【完結】朝起きたら色綾まどいになってました   作:発火雨

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ムー大陸へ

 突然だが、エグゼの主人公である熱斗君とロックマンは本当にあちこちに行く。

 小学生だというのにそれこそ世界を股にかけて移動する羽目になっている。

 海外の大きな町から小さな村、挙句の果てにはロックマンなんて宇宙にまで行くことになる。

 

「まさかこんなところにまで来ることになるなんて……」

『すまねぇな姉さん。俺たちも電波変換して海底を泳いできゃいいんだが、さすがにムー大陸が沈んでる場所まで直行するのはきつくてよ』

 

 スバル君の片腕になっているウォーロックが字面こそ申し訳なさそうだが、そんなこと思ってないようにカラカラと笑いながら言った。

 

 今俺は潜水艇に乗り込んでスバル君とウォーロックの二人をムー大陸まで運ぶ仕事をしてる。

 ムー大陸の位置はわかるらしいのだが、そこに行くまでが大変だ。

 海底を泳ぐことが出来る流星ロックマンでも、一人でそこまで向かうのは体力的に難しいらしく、潜水艇で近くまで送って欲しいんだってさ。

 

 そんなわけでゴスペルの時にシュン君が所有していた潜水艇で海の底まで来ているのだ。

 

「まどいさんって潜水艇も操縦できるんですね?」

「いや全然無理よ、プログラム君とカラードマンに任せっぱなしだから暇で暇で」

 

 もちろん俺にそんな運転なんて無理よ。

 でもこの時代の乗り物ってほとんどが電子制御で、ナビとプログラムがあれば大抵のことは出来ちゃうんだよね。

 この潜水艇のプログラムはシュン君自作らしいし、カラードマンが優秀だってのもあるだろうけど。

 

 そして狭い空間で流星ロックマンと二人っきり、いやこの場合三人きりか?

 

「それで、ムー大陸ってのの近くまで行けば後は何とか出来るんでしょ?」

「はい、ムー大陸の防衛プログラムを無効化して僕一人が内部に入ります」

 

 沈んでるムー大陸は人がいないとはいえその機能は生きているらしく、この時代の人間には場所が分かっても中に入ることは愚か、それが超文明の物かどうかも判断着かないんだってさ。

 そう考えると色々とエグゼ世界にも謎が多いというか、ロマンが眠ってるというか。

 そもそもがムー大陸なんて創作の中で使われがちな、ロマンの塊だったりするもんな。

 

「シュン博士がまどいさんに任せたら安心だって言ってた意味が分かります」

「あら、そうかしら?」

 

 スバル君もウォーロックも未来人でシュン君を知っているからなのか、彼のことをシュン博士と呼ぶ。

 今は表舞台に出ることはなくても、いつの日か歴史に名を遺すってことだろう。

 勝手に一安心というか、彼の功績がきちんと未来まで残ることが少し嬉しかった。

 

「未来から来たなんて無茶苦茶なこと言ってるのに疑いもせずにこうやって助けて頂いて……」

「別に私は依頼としてあなたたちを送り届けるだけだし、秘密主義もウラの世界ではよくあることなのよ」

『けっ、お人よしだな。本当は俺たちが未来から来たこと確信してんだろ』

 

 あんまり未来のことを聞くのも良くないだろうし、適当に理由付けて流そうかと思ったけど、ウォーロックが鋭く突いてくる。

 

 だって原作知識として知ってんだもん。

 本当は疑った方が普通なんだろうけど、この二人はシュン君をそんな理論で納得させたんだから、何かしらの証拠を持ち込んでるんでしょ。

 だったら、もう何も言わずに協力しておいた方がいいよね。

 

「私よりずっと疑り深いシュン君があなたたちの身分を保証したんでしょ、それでいいのよ」

 

 そう言うとスバル君は納得したような顔してるけど、ウォーロックはまだ何かあるんじゃないかと疑った感じだ。

 野生の勘的なものか?

 

「シュン博士ってこの頃からそんなに優秀だったんだね」

『まったく、スバルももっと自信持て、この時代なら歳もそんなに変わらねぇじゃねぇか』

 

 こそこそと話してるが狭い船内だもんで丸聞こえだよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここが200年前のムー大陸……」

『俺たちが知ってるよりも当たり前だが綺麗だな、内部の防衛機能が働いてないせいで、中は静かでちょいと暗いが』

 

 今回僕たちがムー大陸に来たのは、ここに眠るムーで封印されているオリガ・ジェネラルとアポロン・フレイムが目的だ。

 彼らは200年後の未来では制御を諦められ、ムー大陸が復活した後も海底深くに封印されていたらしい。

 結局は僕たちがラ・ムーを倒したせいでムー大陸は再び歴史から姿を消し、彼らの封印を解くことが出来なくなってしまった。

 

