとしているのだ。
観客たちのボルテージは最高潮である。
だがそんな歓声も砂山ディレクターのマイクを通す声によって静まることになる。
『仕込みとはいえ、ここまで情報を隠す必要があるのかと外部の声が煩くてね。だからこそここで宣言しよう、俺は外部圧力でネタバレなどしないぞ! 最高のネタバレはみんなで楽しむもんだ!』
会場に再び歓声が沸き起こる。
『一部参加者……いや本人の許可が取れてるから言っちまうが元WWW所属のヒノケンや、準決勝で見せたネットナビの操るバグに塗れたロックマンからゴスペルを連想する視聴者もいるだろう。現にウラの勢力が大会運営に関わってるのは周知の事実』
会場が一度静まり返り耳を澄ませる。
『だが、そんなの関係ない。みんなもN1グランプリの目的はご存じだろ。世界最強のネットバトラーとナビの決定戦、そこに求められるのはすべての戦いを制したという事実。そいつの過去も経歴もすべて無意味、すべてはみんなが見たかった最強は誰か知りたいという欲望なのさ』
静寂からの大歓声、砂山ディレクターの演説は大成功である。
ネットバトラーQの正体が何者であろうとも、この大会で最強を決めるという目的にブレはない。
そしてそれを理解しているからこそ、会場にいる観客たちも納得しているのだろう。
『とはいっても、このままネットバトラーQがだんまり決め込んだまま、対戦相手の宣戦布告も受けずに進むってのも面白くない』
あれ?
大会に疑問を持つ人たちへの牽制としては今の説明で十分だったじゃん。
まだ、何か話す必要あるの?
『みんなも心の底で思ってなかったかい、どうせ優勝は光熱斗なんじゃないかと。そりゃそうだ、世界の危機が二度訪れてそれを跳ねのけた英雄。世界は小学生に二度も救われたのさ』
おいおい。なんか変なテンションでエンタテインメントの魂に火がついてるっぽいぞ。
『そんな予定調和なんてナンセンス、俺のプロデュースする歴史に刻む大会にはそれ以上のインパクトが必要なわけよ。次も何か世界に危険が迫っても小学生が絶対に勝ってくれるなんて神話はみんなから捨ててやるぜ』
突如会場が暗くなり、スポットライトが熱斗君一人に当たる。
『これは世界最強を決める戦いでもあり、現時点での最強に挑む戦いでもある。子供が世界一なんて肩書背負ったまま、大人たちが負けっぱなしで終われると思うかい?』
スポットライトがもう一人の人物を照らす。
ステージにはこれから戦う二人だけが空間から切り離されたようだ。
『これは俺とネットバトラーQ、そしてウラ世界からオモテの世界の最強に向けての挑戦状さ。光熱斗、今一度問おう。俺たちの本気を受け止める覚悟は出来てるかい?』
ケロちゃんからマイクを向けられた熱斗君は、今までにないくらい真剣な顔で答えた。
「もちろんさ、誰が相手だって俺とロックマンは負けないよ!」
『その意気やよし! さぁ始めよう、N1グランプリ最終決戦。泣いても笑ってもこれがラストバトルだ!』
『いつの間にか準決勝が終わってる問題』
ここにきてカットされてしまった。
正直ネットバトラーQが勝つのは皆さん見えてた展開だったと思うので、負け描写はカットマン。
本当は負けて落ち込む炎山君の様子を見に来たまどいが、テスラ・マグネッツに一喝さて立ち直る炎山を見るイベントが挿入予定でしたが入れる隙間が見つからなかった。
炎山君のお相手の枠もメイルちゃんにはどうあがいても回ってきません。
『砂山ノボル』
準決勝で見せたロックマンの姿や闇のチップの影響でオフィシャルからの追及が厳しくなり、説明のために登場。
のはずだが、アドリブで喋れないネットバトラーQに代わり熱斗君に宣戦布告。
この大会で重要なのは過去ではなく、現在の姿だと熱弁。
元WWWのまどいやヒノケン、元ゴスペルのシュンと関わった影響もあるのかもしれない。
『ロックマンVSロックマン』
『1』『2』とラスボスを強化しまくってきた本シリーズ、ラストを飾るのはシリーズ最強のナビ。
『1』は強化されたドリームウイルス
『2』は宿命のライバルフォルテ
『3』のラスボスはその強さを誰よりも皆さんご存じの主人公である。
『ネットバトラーQ』
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