【完結】朝起きたら色綾まどいになってました   作:発火雨

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資金獲得とサポートと

 さてさて、実は資金集めに関しては思いついたんだよね。ナイスなアイデアが。

 これが原作だと、街中の信号機をバグらせて事故を起こし、それを直すために法外なプログラムを売りつけようとして資金を稼ごうとするんだけど、実際に車同士の事故も起こっちゃうし、俺の罪が重くなるだけだからそんなことはしない。オマケにWWWの邪魔をする熱斗君の情報も調べあげて、メイルちゃんを人質にロックマンをデリートしようとするんだけど、結果カラードマンが返り討ちにあうんだよね。

 

「ふふん、これならWWWの任務もこなしながら怪しまれずに時間を潰せるはず、後は熱斗君が一日も早くWWWを壊滅させる日を待つばかりだ」

 

 俺が考えた作戦は、違う組織から資金を奪ってしまおう作戦だ。犯罪組織といえばWWWではあるが、のちのシリーズではネットマフィアゴスペル、ダークチップのシンジゲートのネビュラなんかが登場するように、ネット犯罪って奴はWWWの専売特許ではない。勿論ここまで大掛かりなことはしてないが、オフィシャルの手を煩わせる犯罪グループはいくつもあるし、時にはWWWのしのぎや縄張りで悪さをする輩だっている。そういう組織なら潰して資金を奪っても誰にも文句言われないし、WWWに対しても一応顔が立つ。

 

 そうと決まれば善は急げ、敵対する組織やちょっかいかけてくるおバカさんはこのネット社会困らないから、手当たり次第に潰しまくった。オフィシャル相手には隠れられてもこっちは裏社会の一大組織WWW。裏の情報網を駆使して、探し当ててとにかくデリート。カラードマンの特訓にもなるし、貯めこんだチップやお金はたんまりゲット。治安もよくなって被害者も減るしいいことづくめ。

 

 何よりも一番いいことは、あいつら困ってもオフィシャルに駆け込めないんだよね。一般人や企業を狙ったらオフィシャルが出てきちゃうから炎山君とエンカウントする可能性も出てきちゃうけど、犯罪者は誰かに助けを求められないから、潰しても潰してもノーオフィシャル!

 

『まどい~、かなりのチップが貯まったよ、ねぇねぇ、これ全部どうするの?』

 

 組織にある程度上納しなくちゃいけないけど、当然、必要経費としてお金は多めに懐に入れてるし、バトルチップだって自分で使いたいものや組織に渡すと不味そうなものは自分で選別して循環しないようにしてる。手に入れたお金やチップ以上に、WWWに歯向かうごろつきども、同業種のネット犯罪者たちからの妨害がかなり減ったから、これもポイントの高いところ。

 

「そうね、WWWに渡せない分もかなり溜まったからどこか信用できる筋に流したいんだけど、組織のネットワークを使わないでチップをさばけるような伝手なんて私持ってないし……」

 

 あぁ、どこかにいないかな、チップの販売ルートを持ってて、信頼できる人、出来たら裏社会の事情にもある程度精通してるような人だと助かるんだけど……、あれ?なんかぴったりの人に最近あった気がするぞ。

 

「それでアッシのところに話を持ち込んだでマスか!?いやいや、まさかまどいさんが現役のWWWのメンバーでしかも幹部だとは驚いたでマスが。それで、アッシをわざわざ頼ってくるってことは、ゆくゆくはWWWを抜けるってことでマスよね?」

「えぇ、一応幹部なんてやっちゃってるせいで日暮さんみたいに表の道に戻るのも難しいからね。今はなるべく組織の力を削いで、自分一人でも生きていけるように準備しなくちゃいけないのよ」

「WWWが長く持たないって思ってるってことでマスか?幹部の目から見ても」

「ううん、計画は順調に進んじゃってるし、私の工作なんて焼け石に水よ。でも熱斗君とロックマンがいるからね、いずれあの子たちにワイリーの野望なんて打ち砕かれるわ」

 

 もう決まりきってるからね。無論万が一が起きないようにサポ―トする予定だし。

 

「確かにあの子たちにアッシも救われた身、でもそんな大それたことを子供たちに委ねるなんて……」

「あら?WWWの団員として真正面から戦ったあなたが良く知ってるんじゃないかしら、あの子たちの純粋さと互いを思い会う絆の力」

 

 ストーリー上のご都合主義といえばそれまでだろうけど、きっと日暮さんの事件を解決したのがオフィシャルだったら、今こんな風にヒグレヤを経営して誰かに必要とされる生き方なんて出来なかったと思う。それだけ熱斗君の持つ光に救われたんだ。あぁ、俺も救ってくれないかなぁ。なんでもするからさぁ。

 

「まどいさんが直接サポートしちゃダメなんでマスか?ネットバトルだって凄腕だから鍛えて上げることも出来るし、このチップだって危険な橋を渡って手に入れて来たんでマスよね」

「私じゃダメなのよ、現役幹部の悪者だから、オフィシャルにマークされてるの。熱斗君みたいな将来がある子に近づけないわ」

 

