烏の戦士の奮闘記   作:クロロンヌ

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つまりはそういうことです。


烏の帰還編
第七話 彼は再び、事件に巻き込まれる


「またこのパターンかよおおおおお………オゴォ!!」

 

灰色のオーロラを利用して、元の世界に戻ったのは良いものの、

上空からパラシュート無しのスカイダイビングという、エゲツない結果となってしまった。

 

「痛ってぇ………、勘弁してくれよ!!」

 

(でも、一応元の世界には戻って来れたから、そこは良しとするが………)

 

「………アレ?」

 

俺は、元の世界に戻ったと思っていたが、周囲を見渡すと、いくつかの違和感を覚えた。

 

(ここってマンションの屋上だよな………どこのマンションなんだ?)

 

(それに、見たこともない建物もあるし。あんな所に飲食店なんてあったっけ?)

 

そう、自分が住んでいたマンションとは、全くかけ離れていた。

おそらく、知らない場所に飛ばされてしまったのだろう。

 

「勘弁してくれよぉ………俺迷子になり易いんだけど?」

 

「………ん?」

 

立地の確認のために下を見渡していると、

黒いフードを被った男がこのマンションに入って来るのが見えた。

何やら不穏な雰囲気を感じるが、俺は別の違和感があった。

 

(あれ、俺って()()()()()()()()()()()()()

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。一体俺の体に何が起きているんだ?)

 

そうこうしている内に、男の姿が見えなくなっていた。

マンションの中に入ったのだろう。

俺も早く下に降りなければ。

 

「そういえば、下に降りるドアってどこに……あ、あったわ」

 

すぐに俺は下に降りるための階段を降りていった。

エレベーターもあったのだが、まあそこは念の為ということで。

 

 

 

 

 

数分後………

 

 

 

 

 

階段を少しずつ降り、ようやく中間部分に降りる所まで来た。

おかしいだろこのマンション!?なんで階数が40もあるんだよ!!

アレか!?これが俗に言うタワーマンションってやつなのか!?

畜生、マジで疲れるんだけど!!

心の中で愚痴っていると、黒いフードを被った男がドアの前で待ち構えていた。

俺は、不審に思い隠れることにした。

いつでも変身できるようにベルトは装着してある。

 

(いったい何を考えてんだアイツ………ん?)

 

よく見てみると、男の手には花束を持っていた。

一見贈り物のように思えたが、もう一方の手を見てそれは間違いであると確信した。

男の手にはナイフがあった。

そこから先は想像しなくても分かることだ。

 

(なるほどなぁ………この場合に打って付けなのはこれだな)

 

俺はクナイの柄と手裏剣がついたバックルをセットした

 

SET

 

変身

 

NINJA

 

俺はニンジャフォームに変身した。

人間相手にはオーバーキルかもしれないが、

生憎この時の俺はそこまでの判断力は無かった。

 

(隠れ身の術)

 

俺は忍術を使い、男の背後に忍び寄る。

そして男がインターホンを鳴らしたタイミングで

 

(当て身!)

 

「ガッ!?」

 

(ついでに腹パンも!!)

 

男の首に当て身をし、そして鳩尾にグーパンを叩き込む。

男は不意打ちされたからか、そのまま失神してしまった。

 

(ヤッベ、そういえば後の事考えてなかった!?)

 

とりあえず変身を解除して、あーでもこの不審者の男どうしよう………?

そう考えていると、ドアが開く音がした。

しまった、どう言い訳したものか………。

 

「はーい、どちら様で………え?」

 

「すいません、ちょっと間違えて………え?」

 

「烏丸、さん………?」

 

「星野、さん?」

 

なんとそこにいたのは、お隣さんである星野さんだった。

何でこんな所に星野さんがいるんだ?

