【完結】朝起きたら色綾まどいになってました   作:発火雨

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実は結構な誤字脱字をやらかしてます。自分でも直してますし確認してるつもりですが中々見逃してて、いつも修正して頂いてありがとうございます、感想も励みになっていますのでこれからもよろしくお願いします。
あとがきで解説を毎回挟んでますが、感想頂けた中にも疑問ございましたらこっちで説明するかもしれません。解説好きなんですが、解説回だけだと本編更新楽しみにしてた人ががっかりしちゃいますもんね、


熱斗サイド ヒグレヤ

「おや、熱斗君、おはようでマス。珍しいでマスね、こんな早い時間から、まだ店だって開いてないのに」

「おはよう、日暮さん、実は相談したい大事な話があるんだ。お店の開店前なんだけど少しいいかな?」

『熱斗君、昨日からずっと考え込んでて、僕たちの周りで相談できるのは日暮さんしかいないんです。お願いします』

 

 俺は朝早くからヒグレヤの前に来ていた。そこにはちょうど店の前を掃除して開店の準備をしている日暮さんの姿が、丁度いいや、出来るなら誰にも聞かれたくなかったし、お店が開く前に相談出来るならそれが一番だ。

 

「アッシに相談?なんだかわからないでマスが、店の中で聞くでマスよ、掃除も終わったところだし、ほら入った入った」

 

 初めて入る営業開始前のヒグレヤの中、普段は子供たちで賑わってるのに今は俺とロックマンだけしか居なくて、いつもとは全然違う雰囲気だった。カウンターに折り畳みの椅子を用意してくれて、座ってるとお茶を出してくれた。そして向かい側に座った日暮さんは真剣な顔つきになって話しかけてきた。その表情を見ただけでこの人がどれだけ本気で俺たちのことを心配してくれているのかわかる気がした。

 

「それで、どうしたんでマス、アッシが力になれることならなんでも任せてほしいでマス」

「ありがとう日暮さん、ごめんね、開店前の忙しい時間に急にお邪魔しちゃって」

「あぁ、そのことなら気にしないでほしいでマス、実は今日仕入れ先の担当の方が来て打ち合わせの予定だったんで臨時休業にする予定だったんでマス。まだ約束の時間まで余裕もあるし、ゆっくり話してほしいでマス」

 

 俺とロックマンはゆっくりと考えていたことを日暮さんに話した。時々俺が先走ったりするときはロックマンが軌道修正してくれたりしながら話をしていくうちにだんだんと日暮さんの表情が険しくなっていった。全部を話し終えたあとでもしばらく無言のまま何かを考え込んでいるようだったけどしばらくして口を開いた。

 

「つまり、まどいさんの正体はWWWの幹部だったんでマスね、でも熱斗君は彼女が悪い人だと思えないと」

「そうなんだ、確かにアクアプログラムを盗んだのは悪いことだと思う、でも人質のことも教えて事件を解決するためのヒントをくれたのはまどいさんだし、あの人がいなかったら俺、取り返しのつかないことをしてたかもしれないんだ」

『まどいさんが汲み取りプログラムは囮で、浄化プログラムのことを教えてくれなかったら、きっと僕たちはそれに気づかず、汚染された水を街中に流してたかもしれないんです。きっとまどいさんはそうならないように、熱斗君に真実を教えてくれたんだと思うんだ』

 

 あの後氷川さんに、もし俺が汲み取りプログラムのバグだけを直したらどうなってたか聞いて、心がゾッとして。良かれと思って一人突っ走った結果、色んな人たちに迷惑をかけていたかもしれない。だから、一言お礼を言いたくてあの後まどいさんを探しても見つけられず、それどころかパパから事件の真相を聞かされた。水道局の事件は囮で、本命は水道局にあったアクアプログラムって奴を狙ったWWWの作戦。そしてオフィシャルは事件の首謀者、WWW幹部の色綾まどいとカラードマンを取り逃がしたことも。

 

『でも、どう考えてもおかしいんです、まどいさんがWWWでアクアプログラムを狙っただけなら、僕たちにヒントを出して二次被害を防いで事件の早期解決をさせる必要はないし。僕たちがオフィシャルよりも早く氷川さんとアイスマンを止めたおかげで、オフィシャルバトラーが逃げる前のカラードマンを発見出来て、もう少しのところまで追い詰めたって』

「どう考えても行動が矛盾してるんだ、俺が事件を解決したことでまどいさん自分の首を自分で絞めてるし、俺にはどうしてもまどいさんが悪い奴だなんて思えないんだ」

 