『その眠ってる二体の電波体をあらかじめ違う場所に隠して、未来で封印を解くとはすげぇこと考えるもんだな』

「過去の時代のムーの力で、封印の鍵も複製して僕たちが未来に持ち帰る。まさかウォーロックが取り込んだオーパーツがこんなところにも役立つなんてね」

『何がどこで役に立つかわからんもんだよな、この後宇宙に行くのだって俺とスバルは一度経験済みだしよ』

「あの時は流星だったけどね、今度のは小惑星だから厳密には違うよ」

『どっちも似たようなもんだろ』

 

 幻のムー大陸も、宇宙にある流星に乗り込むことも、時を渡るのと同じくらい現実離れしてるよな。

 まさか全部経験することになるなんて、引きこもってたあの日には考えられないよ。

 

『うん、どうしたスバル?』

「う、うん、なんでも、ウォーロックと出会って色々あったなって思ってさ」

『何感傷に浸ってんだ。まだまだ仕事は盛りだくさんだぞ、早いとこ未来とのワープホールを繋げてムー大陸を操作してもらおうぜ』

 

 未来で解析されたワープホール技術で僕とウォーロックは過去に飛んだんだけど、ムー大陸の技術を使えば未来との通信網を作ることが出来る。

 僕にはチンプンカンプンで技術はよくわからないけど、博士に持たされたこのマテリアルウェーブを起動してっと。

 

「あんまりウォーロックもまどいさんに絡まないでよね、未来に何か影響があったら大変なんだから」

 

 この時代の協力者としてシュン博士と彼が紹介するであろう色綾まどいさんのことは未来でも聞いてたし、彼らにだけは正体を明かすことを決めていたけど。

 それでも不用意に発言して未来を変えるわけにはいかない。

 

『あの姉ちゃんなら大丈夫だと思うぜ、まぁ俺様の勘だけどな』

「確かに頼りがいもあっていい人だとは思うけど……」

『なんだ、惚れたか。彼女持ちの癖に他の女に現を抜かしてんじゃねぇぞ』

 

 ウォーロックが茶化してくるけど、正直言って色綾まどいさんに対してそういう感情は抱いていない。

 そりゃ綺麗な人だと思うけど、僕にだって好きな人はいるし、きちんと交際してるわけだからそんな邪な感情を持つわけがないというか……。

 

『自分の女の方がいいって顔に書いてあるぞ……はぁ、この時代の光熱斗て奴は会ってねぇが、どうしてどこの時代も世界を救うような奴は女に弱いのかね』

「わ、わ、わ、とにかくみんな待ってるだろうから早いとこワープホール繋ぐよ!」




『アポロン・フレイム&オリガ・ジェネラル』
流星のロックマン2の隠しボス。
どちらもムー大陸を収める電波の神、ラ・ムーが生み出した電波体。
古代ムー大陸の人々に「ムーの最高傑作」と評するほどであったらしい。
しかし、ムーの支配に従わず反乱を企て失敗、封印されることとなる。

本作の時間軸の流星のロックマンではオリヒメがムー大陸を復活させるときに、その危険性から封印したままにしていた、結果ムー大陸が崩壊してしまい、彼らも歴史の闇に葬られることに。
しかし、地球に存在する超強力な戦力のため、未来へとバトンを繋ぐため色々とこの時代で小細工をすることに。

この後元の時代に戻ったロックマンに拳による説得を受け仲間になる予定。

『星川スバル&ウォーロック』
ご存じ流星のロックマンの中の人で主役二人組。
時期的には流星三部作すべてをクリアして、『3』のウラボスに挑むところ。

何気にスバル君は彼女持ち、アニメ版ではモテていた熱斗だが、ゲーム中だと割とメイル一筋というか、完全にメイルちゃん一人ヒロイン。
しかし、流星のロックマンは委員長にアイドルという二人のヒロインが存在し、ゲーム中もモテてる描写が結構あるモテ男である。

誰が彼女なのかはそのうち判明。

『シュン博士』
未来から来た二人の帯広シュンに対しての呼び名。
未来では博士と呼ばれる存在になっているらしい。
ちなみに、今回使っている潜水艇はゴスペル時代に用意していた物。

『ワープホール』
わかりやすく言うと過去と未来を繋ぐ扉。
普通の人間は通ることは出来ず、データを転送するのが関の山なのだが、電波変換した流星ロックマンはここを通って過去へとやって来た。
未来でもすごい技術で、相当な科学力を持たねば作ることは愚か通信を繋げることも容易ではない、しかし未来の世界では流星ロックマンの仲間にはそれが出来る人がいるということ。

『マテリアルウェーブ』
いわゆるプログラム君を実体化して代わりに仕事をしてもらうシステム。
流星のロックマン2より存在。
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