【完結】朝起きたら色綾まどいになってました   作:発火雨

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宇宙と古代の浪漫

「現在確認出来ていないが、冥王星のはるか向こう側から小惑星が地球に接近しているらしい」

「便宜上小惑星なんて言ってるが、その正体はデューオって奴を乗せて宇宙を彷徨う巨大な宇宙船だ。俺たちの目的はそいつにアクセスして、200年後の未来で共闘を約束させることだ」

 

 シュン君の説明を補足するように、自分たちの目的を話すウォーロック。

 

「デューオって言うのは、宇宙を観測してるオペレーションシステムみたいなもんらしくてな。この時代のナビってやつらとは少し違って、俺たち電波星人に近い存在らしい。そいつが俺たちの時代で悪さしてる奴と唯一戦った存在なんだが、100年前に敗れてるってのがわかってる」

「なるほどね、だから彼と共闘するためにコンタクトを取りたいってわけね」

 

 それってつまり地球に来るデューオをどうにかしてくれるってことだよね。

 もう原作のシナリオとかとっくにぶっ壊れてる気もするし、未来の助けになるなら全然『4』のラスボスとか差し出すよ。

 

「姉さん理解が早いな。デューオって奴がこの時代に来ることはわかってるから、後はそこまで行く道をあんたらに作ってもらいたい」

「ご丁寧にこの時代で製作できる超遠隔赤外線通信装置の設計図も持ち込まれている。ナビを送り込むだけでオペレートは出来ない代物だが、彼らは熱斗のフルシンクロのように一心同体だから問題ないとのことだ」

 

 本来であればレーザー照射装置で小惑星の軌道を変える作戦をアメロッパ国際宇宙局、通称ANSAが行うのだがリーガルの工作で失敗。

 急遽ネットナビを送り込んで小惑星の軌道をコントロールする方向に変更したんだっけ。

 

「それって私たち個人で出来るわけ?」

 

 光博士はもちろんのこと、優秀な科学者であるリーガル。

 それに宇宙開発が専門のANSAや国が全面協力してどうにかできた地球規模の作戦のはず、いくらシュン君が優秀とはいえそんなことが個人の力で可能だろうか?

 

「私個人で出来るように、設計図からシステムのプログラムまで、すべてスバル君とウォーロックが用意してくれていてね。まったく、ここまでお膳立てされるとは……」

「この時代で協力してくれそうで、なおかつ歴史を変えないように気を使えるのはあんたしかいないって未来の奴らが託したんだ。必要そうなデータは全部持って来たぜ」

 

 すげぇなシュン君。

 もしかして俺が変にシュン君に干渉しちゃったせいで、熱斗君と並んで未来の歴史に名を刻む科学者になってるのかも。

 今の時代では彼の名前は表に出せないけど、遠い未来では功績がきちんと評価されるのか……。

 

「よかったわね、貴方の頑張りを時代が認めてくれることがわかって」

 

 なんか感動しちゃうな。

 こうしてちゃんと評価されて後世に残ることがわかってよかった。

 まぁ歴史改変って意味では、俺がすでにやらかしちゃってる気がするけどその辺は黙ってればさすがにスバル君やウォーロックにはわからないか。

 

「俺らからしたら過去なんだが、人間ってのはそう変わらないんだな」

「そうだねロック、いつの時代もキズナで人々は繋がってるんだね」

 

 未来から来た二人にはこの光景も何か考え深いものがあるのかな?

 キズナの力ってのが流星のロックマンのテーマだし。

 

 スバル君も熱斗君と同じくらいの歳だし、その相棒のウォーロックも親近感が湧いちゃうな。

 よし、少し揶揄ってみよう!

 

「スバル君には誰かいい人いないの? 主に女の子で」

「おう、こいつ案外モテるんだよ。実は今日タイムホールを潜るときに彼女に見送られてな。無事に帰って来てって抱きしめられながら言われて、顔真っ赤にしてたよなスバル」

「な、なに言ってるんだよロック!? 未来のことは慎重に話さなきゃダメだって出発前に散々言われたじゃないか!」

「これのどこが未来に影響及ぼすんだよ」

 

 わぁお!

