予定通り「朝起きたら色綾まどいになってました」シリーズは原作の『3』に当たる今回で最終回とさせていただきます。
当初は『1』で終わることも視野に入れていましたが、予想外の皆様の反応に支えられシリーズでもファンの多い『3』まで続けることが出来ました。
前書きにて感謝を書かせて頂きます
『ついに決まった! 栄えある世界最強のネットバトラーは……』
ケロちゃんの声が響く、大会の終わり告げる。
すべての決着はついて、大歓声が俺たちを包むが今の感情を一言で表すと疲れだ。
熱斗君とロックマンみたいにフルシンクロ何て出来ないのに、それに近いことをし続けたツケが回って来た。
脳内糖分が足りない、体が怠い、椅子があれば少し腰を下ろしたい……。
そう思った矢先、誰かが俺の体を支える。
自分よりも小さい体が俺の肩を支え、そのまま俺を何処かへ連れて行こうとする。
その誰かは俺の顔を見てニコリと笑うと、そのまま何も言わずに歩き続けた。
その後俺は医務室で目が覚めた、病気とかじゃなくて過労ですってさ。
念のためしばらくここで寝ているように頼まれた。
「いいじゃん、まどいさん働きすぎなんだし、ちょっとくらい休んでれば」
『熱斗君を見習っても困るけど、少しくらい休んだって罰は当たらないよ』
問題なのはここに決勝戦で相まみえた二人がいることだと思うんだよね。
ほら、表彰式とかあるじゃん。
『そっちの方も砂山さんが何とかしてくれてるよ』
ロックマンが医務室のテレビにアクセスして映像を流すと、会場では今までの戦いの総集編をケロちゃんと日暮さんが解説している。
「なんかまだまだお祭り騒ぎが続きそうだから、表彰までの間時間を作れそうだってさ。この後三位決定戦を急遽するらしくて炎山とヒノケンが張り切ってたよ」
とりあえず大会的にはなんともないってことだね。
いや、砂山さんマジ優秀だわ。
いきなり優勝と準優勝の目玉が舞台からいなくなったのに、きちんと大会を盛り上げてる。
「あ、あのさ、まどいさん!」
ん? どうした熱斗君。
そんな緊張したような面持ちで。
「じ、実は大会が終わったら改めて伝えたいことがあって!」
うん? 一体何だろう。
思えば大会期間中大会の予選と合わせて、ネットエージェントとしての仕事でフル稼働だったから、全然熱斗君と二人っきりで話せてないんだよね。
もしかして気を使わせちゃってたかな?
「えぇっと、その」
妙にもじもじとしながら熱斗君は何かを言おうとする。
あれ、もしかしてこれ恋愛的な奴か!?
もしかして大会も終わったし、勇気だしてお姉さんになにか伝える奴だ。
ど、どうしよう、戦うことばかり考えてずっと過ごしてから、全然こういうシチュエーションを想定してなかった。
一応年上としてエスコートしてあげたいというか、なんか申し訳ない気持ちもあるというか。
とりあえず、もうどうしていいかわかんない。
一人パニックになってたら、突然PETのオート電話が鳴り響く、誰か知らないがありがとう!
あっ、シュン君からだ、シュン君ありがとう!
『もう体調は大丈夫かい?』
「えぇ、おかげさまで、助かったわ」
『助かった? まぁいい、カラードマンの検査も終わったよ。特に問題は見られないが、あれだけバグ状態を長時間維持してたんだ。しばらく精密検査を続けたいところだね』
「そっか、本当に良く頑張ってくれたからね」
カラードマンのおかげでここまでこれたんだ。
ロックマンを再現するときも嫌な顔一つしなかったし、迷うオペレーターの背中を押してくれたナビだ。
今回ロックマンとしてオペレートしてきたが、やはり色綾まどい、いや、俺にとってのベストパートナーはカラードマンなのだろう。
『すまないが熱斗、君に会って欲しい人がいるんだ。少し時間を貰ってもいいかね』
「いや、俺今からまどいさんに大事な話をしようと……」
『フォルテを開発した人が是非君に会って話がしたいと言っているんだ』
そっか、そういえばコサック博士も熱斗君に会いたいって話してたな。
でもこのタイミングでなくてもいいのに、あっ、さては狙ってぶち込んだな。
『出来たら話をして欲しい、今後どこかでフォルテと相まみえることになるだろうからね』
内容的には全然おかしなこと言ってないけど、ちょっといやがらせが入ってるよね。
少年の嫉妬心ってところかな、いくら大人びてても中身はまだ子供だからね。
『とゆうわけでまどいの面倒は僕が見るから、安心して医務室を空けて良いぞ熱斗』
「あっ、卑怯だぞシュン!」
仲良くやんや、PET越しに喧嘩してる……。
そう思っていたら、医務室のドアが叩かれた。
お客さんかな?