 

「烏丸さん、無事だったんですか!?」

 

「ちょっ、星野さん近い、近いですって!?」

 

「あ、ごめんなさい………じゃなくて!」

 

「別に良いですけど………無事だったってどう言う事ですか?」

 

俺は聞き捨てならない言葉が聞こえたので、星野さんに聞いてみた。

すると星野さんはとんでもない事実を話す。

 

「あの後烏丸さん、行方不明になってたんですよ!」

 

「行方不明?」

 

「そうですよ!あの怪物騒ぎの後、社長と一緒にお礼を言いに行こうとしたらいなくなってて、警察にも捜索をお願いしても見つからないままだったんですよ!?」

 

「えぇ………、ん、ちょっと待てよ?」

 

俺は考えたく無かったが、確認のためにいくつか質問をした。

 

「星野さんは、警察に捜索願を出したんですよね?」

 

「そうですよ!」

 

「それって、いつの話なんですか?

 

「えっと……、3()()()()()()、だったかな?」

 

「………スゥー」

 

そう、つまり俺は、別の世界に飛ばされてから、

3年の時を超えて戻って来てしまったということになる。

流石の俺も、あまりの衝撃の事実に叫ぶしか無かった。

 

 

「はああああああああああ!!!???」

 

 

そして衝撃の事実は連鎖していく。

 

()()()、大きな声が聞こえたけどどうかしたの?」

 

「あ、出て来ちゃダメだよルビー!?」

 

「え………?」

 

ママ?今ちびっ子の声で、ママって言葉が聞こえたのだが?

そう思って後ろを見ると、何とそこには金髪で赤い瞳をした少女と、

同じく金髪で青い瞳をした少年が立っていた。

思わず俺は目を見開いてしまったが、とりあえず今は

 

「星野さん………すいませんが警察を呼んでくれません?」

 

「え、どう言う事ですか?」

 

俺は下の方を指差した。

星野さんは視線を追って見ると、

黒いフードの男が倒れ伏していたので思わず跳ね上がってしまう。

 

「ヒッ⁉︎え、この人どうしたの!?」

 

「いや、実は………」

 

俺は事のあらましを説明した。

俺が屋上から降りたら不審者がドアの前で立っていた事、

その手には花束とナイフを持っていた事、

もしかしたら中にいた人を殺そうとしたのかもしれないと思って不意打ちした事、

そして中にいた人が星野さんだった事、

そして現在に至る。

 

「って感じですね」

 

「そう、だったんだ………」

 

「だから早く警察を呼んで欲しいんですけど………」

 

「分かった、ちょっと待ってて!ほら、ルビーもアクアも中で待ってて!!」

 

「う、うん………」

 

「分かった………」

 

星野さんが警察を呼ぶ中、俺は現実逃避をしていた。

 

(そっか、星野さんって2児の母だったんだなぁ………ん、ちょっと待てよ?)

 

しかしここで、俺はいくつかの疑問点が浮かんだ。

 

(だとしたら星野さんは()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

(見た目からして3〜4歳って仮定した場合、あの子達は少なくとも3年以上前には生まれていると言うことになるけど………、その時星野さんは何歳になるんだ?)

 

(もし、星野さんが俺と同年代と仮定した場合、少なくとも星野さんは1()6()()1()7()()()()()()()()()()()()()()()けど………え、あの人一応アイドルなんだよね?バレたらマズいんじゃないの!?)

 

(これが所謂、芸能界の闇ってヤツなのか………!?)

 

(後そういえば、何でコイツは星野さんの住所が分かったんだ?)

 

(まぁ、ストーカーをしてマンションは分かったんだろうけど、そこから部屋の番号まで割り出せるモノなのか?)

 

(だとすると、コイツは誰かに住所を教えてもらったって事だよな………って事は、ソイツが黒幕だったりするのか?)

 

(あーもう考えることが多過ぎて疲れてくるなぁ………)

 

(早く警察来てくれよ〜もう眠いんだよ俺!!)

 

俺の切実な願いが叶ったのか、警察が到着したようだ。

 

「警察の者です!」

 

「あ、ようやく来た………早くコイツ捕まえてください!」

 

「分かりました。あ、君も事情聴取を受けて欲しんだけど良いかな?」

 

「アッハイ………」

 

こうして俺は警察から事情聴取を受けるのだった。

もう勘弁してくれ………。




ハイ、例のシーンはどうにか回避されました。
さて、本当にこの後どうしよう………?
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