 俺たちの話をじっくりと聞いてくれていた日暮さんが、ゆっくりと口を開く。

 

「なるほど、事件のあらましはわかったでマス。まどいさんが悪人かどうかは熱斗君から見て不透明なのも。でもオフィシャルでは正式にまどいさんをWWWの幹部として見ているってことはきっと裏付けも済んでるでマス。それに人質を取った今回の作戦の首謀者はまどいさんとして捜査が進んでるってことは結局悪い人に変わりはないんじゃないでマスか?」

 

 そうなんだ、誰が何と言おうとまどいさんはWWWの幹部みたいだし、パパも同じようなこと言ってた。でも一言、「悩んだ時は精一杯悩み抜いて考えがまとまったら、もう一度大人に相談してみなさい、真剣に悩んだ結果ならきっと周りの大人は熱斗の力になってくれるよ」ってアドバイスしてくれたんだ。だからまず、WWWに内部から詳しい日暮さんに確認を取りたかったんだ。

 

「日暮さんは元WWWの団員としてどう思う、本当にまどいさん一人が首謀者で今回の事件を引き起こしたと思う?」

『ごめんなさい、足を洗って真面目にがんばってる日暮さんにこんなこと聞くのも変なんだけど、僕も熱斗君もなにも確認せずに後悔したくないんです』

 

 俺とロックマンは日暮さんに揃って頭を下げる。日暮さんは少しだけ困ったような顔をしていたけど、すぐにいつもの顔に戻っていた。そしてしばらく何かを考えたあとに答えを出してくれた。その表情はどこか吹っ切れたように見えた。

 

「今回の作戦は規模の大きさや明確に狙ったプログラムがあったことも考えて、ただのテロではないでマス。きっとWWWの計画に必要不可欠な作戦だったから、計画の全体像はWWWの幹部よりも上のトップの意向が反映されてるでマス。だから人質を取ったり他の裏工作なんかは組織の多数の人間が関わってて、一番の難しい任務をこなすオペレーターとしてまどいさんが作戦に参加してたんだと思うでマス」

「それじゃ、まどいさんの意思で起こした事件じゃない可能性があるんだね」

「でも、熱斗君。例え計画したのはWWWでも実際にプログラムを盗んだのはまどいさんなんでマスよ、それは熱斗君の道を正しく照らしてくれたとしても変わりはないでマス。どうしてそんなにまどいさんのことを気にするんでマス?」

 

 確かに今までだったらWWWのナビをただ倒せばいいと思っていた。でも、それだけじゃ駄目なんだ。

 

「俺まどいさんに言われたんだ『がんばれヒーロー、みんなを助けてあげて』って」

「確かに、誰かを救うために頑張り続ける熱斗君とロックマンの二人はヒーローみたいなもんでマス、アッシも救われた一人でマス」

 

 そう、ヒーロー。WWWの事件を解決するたびにそう呼ばれたことは何度かあった。

 

「俺ヒーローなんかじゃないって言ったんだ。でも、まどいさんとの最後別れる時『熱斗君は私のヒーローだよ、次会う時は私を助けてね』って言ってたんだ、きっとまどいさんWWWを抜けたがってるんだよ、他の誰でもない俺たちに助けを求めたんだ。俺たち、まどいさんを救えるヒーローにならなくちゃいけないんだ!」

「……そんなことがあったんでマスね」

 

 俺は自分の考えを全部話した。昨日何度もロックマンと相談して二人で悩みに悩んだ答え、日暮さんは黙って最後まで聞いてくれた。日暮さんに全部を話した後、俺たちはしばらく無言のまま時間が過ぎていった。俺の話を聞いてどう思ったんだろうか。やっぱり俺の考えは甘いんだろうか?

 

「わかったでマス、WWWも潰すし、まどいさんもアッシみたいに穏便に足を洗える道がないか一緒に考えるでマス」

「本当!ありがとう日暮さん!」

『日暮さん、本当にありがとうございます!よかったね、熱斗君』

 

 これで心強い味方が出来た。次はパパにも俺の考えを伝えてみよう、どう答えてくれるかわからないけど、俺はやっぱり自分の意思を貫きたい。

 

「熱斗君の覚悟は十分伝わったでマス、アッシも自分の出来ることでWWWと戦って熱斗君をサポートするでマス!」

『やったね、熱斗君、僕たちだけじゃない、一緒に戦ってくれる人がいるんだ』

「そうだなロックマン!」

 