「おぉい、過労でぶっ倒れたって聞いたから栄養ドリンク買ってきてやったぞ、ついでにドアの前で右往左往してたこいつもお届けだ」
「ま、まて、俺は医務室に入るなんて一言も……」
「おめぇだって、甘い物片手に入るタイミング決めかねてたじゃねぇか、こういうのはビシッと決めてすんなり入るもんなんだよ!」
ヒノケンに連れられて炎山君が入ってくる。
栄養ドリンクはわかるけど、炎山君が持ってきたのって結構有名どころのケーキだよね。
女子人気が高くて、中々手に入らない奴、見舞い品としてレベル高すぎない?
「これ中々手に入らない奴でしょ? よくこのタイミングで手に入ったわね」
「テスラの奴が女性への届け物ならこのくらい用意しろと無理やり押し付けたんだ、無駄にするわけにもいかないだろ」
「かぁ~最近の少年のお相手は、どいつもこいつも仕事の出来るキャリアウーマンなのかよ、これも時代の流れなのかね」
「ば、バカ言うな、テスラには世話になったが、そういう関係じゃ」
「なになに、テスラさんの差し入れなの、みんなで食べようぜ」
「お前宛のケーキじゃない!」
なんかさっきの甘酸っぱい感じが消え失せて、いつもの優しい喧騒が帰って来たみたい。
うん、これはこれで楽しいや。
「悪いわねヒノケン、炎山君も拾ってもらって」
「いいってことよ、いくらネットバトルが上手くたってガキだよな二人とも」
「そもそもなぜ貴様がテスラのことを知っている、大会での接点はほとんどなかったはずだぞ」
「お父さんのガウスさんに娘の下で働かないかって一度誘われたことが……」
「なに!? まどいというものがありながらテスラにまで……。よし今ここで俺たちの因縁に終止符を打とう。構えろ熱斗、ロックマン!」
『すまないロックマン、炎山様は女性関係で少々ヒートアップしやすいたちで』
『苦労してるんだね、ブルース』
ここ医務室だからね二人とも、ほら、ヒノケンも笑ってないで大人として注意したら?
人の恋路に首を突っ込むのは野暮だけど、燃える男は見てて面白いから放置だって?
そうですか、そうですね、この二人見てると面白いもんね。
とても世界救った小学生になんか見えないもん。
「とりあえず、表彰式には出れそうだし、早いとこ終わらせて次の仕事にかかろうぜ」
「あら、この後仕事なんて残ってたっけ?」
「例のフォルテって奴からコサック博士に連絡が来たんだってよ、その対策会議を科学省でするんだとよ」
そう言って懐から見せたのはネットエージェントの証明書。
「あぁ!? なんでヒノケンがネットエージェントに!!!」
「さっき光博士に会ってそのままスカウトされてな、これからは同僚だぜ、先輩さん」
あぁ、人が少なすぎるって愚痴ってたからヒノケンのことも推薦してたんだよね。
大会中は集中したいからってオファーを断ってたけど、まさか終わるや否やスカウトするとか光さんもフットワーク軽すぎるでしょ。
ってことは、この後はフォルテとご対面、一応WWWのことも気を配らなくちゃいけないけど、それ以外には特に何もなさそうだな。
あと大変そうなイベントといえば、プロト、デューオ、ネビュラグレイ、電脳獣……。
考えただけで頭痛くなってきた。
俺も頑張るけど、危ない所は頼りにさせてもらおう。
「熱斗君、これからもよろしくね!」
「うん、任せてよ、まどいさん!」
とりあえずこれで、ひと段落。
俺はこれからもこの世界で熱斗君たちと一緒に生きていく。
ハッピーエンドってことでよさそうかな。
秋原町の空中に突如電脳空間の乱れが生じる。
中から現れたのは一人の、いや、融合した一人と一匹の電波星人。
「ここが二百年前の世界なのか……」
『ゆっくり観光するわけにもいかねぇからな、早いとこ仕事片付けて帰ろうぜ、スバル』
『追加シナリオ』
今回でメインシナリオはすべて終了とさせて頂きます。
次回より『1』のリメイク『OSS』を絡めたオマケシナリオを展開していきます。
本編の遥か未来から見た現在の人々のその後を軽く補填する予定。
『N1グランプリの結果』
どっちが勝ったかはあえて明言しません。
『あとがき』
これにて本作のメインシナリオは終了です。
オマケを残しておりますが、メインの話は全て終えることが出来ました(完結はオマケ終了後に宣言します)
ここまでこれたのはすべて読んで頂いた皆様のおかげです重ね重ねになりますが、本当にありがとうございました。
残すオマケをお楽しみください。
実は他にも投稿してる作品もありますし、こっちが落ち着いたので新連載をしてもいいかなと思ったりもしてます
他の作品で私の名前を見かけた時はお手柔らかに。