 たぶん近づいたら炎山君にエンカウントしちゃう気がするんだよね。ほら、主人公とライバルだし。それにメイルちゃんにも悪いし、取りあえずWWWが壊滅したら、街の住民として楽しくお話できるくらいのモブキャラ的立ち位置が目指すところだからね。今あんまり近くにいるとリスクもあるしダメなんだよ。

 

「わかったでマス、それじゃまどいさんの手に入れたチップはナンバーマンの暗号回線を使ってヒグレヤで扱わせて頂くでマス。その中から熱斗君宛のチップはアッシからそれとなく渡す方向で」

「えぇ、ついでに、このチップ取引で得た利益はそのまま受け取って頂戴、日暮さんにも危ない橋を渡らせちゃうし」

「まどいさんだって組織内で個人的に使えるお金は多いほうが……」

「いいのよ、わかるでしょ、結構高給取りなのよ。それにもし利益が出て私に返したい気持ちがあるんなら、日暮さんの方で熱斗君に還元してあげて」

「わかったでマス、アッシの方でも熱斗君の力になれるように色々手は打ってみるでマス」

 

 さすが日暮さん、この人なら信用できる。それにシリーズ通して熱斗君が困った時に大人としてきちんと寄り添ってくれてたこの人なら、絶対こう言ってくれると思った。

 

「でも本当にいいんでマスか?味方だってこと熱斗君に伝えなくて、きっとまどいさんがWWWだと知ったら落ち込むでマスよ」

「いい女には秘密が付き物なのよ、それに、影ながらあの子を支えることは出来るわ。大人としてね」

「わかりました、アッシも大人として熱斗君を支えることをここに誓うでマス」

 

 よし、いい感じに進んでるぞ。これで手に入って持て余してたチップを熱斗君に渡せるルートが出来たし、人の良い日暮さんなら秘密とは言いながら良いタイミングで熱斗君に俺のサポートのことを伝えてくれるはず。これで会えなくても好感度を稼ぐフラグの設置も出来たし、リスクはあったけど日暮さんを頼ってよかった。

 

「それじゃオフィシャルに悟られないうちに私は帰るわね、後の連絡は暗号回線で」

「もし熱斗君が困ったことにあったら連絡するでマス」

「ありがとう日暮さん、お・ね・が・い・ね」

 

 よし、ミッションコンプリートとりあえず今できる仕込みはこんなもんだろう。活動資金もそれなりに集まって、敵対組織が大人しくなったから、次はいよいよエレキプログラムを狙うってエレキ伯爵が張り切ってたからな。俺はエレキプログラムが手に入ったらそのまま大人しく雲隠れしてWWW壊滅まで大人しくしてよう。熱斗君に情報も渡せるようになったしタイミングが良ければ、秘密基地の情報や秘密メトロのことも先に話してドリームウイルスをなる早でデリートしてもらおう。

 

 いや~、ブルースの時は予定外のことが起こり過ぎて一時はどうなることかと思ったけど、今日は全部予定通り上手く行ったな。もしかして色綾まどいの悪女っぷりも板についてきて、男をコントロールできちゃったみたいな、ぷぷぷ、そんなわけないか。わざわざスーツにメガネまでして変装してくる用心っぷりも俺の成長の証だよね!

 

 今日はカラードマンと目いっぱいお絵かきして遊んじゃおっと、最近仕事続きでお互い疲れちゃってたし、WWWからもしばらく予定を開けとくように言われてたから暇だもんね。

 

 この時の俺は知らなかった、日暮さんの人の良さと大人としての責任感の強さ、そして若者を導く元教師の腕前を。




『まどいのアイデア』
敵対組織から好きなだけ奪い取ろう作戦。WWWほどの規模の組織はないですが、いくつもの中小犯罪組織に喧嘩を売りました。WWWにとっても邪魔な側面があったので商売敵を物理的に潰しまわりました。

WWWの組織力が相対的にアップ、資金もそれなりに獲得。
お金やチップの一部はまどいからヒグレヤを経由して熱斗君に流れます。
多少私腹を肥やしてるのは見逃されてます。対WWWのための資金になってるとはばれていませんし、まどいが組織から見ても優秀なオペレーターだからです。

『日暮さん』
原作知識ありきですが、全編通して頼れる大人の味方。2で喧嘩した二人を仲直りさせたりと実は元教師としての適性が見えます。
今作ではまどいから犯罪組織がため込んでいたチップを引き受け、オフィシャルや犯罪者の手のかかっていないショップなどにさばいていく大役を受ける。利益は日暮さんの懐に入れてもいい契約なのだが、恐らく彼はそうはしない。
ついでにまだ役割がある人。元WWWの肩書で熱斗君のシリーズ通しての味方の立場が強すぎる人。

『熱斗君』
原作以上に手厚いサポートを周囲の大人たちがしてくれそう。メタな話だが、世界を救う主人公が自分のお小遣いでやりくりして戦い続けるのってすごい話だよ。
むろん、自分でウイルスを退治してお金もチップも稼いでるが、あくまで小学生が出来る範囲である。
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