 俺とロックマンが喜んでいると、今度は日暮さんが真剣な顔をして何か悩み始めた。ふと時計を確認すると、俺たちに話しかけてくる。

 

「熱斗君、この後時間あるでマスか?」

「うん、今日はこの後特に用事もないけど……、そろそろお客さん来ちゃうんじゃない?」

「いんや、熱斗君にも関係あるお客さんなんでマス……覚悟を決めたのは熱斗君とアッシだけじゃないってことを見せてあげるでマス、そっちのバックヤードに店内を覗けるカメラのモニターが設置してるでマス。ロックマンと一緒に見ててほしいでマス」

 

 入ったことのない、バックヤードに通されるとそこにはいくつかのモニターが並んでいて、その一つ一つにこの店の様子が映し出されていた。

 

「一つだけ約束してほしいでマス、今からここに来る人の覚悟に免じて、絶対に扉を開けないでほしいでマス。今はまだ君たちと会うことは出来ない人なんでマス。音声も拾えるようになってるから、ここで今日は話を聞くだけにしてほしいでマス。ロックマン、念のため扉のロックを頼むでマス」

『わかりました、お客さんが帰るまで絶対に扉は開けません。いいね、熱斗君』

「当たり前だろ、例えどんな人が来たって俺たちを信じてくれた日暮さんの信用は裏切らないぜ!」

 

 日暮さんは安心したように微笑むと、扉を閉めて店のカウンターに立ち直した。追加でお菓子やお茶もお代わりしていいって言われたから遠慮なくもらう。

 

『こら、熱斗君、いくら食べていいって言われてても食べ過ぎだよ、たぶんこれ日暮さんが休憩中に食べるお菓子でしょ』

「いいのいいの、さっきまで真剣な話してて疲れちゃった、脳が糖分を求めてるんだよ。うまいよこのウエハース」

『でも、誰なんだろうね、熱斗君に会わせられないけど、見てほしい人って』

「さぁ?他に俺たちの味方になってWWWと戦ってくれそうな人なんて心当たりないけど……。チップを優先的に回してくれるお得意さんとかかな?」

 

 そんな風にロックマンと誰が来るか話し合っていると入店を知らせるチャイムの音が。

 

『熱斗君お客さんが来たみたいだよ』

「どれどれ、女の人みたいだけど……!」

 

 スーツにメガネが似合う美人な女の人、初めて見る服装だけど見間違うことなんて絶対にない。あの人は……。

 

「まどいさん……、どうしてここに!?」




『熱斗君』

これから始まる数々の試練を乗り越える序章『1』のストーリーとのこともあり精神的成長の伸びしろが凄い。原作よりも悩んで考える力が付いている。
パパに相談した結果、周りの大人たちを頼ることを覚えた。

『ロックマン』
熱斗君の良き相棒。真剣に悩んでる熱斗君の一番の相談相手。熱斗君の意見を否定せず一番真剣に聞いて、パパや日暮さんに相談してみようと持ちかけた張本人。本当に熱斗君のことを大事に思ってるし、成長している熱斗君を見守るのが自分の使命だと思っている。

『日暮さん』
今作ではより熱斗君の身近で頼りやすい大人として出番が増えている。『1』のボスキャラ、元WWW、チップコレクター、商売人、色んな設定が使いやすい。(独特の喋り方もセリフの書き分け的に楽で出番が増えてしまっている)
戦ってるのは一人じゃないと熱斗君に伝えるため、こっそりと味方を教えた。悩む若者を導くのも大人として、元教師としての責務。

『ナンバーマン』
出番はないが、日暮さんの持ちナビとして画面外で頑張ってる。演算システムは一級品。

『ウエハース』
ヒグレヤのバックヤードに置いてあったお菓子、その昔エグゼコラボでゲーム中使えるロットナンバーが封入されていて、全国のスーパーやコンビニで買えたのだが、作者は食べたことがない。
『3』ではゲーム中に買い食いできる。何十個も連続で食べ続け美味しいとコメントする熱斗君を見ていると胸焼けしてくる。

『原作との相違点』
①熱斗君のネットバトルの腕前が強化されている。
②一連の行動指標が『WWWの野望を打ち砕く』から『WWWの野望を打ち砕き、まどいさんを助ける』に変更。
③メイルちゃんとのヒロインイベントスルー(まどいがバスジャックを起こしておらず、普通にやいとちゃんの誕生日プレゼントを二人で買いに行った。傍から見たらデートなのだが鈍感主人公は普通に買い物に付き合ったくらいにしか考えていない)
デンサンタウンのシナリオは丸々カットマン!
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