 熱斗君とロックマンとはまた違ったコンビ。

 ウォーロックの自由奔放な感じも中々面白いな。

 

「うぉっほん! とんでもない説明をしたのにすでに両者とも打ち解けたみたいで結構。大事な話を進めてもいいかな?」

 

 シュン君が咳払いをして軌道修正する。

 

「実はシャドーマンとダークマンに依頼して、すでに必要な部品の確保を頼んである」

「あら、てっきり私がそっちの担当すると思ったのに。それじゃあ私の役目って光博士とのコンタクト?」

「いや、スバル君が持ち込んだデータが完璧だからな。私以外の科学者の手は煩わせないで済むし、何より他の人間には極力このことを知らせない方がいい」

 

 地球に小惑星が衝突しますよとか頭おかしい人だと思われるもんね。

 ってかまだ誰もその予兆を感じ取れてないけど、感じ取れた人からすると、なぜ予知できたんだといらぬ疑いを掛けられそうだし。

 

「まだ地球上の誰もこの事実に気づいてない。部品を集めてもらってはいるが、それが何に使われるかは彼らは興味もないし、他者に気取られることもないだろう」

「もしかしてポケットマネーで雇ったの? シャドーマンはわかるけど、良くダークマンが引き受けてくれたわね」

 

 たしか大会終了後にセレナードに挑んであと一歩のところまで追いつめたと聞いている。

 聞いているっていうか、セレナード本人が嬉しそうにシュン君話してたんだってさ。

 俺もそれをシュン君に聞いたんだけどね。

 

「新しい改造の依頼が来ててね。これがとんでもない注文だから金の代わりに依頼を頼んだよ。まったく、私のことをなんだと思ってるんだ」

 

 口調とは裏腹に嬉しそうに話すのは科学者として頼られてることへの嬉しさかな?

 正直にナビのカスタムという面において、シュン君って世界最高峰の科学者なんだろうね。

 

「さっき少し話に出ましたが、小惑星までの電波ウェーブ。つまり赤外線の道さえ作ってもらえたら後は僕たちがデューオと会って何とかしてきます」

「一応説得できそうなデータは持ってきたからよ、万が一聞き入れてもらえなかったら後は力づくで何とかしてみせる」

「ちょっとロック、仲間に誘うんだからもっと穏便に……」

「でも、力を示した相手の話しか聞かねぇらしいじゃねぇか。だったら手っ取り早く戦った方がいいだろ、ケフェウスを殴った時と一緒だ」

 

 なんだかんだ良いコンビだよね。

 引っ込み思案だけどきちんと考えるスバル君、それを引っ張って行動するウォーロック。

 もし俺が流星のロックマンの世界に転生してたら、彼らとブラザーバンドを結ぶこともあったのだろうか。

 

 いや、たぶん碌なキャラに転生してないような気もする。

 あんまり深く考えるのはやめておこう……。

 

「遥か未来の世界では宇宙人がいて、それが人間と共存している。未来ではナビという名称は無くなり、文明さえも変わったというがまるで変わらない物もあるのだな」

「シュン君って科学者にしてはロマンチストよね」

「未知のロマンを追い求めるんだ、科学者はみんなロマンチストさ」

「あっ、それわかります。僕も元々宇宙が好きで、僕の知る科学者の人もロマンを大事にしてますよ」

 

 なんかシュン君偉そうな外見に偽装してるけど、スバル君とキズナが結べてそうだ。

 ここで急に思いついたことがあるのでとりあえず本人に確認してみよう。

 

「私たち人間は無理だけど、ナビやロボットなんかを今のうちに用意して未来での戦いに備えるってことは出来ないのかしら?」

「いや、彼らの時代ではナビというのは名称だけでなく、存在自体も次の世代に形を変えて電波体として引き継いでしまった。ナビやロボットを今の時代から用意してもおそらく正しく継承されるのは難しいだろうね、そのために200年の時を超えて存在するデューオという存在を頼って彼らは時を渡って来たんだ」

 

 なるほどね。

 たしかに、仮に未来のための何かを残しても、それを正しく受け継いでいかないとスバル君たちには届かないし、下手するとそれがプロトや電脳獣のように誰かに悪用される可能性もある。

 遥か未来に何かを残すって大変だな。

 たぶん子孫とかに一子相伝で何か残しても時の流れに邪魔されちゃうんだろう。

 流星のロックマンで熱斗君の子孫とか影も形もなかったし。

 

「それで結局私の仕事って何? 宇宙に行くってわけでもなさそうだし」

「あぁ、デューオとの接触はスバル君とウォーロックが担当するが、超遠隔赤外線通信装置を誰にも感知されない孤島に運んで組み立てるのに結構時間がかかってね。その間まどいにはもう一つ未来の彼らの戦力になる存在を探してほしい」

「そのデューオっての以外に、スバル君のためになる奴がいるわけ?」

「はい、本来の歴史に影響を与えないで200年後の未来に僕たちのために戦ってくれる存在にもう一つ心当たりがあるんです。超古代から地球に存在し、僕たちの時代まで誰も干渉されることなく眠り続けてきた文明が」

 

 スバル君、それってまさか!?

 

「地球ができた頃から存在し、超古代文明に科学力を与え神と崇められた電波体。ムー大陸に眠るラ・ムーとその遺産を未来の僕らの手に渡るようにしたいんです」

 

 うぉっ、そこでムーが出てくるのか!?

 

「これまたとんでもない話だが、近年アメロッパ沖のシンク島に存在したと言われるアトランピア文明が発見され、そこにはネットワークが存在すると聞く。それにムー大陸が沈むとされる場所の地図や、内部の資料まで用意されては信じるほかない。超遠隔赤外線通信装置を用意するまでの間に、そこに侵入したいようだ」

「そうだぜシュン博士、俺たちはムーの内部まで入り込んだことがあるし、何だったらそこの文明のオーパーツも持ち合わせてんだ」

 

 なんていうか、色々詰め込みすぎて胃がもたれそう。

 アドコレをプレイ出来ないままこの世界に転生して、リアルにエグゼ世界を体験したけど、まさか『流星のロックマン』どころか、『L.o.N』のシナリオまで関わってくるなんて……。

 

 俺なんか呪われてない?

 熱斗君の代わりに肩代わりしてる説ありそう。




『超遠隔赤外線通信装置』
『4』で光博士とリーガルが開発したナビを小惑星に送り込む装置よりもはるか遠くまで電波体を送り込める装置。

未来の知識で、現在の科学力でも製作可能にまとめられた設計図をスバルとウォーロックが持ち込んだ。

未来の知識有とはいえ、シュン個人で製作できるかというと、設計図や理論がすでにまとめられてる上に、『4』の装置と違い、小惑星と地球を繋いでオペレーターをする必要がなく、流星のロックマンを送り込む道としての機能しか持っていないため、必要最低限の機能のみに簡易化されている。

いわゆる片道切符なのだが、流星のロックマンはすでに一度巨大なサーバーを持つ流星に一人アクセスした経験があるし、デューオのサーバーに帰還するための設備があることも確認済みなので、特に心配していない。

『ラ・ムー』
『流星のロックマン2』のラスボス。
地球が生まれた時から存在し、その力の恩恵を得た古代人はムー大陸を作り出した。
エグゼの時代にも存在するが、誰の目に着くこともなく。
200年先にドクター・オリヒメが復活させるまで眠りについているはずだが……

『アトランピア文明』
エグゼファンにも馴染みがない名前だろうが、ガラケー版エグゼのシナリオに登場した古代文明。
3000年前から存在し、現在と同じようにネットワーク文明が発達していた。

『L.o.N』
正式名称「レジェンド オブ ネットワーク」
エグゼファンやアドコレでプレイしてるファンにはなじみがないかもしれないが、カプコンがガラケー向けに配信していたエグゼシリーズの第二弾。
『6』発売から1年後に配信され、実は10年ほど遊べた。

この作品を書くために下調べや資料集めをする中で発見し、いくつかのプレイ動画がネットに落ちているので、興味のある人は確認して欲しい。

実は本作で名前が出てくる「ネットエージェント」とはアニメからの名称逆輸入なのだが、増加するネットワーク犯罪に対抗すべくネットパトロール組織を科学省が発足したのはこの作品冒頭、しかも実験組織のためメンバーは二人のみ。

つまりこの作品のニュアンスも少し頂いている。
科学省が独自にそう言った戦力を持つことの下地はきちんと原作に合ったわけである。
ご興味湧いたエグゼファンの方は、プレイできずとも当時の映像や資料を探せば見ることが出来るので是非楽しんで頂きたい。

エグゼは奥が深いですよ。

『あとがき』
エグゼ『3』で完結を宣言しておいて、とんでもない情報量をぶち込んでいくスタイル。
オマケとは本編クリア後に遊べる特典なので、ここまでご覧になっている生粋のエグゼファンたちのためのお祭りシナリオである。

クリアした後もゲームはもう少しだけ続く。
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